公認会計士の仕事内容(会計監査等)と税理士との違い

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はじめに

公認会計士と税理士は、それぞれ会計や税務に関する業務を行うため、同じような業務を行っている(混同している)方が多いかもしれません。
しかし、それぞれに独占業務があり、その仕事内容は大きく違っています。

公認会計業務と税理士業務の相違点

税理士と公認会計士は、それぞれに該当の資格を取得していないと行うことができない独占業務があります。

公認会計士の独占業務は、組織の「監査」です。
企業等が作成した財務諸表等に重大な誤りがないかどうか、公認会計士が第三者の立場から監査し、評価します。

会計監査業務は公認会計士か監査法人のみ行うことができる独占業務です。

当初は、公認会計士が大企業も含めてすべての企業等を監査していましたが、大企業になると、業務も複雑になり、また、過去に上場企業で粉飾決算が多発し、社会問題となったことも有り、個人の公認会計士の監査ではなく、組織的にチームを組んで監査を行うことが求められるようになりました。

その結果として、会計監査業務を専門に行う組織を「監査法人」と呼びます。

少なくとも5人以上の公認会計士が所属し、チームを組んで大企業の監査に取り組みます。現在では、上場企業の監査の70%はBig4と呼ばれる大手の4大監査法人が監査を行っています。

税理士の独占業務は、「税務代理」「税務書類の作成」「税務相談」の3つです。
税務に関する相談を受け、クライアント(納税義務者)からの依頼を受けて税務申告書の作成や提出の代行などが主な業務となっています。

税理士が所属している事務所は、「税理士事務所」「会計事務所」と名乗ることが多いです。

公認会計士は税理士登録することもできますが、税理士が公認会計士として登録することはできません。

ですので、公認会計士・税理士として「会計事務所」を名乗る公認会計士もたくさんいます。

公認会計士は税理士の「上位資格」と思われる方もいらっしゃいますが、公認会計士試験は「租税法」の科目として数問が問われるのみです。

そのため大手監査法人を含めて、監査法人で監査業務のみしか経験していない公認会計士の税務の知識は一般の方より少し上といった程度でしょう。

ですので、税理士登録して税理士業務を行う公認会計士は「会計事務所」や「税理士事務所」に所属して、税務に関する実務を何年か経験する人が多いのが現状です。

公認会計士の仕事内容

税理士の仕事内容については、自営業の方や確定申告を経験した方ならある程度わかっているのではないでしょうか。

ここでは、公認会計士の仕事内容について詳しく記述します。(興味のある方は読み進めてください)

【監査】

企業から学校法人、公益法人など幅広い対象について、独立した立場から監査意見を表明し、財務情報の信頼性を担保します。監査業務には、法定監査と法定監査以外の監査があります。

(法定監査)

法令等の規定によって義務付けられているものです。主なものは、次のとおりです。

  • 金融商品取引法に基づく監査特定の有価証券発行者等が提出する有価証券報告書等に含まれる財務計算に関する書類(貸借対照表や損益計算書等)には、公認会計士又は監査法人の監査証明を受けなければならないとされています(金融商品取引法第193条の2第1項、同第2項)。
  • 会社法に基づく監査大会社及び委員会設置会社は、会計監査人を置くことが義務付けられています(会社法第327条、同第328条)。また、会計監査人を置く旨を定款に定めれば、すべての株式会社は会計監査人を置くことができます。会計監査人の資格は、公認会計士又は監査法人でなければいけません。
  • 保険相互会社の監査
  • 特定目的会社の監査
  • 投資法人の監査
  • 投資事業有限責任組合の監査
  • 受益証券発行限定責任信託の監査
  • 国や地方公共団体から補助金を受けている学校法人の監査
  • 寄付行為等の認可申請を行う学校法人の監査
  • 信用金庫の監査
  • 信用組合の監査
  • 労働金庫の監査
  • 独立行政法人の監査
  • 地方独立行政法人の監査
  • 国立大学法人・大学共同利用機関法人の監査
  • 公益社団・財団法人の監査
  • 一般社団・財団法人の監査
  • 消費生活協同組合の監査
  • 放送大学学園の監査
  • 農業信用基金協会の監査
  • 農林中央金庫の監査
  • 政党助成法に基づく政党交付金による支出などの報告書の監査
  • 社会福祉法人の監査
  • 医療法人の監査

など

(任意監査)

  • 法定監査以外の会社等の財務諸表の監査(※)
  • 特別目的の財務諸表の監査

※法定監査以外の組織のおいても、その組織の財務情報の透明性・信頼性の保証を受けたい組織は、公認会計士の監査をいつでも受けることは可能です。例えば、マンション管理組合など

【税務】

公認会計士は税理士登録をすることにより、税務業務を行うことができます。

税務業務の事例としては、次のようなものがあります(税理士の仕事内容)。

  • 税務代理(申告、不服申立て、税務官庁との交渉など)
  • 各種税務書類の作成
  • 企業再編に伴う税務処理及び財務調査
  • グループ法人税制、連結納税制度などの相談・助言
  • 移転価格税制、タックスヘイブン税制についての相談・助言
  • 海外現地法人、合弁会社設立を含む国際税務支援
  • その他税務相談・助言

【コンサルティング】

独占業務ではありませんが、監査業務を行って得た経験を活かして、経営戦略の立案から組織再編、システムコンサルティングなど、経営全般にわたる相談・助言を行うことも可能です。

コンサルティング業務の事例としては、次のようなものがあります。

  • 相談業務(会社の経営戦略、長期経営計画を通じたトップ・マネジメント・コンサルティング)
  • 実行支援業務(情報システム・生産管理システム等の開発と導入)
  • 組織再編などに関する相談・助言・財務デューデリジェンス
  • IFRSに関するコンサルティングや業務支援
  • 企業再生計画の策定・検証
  • 統合報告の実施支援
  • 環境・CSR情報の相談・助言
  • 株価、知的財産等の評価
  • Trustサービス(WebTrust、SysTrustの原則及び基準に基づく検証・助言)
  • システム監査、システムリスク監査(システム及び内部統制の信頼性・安全性・効率性等の評価・検証)
  • システムコンサルティング(情報システムの開発・保守・導入・運用・リスク管理等に関するコンサルティング)
  • 不正や誤謬を防止するための管理システム(内部統制組織)の立案・相談・助言
  • 資金管理、在庫管理、固定資産管理などの管理会計の立案・相談・助言
  • コンプライアンス成熟度評価
  • コーポレート・ガバナンスの支援

【組織内会計士】

公認会計士は多くの一般企業等でも活躍しています。

  • 経理業務(財務諸表の作成、M&A、国際税務、連結納税など)
  • 財務業務(財務方針・財務戦略の策定、経営分析結果の経営計画への反映など)
  • IR業務(経営情報の管理・分析・発信など)
  • プロジェクト業務(内部統制の構築、IFRSの導入など)

 おわりに

以上、公認会計士仕事内容と税理士の違いについてお分かりになりましたでしょうか。上記の通り、公認会計士の仕事内容は、経営者・経理・財務部門を主に対象として仕事をしており、その他の営業職や技術職の方と多く接する仕事ではありません。そのため、公認会計士の仕事内容につて社会一般的に認知度が低いといえるのではないでしょうか。

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