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ブログ - 大阪で会計士の監査は横田公認会計士事務所

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請求書の交付がない賃貸借契約・顧問契約等のインボイス対応

カテゴリ: 税務 最終更新日:2022年08月23日(火) 公開日:2022年08月23日(火)

はじめに

令和5年10月1日から消費税のインボイス制度の適用が開始されます。

今回は請求書等の交付がない場合のインボイス対応について取り上げます。

不動産賃貸借契約・顧問契約等の現状

事務所の家賃等については不動産賃貸借契約書を取り交わし、それに基づいて口座振替により支払うのが通常です。特段、請求書等の交付を受け取ってない会社等も多いでしょう。

また、弁護士等に支払う顧問料についても、同様に口座振替により支払い、特に請求書と運お交付を受けていないことも多いかと思われます。

インボイス導入後は、新たな対応が必要になります。

仕入れ税額控除を受けるための対応

契約書に基づき代金決済が行われ、取引の都度、請求書や領収書が交付されない取引であっても、インボイス制度下では仕入れ税額控除を受けるためには、適格請求書の保存が必要となります。

対応①:一定期間の取引について、まとめて領収書の送付を相手先に依頼する。

対応②:契約書に適格請求書として必要な記載事項の一部が記載されており、実際に取引を行った事実を客観的に示す書類とともに保存する。

例えば、口座振替により家賃を支払う場合は、適格請求書の記載事項の一部が記載された契約書とともに、銀行から交付を受けた振込金受取書を保存することにより、請求書等の保存があったものとして、要件を満たすことになります。

また、口座振替の場合は、同じく適格請求書の記載事項の一部が記載された契約書とともに引き落としのあった通帳を合わせて保存することにより要件を満たすことになります。

おわりに

令和5年9月30日以前からの契約である場合には、登録番号、適用税率および消費税額等の適格請求書として必要な記載事項の通知を受けたうえで、

   契約書

   不足事項における通知書

   ①および②だけでは不足する事項に係る書類(例えば振込金受取書)を保存する

各会社等組織にとって、事務負担のより少ないと思われる方法を今後検討いただければと考えます。

以上

横田公認会計士事務所は、非上場の会社法監査、医療法人の会計監査、学校法人の会計監査、労働組合の会計監査など上場会社を除く法定監査・任意監査に特化した監査事務所です。

上場会社を監査している監査法人等と比較し、費用面を抑えて実質的な監査を行うことを基本方針にしています。効率性の高い柔軟な会計監査を行うことが可能です。

監査等のご依頼・ご相談は、問い合わせフォーム(24時間年中無休)にてご連絡ください。以下のアドレスに直接メールされる方は、①お名前・②所属組織・③連絡先・④問い合わせ内容を記載して送信ください。電話でのご依頼の場合も同様の項目をまずはお伝えください。所属組織や連絡先の記載がない問合せはお断りします。

各種法定監査や合意された手続業務・税務顧問のご依頼・ご相談は気軽に問い合わせください。

依頼を伴わないご相談のみの場合は、30分5,000円(税抜)の相談料が発生します。

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中小監査法人の組織内部の実態とは?!会計監査人を選ぶ際の参考に!

カテゴリ: 監査 最終更新日:2022年08月23日(火) 公開日:2022年08月22日(月)

はじめに

過去1年間(~2022年6月末まで)で上場企業の会計監査人の異動は過去最高となっており、228件となっています。

参照)CPAAOB公表 監査人の異動に伴う監査報酬の減額は228件中123件に

このうち、中小監査事務所(主に中小監査法人)は109件の純増となっています。

上場企業全体の中小監査事務所のシェアは初めて20%を超えました。

中小監査事務所(以下中小監査法人)がこれほどまでに会計監査人に選ばれる理由は、主に大手監査法人の監査報酬の値上げに対して、コロナにより業績が良くない企業が監査報酬を維持または値下げするためだと言っても過言ではないでしょう。

そこで、中小監査法人を選ぶ会社等のために、その実態(内部管理体制等)について今回のブログではご紹介したいと思います。

筆者は、中小監査法人での常勤・非常勤での実務経験が5法人以上あり、それぞれの事務所に共通の経営内部の事情についてかなりの程度把握していると自負しています。

中小監査法人とは

参照)自社に適した公認会計士または監査法人を選ぶコツ

上記ブログで規模別の監査事務所を分類していますが、大手監査法人(四法人)及び準大手監査法人(五法人)を除く監査法人です。

このブログでその実態を述べる監査法人は中小監査法人の中でも主に上場会社の監査数が一桁以下の監査法人を主として中小監査法人と呼ぶことにします。

2022年に入り、金融庁の中小監査法人への行政処分がすでに3法人へ

中小監査法人の監査シェアが増加する一方、金融庁の公認会計士監査審査会(以下CPAAOB)の検査の結果、過去にないペースで監査法人の処分が増加しています。

処分理由を抜粋して列挙すると以下の通りです。あまりに処分に対する理由が多数ですべてをご紹介できる状況ではないため、ご興味のある方は直接金融庁の処分理由をご覧ください。

参考)監査法人の処分について:金融庁 (fsa.go.jp)

A監査法人)

・法人代表者及び品質管理担当責任者を含む各社員においては、各人の個人事務所等における非監査業務への従事割合が高く、監査法人における監査の品質の維持・向上に向けた意識が希薄なものとなっている

・法人代表者及び品質管理担当責任者は、監査品質の改善に向けてリーダーシップを発揮していないなど、品質管理のシステムを有効に機能させる態勢を構築する意識が欠如している。

・監査法人の各社員は、自らが関与していない個別監査業務における品質の改善状況を監視する必要性を認識していないなど、法人の業務運営に対する社員としての自覚に欠けている。

・監査法人においては、社員同士が互いに牽制し、監査品質の維持・向上を図る組織風土が醸成されておらず、組織的監査を実施できる態勢となっていない。

・法人代表者及び品質管理担当責任者は、現行の監査の基準に対する理解や、基準が求めている品質管理及び監査手続の水準に対する理解が、自らを含む監査実施者に不足していることを十分に認識していない。

