公認会計士等の異動 2024年5月は50社、前年同月比では45%減少

はじめに(当事務所のご紹介と今回のブログの概要)

当事務所は、非上場の法定監査・任意監査を専門に行う公認会計士事務所であり、上場会社の監査のご依頼は受けておりません。

当事務所の会計監査対応地域は東京を含む原則全国対応ですが、効率性の観点から、大阪府(主として大阪市を含む北部大阪)、神戸市を含む主として兵庫県南部、京都市を含む京都市周辺地域のご依頼を優先しています。

他方で、当事務所のブログは上場会社の最新の公認会計士等の異動など、監査・税務に関する環境変化については積極的に情報を発信する方針であり、今回は、2024年5月単月の上場会社等の公認会計士等の異動についてご紹介します。

5月は我が国の会社の大半を占める3月決算会社の決算発表集中月であり、6月の株主総会を前に、公認会計士等の異動のIR発表がピークを迎える月となります。

今年は50社が公認会計士等の異動を発表しましたが、その大半の6割が監査費用の増加を受けて監査法人を変更する会社でした。この傾向はここ数年続いています。

監査法人等の人員不足は益々深刻な状況となっており、大手監査法人のみならず中小監査法人でも監査報酬の値上げ圧力が強まっているようです。

ただし、受け皿となる監査法人等は減少トレンド。太陽監査法人を含めこの2年余りで6法人が金融庁から業務改善命令等の処分を受け、準大手の東陽監査法人も金融庁の長期間の検査を受け何らかの問題を内部で抱えているようです。

結果、前年同月91社の公認会計士等の異動のIRと比較し、今年の5月の異動件数は半分近くまで減少しています。

会社法監査やその他法定監査・任意監査のご依頼はまだ受け付けておりますので、問い合わせフォームよりお申し込みください。

決算期(特に3月決算)によってはここ数年の公認会計士不足の影響を当事務所も受けており、人的資源に限りがあるためお断りする場合があることをご了承ください。

横田公認会計士事務所

5月の監査事務所の規模別異動状況の概要

       規模別異動状況会社数割合
大手監査法人から中小監査法人へ17社34%
中小監査法人から中小監査法人へ12社24%
大手監査法人から大手監査法人へ6社12%

①と②の合計58%の会社の異動理由が監査費用の増加を原因とするものです。

上記から浮かび上がることは、②の中小監査事務所でもより規模の大きい中小ほど、監査人員(リソース)不足(監査補助者等へ支払う報酬の高騰)により監査報酬の値上げをせざるを得ないということです。

③の大手から大手監査法人への異動は、監査年数の長期化により会社と監査人との馴れ合いを防ぐという、会社のガバナンス強化というある意味昨今のトレンドに乗っている的な意味合いがあります。

値上げ

大手から中小の某監査法人へ且つ中小の某監査法人から他の中小監査法人へ

さて、某監査法人とは?具体的に会社のIRを見てみましょう。

・玉井商船株式会社/東証スタンダード(9127)

IR公表日 :2024/05/15

異動年月日:2024/06/24

退任監査人: EY新日本有限責任監査法人

就任監査人 OAG監査法人

異動理由:[任期満了]

当社の会計監査人であるEY新日本有限責任監査法人は、2024年6月24日開催予定の第115回定時株主総会の終結の時をもって任期満了となります。同監査法人の会計監査は適切かつ妥当に行われる体制を十分に備えているものと考えておりますが、長年にわたって監査を継続していることから、会計監査人の交代により新たな視点での監査が期待できることに加え、当社の業務内容や事業規模に見合った監査対応及び監査報酬の相当性を総合的に勘案し、複数の監査法人の候補対象者の中から選定いたしました。

・マルシェ株式会社/東証スタンダード(7524)

IR公表日 :2024/05/24

異動年月日:2024/06/22

退任監査人OAG監査法人

就任監査人: 監査法人やまぶき

異動理由:[任期満了]

