公認会計士等の異動 ’23年12月は2社のみ 就任監査人が未定の会社も
1.はじめに(当事務所のご紹介)
当事務所は、非上場の法定監査・任意監査を専門に行う公認会計士事務所であり、上場会社の監査のご依頼は受けておりません。
当事務所の会計監査対応地域は東京を含む原則全国対応ですが、主には、大阪府(主として大阪市を含む北部大阪)、神戸市を含む主として兵庫県南部、京都市を含む京都市周辺地域のご依頼を優先いたします。
他方で、当事務所のブログは上場会社の最新の公認会計士等の異動など、監査・税務に関する環境変化については積極的に情報を発信する方針であり、今回は、2023年12月の上場会社の公認会計士等の異動についてその理由をご紹介します。
会社法監査やその他法定監査・任意監査のご依頼はまだ受け付けておりますので、以下の問い合わせフォームよりお申し込みください。
2.2社とも大手監査法人が退任
まずは、就任監査人が決まった事例
①アクサスホールディングス株式会社/東証スタンダード(3536)
IR公表日 :2023/12/06
異動年月日:2023/12/06
就任監査人: 監査法人アリア
異動理由:[一時会計監査人]
令和5年11月21日付、「第8期定時株主総会議案の一部取り下げ及び会計監査人の異動に関するお知らせ(開示事項の変更)」で開示しましたとおり、令和5年11月22日付けで当社の会計監査人でありましたPwC Japan有限責任監査法人(旧PwC京都監査法人)が退任いたしました。新たな会計監査人として、有限責任監査法人トーマツとの間で、当社の会計監査業務について協議を進めておりましたが、同監査法人との間で監査実務の業務量とその経済性等の点におきまして最終的な合意には至りませんでした。
→PwC退任後、トーマツに断られ監査法人アリアが一時会計監査人となりました。
直近監査報酬27百万円、その前の期の監査報酬は20百万円であったことから、PwCが監査報酬の増額を提案し、会社が拒んだことから退任したのでしょう。
また、その後大手監査法人のトーマツに打診したようですが、ここでも監査報酬で折り合いがつかなかったと推測されます。
結果、中小監査事務所の監査法人アリアが就任することになったと考えられます。
次に就任監査人が未定の異動(退任のみ発表)
②株式会社アウトソーシング/東証プライム(2427)
IR公表日 :2023/12/08
異動年月日:2023/03/27
退任監査人: 有限責任監査法人トーマツ
異動理由:[任期満了]
当社は、会計監査人である有限責任監査法人トーマツより、2024年3月27日開催予定の第27期定時株主総会の終結の時をもって、任期満了により、当社の会計監査人を退任する旨の通知を受領しました。監査契約の更新について、次年度の監査品質を維持するための体制を組むことが困難として、契約更新の辞退の申し出がありました。現在、後任の会計監査人候補者の選定を開始しておりますので、決定次第速やかにお知らせいたします。
→監査難民(正確には3月27日以降)となっています。ただし、12月の決算期末監査はトーマツが行うことから、3月27日の株主総会でどの監査法人が就任するのかが鍵です。
直近の監査報酬は697百万円と高額な部類であり、直近の売上高は6897億円であることから、大手監査法人または準大手監査法人でないとマンパワー的に監査を引き受けることができないでしょう。
準大手の中でも新規監査の受嘱に積極的だった太陽監査法人は新規契約が3月末までできません。
会社は、なぜ決算期末前のこの段階でトーマツの退任を発表したのでしょうか?
一般的には、会計監査人から退任のする旨の通知があっても、すぐに公表する必要はありません。12月決算の場合、2月15日までの決算短信のIR公表時に同時に後任の監査人を公表します。
なにか不正会計等トーマツが退任の発表を促すような事態があったのか、単に会社が後任の監査人の就任に自信を持っているのか理解しがたい事態になっています。
3.おわりに
②の株式会社アウトソーシングの後任監査人は通常なら2月15日期限の決算短信発表時に公表されるでしょう。
ただし、7000億円近い売上高の規模や7億円に迫る監査報酬の規模となると、監査工数はかなりの工数を要するため、大手監査法人の残り3法人か準大手監査法人の太陽監査法人を除いた監査法人が後任となるのが通常です。
また、なにか予期せぬ重大なニュースが飛び込んでくる可能性もあります。
今後の同社のIRの発表を注視したいと思います。
以上
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