・監査法人は、各社員の合意に基づいて品質管理活動を含む業務運営を行う方針としているにもかかわらず、各社員は、監査法人における現状の品質管理態勢を批判的に検討していないなど、監査品質の維持・向上に貢献していない。

・経営者の主張を批判的に検討していないなど、職業的懐疑心が不足している。

・継続企業の前提に関する検討が不十分、固定資産の減損に係る会計上の見積りの検討が不十分、工事進行基準に対するリスク対応手続が不十分、重要な勘定残高に対するリスク対応手続が不十分、監査チームメンバーの独立性の確認が不十分、重要性の基準値に関する検討が不十分、棚卸立会に係る手続が不十分、内部統制や財務報告に関連する情報システムの理解が不十分、監査役等とのコミュニケーションが不十分など、広範かつ多数の不備が認められる。

B監査法人)

・法人代表者は、法人運営について、法人代表者と審査担当責任者の代表社員2名及び品質管理責任者で重要な審議事項等を検討すれば、他の社員との間で明示的に当該審議事項等の情報を共有する必要はないと考えており、各社員が協働して監査品質の維持・向上を図るという組織風土の醸成に努めておらず、組織的監査が実施できる態勢を構築していない。

・法人代表者は、業容が急速に拡大する中、業務執行社員における十分な監査業務時間の確保が困難になっている状況や、監査補助者全体のスキルの底上げが必要となっている状況において、監査事務所に求められる品質管理の水準を十分に理解していないほか、品質管理態勢を迅速に改善する必要性を認識していない。

・業務執行社員及び監査補助者は、被監査会社及び被監査会社を取り巻く環境に関する変化が生じているにもかかわらず、リスク評価やリスク対応手続を毎期見直すという意識が不足している。

・業務執行社員は、法人全体の監査業務を少人数で分担しており、各々が担当する個別監査業務に割ける時間が限定的であることから、監査補助者が実施した監査手続が適切かどうかを十分に検討できていないなど、監査補助者の実施する監査手続に対する十分かつ適切な指示・監督及び監査調書の深度ある査閲を行う意識が不足している。

・重要性の基準値の検討、収益認識における不正リスクへの対応の検討、仕訳テストの検討、債権の評価に係る会計上の見積りに関する検討、企業作成情報の信頼性の検討、注記の検討、内部統制の評価範囲の検討、グループ監査における監査証拠の十分性及び適切性の検討、関連当事者取引の検討、初年度監査における期首残高の検討及び監査上の主要な検討事項の監査報告書への記載の検討が不十分、さらに、売上高等に係る実証手続、内部統制の運用評価手続、内部統制の不備の評価、情報システムに係る全般統制の評価及び未修正の虚偽表示の評価が不十分など、広範かつ多数の不備が認められる。

C監査法人)

・統括代表社員は、適切な業務管理や監査品質の維持・向上に資する品質 管理に係る最高経営責任者としての責任を負っているにもかかわらず、職業的専門家としての誠実性・信用保持の重要性に対する認識が不足しており、職業倫理の遵守を重視する 組織風土の醸成に向けて、リーダーシップを発揮していない。

・統括代表社員及び品質管理担当責任者においては、業務運営に係る重要な事項に ついて、特定の社員のみで議論すれば足りるものと考えており、内部規程等を適切に整備 し、当該規程等に従って、品質管理のシステムを運用する意識が欠けている。

・監査法人の各社員は、当監査法人所属の社員・職員は豊富な実務経験に基づく十分な能力を有しており、これらの者が実施する監査業務の品質には特段の問題がない ものと思い込んでいる。

・監査法人の各社員は、業務執行社員を含む監査実施者において、現行の品質管理の基準や監査の基準が求める水準の理解が不足する者が存在することを認識できていないほか、他の社員・職員が実施する監査業務について、審査や定期的な検証等を通じて、監査品質の維持・向上を図る意識が不足している。

・全ての個別監査業務において、業務執行社員及び監査補助者に監査の基準に対する理解が不足している状況及び職業的懐疑心が不足している状況が確認され、それらに起因する重要な不備を含めて広範かつ多数の不備が認められている。

・業務執行社員及び監査補助者は、監査の基準や、現行の監査の基準が求める手続の水準 の理解が不足している。特に、収益認識に関する不正リスクの評価及び対応に係る手続に ついての理解が不足している。

・業務執行社員及び監査補助者は、経営者の主張を批判的に検討していないなど、 職業的懐疑心が不足している。

・業務執行社員は、監査補助者を過度に信頼していたことから、監査補助者が適切に業務を実施していると思い込み、監査補助者に対する適切な指示・監督及び監査調 書の深度ある査閲を実施しなかった。

・不正リスクの評価が不適切並びに仕訳テストの検討、繰延税金資産の回収 可能性の検討、事業構造改善引当金の検討、将来計画の見積りの検討、取得原価の再配分 の検討、資産除去債務の検討、セグメント情報に関する注記の検討、内部監査人の利用に 係る検討、内部統制監査の評価範囲の検討及び監査上の主要な検討事項の記載に係る検討 が不十分、さらに、売上高の分析的実証手続、売上原価の実証手続、売掛金の実証手続、 棚卸資産の実証手続、特定項目抽出による試査による実証手続、監査サンプリング及びグ ループ監査に係る監査手続が不十分、くわえて、子会社株式の評価、のれんの評価、構成 単位の固定資産の減損、決算・財務報告プロセスの検証、取締役会等の議事録の閲覧、監 査役等とのコミュニケーション、個人情報の取扱い及び独立性の確認が不十分であるなど、 広範かつ多数の不備が認められる。

上記処分3法人以外の中小監査法人の実態

A監査法人への最初の金融庁の処分理由にある、各社員(会社でいう役員)が各人の個人事務所への従事割合が高く、監査法人の品質管理への関心が希薄であるという状況は多かれ少なかれ、中小監査法人共通の事情であることは間違いありません。

確かに、筆者が関与した中小監査法人でも各社員が個人事務所を持たず、監査品質を重視している中小監査法人もありました。しかし、その監査法人では公認会計士である職員の離職率が高く、いまだに常に求人をしている状況です。

なぜでしょうか?

