103万円の壁(所得税の非課税枠)は最大年収160万円まで引き上げ

はじめに(当事務所のご紹介と今回のブログの概要)

はじめに(当事務所のご紹介と今回のブログ)

当事務所は、非上場の法定監査・任意監査を専門に行う公認会計士事務所であり、上場会社の監査のご依頼は受けておりません。

当事務所の会計監査対応地域は東京を含む原則全国対応ですが、効率性の観点から、大阪府(主として大阪市を含む北部大阪)、神戸市を含む主として兵庫県南部、京都市を含む京都市周辺地域のご依頼を優先しています。

他方で、当事務所のブログは上場会社の最新の公認会計士等の異動など、監査・税務に関する環境変化については積極的に情報を発信する方針であり、今回は、衆議院で可決された、税制改正法案の修正によって、「基礎控除の特例」が創設され、実質的に令和7年分と令和8年分の少なくとも2年間は、合計所得金額655万円以下の者の基礎控除の額は年収別に4段階に加算され、このうち年収160万円までは恒久的に所得税の非課税枠が引上げされたことについてご紹介します。

会社法監査やその他法定監査・任意監査のご依頼はまだ受け付けておりますので、問い合わせフォームよりお申し込みください。

決算期(特に3月決算)によってはここ数年の公認会計士不足の影響を当事務所も受けており、人的資源に限りがあるためお断りする場合があることをご了承ください。

横田公認会計士事務所ニュース

所得税の非課税枠(年収の壁)は最大年収160万円まで引上げ

政府が当初国会に提出した令和7年度税制改正法案は、所得税の基礎控除額を48万円から58万円に10万円引き上げるものでした(合計所得金額2,350万円以下の者)。

与党が2月28日に国会に提出した修正案により、さらに年収に応じて基礎控除の額を加算する「令和7年分以後の各年分の基礎控除等の特例」創設されました。

当初改正案の基礎控除の額58万円にそれぞれ上乗せされます。

合計所得金額(給与所得の場合は給与所得控除後の金額)が①「132万円以下」では37万円を加算して基礎控除の額は95万円に、②「132万円超336万円以下」は30万円加算で88万円、③「336万円超489万円以下」は10万円加算し68万円、④「489万円超655万円以下」では5万円加算で63万円となります。

要は所得税の非課税枠は、現行の年収103万円から、合計所得金額132万円以下の基礎控除の額95万円に給与所得控除の額65万円(改正法案により現行の55万円から10万円引上げ)を足した年収160万円まで引き上げられます。

①の合計所得金額132万円以下の基礎控除の額の加算37万円(合計95万円)は高級措置ですが、合計所得金額132万円超から655万円以下の層の加算②30万円・③10万円・④5万円は、令和7年分及び令和8年分の時限措置とされています。

結局、給与収入160万円以下のパートやアルバイトの人などは、基礎控除と給与所得控除の合計160万円の所得税の非課税枠(年収の壁)は令和7年以降続くことになります。

横田公認会計士事務所ブログ

令和7年の年末調整で「基礎控除の特例」を適用

「基礎控除の特例」は令和7年12月1日に施行され、令和7年分の所得税に適用となります。会社員やパート、アルバイトは令和7年12月の年末調整で適用されます。

具体的には、令和7年分の給与等でその最後の支払いが12月1日以後であるものについて、年末調整で「基礎控除の特例」を適用することになります。

個人事業者等は、令和7年分の確定申告で「基礎控除の特例」を適用します

修正案【基礎控除の特例】

※1 ①の上乗せは恒久措置。②③④の上乗せは案では、令和7年分及び令和8年分の時限措置で、令和9年以後は控除額58万円。ただし、今後の国民民主党等との協議により流動的。

※2 基礎控除の特例の対象を給与収入のみでみた場合、①は給与収入200万円相当以下②は200万円相当~475万円相当以下③は475万円相当~665万円相当以下④は665万円相当~850万円相当以下

横田公認会計士事務所ブログ(2024年5月)

おわりに(今後の所得税の改革の方向性)

与党の修正案では「基礎控除の特例」の創設に加え、所得税制度を抜本的に見直す方針等が附則に追記させたことも注目されます(改正法(修正案)附則81)。

具体的には【参考】のとおり、各種所得課税のあり方や各種控除のあり方の見直しを含む所得税の抜本的な改革の検討及び必要な措置を講ずることが示されています。

また、源泉徴収義務者の事務負担への影響も考慮しつつ、物価の上昇等を踏まえて基礎控除等の額を適時に引上げる基本的方向性により、具体的な方策を検討するなどとされています。

【参考】所得税の抜本的な改革に係る措置(改正法(修正案)附則81)

(所得税の抜本的な改革に係る措置) 第81条 政府は、我が国の経済社会の構造変化を踏まえ、各種所得の課税の在り方及び人的控除をはじめとする各種控除の在り方の見直しを含む所得税の抜本的な改革について検討を加え、その結果に基づき、必要な法制上の措置を講ずるものとする。 2 前項の検討に当たっては、基礎控除等の額が定額であることにより物価が上昇した場合に実質的な所得税の負担が増加するという課題への対応について、所得税の源泉徴収をする義務がある者の事務負担への影響も勘案しつつ、物価の上昇等を踏まえて基礎控除等の額を適時に引き上げるという基本的方向性により、具体的な方策を検討するものとする。
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