新リース会計基準での計上資産は償却資産税の申告は必要か?

目次
はじめに(当事務所のご紹介と今回のブログの概要)
はじめに(当事務所のご紹介と今回のブログ)
当事務所は、非上場の法定監査・任意監査を専門に行う公認会計士事務所であり、上場会社の監査のご依頼は受けておりません。
当事務所の会計監査対応地域は東京を含む原則全国対応ですが、効率性の観点から、大阪府(主として大阪市を含む北部大阪)、神戸市を含む主として兵庫県南部、京都市を含む京都市周辺地域のご依頼を優先しています。
他方で、当事務所のブログは上場会社の最新の公認会計士等の異動など、監査・税務に関する環境変化については積極的に情報を発信する方針であり、今回は、新リース会計基準が適用されれば、原則すべてのリース取引について、借手は資産計上が必要ですが、レンタルサーバー等資産計上されたリース資産において償却資産税の申告が必要となるのか?についてご紹介します。
会社法監査やその他法定監査・任意監査のご依頼はまだ受け付けておりますので、問い合わせフォームよりお申し込みください。
決算期(特に3月決算)によってはここ数年の公認会計士不足の影響を当事務所も受けており、人的資源に限りがあるためお断りする場合があることをご了承ください。

横田公認会計士事務所ニュース
償却資産税とは
償却資産税とは、企業が保持する土地・家屋以外の機材や設備にかかる税金のことです。固定資産税の一種であり、課税標準額が150万円以上の場合に課税されます。なお、償却資産は毎年申告を行い、償却資産台帳へ登録します。
償却資産税の対象とならない資産および申告先
以下は償却資産税の対象外(対象とならない資産)です。

上記及び土地・家屋以外の資産は償却資産税の対象となります。
償却資産税を含む固定資産税は東京23区を除き、市区町村によって課される税金です。したがって、資産が所在する市区町村へ申告や納税を行います。
横田公認会計士事務所ブログ

新リース会計基準での税法上の取扱い
新リース会計基準では、原則すべてのリース取引について、借手の会計処理上は使用権資産とリース負債を計上します。
一方、法人税法上は、いわゆるオペレーティング・リースは賃貸借処理を継続し、リース料に係る債務の確定額(毎月支払いの場合は支払額)を損金算入します。
消費税法上も従来通り、オペレーティング・リースはリース期間にわたりリース料を分割して仕入税額控除を行います。
地方税法上、リース資産に係る償却資産の固定資産税に関しては、オペレーティング・リース、いわゆるファイナンス・リースのいずれも従来通り、所有権移転ファイナンス・リース以外は、資産の所有者となる貸手のリース会社がリース資産を償却資産として申告することになります。
横田公認会計士事務所ブログ(2024年5月)

償却資産税の申告は毎年1月1日時点の資産の所有者
償却資産税の対象の償却資産に係る固定資産税は、その資産の所有者に納税義務が課されます(地法341四ほか)。
固定資産税の納税義務がある償却資産の所有者は、毎年1月1日現在の償却資産の所在や種類、数量、取得時期や取得価額、耐用年数、見積額等を1月31日までに、その償却資産の所在地の市町村長に申告することが必要になります(地法383)。
なお、少額の資産など上記表の償却資産税の対象外の資産については、償却資産として申告する必要はありません。
新リース基準でリース資産における償却資産の申告等は必要か?
新リース会計基準でのリースの定義は、「リースとは、原資産を使用する権利を一定期間にわたり対価と交換に移転する契約又は契約の一部分をいう」とされました(会計基準第6項)。この定義に該当する契約について、リースの借手は、使用権資産及びリース負債の計上を行い、使用権資産に係る減価償却費及びリース負債に係る利息費用を計上する会計処理を行います(短期リース及び少額リースを除く)。わかりやすく言うと、リースで借りている資産も貸借対照表上の資産に計上し、リース料の支払い時に支払リース料で計上するのではなく、減価償却費と支払利息して費用処理を行うということです。
法人税法上、売買取引とされるいわゆるファイナンス・リース(法法64の2の③)で資産の所有権が借手に移ることとなる
●【所有権移転ファイナンス・リース】
においては原則、所有者となる借手がそのリース資産に係る償却資産の申告を行います。
これに対し●【所有権移転外ファイナンス・リース】(法法48の2⑤五)
においては原則、所有者はリース資産の貸手(リース会社)のままとなるため、貸手であるリース会社によって償却資産の申告が行われます。
もちろん法人税で賃貸借取引とされるいわゆる
●【オペレーティング・リース】(法法(案)53)
も同様に、リース資産の所有者は貸手(リース会社)のままであり、リース会社がそのリース資産を償却資産として申告します。
要は、新リース会計基準の適用の有無にかかわらず、従来と同様、あくまで償却資産の申告についてはそのリース資産の所有者が行うことになります。


横田公認会計士事務所ブログ
横田公認会計士事務所ブログ
横田公認会計士事務所は、非上場の会社法監査、医療法人の会計監査、学校法人の会計監査、労働組合の会計監査など上場会社を除く法定監査・任意監査に特化した監査事務所です。
上場会社を監査している監査法人等と比較し、費用面を抑えて実質的な監査を行うことを基本方針にしています。効率性の高い柔軟な会計監査を行うことが可能です。
監査等のご依頼・ご相談は、問い合わせフォーム(24時間年中無休)にてご連絡ください。
以下のアドレスに直接メールされる方は、①お名前・②所属組織・③連絡先・④問い合わせ内容を記載して送信ください。所属組織や連絡先の記載がない問合せはお断りします。
各種法定監査や合意された手続業務・税務顧問のご依頼・ご相談は気軽に問い合わせください。
依頼を伴わないご相談のみの場合は、30分5,000円(税抜)の相談料が発生します。