その答えは大手監査法人のように会社員として公認会計士が仕事に従事するなら、わざわざ中小監査法人を選ぶ必要はなく、大手・準大手監査法人に就職する方が福利厚生面等総合的にメリットがあるからです。

その他の金融庁の処分理由も中小監査法人全体に共通の事項です。

ただし、それが行き過ぎているため上記の三つの監査法人は処分されたわけです。

一方、中小監査法人への監査人の異動が多くなっている現状、今後の金融庁の検査で同様の処分が増えるのは間違いありません。

上記3法人と同様の中小監査法人はまだまだたくさんあります。

おわりに

中小監査法人は民間の会社と違い、公認会計士の資格を持った者が5名以上集まって設立される法人です。

元々、それぞれ個人事務所を持っている公認会計士がほとんどであり、各人の事務所の経営を前提に行っている公認会計士が集まって法人化していることをご理解ください。

金融庁に処分される中小監査法人は上場会社の監査をしている中小監査法人です。筆者の個人事務所のように、会社法や学校法人、医療法人など非上場の会社等のみ監査を行う中小監査法人もたくさんあります。

そのような中小監査法人は、上記の処分3法人に比べて更に各人の個人事務所の経営に従事する割合が高く、監査法人としての品質管理に対する意識は希薄となることは自然なことと考えてください。金融庁の検査がないわけですから、各社員は名ばかりで、それぞれ各社員が監査法人の名を借りて、個人事務所が監査を行うのと何ら違いはありません。

結論として、非上場会社のみ監査している中小監査法人はほぼ90%組織としての品質管理はないと思ってください。

非上場会社の監査で規模がそれほど大きくない会社等の場合は、信頼できる個人の公認会計士事務所または信頼できる中小監査法人の会社を担当する社員の公認会計士を基準に会計監査人を選ぶべきといえます。

※中小監査法人に対するブログ中の見解は筆者の個人的な経験に基づくものであり、すべての中小監査法人に当てはまるものではありません!

以上

横田公認会計士事務所は、非上場の会社法監査、医療法人の会計監査、学校法人の会計監査、労働組合の会計監査など上場会社を除く法定監査・任意監査に特化した監査事務所です。

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監査現場9 2

副業収入300万円以下は事業所得としての申告不可へ!?雑所得に該当!

カテゴリ: 税務 最終更新日:2022年08月18日(木) 公開日:2022年08月18日(木)

はじめに

副業収入は「事業所得」か「雑所得」か?

国税庁は、「所得税基本通達の制定について」の一部改正(案)(雑所得の例示等)に対する意見募集を開始しました。

副業収入を事業所得として課税逃れをするケース

副業にかかわる所得は、雑所得に該当することが基本となるものの、実態としては、事業規模に至らないにもかかわらず、事業所得で申告して青色申告特別控除を適用する、または損失が生じた場合には給与所得と損益通算するなどして課税逃れをしているケースがあるようです。

300万円以下の副業収入は「雑所得」に該当

国税庁の今回の改正案では、「事業所得」と「雑所得」の判定基準も示されています。

「事業所得」と「雑所得(業務にかかわる雑所得)」のいずれに該当するかは、『その所得を得るための活動が、社会通念上事業と称するに至る程度で行っているかどうか』で判定することが原則とされています。

ただし、例外的に、『その所得がその者の主たる所得ではなく、かつ、その所得にかかわる収入金額が300万円を超えない場合』には、特に反証のない限り「雑所得(業務に係る雑所得)」に該当するとされました。

結論として、改正後は、収入金額が300万円以下の副業に係る所得は「雑所得(業務に係る雑所得)」に該当することとなり、事業所得での申告による「青色申告特別控除の適用」や「損失が生じた場合の給与所得等との損益通算」などは行えないことになります。

おわりに

改正案では、収入金額が300万円以下の場合については、特に反証がない限り「雑所得」に該当するとされています。

この点、収入金額が300万円超であれば、自動的に「事業所得」に該当するわけではありません。

収入金額が300万円超の場合には、原則通り、『その所得を得るための活動が、社会通念上事業と称するに至る程度で行っているかどうか』で判定することになります。

最近よく行われている、会社員が副業をして収入金額が300万円以下の場合には、ほとんどのケースで「雑所得」となりそうです。

以上

横田公認会計士事務所は、非上場の会社法監査、医療法人の会計監査、学校法人の会計監査、労働組合の会計監査など上場会社を除く法定監査・任意監査に特化した監査事務所です。

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副業

監査法人より満足度が高く、割安な会計監査をご提供できるのはあと2法人のみ!

カテゴリ: 監査 最終更新日:2022年08月10日(水) 公開日:2022年08月10日(水)

はじめに

大手監査法人をはじめ、監査報酬の値上げが続いている現状です。それと共に規模に見合った監査費用を払いたいという需要が多く、中小監査事務所へ会計監査人を変更する会社等が多くなっています。

参照ブログ)2022年の監査人の交代も高水準!異動理由は監査報酬の見直しが3分の2!

上記ブログの監査人の異動は上場会社の事例ですが、非上場会社等の法定監査においては監査人の異動を公表する義務がないので実態はわかりませんが、同じようなことが起こっているということは容易に推測できます。

当事務所への監査の問い合わせもここ1,2年多くなってきていることから間違いありません。

当事務所の提供する監査の満足度が高い理由と監査法人と比べて割安な報酬で監査を提供できる理由について簡単にご説明いたします。

1.当事務所の会計監査が監査法人と比べて満足度が高い理由

まず、過去のブログでも紹介しておりますが、経理担当者の監査法人に対する不満の一覧が以下です。

参照ブログ)監査法人の経理担当者の不満一覧!会計監査人変更検討のご参考に!

