ニデック会計不正、回避した減損の検討対象資産は2,500億円規模

はじめに(当事務所のご紹介と今回のブログの概要)

はじめに(当事務所のご紹介と今回のブログ)

当事務所は、非上場の法定監査・任意監査を専門に行う公認会計士事務所であり、上場会社の監査のご依頼は受けておりません。

当事務所の会計監査対応地域は東京を含む原則全国対応ですが、効率性の観点から、大阪府(主として大阪市を含む北部大阪)、神戸市を含む主として兵庫県南部、京都市を含む京都市周辺地域のご依頼を優先しています。

他方で、当事務所のブログは上場会社の最新の公認会計士等の異動など、監査・税務に関する環境変化については積極的に情報を発信する方針であり、今回は、3月3日、ニデックグループで発覚した会計不正問題について、第三者委員会の調査の結果、同社グループの多岐にわたる拠点で多数の会計不正が発見されました。背景には、創業者の永守重信氏ら経営幹部による業績目標達成のための過度なプレッシャーがあったと指摘されています。調査は継続中ですが、減損の検討対象となるのれん及び固定資産の金額は、約2,500億円規模になることが見込まれている事などについてご紹介します。

会社法監査やその他法定監査・任意監査のご依頼はまだ受け付けておりますので、問い合わせフォームよりお申し込みください。

3月決算法人の場合、多くの会社・学校等が3月決算に集中しており、当事務所も3月決算法人のクライアントが多く、当事務所の方針である実務経験豊富な人材による「高品質で柔軟な」監査を行うにはためには人的資源に限りがあるため、まずは問い合わせフォームにて3月決算である旨と株主総会等の日程等について記載ください。

横田公認会計士事務所ニュース

ニデック会計不正の背景

不正の背景として永守氏ら経営幹部による過度なプレッシャーが挙げられています。同社では創業者の永守氏のもと、「赤字は悪」とする経営文化が長年蓄積され、営業利益率10%未満は「赤字」と評価される企業風土があったという。

業績目標は永守氏によるトップダウンで決定され、事業部門や子会社の実力を超える水準のものだった。このようなプレッシャーをかけられる中、売上の早期計上や棚卸資産の評価損の回避などの会計処理により目標達成を図るケースが生じていたようです。

本社の経理部門が連結での業績目標のため、会計不正を主導する例もあったという。

この点、第三者委員会はCFOや経理部門が業績目標達成の責任を負わされるという「理不尽ともいえる状況が」が会計不正の原因として指摘しています。

横田公認会計士事務所ブログ

会計不正の具体例

第三者委員会の調査では、同社グループの複数拠点で棚卸資産や固定資産などに関する会計不正が発見されました。

具体的には、

など多岐に及んでいます。

 第三者委員会の報告書によると、調査で発覚した会計不正の影響額(2025年6月末時点の純資産ベース)は、意図的ではない誤りを含めて1,397億円に及んだ。また、減損の検討対象となる「のれん及び固定資産」の金額は、約2,500憶円規模になることが見込まれているという。

引用:日経新聞2026年3月11日記事「ニデック、さびた金型を新品と偽装 会計不正の手法は7パターン」

横田公認会計士事務所ブログ(2025年8月)

当時の会計監査人PwC京都(現PwC Japan)といびつな関係

ニデックの会計不正の疑義を調べた第三者委員会の報告書により、ニデックと監査を請け負ってきたPwC京都(現PwCジャパン)のいびつな関係が明らかになりました。ニデックはPwC京都を「くみしやすい相手」とみて強引な会計処理を推し進めたほか、不正事案の調査費も負担させていました

ニデックは創業者の永守重信氏による強烈な目標達成へのプレッシャーを背景に、収益性が悪化した資産の減損処理を回避するなど不正な会計処理が横行していた。第三者委員会は不正が相次いだ要因のひとつに「会計監査人に対する不誠実さ」を挙げた。

第三者委によると「監査人から都合の良い意見を引き出そうとする様子が至るところで観察された」という。ニデックの役職員はPwC京都を「説得しやすい相手」「くみしやすい相手」と捉えていた。中でも永守氏は「PwC京都の監査が甘いものであると考えていた」という。

PwC京都は2023年にPwCあらたと合併しました。永守氏は「統合すればニデックがこれまでやってきた会計処理は通用しないだろうという危機感があった」と第三者委員会に答えています。

PwC京都の監査が甘いものであると考えられていた事例

実際、PwC京都はニデックから虚偽の説明をされたり、証拠を隠蔽されたりすることもあった。だが、一部の会計不正はPwC京都も把握していた。

2020年に子会社で架空の売り上げや在庫の二重計上などが発覚した際、内部通報を受けたPwC京都はニデックに調査を要請した。子会社の社長らは本社の役員から強い業績プレッシャーを受けたと証言したが、PwC京都は本社のプレッシャーに関する記述をヒアリングの議事録からなくす修正をした

また、別の子会社で2022年に発覚した会計不正を受け、PwC京都は外部専門家によるフォレンジック調査(社内不正などのインシデント発生時に、デジタルデータを収集・分析し、原因究明や法的証拠の確保を行う調査・分析技術)を要請した。こうしたケースでは通常、調査費用を企業が支払うが、永守氏が費用の半分を監査法人に負担させるよう指示し、PwC京都は本来受け取るべき監査報酬を減額する形で負担を受け入れた。

おわりに

第三者委員会の調査報告書の公表に先立ち、永守氏は2月26日付で同社名誉会長を辞任。

報告書は永守氏の関与・認識について、会計不正を指示・主導した事実は見つからなかったとしつつ、会計不正を計画的に処理する例があることを把握していたとして、「一部の会計不正を容認したとの評価は免れない」と断じています。一連の会計不正の根本には永守氏の経営スタイルの破綻と永守氏に対する牽制の不全があるとして、同社が再生していく上では「永守氏の会社」から脱皮することが重要と指摘しています。

ニデック株式は2025年10月、東京証券取引所から特別注意銘柄に指定されています。同社は、第三者委員会の調査報告書を踏まえて改善計画・状況報告書の改訂を実施し、内部管理体制確認書を東証に提出するとしています。

最後に、今回のPwC京都のように会社から「くみしやすい相手」つまり「寄り添う監査法人」又は「名ばかり監査法人」はPwC京都以外にも、特に中小監査法人では良くみられるのが実情です。

特に、「のれん及び固定資産の減損の回避」については、会社の将来の経営計画に基づいて判断するため、「寄り添う監査法人」or「名ばかり監査法人」で、当該監査対象会社の監査報酬が監査法人の売上に占める金額が大きい場合、第三者として投資家保護の観点で厳しい判断を行うべき公認会計士の本来の姿勢に背いて会社の経営計画を甘く受け入れる傾向があります。

横田公認会計士事務所ブログ(2025年2月)

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