“いまさら聞けない”インボイス制度(導入後1年経過)

はじめに(当事務所のご紹介と今回のブログの概要)

当事務所は、非上場の法定監査・任意監査を専門に行う公認会計士事務所であり、上場会社の監査のご依頼は受けておりません。

当事務所の会計監査対応地域は東京を含む原則全国対応ですが、効率性の観点から、大阪府(主として大阪市を含む北部大阪)、神戸市を含む主として兵庫県南部、京都市を含む京都市周辺地域のご依頼を優先しています。

他方で、当事務所のブログは上場会社の最新の公認会計士等の異動など、監査・税務に関する環境変化については積極的に情報を発信する方針であり、今回は、昨年の2023年10月から導入されたインボイス制度について1年が経過したことから「今更聞けないインボイス制度」としてインボイス制度の基本のおさらいを兼ねてご紹介します。

インボイス制度がいまだによくわからないという経理初心者やよくわからないけど経理システム上対応しているので「ま~いいか」といった、あまり基本を知らない実務者の方はご覧ください。

会社法監査やその他法定監査・任意監査のご依頼はまだ受け付けておりますので、問い合わせフォームよりお申し込みください。

決算期(特に3月決算)によっては人的資源に限りがあるためお断りする場合があることをご了承ください。

横田公認会計士事務所

インボイス制度・適格請求書・適格簡易請求書

・インボイス制度の概要

●売り手側:適格請求書発行事業者(課税事業者)は、買い手(課税事業者)から適格請求書(インボイス)の 交付を求められたときは、適格請求書を交付しなければならない。 また、交付した適格請求書の写しを保存しておく必要があります。

●買い手側:仕入税額控除の適用を受けるためには、原則として適格請求書の保存等が必要となる。 ただし、簡易課税制度や2割特例の適用を受ける場合には、保存等がなくても適用可能です。

・適格請求書とは

次の事項を記載した請求書、納品書等の書類のことです。

① 適格請求書発行事業者の氏名又は名称及び登録番号

② 課税資産の譲渡等を行った年月日

③ 課税資産の譲渡等に係る資産又は役務の内容(軽減対象課税資産の譲渡等である場合はその旨も必要)

④ 課税資産の譲渡等に係る税抜価額又は税込価額を税率の異なるごとに区分して合計した金額及び適用税率

⑤ 消費税額等

⑥ 書類の交付を受ける事業者の氏名又は名称

・適格簡易請求書とは

小売業、飲食店業、写真業、旅行業、タクシー業及び駐車場 業(不特定多数の者に駐車場所を提供するものに限る)等については、適格簡易請求書を交付することができます。

適格簡易請求書とは、次の事項を記載した請求書、納品書等の書類をいいます。

① 適格請求書発行事業者の氏名又は名称及び登録番号

② 課税資産の譲渡等を行った年月日

③ 課税資産の譲渡等に係る資産又は役務の内容

(軽減対象課税資産の譲渡等である場合はその旨も必要)

④ 課税資産の譲渡等に係る税抜価額又は税込価額を税率の異なるごとに区分して合計した金額

⑤ 消費税額等又は適用税率

・2割特例とは

基準期間の課税売上金額1,000万円以下(本来は非課税事業者)の適格請求書発行事業者の、令和5年10月1日から令和8年9月30日までの日の属する課税期間については、控除仕入税額を特別控除税額とすることができます。

ここで言う「特別控除税額」とは、課税標準額に対する消費税額から売上げに係る対価の返還等の金額に係る消費税額を 控除した残額の80/100に相当する金額。

あえて簡単に言うと課税売上金額の80%を仕入税額控除できるということです。

インボイス制度

適格請求書の交付義務・交付義務の免除

・交付義務

適格請求書発行事業者は、国内において課税資産の譲渡等を行った場合において、課税資産の譲渡等を受ける他の事業者(免税事業者を除く。)から適格請求書の交付を求められたときは、これを交付しなければならない。ただし、事業の性質上、適格請求書を交付することが困難なものとして一定のものを行う場合は、この限りでない。

・交付義務の免除

次の課税資産の譲渡等を行う場合には、適格請求書の交付義務は免除されます。

① 税込価額が3万円未満の公共交通機関による旅客の輸送

公共交通機関特例

② 出荷者が卸売業者に委託して行う生鮮食料品等の譲渡

(卸売市場特例)

③ 生産者が農協などに委託して行う農林水産物の譲渡

(農協特例)

④ 自動販売機等により行われる譲渡等で税込価額が3万円未満のもの

(自動販売機特例)

⑤ 郵便切手類のみを対価とする郵便の役務又は貨物の運送で郵便ポストに投函されたもの

(郵便切手特例)

横田公認会計士事務所

おわりに(仕入税額控除の書類保存要件)

・原則として、仕入税額控除を受けるためには、帳簿及び請求書等の保存が必要。

・インボイス制度開始後は、原則としてこの請求書等は 適格請求書発行事業者が交付する適格請求書又は適格簡易請求書でなければならないため、免税事業者等からの課税 仕入れについては、仕入税額控除ができません。

・ただし、経過措置により、免税事業者等からの課税仕入れについては、令和8年9月30日までは仕入税額相当額の80%、令和11年9月30日までは仕入税額相当額の50%が控除可能となっています。

以上

CPA背景

横田公認会計士事務所は、非上場の会社法監査、医療法人の会計監査、学校法人の会計監査、労働組合の会計監査など上場会社を除く法定監査・任意監査に特化した監査事務所です。

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