1.監査報酬が高い

2.開示の助言をもらえない

3.新人のOJTにされている感がある

4.メンバーの交代が頻繁で、その都度会社の事情を1から説明するのが煩雑だ

5.主査(インチャージ)が、経理担当者へため口

6.質問しても回答が遅い

7.判断が遅い

8.説明がわかりにくい、不十分である

9.監査役等とのコミュニケーションが不十分である

10.二言目には、審査、審査ばかり

11.監査手続が形式的で、その手続きが当社(法人)に必要か疑問

12.監査責任者は年に数回か来ても直ぐ帰る

上記12項目について、当事務所の監査ではほぼ100%該当がありません。

理由は、当事務所の代表である私自身がすべての判断を迅速に行い、監査メンバーは監査の実務経験10年以上かつ税務の知識も持った固定メンバーで監査を行うからです。

審査についても、私の大先輩で事務所も近く、まだ現役バリバリの公認会計士・税理士の先生に行ってもらいます。高所大所からの審査を行っていただくため、クライアントの利害関係者に影響のない小さな問題についてはすべて説明の上、納得していただいています。

また、税務の知識が豊富なメンバーが多いことから会社の経理の実務にも精通しており、会計処理等のアドバイスも監査を通して頻繁に行うことが可能です。

他の監査法人のメンバーと比べて税務申告書や勘定科目内訳書を作成したことが無いというようなメンバーは居ません。

2.監査報酬が割安な理由

それでは、監査報酬が高くなるのではという疑問を持たれる方もいらっしゃるでしょう。

監査報酬は

   監査単価×監査工数=監査報酬

上記の計算式で見積します。

監査単価については、クライアントの法定監査の状況によりますが、8万円/日~12万円/日です。大手監査法人の場合は15万円/日の場合もあります。

当事務所においても、基本的には監査単価は10万円/日で見積します。

監査法人の場合は、事務職員や他のパートナー(会社の役員)の給与や報酬も監査単価に含まれますので個人の公認会計士事務所より監査単価は高くなります。

大手・準大手・中堅監査法人の場合は、海外提携事務所は支払う提携料も監査単価に含まれます。

また、監査工数については監査法人では当事務所より必ず多くなります。

理由は、実務経験の浅い公認会計士等の場合は同じ監査を行っても時間が多くかかります。これは、会社等の経理についても同じことなのでお分かりになるのではないでしょうか。

また、上場会社の監査をしている監査法人の場合は更に、公認会計士協会のレビュー(いわゆる監査の監査)や金融庁の検査(いわゆる監査の検査)が頻繁にあるため、これらの検査等に対応するための監査調書を作成しなければなりません。現状ではその時間が全体の監査工数の3分の1ほどかかっていると考えてください。要は、上場会社の監査法人の場合、監査工数が3割増加するということです。

上記の説明で、当事務所の監査単価も監査工数も監査法人より安くまたは少なくなることがわかっていただけるでしょう。

当事務所が上場会社の監査を行わないのは、会社等に応じて必要な監査を必要なだけ行いたいからなのです。逆に言うとその組織に不必要な監査を行わないから効率的な時間で監査を実施できるというわけです。

監査を受ける側だけではなく、当事務所のメンバーにおいても効率的な監査を実施することは、メンバー自身の税務クライアントや他の監査クライアントに時間を割けるため好都合というわけです。

おわりに

会社法監査や学校法人の監査、労働組合の監査などここ数年当事務所の監査先も増えてきております。

当事務所の固定メンバーの増員についても努力していますが、監査法人の人手不足もあり、監査の実務経験と税務の実務経験を兼ね備えた人材の確保は簡単ではありません。

当事務所が提供する「満足度が高く、割安な会計監査」を受けられるのは、現状では、あと1社か2社がとなっています。

さらに、3月決算の会社等の法定監査の場合は、依頼いただいても監査日数が多くかかる法人の場合はお断りすることになります。

3月決算以外の法定監査の場合に限り、規模に関係なく1社か2社お受けすることが可能です。お早めにご依頼ください。

最後に自社に適した会計監査人を選ぶコツについてブログに記載していますので、ご興味のある方はリンクのブログを参照ください。

参照ブログ)自社に適した公認会計士または監査法人を選ぶコツ

以上

横田公認会計士事務所は、非上場の会社法監査、医療法人の会計監査、学校法人の会計監査、労働組合の会計監査など上場会社を除く法定監査・任意監査に特化した監査事務所です。

上場会社を監査している監査法人等と比較し、費用面を抑えて実質的な監査を行うことを基本方針にしています。効率性の高い柔軟な会計監査を行うことが可能です。

監査等のご依頼・ご相談は、問い合わせフォーム(24時間年中無休)にてご連絡ください。以下のアドレスに直接メールされる方は、①お名前・②所属組織・③連絡先・④問い合わせ内容を記載して送信ください。電話でのご依頼の場合も同様の項目をまずはお伝えください。所属組織や連絡先の記載がない問合せはお断りします。

各種法定監査や合意された手続業務・税務顧問のご依頼・ご相談は気軽に問い合わせください。

依頼を伴わないご相談のみの場合は、30分5,000円(税抜)の相談料が発生します。

問い合わせ専用E-mail:このメールアドレスはスパムボットから保護されています。閲覧するにはJavaScriptを有効にする必要があります。

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監査現場⑤


CPAAOB公表 監査人の異動に伴う監査報酬の減額は228件中123件に

カテゴリ: 監査 最終更新日:2022年08月03日(水) 公開日:2022年08月03日(水)

はじめに

前回のブログ(2022年7月29日)は、当事務所独自の集計による最新の監査人の異動(2022年1月から2022年7月まで)に関する内容でした。

参照)2022年の監査人の交代も高水準!異動理由は監査報酬の見直しが3分の2!

