公認会計士等の異動2024年8月は12社(前年同月7社)、中小への異動が大半

はじめに(当事務所のご紹介と今回のブログの概要)

はじめに(当事務所のご紹介と今回のブログ)

当事務所は、非上場の法定監査・任意監査を専門に行う公認会計士事務所であり、上場会社の監査のご依頼は受けておりません。

当事務所の会計監査対応地域は東京を含む原則全国対応ですが、効率性の観点から、大阪府(主として大阪市を含む北部大阪)、神戸市を含む主として兵庫県南部、京都市を含む京都市周辺地域のご依頼を優先しています。

他方で、当事務所のブログは上場会社の最新の公認会計士等の異動など、監査・税務に関する環境変化については積極的に情報を発信する方針であり、今回は、2024年8月単月の上場会社等の公認会計士等の異動についてご紹介します。

公認会計士業界の人員不足(人的リソース不足)による監査報酬の値上げについては近年の異動理由として大半を占めていますが、監査法人の人的リソース不足を理由に辞任(退任)するケースや8月は監査報酬の値上げを理由に中小から中小へ異動するケースが半数を占めています。

監査法人等の人的リソース不足は時を経るにつき深刻な状況となっているのは過去のブログでもお伝えした通りです。

受け皿となる監査法人は中小監査法人一択傾向ですが、その中小監査法人でも辞任が多くなり、株主総会前には就任監査法人が見つからず、総会後に一時会計監査人として他の中小監査法人を選任するケースが目立ってきています。

会社法監査やその他法定監査・任意監査のご依頼はまだ受け付けておりますので、問い合わせフォームよりお申し込みください。

決算期(特に3月決算)によってはここ数年の公認会計士不足の影響を当事務所も受けており、人的資源に限りがあるためお断りする場合があることをご了承ください。

横田公認会計士事務所

監査法人の規模別異動状況・異動理由

異動12社中、中小が受け皿となっているのは10社です。親会社と同一の監査法人へ異動する会社以外はすべて監査報酬の上昇などを理由に異動しており、監査リソース不足等で監査法人等が辞退する会社も4社となっています(一時会計監査人を含め受け皿はすべて中小)。

●監査法人が辞退して総会後に一時会計監査人を選任したケース

株式会社イー・ロジット/東証スタンダード(9327)

IR公表日 :2024/08/19

異動年月日:2024/08/20

就任監査人: アルファ監査法人

異動理由:[一時会計監査人]

当社は、2024年7月25日付「公認会計士等の異動に関するお知らせ」に記載のとおり、当社の会計監査人である監査法人和宏事務所より、2025年3月期に係る監査契約を締結しない旨の通知を受領し、同監査法人は、2024年8月20日開催予定の第25回定時株主総会継続会終結の時をもって退任することとなりました。これに伴い、会計監査人が不在となることを回避し、適正な監査業務が継続される体制を維持するため、本日開催の監査役会において、2024年8月20日付でアルファ監査法人を一時会計監査人に選任することを決議いたしました。

監査リソース不足により辞退の申し出があり監査人を異動したケース

株式会社Birdman/東証グロース(7063)

IR公表日 :2024/08/21

異動年月日:2024/09/26

退任監査人: 監査法人A&Aパートナーズ

就任監査人: 監査法人アリア

異動理由:[任期満了]

当社の会計監査人である監査法人A&Aパートナーズは、2024年9月26日開催の第12期定時株主総会終結の時をもって任期満了となります。2024年4月、現監査人より、監査業界を取り巻く環境が変化する中、監査上必要なリスク評価およびリスク対応を適切に実施するための監査工数および監査コストが増大している状況を踏まえ、2025年6月期に適切な監査チーム編成が困難となっているとの理由から任期満了をもって監査契約の継続を辞退したい旨の申し出がありました。監査等委員会は他の監査法人と比較検討してまいりましたが、当社の事業規模に見合った監査対応および監査費用の相当性を総合的に勘案し、監査法人アリアの規模、内部管理体制等を総合的に検討した結果、人員を含む監査体制が充実しており、当社の経営環境の変化に対応するとともに、内部管理体制より一層の強化に資する会計監査人として適任と判断し、監査法人アリアを会計監査人に選任するものであります。

横田公認会計士事務所

おわりに(監査難民発生はすでに始まっている)

上述のように中小監査事務所への異動が12社中10社と大半を占めているのが現状です。

中でも、ここ数カ月は中小監査事務所から中小監査事務所への異動が半数を占めており、異動理由も単なる監査報酬の値上げではなく、監査リソース不足により、監査法人が次年度の会計監査人を辞退等するケースが顕著に増加しています。

その先にあるものは?就任監査人が見つからず、上場廃止となる会社がそろそろ出てくるのではないでしょうか!

今年になり、公認会計士等の異動は前年同月比減少していましたが、8月は前年同月7社に対して一転増加しました。

その理由としては公認会計士業界の監査リソース不足もありますが、上場会社を監査する監査事務所の品質管理の厳格化すなわち「上場会社等監査人登録制度」の本登録の再申請の期限が9月末を迎え、10月以降本登録できなければ、新たな監査契約が締結できなくなります。

中小監査法人の中には現時点(2024年9月)みなし登録(より厳格な登録制度は2023年4月より開始していますが、それまで上場会社と監査契約をしていた監査法人の事)の監査法人が40事務所を超えており、これらの監査法人が本登録できなければ、新規の年度の監査契約は出来ないため、10月以降は本登録できない監査法人が監査する上場会社の公認会計士等の異動が増加すると考えられます。

いよいよ監査難民による上場廃止の事案が10月以降発生する可能性は低くはありません。

CPA背景

横田公認会計士事務所は、非上場の会社法監査、医療法人の会計監査、学校法人の会計監査、労働組合の会計監査など上場会社を除く法定監査・任意監査に特化した監査事務所です。

上場会社を監査している監査法人等と比較し、費用面を抑えて実質的な監査を行うことを基本方針にしています。効率性の高い柔軟な会計監査を行うことが可能です。

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