フリーランスへの口頭での業務委託はNG(フリーランス法)

はじめに(当事務所のご紹介と今回のブログの概要)

はじめに(当事務所のご紹介と今回のブログ)

当事務所は、非上場の法定監査・任意監査を専門に行う公認会計士事務所であり、上場会社の監査のご依頼は受けておりません。

当事務所の会計監査対応地域は東京を含む原則全国対応ですが、効率性の観点から、大阪府(主として大阪市を含む北部大阪)、神戸市を含む主として兵庫県南部、京都市を含む京都市周辺地域のご依頼を優先しています。

他方で、当事務所のブログは上場会社の最新の公認会計士等の異動など、監査・税務に関する環境変化については積極的に情報を発信する方針であり、今回は、2024年11月1日「特定事業者に係る取引の適正化等に関する法律」(以下フリーランス法)が施行され、これまでに45社(者)に対して指導がなされ、3者(社)に対して勧告がなされていますが、フリーランス法施行後の中小企業等に求められる対応についてご紹介します。

会社法監査やその他法定監査・任意監査のご依頼はまだ受け付けておりますので、問い合わせフォームよりお申し込みください。

決算期(特に3月決算)によってはここ数年の公認会計士不足の影響を当事務所も受けており、人的資源に限りがあるためお断りする場合があることをご了承ください。

横田公認会計士事務所ニュース

フリーランス法とは

フリーランス法とは、組織に所属せず個人で働くフリーランスの労働環境を保護することを目的とした法律です。正式名称は「特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律(フリーランス・事業者間取引適正化等法)」で、2023年4月28日に法案が可決され、2024年11月1日に施行されました。

この法律は、取引において法人よりも立場が弱いフリーランスが、安心して業務に取り組めるよう、発注事業者に対して不当な扱いをしないための遵守事項などを定めています。

    

横田公認会計士事務所ブログ

フリーランス法の対象と目的

  • 対象となる発注事業者(特定業務委託事業者): フリーランスに業務委託を行う事業者で、従業員を雇用している事業者を指します。

従業員を使用する個人事業主や、資本金が1000万円以下の法人も対象となります。

・フリーランス同士の取引(従業員を雇用していない者同士の取引)は対象外です。

・業務委託ではない取引(売買など)や、消費者を相手にする取引も対象外です。

  • 対象となるフリーランス(特定受託事業者): 発注事業者が業務委託を依頼する相手方で、従業員を雇用していない事業者を指します。

・「従業員」とは、週労働時間20時間以上かつ31日以上の雇用が見込まれる者を指し、短時間・短期間で一時的に雇用される者は含まれません。

・法人であっても、役員が1人のみで従業員がいない場合は対象となります。

・副業で業務委託を受けている個人も対象となる場合があります。

  • 目的:フリーランス法は「2人以上」で事業を行う発注者が、「1人だけ」で事業を行う受託者(フリーランス)に業務を委託する際に、その両者の力関係の差に着目し、発注者に対し様々な規制を設けることで、フリーランスを保護している。

横田公認会計士事務所ブログ(2024年5月)

フリーランス法で発注事業者に課される義務

1.契約内容の明示: 業務の内容、報酬の額、支払期日などを書面または電磁的方法で明示する必要があります。

2.報酬の支払い: 報酬の支払期日について、30日以内の支払いが義務付けられる場合があります。

3.禁止行為: 受領拒否、報酬の減額、買いたたき、返品、購入・利用強制など、フリーランスに不利益を与える7つの行為が禁止されています。

4.募集情報の適正化: フリーランスを募集する際、虚偽や誤解を招く表示をせず、正確かつ最新の情報を保つ必要があります。

5.ハラスメント防止措置: フリーランスに対するハラスメント行為に係る相談対応等必要な体制整備等の措置を講じなければならない。

6.就業環境の整備: 妊娠・出産・育児・介護など、フリーランスが業務と両立できるよう配慮することが求められます。

7.中途解除等の事前予告: 6ヶ月以上の継続的な業務委託契約を中途解除する場合や更新しない場合は、原則として30日前までに予告し、理由を開示する必要があります。

おわりに(中小企業に求められる対応)

中小企業にも本法の規制が及びますので、上記の義務をすべて遵守しなければならないことは言うまでもありませんが、同法施行後の指導及び勧告は主に上記1と2の違反に関するものであることを踏まえれば、最初の一歩として、1と2の規制の遵守から始めることも現実的な対応と言えます。

この点、1は要するに、口頭での業務委託はNGであり、書面または電磁的方法により一定の事項を明示せよ、ということです。

必ずしも契約書を作成する必要は無く、発注書でも構いませんし、電磁的方法にメール、SNS、SNS上のDM等が広く含まれます。

2については、「〇月〇日支払」や「毎月末日締切、翌月末日支払」が良い例とされる一方、「〇月〇日まで」や「〇日以内」は具体的な日を特定できないため違反例とされている点に留意ください。

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