今回は、公認会計士・監査審査会(以下CPAAOB)が7月15日に公表した2022年版の「モニタリングレポート」をご紹介します。

当該モニタリングレポートでの会計監査人の異動件数の集計は、2021年7月から2022年6月までの1年間となっています。

会計監査人の異動状況

会計監査人の異動件数は、2021年7月からの1年間において合併を除くと228件。前年同期より21件増加し、過去5年間で最多となったとのこと。

監査法人の規模別では、大手から移動する傾向が継続とし、

大手は△140件、準大手は+31件、中小は+109件の純増減となったとのことです。

2022年3月末の上場国内会社数における監査事務所の規模別シェア

中小監査事務所が過去5年間で初めて全体の20%を超え、監査の担い手としての役割が増大しています。

大手・準大手・中小の各シェアは、

・大手63.8%(前年67.5%)

・準大手15.7%(前年14.1%)

・中小20.5%(前年18.4%)

この結果に対しCPAAOBは、中所監査事務所に対する検査で、業務実施態勢が十分でないものも見受けられるため「監査品質の維持・向上が喫緊の課題」として、中小への検査をより重視した運用を行う方針を示しています。

会計監査人の異動理由

「監査報酬」と「監査対応と監査報酬」の2つで全体の半数以上を占めています。

監査人の異動に伴い監査報酬が減少した事例は昨年より約6割増加。異動前後の監査報酬が公表されている198件中123件にのぼる。特に大手から中小へ異動した約8割で監査報酬が減少しています。

CPAAOBの監査事務所の総合評価で勧告に該当するのは3件増加

CPAAOBの検査結果を踏まえ、監査事務所の業務運営の状況を5段階で示す「総合評価の状況」は図表の通り

区分(総合評価)

大手監査法人

準大手監査法人

中小監査事務所
良好である
概ね良好である 4 3
良好であるとは認められない 5 6
良好でない 6
著しく不当 8

※モニタリングレポートを基に作成

「良好である」に該当する監査事務所は0だったほか、金融庁長官に勧告を行う「著しく不当」は、2021年7月からの1年間で前期に比べ3件増加しています。

「総合評価の低い中小規模監査事務所においては、法人トップの品質管理に対する意識が十分でない状況がみられるほか、社員及び職員において、会計・監査をめぐる最近の環境変化の認識や現行の監査基準が求める水準の理解が不足している状況がみられている。」とモニタリングレポートでは記載されています。

おわりに

当事務所の前回のブログでも記載していますが、会計監査人の異動のトレンドが大手から準大手・中小へ(個人の公認会計士事務所の共同監査を含む)の波が年々高くなっている状況です。

この背景には、公認会計士業界の人手不足と監査工数の増加に伴う監査報酬の値上げがあり、監査報酬の値上げを抑えたい上場企業が中小監査事務所へ会計監査人を変更し、一方で中小監査事務所は、品質管理を整える時間のない状況で大手から流れる上場企業の監査を引き受けるためCPAAOBの総合評価は低くなるという循環に陥っていると言えます。

しかし、中小監査事務所においてCPAAOBが求める水準の品質管理を整えると間接経費が増加し、現状の値下げした監査報酬では監査を受けられないという矛盾が生じることになります。

さて、この状況がどこまで続くのか、今後2,3年の推移を見守りたいと思っています。

 ※CPAAOBのモニタリングレポートの詳細については以下リング参照

 「令和4年版モニタリングレポート」の公表について (fsa.go.jp)

以上

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都会のビル群

2022年の会計監査人の交代も高水準!異動理由は監査報酬の見直しが3分の2!

カテゴリ: 監査 最終更新日:2022年07月29日(金) 公開日:2022年07月29日(金)

はじめに

2022年の上半期(1月~6月)に会計監査人の交代を公表した上場企業は183社となっています。

当事務所は1月から7月末までに監査人の異動を行う旨を6月末までにIRにて公表した上場企業数及び異動理由を集計しました。

・2019年の会計監査人の交代は1年間で142社

・2020年の会計監査人の交代も1年間で142社

・2021年の会計監査人の交代は1年間で219社

・2022年の会計監査人の交代は約半年間で183社

2021年より監査人の交代が急増しています。2022年もおよそ半年間で183社となり、2021年より増加する勢いです。ただし、およそ半年間で183社となっていますが日本の上場企業の多くが3月決算であり、監査人の交代(異動)は6月末までに行うことから2021年より増加するでしょうが、250社前後になると予想しています。

1.事務所の規模別で見た監査人の異動状況

先ず、大手監査法人、準大手監査法人、中小規模監査事務所の定義は

・大手監査法人・・・あずさ、トーマツ、新日本、PwCあらた

・準大手監査法人・・・仰星、三優、太陽、東陽、PwC京都

・中小監査事務所・・・上記以外

以上が一般的な定義となっています。

183社の監査人の異動を事務所の規模別でみると多い順に

「大手」から「中小」へが82社(構成比44.8%)2021年構成比42.0%

「大手」から「準大手」が39社(構成比21.3%)2021年構成比17.8%

「中小」から「中小」へ31社(構成比16.9%)2021年構成比20.1%

大手監査法人から準大手監査法人・中小監査事務所への異動傾向が2021年同様目立っていますが、更にその傾向が顕著になっています。

2.交代(異動)理由別でみた監査人の異動状況

・監査報酬の見直し(監査継続期間が長期でかつ監査報酬が増加傾向または規模に見合った監査費用など)122社(構成比66.7%)

・新たな視点での監査を期待など(監査費用については触れていない)29社(構成比15.8%)

上記二つの異動理由で全体の82.5%を占めています。

その他の異動理由は、親会社と監査人を統一や不適正な会計を契機に、また監査人員の確保が困難なため辞任するという大手監査法人もあります。

具体例)

株式会社ザッパラス/東証スタンダード(3770)

IR公表日 :2022/06/17

異動年月日:2022/07/27

退任監査人: 有限責任あずさ監査法人

就任監査人: 太陽有限責任監査法人

異動理由:[任期満了]

当社の会計監査人である有限責任あずさ監査法人は、2022年7月27日開催予定の第23回定時株主総会終結の時をもって任期満了となります。当社は、同監査法人より監査業界を取り巻く環境が変化する中、監査品質を確保した監査業務を提供するに当たり人員確保が困難であるとして、任期満了をもって契約更新を差し控えたい旨の申し出を受けておりました。~後、略