当社の会計監査人であるOAG監査法人は 2024年6月22日開催予定の第52期定時株主総会の終結の時をもって任期満了となります。現在の会計監査人は会計監査が適切かつ妥当に行われることを確保する体制を十分に備えているものの、当社の事業規模に見合った監査対応及び監査費用の相当性を総合的に勘案した結果、新たに監査法人やまぶきを会計監査人として選任するものであります。

某監査法人は、大手監査法人からは監査報酬の相当性(割安さ)を理由に就任し且つ中小監査法人のY(やまぶき)には、監査費用の相当性(割高さ)を理由に退任しています。

さて、某監査法人の監査報酬は割安なのか?割高なのか?

どちらにしても、監査法人Yが割安な監査報酬を提示したとしか考えられません。

横田公認会計士事務所

公認会計士 3

監査業界の人員不足が原因の異動事例

その他5月は、監査法人の人員不足で契約を辞退する監査法人が4法人ありました。時代の流れを反映した公認会計士等の異動理由です。

具体的にIRを見てみましょう。

・株式会社リミックスポイント/東証スタンダード(3825)

IR公表日 :2024/05/24

異動年月日:2024/06/27

退任監査人: アスカ監査法人

就任監査人: HLB Meisei有限責任監査法人

異動理由:[任期満了]

当社の会計監査人であるアスカ監査法人は、2024年6月27日開催予定の第21期定時株主総会の終結の時をもって任期満了となります。同監査法人については、会計監査が適切かつ妥当に行われることを確保する体制を十分に備えていると判断しておりました。しかし、同監査法人より、監査業界を取り巻く環境が変化する中、監査品質を確保するための人員確保が困難であるとして、任期満了をもって監査契約の継続を辞退したい旨の申し出があったことに伴い、複数の監査法人と面談を行い、当社グループの事業規模に適した監査体制で会計監査を適切かつ妥当に遂行可能な会計監査人を総合的に検討してまいりました。

上記のほか、仰星、ひびき、RSM清和が同様の理由で監査契約の継続を辞退しています。

まとめ(2024年の公認会計士の異動は100社を下回るペース)

毎年、5月は3月決算会社の公認会計士等の異動のIRのピークとなり、昨年では年間の異動社数のほぼ半数の91社がIRを公表しています。

今年の5月は50社でしたが、1月からの累計で74社と前年同月累計の147社に比べ半減しています。

前年の1年間の異動社数は当事務所集計で194社でした。

このままのペースでは、年間で100社を下回る可能性があります。

ここ数年、公認会計士業界に限らず、人手不足の状況が続いており監査報酬に限らずほぼすべての価格が上昇傾向にあります。

日本の監査報酬は、欧米各国と比べてまだ低い状況にあります。

したがって、今後も監査報酬の増加傾向は続くでしょう

監査費用(報酬)の増加傾向のトレンドは変わりませんが、受け皿となる監査事務所も人員確保が困難な状況で、監査報酬を抑えたい上場会社でも監査費用の増加を受け入れざるを得ません。受け入れなければ市場から退出することになるでしょう。

上場コストを賄えない企業、企業側から言うと上場会社に見合ったディスクロージャーの体制を整備できない企業(つまり監査工数が多くかかる企業)は市場から退出するという良い意味での株式市場の健全化が進んでいるのではないでしょうか。

同様に近年の金融庁の監査法人等への行政処分の多発も、自らの監査事務所の品質管理が出来ない監査事務所は上場会社監査登録事務所から外されることになるのでしょうか。

横田公認会計士事務所は、非上場の会社法監査、医療法人の会計監査、学校法人の会計監査、労働組合の会計監査など上場会社を除く法定監査・任意監査に特化した監査事務所です。

上場会社を監査している監査法人等と比較し、費用面を抑えて実質的な監査を行うことを基本方針にしています。効率性の高い柔軟な会計監査を行うことが可能です。

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