公認会計士等の異動2023年6月は5社!交代理由は監査報酬4社,行政処分1社!
はじめに(当事務所のご紹介)
当事務所は非上場の法人の会計監査のみを行っていますが、非上場の法人の公認会計士等の異動については、公表義務がないため世間一般に公認会計士等が交代しても外部にその情報が伝わることはありません。
したがって当事務所は、上場会社の公認会計等の異動の状況を見ることによりある程度非上場の法人等の公認会計士等の異動状況についても推測することが可能と判断し、上場会社の公認会計士等の異動状況を追跡しています。
当事務所の会計監査の対象地域は原則全国ですが、クライアントの旅費等の負担も考慮すると、実質的には、メイン地域は大阪府(特に大阪市より北部)、神戸市を中心とする兵庫県、京都市を中心とする京都府となります。
大阪府、神戸市近辺、京都市近辺の非上場の法定監査・任意監査についてはまだ対応可能となりますので是非、下記より問い合わせください。
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6月の公認会計等の異動(上場会社)
6月の公認会計士等の異動は5月の80社から大きく減少し5社となりました。理由は、3月決算の決算発表が5月に集中することや6月の株主総会に向けて招集通知の発送準備を主に5月中に行うことなどが理由で、6月の公認会計等の異動は3月決算の場合は交代する監査法人が見つからなかったなど特殊なケースとなります。
また、5社のうち、4月決算の会社も1社ありますが、2社は6月初旬にIRを公表しています。また、前年同月の異動社数は9社であり一見減少しているように見られますが、5月は前年同月より増加しており、公認会計士等の異動の増加傾向は高止まりしていると言えるのではないでしょうか。では、異動内容について見ていきましょう。
●監査法人の規模別異動状況
・中小監査法人から中小監査法人へ・・・3件
・大手監査法人から中小監査法人へ・・・1件
・準大手監査法人から準大手監査法人へ・1件
●異動理由
・監査報酬の値上げ(※)を提案されたから・・・4件
・会計監査人が行政処分を受けたから・・・・・・1件
※監査報酬の値上げの提案については、一般的に次のような交代理由を記載している会社は監査報酬の値上げを提案されたと判断しています。
「当社の事業規模に適した監査報酬の妥当性について複数の監査法人と比較検討した結果...」
参照ブログ)監査報酬の値上げラッシュ!監査報酬が高いと感じたら相談ください!
IR公表事例2社(大手から中小・中小から中小)
●大手から中小へ
日本モーゲージサービス株式会社/東証スタンダード(7192)
IR公表日 :2023/06/05
異動年月日:2023/06/29
退任監査人: 有限責任監査法人トーマツ
就任監査人: 有限責任パートナーズ綜合監査法人
異動理由:[任期満了]
当社の会計監査人である有限責任監査法人トーマツは、2023年6月29日開催予定の第18期定時株主総会の終結の時をもって任期満了となります。現在の会計監査人については、会計監査が適切かつ妥当に行われることを確保する体制を十分に備えていると考えておりますが、監査継続年数が長期にわたることに加え、監査環境の変化による継続した監査報酬の増額が見込まれることから、当社の事業規模に適した監査対応と監査報酬の相当性等を踏まえ、複数の監査法人を対象として総合的に検討した結果、~以下省略
上記は監査報酬の増額の提案を受けたことを明記しています。
●中小から中小へ
マーチャント・バンカーズ株式会社/東証スタンダード(3121)
IR公表日 :2023/06/02
異動年月日:2023/06/28
退任監査人: 南青山監査法人
就任監査人: フロンティア監査法人
異動理由:[任期満了]
南青山監査法人は、会計監査が適切かつ妥当に行われることを確保する体制を十分に備えており、これまでも当社と同法人間で協力的な関係を構築しながら会計監査を実施していただいておりましたが、監査報酬の増額要請を契機に、当社の事業規模に適した監査報酬の妥当性について複数の監査法人と比較検討した結果、~以下省略
上記の中小から中小へも監査報酬の増額提案を受けたことを明記しています。
参照ブログ)平均監査報酬は8年連続増加
おわりに
2021年ころまでは、大手監査法人が監査報酬の値上げを提案し、値上げに対応できない(納得できない?)会社が準大手監査法人や中小監査法人へ会計監査人を変更する事例がほとんどでした。
しかし、2022年から特に2023年には中小監査法人の中でも監査報酬の値上げを提案し、他の中小監査法人へ会計監査人を変更する事例が増加しています。
この背景については、大手監査法人の人員不足のみならず、公認会計士業界全体の人員不足により、公認会計士の人件費が高騰しているためです。
また、働き方改革により、90年代のように公認会計士等職員がサービス残業により監査現場や監査事務所で夜遅くまで監査を行うことが減ったことなども原因でしょう。
このような状況が続くと、監査報酬を単なる経費と考えている会社はその考えを改めない限り(監査費用は社会的費用である)、監査難民となることでしょう。
監査難民とは、会計監査を依頼する監査法人等を探すことが出来ず、会計監査を受けられない、すなわち上場廃止となるということです。
上場廃止になるなら、監査報酬の値上げは受け入れざるを得ず、中小監査法人も今後監査報酬の値上げに踏み切る法人が激増するでしょう。
公認会計士業界のいわゆる売り手市場状態はしばらく続くと予想されます。
参照ブログ)自社に適した公認会計士または監査法人を選ぶコツ!
以上
横田公認会計士事務所は、非上場の会社法監査、医療法人の会計監査、学校法人の会計監査、労働組合の会計監査など上場会社を除く法定監査・任意監査に特化した監査事務所です。
上場会社を監査している監査法人等と比較し、費用面を抑えて実質的な監査を行うことを基本方針にしています。効率性の高い柔軟な会計監査を行うことが可能です。
必見ブログ)→公認会計士等による会計監査は横田公認会計士事務所による「柔軟な会計監査」をご提案!
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