計算書類に関する後発事象の基準日は「監査報告書日」から「経営者確認書日」へ!

はじめに(当事務所のご紹介と今回のブログの概要)

はじめに(当事務所のご紹介と今回のブログ)

当事務所は、非上場の法定監査・任意監査を専門に行う公認会計士事務所であり、上場会社の監査のご依頼は受けておりません。

当事務所の会計監査対応地域は東京を含む原則全国対応ですが、効率性の観点から、大阪府(主として大阪市を含む北部大阪)、神戸市を含む主として兵庫県南部、京都市を含む京都市周辺地域のご依頼を優先しています。

他方で、当事務所のブログは上場会社の最新の公認会計士等の異動など、監査・税務に関する環境変化については積極的に情報を発信する方針であり、今回は、企業会計基準委員会(ASBJ)が、第544回本委員会(4月2日開催)の「後発事象に関する会計基準の開発」の審議で後発事象の基準日について、「監査報告書日」から「財務諸表の公表の承認日」へ変更する方向性が示されたことによる、計算書類に関する後発事象の基準日の文言も変更される方向性であることについてご紹介します。

会社法監査やその他法定監査・任意監査のご依頼はまだ受け付けておりますので、問い合わせフォームよりお申し込みください。

決算期(特に3月決算)によってはここ数年の公認会計士不足の影響を当事務所も受けており、人的資源に限りがあるためお断りする場合があることをご了承ください。

横田公認会計士事務所ニュース

「後発事象の定義」現行の取扱いと国際的な会計基準等

日本の基準の定義(監基報560実1)

後発事象とは、決算日後に発生した会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロ ーの状況に影響を及ぼす会計事象をいい、このうち、監査対象となる後発事象は、監査報告書日までに発生した後発事象のことをいう。

国際会計基準(IFRSの定義

後発事象とは、報告期間の末日と財務諸表の公表の承認日との間に発生する事象で、 企業にとって有利な事象と不利な事象の双方をいう。

米国会計基準の定義

貸借対照表日後、財務諸表が公表される日又は公表が可能となる日よりも前に発生 した事象又は取引

横田公認会計士事務所ブログ

後発事象の基準日が「監査報告書日」で何が問題か!

後発事象の定義に関しては、次の点について、財務諸表に対する二重責任の原則(経営者は、適用される財務報告の枠組みに準拠して、財務諸表を作成する責任を有している。これに対し、監査人は、経営者の作成した財務諸表について意見を表明する責任を有している。)を前提とすると、企業の観点から会計基準の定めを置く必要があると考えられる。

要は、監査報告書日とすると企業の観点からではなく、監査人の観点からのため、会計基準を作成する場合「監査報告書日」では国際的に都合が悪いということでしょう。

会計基準の定めは、監査があることが前提となっていないことが原則であるからということでしょう。

横田公認会計士事務所ブログ(2024年5月)

後発事象の基準日を「財務諸表の公表の承認日」へ

日本基準を国際会計基準の「財務諸表の公表の承認日」とするか米国基準の「財務諸表が公表される日」とするか議論となったようですが、「財務諸表が公表される日」とすると、財務諸表の作成がいつまでも完了しない事となる可能性があるとの理由から、「財務諸表の公表の承認日」とする方向性となりました。

財務諸表の公表の承認日は、財務諸表を公表することを承認する権限を有する社内の機関または個人が公表を承認した日

上記の承認日は結果的に実務上、監査報告書日となると考えられます

会計監査人設置会社の計算書類における後発事象の基準日

会計基準が「財務諸表の公表の承認日」となると、会社法上は「取締役会による計算書類の承認日」と解釈される可能性が高くなりますが、会社法上は会計監査人の監査報告書受領後に、取締役会による計算書類の承認となります

そうなると、後発事象の基準日が監査報告書日より後になるため現行の実務(後発事象の基準日=監査報告書日)を踏襲するための苦肉の策として、「経営者確認書日」を計算書類における後発事象の基準日とするようになるようです。

現行実務上は、監基報第580号「経営者確認書」において「経営者確認書の日付は、監査報告書日とする」とされており、現行の実務からの変更は生じないこととなります。

監査②

CPA背景

横田公認会計士事務所ブログ

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