医療法人の監査:簡便的な会計処理を採用している場合の留意点

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はじめに       

11月25日となり、今年も残り1か月余りとなっています。新型コロナウイルス感染症の第3派により、大阪市と札幌市がGo To トラベルの対象から外れることが決まりました。大阪市に事務所がある当事務所でも影響がありそうです。接待を伴う飲食店は午後9時までの営業になるとのこと。今年の忘年会はどうしようか?まだ決めていません。更に追い打ちをかける事態が当事務所では起こっています。当事務所が入居しているテナントビルが空調設備の入替を急きょ行っており、暖房が12月7日(月)まで使えないのです(泣)。先週は暖かくて問題なかったのですが来週からは冷え込みがきつくなりそうで、セーターを着ながら仕事をするか、自宅でできる作業は在宅ワークに切り替えようか気温をみながら考えたいと思っています。

それでは、本題に入ります。

簡便的な会計処理を採用している場合の監査上の留意点

医療法人は簡便的な会計処理を採用できる旨は、前回述べましたが、簡便的な会計処理を採用している場合の監査上の留意点は以下の通りです。

1.医療法人が簡便的な会計処理を採用しているかどうかは、計算書類の利用者が計算書類を理解する基礎として重要な項目であると考えられる(実務指針第39号第19項)。

2.このため、医療法人が簡便的な会計処理を採用している場合、計算書類の重要な会計方針等において当該簡便的な会計処理方法が明瞭に注記されていなければならず、注記が不十分な場合には、監査人は適切な指導を行う必要があることに留意しなければならない。また、理事者確認書においても当該簡便的な会計処理を採用している旨の記載を求めることを検討する必要がある(実務指針第39号第19項)。

3.さらに、計算書類の利用者に特に注意を喚起しておく必要があると認められる場合には、監査人は監査報告書に「強調事項」区分を設け、簡便的な会計処理が採用されている旨を記載する必要があるかを検討することとなる(実務指針第39号第19項)。

4.なお、医療法人会計基準において容認されている簡便的な取扱いを採用せず、原則法のみによって計算書類が作成された場合であっても、医療法人会計基準という財務報告の枠組み自体が準拠性の枠組みとして取り扱われることから、適正表示の枠組みとして取り扱うことはできないことに留意する(実務指針第39号第20項)。

おわりに

簡便的な会計処理を採用→注記→監査報告書に「強調事項」の区分を設けてその旨記載するか検討→どちらにしても準拠性の枠組みとして取り扱われるということです。

適正表示の枠組みか、準拠性の枠組みか、その区分にどれほど意味があるのかについて医療法人の計算書類を利用する方にはそれほど興味がないのではないでしょうか。

恐らく、その区分の違いに関心があるのは、監査報告書にサインをする公認会計士くらいかもしれません。準拠性の枠組みであれば、適正表示の枠組みと比べて監査責任者の責任の度合いが低いと言えます。

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