公認会計士等の異動2025年5月は87社!前年同月50社から大幅増加!

目次
はじめに(当事務所のご紹介と今回のブログの概要)
はじめに(当事務所のご紹介と今回のブログ)
当事務所は、非上場の法定監査・任意監査を専門に行う公認会計士事務所であり、上場会社の監査のご依頼は受けておりません。
当事務所の会計監査対応地域は東京を含む原則全国対応ですが、効率性の観点から、大阪府(主として大阪市を含む北部大阪)、神戸市を含む主として兵庫県南部、京都市を含む京都市周辺地域のご依頼を優先しています。
他方で、当事務所のブログは上場会社の最新の公認会計士等の異動など、監査・税務に関する環境変化については積極的に情報を発信する方針であり、今回は、2025年5月単月の公認会計士の異動社数が87社に達し、前年同月50社から大幅に増加したことについてご紹介します。
会社法監査やその他法定監査・任意監査のご依頼はまだ受け付けておりますので、問い合わせフォームよりお申し込みください。
決算期(特に3月決算)によってはここ数年の公認会計士不足の影響を当事務所も受けており、人的資源に限りがあるためお断りする場合があることをご了承ください。

横田公認会計士事務所ニュース
監査人の規模別異動状況

上記の通り、中小から中小が半数近くの43.7%を占めており、就任監査人が中小監査事務所のケースが72.4%を占めています。
また、今月特有の中小監査事務所が退任し、就任監査人が未定の会社が5社もあり、就任監査人が決まっていないのに退任を発表するという異常事態の会社が目立っています。
上記中小監査事務所が退任し、就任監査人が「未定」という会社は、上場会社等監査人名簿への本登録拒否の通知(または本登録未了)を日本公認会計士協会から受けたため、次年度の監査契約継続が出来なくなったことによります。
横田公認会計士事務所ブログ

監査人の異動理由

やはり半数近くは近年の傾向である、監査報酬の値上げによる中小監査事務所への異動です。
今回の5月特有の上場会社名簿登録拒否(未了)が多いのは、3月決算の会社の決算発表が多いうえに、上場会社名簿登録拒否(未了)の場合は、次年度の監査契約継続が出来なくなるため駆け込みで公認会計士等の異動を発表した会社が多いからです。
「継続監査契約辞退」の中にも、上場会社名簿登録拒否等により辞退した退任監査人が一部含まれています。
横田公認会計士事務所ブログ(会社法の監査実施状況調査について)

アスカ監査法人の上場会社名簿登録拒否について
具体的事例①
株式会社かんなん丸/東証スタンダード(7585)
IR公表日 :2025/05/23
異動年月日:2025/09/26
退任監査人: アスカ監査法人
異動理由:[会計監査人辞任]
当社の会計監査人であるアスカ監査法人は、日本公認会計士協会より上場会社等監査人名簿への登録を拒否されることとなり、当社は2025年5月23日付でその旨の通知を受領いたしました。これにより、同監査法人による当社の監査業務の継続が不可能となったため、今期の監査終了をもって会計監査人が異動することとなりました。
上記のほか、5月の単月でアスカ監査法人が退任した会社は10社あります。5月23日までは、退任理由としては任期満了などと記載した会社がほとんどだったことから、5月23日以前の数日前には日本公認会計士協会から登録拒否の通知を受けたことが想像されます。
アスカ監査法人の2025年1月から5月までの累計での会計監査人退任社数は、16社となります。ほほ全てのアスカ監査法人の上場会社のクライアントは5月末時点で居なくなったのではないかと想像できます。

相変わらず続く監査報酬の値上げによる異動
ここ数年、監査報酬の値上げによる会計監査人の異動が続いていますが、直近の当月も相変わらず異動理由のトップを続けています。
具体的に見てみましょう。
●具体例①
【gooddaysホールディングス株式会社/東証グロース(4437)】
IR公表日 :2025/05/28
異動年月日:2025/06/27
退任監査人: 有限責任あずさ監査法人
就任監査人: きぼう監査法人
異動理由:[任期満了]
当社の会計監査人である有限責任あずさ監査法人は、2025年6月27日開催予定の第10回定時株主総会終結の時をもって任期満了となります。現在の会計監査人については、会計監査が適切かつ妥当に行われることを確保する体制を十分に備えているものの、近年、監査報酬が増加傾向にあることなどを契機として、当社の事業規模に見合った監査対応と監査費用の相当性を考慮の上、複数の監査法人を対象に比較検討してまいりました。
●具体例②
株式会社ソトー/東証スタンダード・名証プレミア(3571)
IR公表日 :2025/05/26
異動年月日:2025/06/25
退任監査人: 有限責任あずさ監査法人
就任監査人: 太陽有限責任監査法人
異動理由:[任期満了]
当社の会計監査人である有限責任 あずさ監査法人は、2025年6月25日開催予定の第154期定時株主総会の終結の時をもって任期満了となります。同監査法人については、会計監査が適切に行われることを確保する体制を十分に備えていると考えておりますが、当社との継続監査年数が長期にわたっていることに加え、当社の事業規模に適した監査対応と監査費用の相当性及び今後の監査報酬に対する動向等総合的に検討した結果、~以下省略
上記のように、監査報酬の増加による異動は、大手から中小、大手から準大手(特に太陽監査法人)への異動は今後も続くことでしょう。

おわりに(2025年1年間の公認会計士等の異動)
先月のブログでお伝えしたように、上場会社監査登録事務所への本登録が認められていない監査法人(みなし登録上場会社等監査人)の中で、アスカ監査法人が正式に日本公認会計士協会から登録拒否を受けたようです。その他登録拒否を受けていないがまだ登録されていない監査法人として、5月に退任した監査法人は
〇ゼロス監査法人
〇監査法人ナカチ
〇監査法人まほろば
などがあります。
3月決算が多い日本の上場会社において監査人の異動が発表される数が一番多いのは5月となります。そのため上記3監査法人とアスカ監査法人を含めた『みなし登録上場会社等監査人』からの異動はほぼ終わった状態かと思われますが、決算期によってはまだ異動について見発表の会社も中には居ることでしょう。
ここ数年の公認会計士等の年間の異動状況は
・2022年・・・249社
・2023年・・・192社
・2024年・・・145社
以上のように減少していましたが、2025年は5月までの累計で2023年を超える異動社数まで増加していることから、再度増加に転じることになりそうです。
有価証券報告書の総会前開示が本格化している上場会社においては、経理・管理部門の能力が比較的弱く、当該部門に費用を費やさない会社は、監査報酬の値上げ傾向が今後も継続し、非上場会社も含めて公認会計士等の異動が高水準で高止まりすると考えられます。


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