おわりに

監査報酬の見直しによる会計監査人の交代(異動)は、公認会計士業界の人員不足の影響も大きいため、まだ数年は続くのではないでしょうか。

2022年の監査人の交代(異動)のトレンドは、2021年に続き「大手」から「中小」へとなっていますが、2022年の上半期においては中小監査法人から個人の公認会計士事務所の共同監査も2件見受けられました。

公認会計士法の改正により、上場会社の監査を行う監査事務所の登録については、公認会計士協会の自主規制による枠組みから法律の下で運用する枠組みに変更されました。

何が変わるのか詳細についてはよくわかりませんが、上場会社の監査の受け皿である監査法人は人員確保が困難となっているのが実情で、個人の公認会計士事務所事務所がその受け皿の一部をになってきている現状は、法律改正と現実とがかい離しているように思えます。個人の公認会計士事務所へもガバナンス・コードの適用や事務所の情報開示を求めるのでしょうか。上場会社の監査制度の理想と現実のギャップが大きくなっているように感じます。

最後に、監査報酬の見直しによる監査人の交代(異動)理由について非常にわかりやすいIRについてご紹介して今回のブログの締めとします。

株式会社ファーストステージ/TOKYO PRO Market(2985)

IR公表日 :2022/06/13

異動年月日:2022/07/01

退任監査人: 有限責任あずさ監査法人

就任監査人: 新月有限責任監査法人

異動理由:[任期満了]

当社は、当社の事業規模に適した監査対応や監査報酬の妥当性について検討した結果、新月有限責任監査法人が当社の求める条件に即した会計監査を行って頂けると判断致しました。このため会計監査人として必要とされる専門性、独立性、品質管理体制の観点から監査が適正に行われると評価したことに加え、当社の事業規模に適した新たな視点での監査が期待できることから、新たに新月有限責任監査法人と監査契約を締結することといたしました。

以上

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東京証券取引所

インボイス制度での免税事業者からの仕入れ税額控除の適用制限の内容と対応

カテゴリ: 税務 最終更新日:2022年07月25日(月) 公開日:2022年07月25日(月)

はじめに

適格請求書等保存方式(インボイス制度)が開始すると、免税事業者からの課税仕入等については、仕入税額控除の適用が期間に応じて制限される。つまり、仕入税額相当額のうち、一定割合は控除できなくなります。

法人税法では、この一定割合の控除できない額について、「対価の額」に含めて課税所得を計算することとされているため、仕入時(経費の支払時)に「対価の額」に含めるための対応が求められます。

ただし、この対応を行うためには会計システムの改修が必要になるため、現状の会計システムでは、仕入時に無理やり対応することなく、決算時に追加処理を行うことも可能となるでしょう。

1.インボイス制度下の免税事業者からの仕入れ税額控除の制限について

『免税事業者からの課税仕入等に係る仕入税額控除の制限まとめ』

期間 仕入税額控除の対象

2023年10月1日~

2026年9月30日

仕入税額相当額の80%

2026年10月1日~

2029年9月30日

仕入税額相当額の50%
2029年10月1日以後 なし

仕入税額控除の対象が、来年(2023年)の10月1日から最初の3年間は、仕入れ税額相当額の80%に、次の3年間は、仕入れ税額相当額の50%に制限され、制度開始後6年経過すると仕入税額控除の全額について仕入税額控除を行えなくなります(平成28年改正法附則52,53)。

法人税において、税抜経理で会計処理する場合、インボイス制度下の免税事業者からの課税仕入等で上記の表に応じた仕入税額控除が制限される部分は「仮払消費税等」として仮受消費税等との相殺はできず、対価の額に含めること(=仕入の金額に含める)が、国税庁の「消費税法等の施行に伴う法人税の取扱いについて(法令解釈通達)」(消費税経理通達14の2)に示されています。

2.仕入時の仕訳の具体例

例えば、2023年10月1日以降に商品(本体価格1万円、消費税率10%)を10個、免税事業者から仕入れた場合の仕訳は以下の表のようになります。

①経過措置(80%控除可)期間内

(2023年10月1日~2026年9月30日)

(借)仕入   102,000円/(貸)現金 110,000円

(借)仮払消費税等8,000円/

②経過措置終了後2029年10月1日以降
(借)仕入   110,000円/(貸)現金 110,000円

ただし、上表の①のような仕訳は原稿の会計システムでは1回の仕訳では対応できず、先ずは

(借)仕入   100,000円/(貸)現金 110,000円

(借)仮払消費税等10,000円/

のように現行と同様の仕訳をしてから、史家税額控除が制限される額2,000円本体価格に加算するために、

(借)仕入    2,000円/(貸)仮払消費税等2,000円

という追加仕訳を行うような手順が必要となるのではないでしょうか。

なぜなら、免税事業者等からの課税仕入等に係る仕入税額控除の制限の処理は、単純な税率変更とは異なるため、会計システムの改修コストと改修時間が必要となるからです。

3.経費では仕入税額控除対象外の20%等は雑損失計上にて対応か?!

免税事業者等に経費(交際費等除く)を支払った場合、例えば、免税事業者に消耗品費(本体価格1万円、消費税率10%)を支払った場合、支払時と決算時にそれぞれ次の仕訳を行うことにより、免税事業者等の経費を一括して損金計上し、結果的にその都度仕訳を行うことが無く、また結果的に申告調整も不要となるようです。

①経過措置(80%控除可)期間内

(2023年10月1日~2026年9月30日)

支払時

(借)消耗品費  10,000円/(貸)現金 11,000円

(借)仮払消費税等1,000円/

決算時 (借)雑損失  200円/(貸)仮払消費税等200円
②経過措置終了後2029年10月1日以降
支払時

(借)消耗品費  10,000円/(貸)現金 11,000円

(借)仮払消費税等1,000円/

決算時 (借)雑損失 1,000円/(貸)仮払消費税等1,000円

おわりに

インボイス制度下の免税事業者等からの仕入等については、会計システムが改修費用なく対応できれば良いのですが、そうでなければかなり面倒な会計処理が必要となりそうです。

