賃上げ促進税制改正のポイント

はじめに(当事務所のご紹介と今回のブログの概要)

当事務所は、非上場の法定監査・任意監査を専門に行う公認会計士事務所であり、上場会社の監査のご依頼は受けておりません。

当事務所の会計監査対応地域は東京を含む原則全国対応ですが、効率性の観点から、大阪府(主として大阪市を含む北部大阪)、神戸市を含む主として兵庫県南部、京都市を含む京都市周辺地域のご依頼を優先しています。

他方で、当事務所のブログは上場会社の最新の公認会計士等の異動など、監査・税務に関する環境変化については積極的に情報を発信する方針であり、今回は、令和6年度税制改正において拡充された「賃上げ促進税制」の改正についてご紹介します。

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横田公認会計士事務所

賃上げ促進税制

賃上げ促進税制とは、事業者が一定率以上の賃上げを実施した場合に、賃上げ額の一部を法人税額から控除できる制度です。

平成26年度税制改正により創設され、それ以降、延長または拡充が行われてきました。

令和6年度税制改正においても、強化の上、法人にあっては令和6年4月1日から令和9年3月31日までの間に開始する各事業年度、個人事業主にあっては令和7年から令和9年までの各年に活用可能な税制として延長されました。

今回の改正においては、中小企業向け税制において、欠損金が発生した場合等控除できない年度がある場合にはその後5年間という前例のない期間にわたって“税額控除額”を繰り越すことを可能とする繰越控除措置を導入しました。赤字でも賃上げに挑戦する中小企業の背中を押す制度としたことに加えて、前例のない長期にわたって損失を繰り越すことを可能としたことで、賃上げ促進税制の活用できる中小企業の範囲を大幅に拡大したことは、日本全体の賃上げに向けて、雇用の70%を占める中小企業の賃上げが不可欠となっている中で、重要な改正となっています。

賃上げ促進税制拡充の背景

失われた30年と言われる過去30年間、日本の実質賃金及び名目賃金の伸び率は、特に欧米各国と比較して横ばいとなっています。

一方で、2023年、2024年の日本労働組合連合会(連合)が公表する「春期生活闘争回答集計」によると、2023年は全体で3.58%、2024年は5.10%の賃上げ率となり、直近の賃上げ率は33年ぶりの5%超え!となり高水準の賃上げ率を達成しました。

ただし、インフレ率も高く、毎月のように日用品の値上げが起こっている現状で、インフレ率を超える賃上げ率を達成することは日本全体にとって喫緊の課題となっています。

現状は、デフレ脱却に向けて抜け出すチャンスをつかみ取れるか、後戻りしてしまうかのまさに正念場にあると言えます。

長年にわたり染みついたデフレ心理を払拭し、賃金が上がる事は当たり前との方向に社会全体の意識を変えていくためには、賃上げの後押しをここで緩めてはならないという観点から、賃上げ促進税制を令和4年度税制改正に引き続き強化する必要がありました。

横田公認会計士事務所

税制改正のポイントと最大控除率

今回の税制改正のポイントは、簡単に記載すると以下の5点となります。

①全企業向け税制は、より高い賃上げへのインセンティブ強化に向け、更に高い賃上げ率の要件(5%、7%)を創設

中小企業向け税制は、赤字企業等の賃上げ後押しに向け、前例のない長期となる5年間の繰越控除措置を創設

③地域において賃上げと経済の好循環の担い手として期待される中堅企業向けの新たな枠を創設

④雇用の「質」も上げる形での賃上げの促進に向け

A.教育訓練費を増やす企業への上乗せ措置の要件を緩和

B.子育てとの両立支援、女性活躍支援に積極的な企業への上乗せ措置を創設

措置期間を令和4年度改正による措置期間よりも長期の3年間へ延長

以上となります。

税額控除額は以下の区分により最大控除率が相違します。

1.中小企業

2.中堅企業

3.大企業

上記税額控除を行う場合の実務の詳細は、貴方の顧問税理士にご相談ください。

以上

以上

CPA背景

横田公認会計士事務所は、非上場の会社法監査、医療法人の会計監査、学校法人の会計監査、労働組合の会計監査など上場会社を除く法定監査・任意監査に特化した監査事務所です。

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