外国人技能実習生に関する税務

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制度概要と初度対応

【就労可能な在留資格】

<定められた範囲で就労が可能な在留資格>

「教授」、「芸術」、「宗教」、「報道」、「投資・経営」、「法律・会計 業務」、「医療」、「研究」、「教育」、「技術」、「人文知識・国際業務」、 「企業内転勤」、「興行」、「技能」、「技能実習」

<原則としては就労が認められない在留資格>

「文化活動」、「短期滞在」、「留学」、「就学」、「研修」、「家族滞在」

ただし、上記留学生などの場合週28時間までの就労が認められます。

<就労活動に制限が無い在留資格>

「永住者」、「日本人の配偶者等」、「永住者の配偶者等」、「定住者」

【外国人実習生】

母国の送り出し機関から送り出され来日し、日本側受入企業で研修します。

技能実習制度の区分は、企業単独型と団体監理型の受入れ方式ごとに、入国後1年目の技能等を修得する活動(第1号技能実習)、2・3年目の技能等に習熟するための活動(第2号技能実習)、4年目・5年目の技能等に熟達する活動(第3号技能実習)の3つに分けられます。

【受入方式】

「企業単独型」と「団体管理型」の2種類があります。

企業単独型は大企業等一部で利用されていますが、圧倒的に「団体管理型=協同組合による受入管理」によるケースが多いのが現状です。

2018年末では企業単独型の受入れが2.8%、団体監理型の受入れが97.2%(技能実習での在留者数ベース)となっています。

    企業単独型:日本の企業等(実習実施者)が海外の現地法人、合弁企業や取引先企業の職員を受け入れて技能実習を実施する方式

    団体監理型:事業協同組合や商工会等の営利を目的としない団体(監理団体)が技能実習生を受け入れ、傘下の企業等(実習実施者)で技能実習を実施する方式

技能実習生は入国後に、日本語教育や技能実習生の法的保護に必要な知識等についての講習を受けた後、日本の企業等(実習実施者)との雇用関係の下で、実践的な技能等の修得を図ります。

【協同組合による初度対応】

来日研修生の幅広いケアサポート

来日後の役所手続きなどの日常生活に係るサポートなどが行われます。

給与所得の源泉徴収事務

・「給与所得者の扶養控除等申告書」の徴求と社会保険の加入等

基本的には日本人社員の取り扱いと同じです

・どこまでが扶養親族となるのか?

国外居住親族の扶養控除等の現行制度の問題点と令和2年税制改正 (所法2①二十八・三十三の二・三十四)

・年末調整や確定申告時の留意点

「親族関係書類」と「送金関係書類」の取り扱い (年末調整:所法194①七・④⑤) (確定申告:所法120③二、所令262③、所規47の2⑤⑥)

上記の書類が必要となっています。

実習終了(帰国)時の税務

・社会保険の資格喪失手続き

本人が負担してきた厚生年金保険料の取り扱い

母国が日本と社会保障協定を締結している場合としていない場合で異なります。

・厚生年金保険料の還付金(脱退一時金)の税法上の位置付け

退職所得とみなされます(20.42%の源泉徴収あり)。

・脱退一時金の送金と源泉徴収税額の取り扱い

帰国前に行う手続きと帰国後に行う手続きがあります。