個人的には、仕入も経費の支払もどちらも免税事業者等への支払については、摘要欄に「免税事業者」と記入し、課税事業者等と同様の税抜仕訳を行った上で、決算時に「免税事業者」で仕訳を抽出し、その支払額の総額の20%(2026年9月30日まで)を下記「決算仕訳」を行うのが一番簡単ではないかと思います。

(借)雑損失  ×××/(貸)仮払消費税等 ×××

以上

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インボイス制度 2

今後改正のリース基準、リース資産を使用権資産として区分表示へ

カテゴリ: 監査 最終更新日:2022年07月18日(月) 公開日:2022年07月18日(月)

はじめに

企業会計基準委員会(ASBJ)は、7月4日のリース会計専門委員会を開催し、改正リース基準のおいての「表示と注記」については、「使用権資産」を固定資産の新しい表示区分として設ける案が示されました。

また、短期リースと少額リースのリースに係る費用の開示は、利用者が有用としている情報ではあるが、作成者側の負担も考慮する意見が出ています。

「使用権資産」の区分を新設し表示か

リース会計専門委員会では、前回に使用権資産の表示について、貸借対照表に「区分表示」または「他の科目に含めて表示し、含めた科目を注記」のいずれかの表示方法が提案されていました。

今回の「使用権資産の表示方法」についての新たな提案は

①固定資産に新しい「使用権資産」の区分を設けて表示する

②-1有形固定資産であるリース資産は有形固定資産に使用権資産として区分表示し、無形固定資産であるリース資産は無形固定資産として区分表示する

②-2リース資産を自ら所有していたと仮定した場合の表示科目に含めて表示する

以上となっています。

日本基準における現行の固定資産の分類は、

有形固定資産、無形固定資産、投資その他の資産の3種類となっています。

①案では、使用権資産(リース資産)を第4の分類として表示することを提案したものとなります。

この提案が賛同されなかった場合、②案にしめす2つのいずれかを選択することとなりました。いずれの案であってもリース資産の種類別に、決算日現在の使用権資産(リース資産)の帳簿価額を注記することとされています。

短期リース・少額リースに係る費用の注記について

表題のいずれのリースに係る費用についても、開示を求める方向が示されています。

財務諸表の利用者側は、企業によるリースの利用によりオンバランスを逃れている可能性を確認するために、この注記を有用とみているようです。

しかし、企業である財務諸表等の作成者側は、重要性がなくオンバランスしていないリースの注記は不要との見解が多数を占めるようです。

おわりに

短期リース・少額リースに係る費用の注記については、意見が分かれるところですが、会計基準本文にこの項目に関する定めを置かず、この項目を注記事項として定めない理由を結論の背景に記載することが今のところ提案されています。

以上

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監査現場9 3

四半期開示を短信に一本化議論!四半期開示の公認会計士の保証はどうなる?!

カテゴリ: 監査 最終更新日:2022年07月12日(火) 公開日:2022年07月12日(火)

はじめに

四半期は維持を短信に一本化するとの議論が始まって、数か月が経ちました。

当事務所のブログでも4月22日にご紹介しました。

過去ブログ)四半期報告書が廃止!四半期決算短信に一本化の方向性!

金融庁のディスクロージャーワーキング・グループ報告でも一本化の具体化に向けた検討課題を挙げているようですが、「法令上の四半期は開示義務(第1・第3四半期)を廃止」との記載があります。

その上で、上場企業が提出する「半期報告書」に対する「監査法人等の保証のあり方」をどう考えるかを、議題の一つとして挙げているようです。

第2四半期のみ短信に一本化しない?

第2四半期は短信に一本化しないのか。気にしている方は多い中、「第1・第3四半期報告書の廃止後に上場企業が提出する「半期報告書」に対する監査法人等の保証のあり方についてどう考えるのか」が現状論点となっています。

保証は「レビュー」か「中間監査」かについて。

グローバル経済から中間監査が受け入れられるのかと疑問を持つ人は多いと思います。海外の場合、半期開示についてはレビューが標準となっています。さらにレビューと監査では訴訟の責任や監査報酬なども焦点となり、会計監査人・企業双方の負担も大きく変わってくるのが現実です。

四半期性報告制度導入前、中間監査を何度も経験しましたが「年に2回監査があるようなものでした。中間監査があったころは逆に作業的に中間監査が期末監査とあまり変わらず大変だった」と記憶しています。

中間監査は年度監査と同様、積極的形式による証明となります。基本的に実証手続である、実査・棚卸立会は実施することとなります。

おわりに

いずれにしても、第2四半期の開示方法と保証のあり方は多くの関係者が注目しているトピックです。第1・第3四半期について、短信のみとなり公認会計士等のレビューが必要となるなるのであれば、第2四半期は、四半期レビュー制度導入前のような半期報告書のような形式となり、中間監査が復活するのか、簡単には収束しない議論ではありますが、その行く末を見注視したいと思います。

以上

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四半期報告書

会計監査人の異動2022年6月は10社!就任監査人が決まらない会社も!

カテゴリ: 監査 最終更新日:2022年07月09日(土) 公開日:2022年07月09日(土)

はじめに

ここ数年、上場会社のIR公表によると監査人の異動が増加していますが、5月の109社から6月は10社へと落ち着いているように見えます。

しかし、元々6月に監査人の異動を公表するのは、4月決算会社が7月の株主総会に向けて取締役会を開催し、会計監査人の異動を決議するケースがほとんどであり、4月決算会社の上場会社の数が極端に少ないことが原因となっています。

それでは、当事務所による集計で昨年2021年5月と6月の監査人の異動を公表した会社数を見てみましょう。

2021年5月・・・102社

2021年6月・・・11社

上記より、2022年6月は昨年より1社減少していますが、5月は昨年より7社増加しています。

監査人の異動が増加傾向であるトレンドに変化はないようです。

では、6月の監査人異動10社の内容を個別に見てみましょう。

大手・準大手・中小監査法人から準大手・中小・個人事務所へ異動のトレンド継続

多い順に

①大手監査法人→準大手監査法人・・・3社

②中法監査法人→中小監査法人・・・2社

③大手監査法人→中小監査法人・・・1社

③準大手監査法人→中小監査法人・・・1社

③中小監査法人→個人事務所の共同監査・・・1社

以上、10社中8社はより小規模な監査事務所へ(中小から中小も含む)異動という最近のトレンド通りとなっています。

残りの2社は、大手監査法人から大手監査法人へが1社、もう1社は中小監査法人が辞任し、就任監査法人が決まっていない会社となっています。

具体的IR情報のご紹介

①HEROZ株式会社/東証プライム(4382)

IR公表日 :2022/06/17

異動年月日:2022/07/28

退任監査人: 有限責任監査法人トーマツ

就任監査人: 太陽有限責任監査法人

異動理由:[任期満了]

「当社の会計監査人である有限責任監査法人トーマツは、~中略~監査環境の変化等により監査報酬が増加傾向にあり今後も増加見込みであることから、当社の企業規模に応じた監査対応と監査報酬の相当性等を踏まえ、総合的な観点で複数の監査法人を対象として比較検討してまいりました。その結果、太陽有限責任監査法人を新たな会計監査人として選任することといたしました。」

太陽有限責任監査法人は、6月の大手監査法人から準大手監査法人への異動3社すべての就任監査法人となっています。

5月も太陽有限責任監査法人の就任が目立ちましたが、準大手監査法人の中で監査人員が一番豊富で、監査報酬が比較的低額なのでしょうか?詳細についてはわかりかねますが、中小監査法人や個人の公認会計士事務所の共同監査への異動も見られる中、かなり積極的に新規監査の受嘱をされているようです。

次のIR事例とともに参考にしてください。

②株式会社ザッパラス/東証スタンダード(3770)

IR公表日 :2022/06/17

異動年月日:2022/07/27

退任監査人: 有限責任あずさ監査法人

就任監査人: 太陽有限責任監査法人

異動理由:[任期満了]

「当社の会計監査人である有限責任あずさ監査法人は、~中略~監査業界を取り巻く環境が変化する中、監査品質を確保した監査業務を提供するに当たり人員確保が困難であるとして、任期満了をもって契約更新を差し控えたい旨の申し出を受けておりました。これに伴い、複数の監査法人より提案を受けることとしました。その結果、太陽有限責任監査法人が、新たな視点での監査が期待できることに加え、専門性、独立性、品質管理体制およびグローバル監査体制を備えているものと判断し、検討を行った結果、適任であると判断いたしました。」

最後の事例は、就任監査人がIR公表までに決まらなかったようです。

③グローム・ホールディングス株式会社/東証グロース(8938)

IR公表日 :2022/06/27

異動年月日:2022/06/28

退任監査人: 赤坂有限責任監査法人

異動理由:[会計監査人辞任]

「当社は2022年5月12日に「特別調査委員会の設置及び2022年3月期決算発表の延期に関するお知らせ」及び同年6月24日に「特別調査委員会の調査報告書受領のお知らせ」を公表いたしました。このような状況下において、本日、赤坂有限責任監査法人から、監査上必要なリスク評価及びリスク対応を適切に実施するための監査工数並びに監査コストが増大し、適切な監査チームの編成が困難との理由から、2022年3月期に係る当社株主総会の継続会終結の時をもって会社法の規定に基づく会計監査人を退任するとともに、第31期事業年度(自2022年4月1日至2023年3月31日)については、第1四半期から、金融商品取引法第193条の2第1項及び第2項に基づく監査証明業務(四半期レビュー業務)を受嘱しない旨の通知がありました。

なお、当社は、第30回定時株主総会では後任会計監査人の選任を議案として提出しておりませんので、後任会計監査人候補者を当社の一時会計監査人に選任すべく必要な手続きを進めるとともに、今後、第31期事業年度の財務計算に関する書類に係る監査業務を行う公認会計士等の選任についても、必要な手続きを進めてまいります。」

この事例は、不適正会計があり、特別調査委員会の調査報告書が提出されています。

今後、一時会計監査人の就任はどうなるのか?各関係者はその行方を注視していることでしょう!

おわりに

監査人の異動のトレンドは

第一波:大手監査法人から準大手監査法人へ

第二派:大手監査法人・準大手監査法人から中小監査法人へ

第三派:中小監査法人から更に規模の小さな中小監査法人へ

第四派:中小監査法人から個人の公認会計士事務所の共同監査へ

現在の会計監査人の異動のトレンドは上記、第一波から第四派までが同時に発生しているようです。

以上のように6月24日のブログにてご紹介しました。

会計監査人:公認会計士不足により中小監査法人も辞任!個人の公認会計士事務所へ変更のトレンドか!?

第一波の受け皿をもっぱら担っている準大手監査法人を今回は6月の監査人の異動の状況よりご紹介しました。

第二派、第三派、第四派については、就任するのが小規模な監査事務所であり、特定の監査事務所が受け皿となることはないでしょう。

このような状況下、2022年5月11日公認会計士法が15年ぶりに改正されました。以下の上場会社等監査人名簿への登録の法制化です。

公認会計士及び監査法人は、日本公認会計士協会による上場会社等監査人名簿への登録を受けなければ、上場会社等の財務書類について監査証明業務を行ってはならないこととする。 (公認会計士法第 34 条の 34 の2関係)

以上の法改正は、すでに各証券取引所の有価証券上場規程等で定められていた、日本公認会計士協会による「上場会社監査事務所登録制度」(2007年制定)を法制化したものであり、実質的には、単なる法制化であり、今後どれほど影響があるのかわかりかねます。

今後の監査人の異動の状況について、トレンドに変化があるか注視したいと思います。

以上

横田公認会計士事務所は、非上場の会社法監査、医療法人の会計監査、学校法人の会計監査、労働組合の会計監査など上場会社を除く法定監査・任意監査に特化した監査事務所です。

上場会社を監査している監査法人等と比較し、費用面を抑えて実質的な監査を行うことを基本方針にしています。効率性の高い柔軟な会計監査を行うことが可能です。

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