学校法人の会計処理:未収入金の回収不能と保育料無償化の補助金受領

学校①

●未収入金が回収不能となった場合の処理

学校法人において、前期に計上した授業料等の未収入金が当期において保護者の自己破産等により回収不能が確定した場合の処理については、①徴収不能引当金を計上していた場合と②徴収不能引当金を計上していなかった場合で会計処理が異なります。

また、資金収支計算書上、どのように表示することになるでしょうか。

  ①   徴収不能引当金を計上していた場合

(借)徴収不能引当金      ×××     () 未収入金      ×××

②徴収不能引当金を計上していなかった場合

 (借) 徴収不能額        ×××      (貸)未収入金   ×××

上記はいずれも事業活動収支計算書上で表示されます。

では、資金収支計算書上の表示はどうなるでしょうか。

結論から言うと、未収入金が徴収不能となったとしても、資金の出入りがあったわけではないことから、当該年度の資金収支計算書において、徴収不能となったことを表示することはありません(日本私立学校振興・共済事業団私学経営情報センター編「学校法人の経営に関する実務問答集<改正会計基準対応版>」No.227)。

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●保育料無償化に伴い受領した費用補助の処理

知事所轄学校法人が、保育料無償化に伴う費用補助を受領した。この受領金は、どのような科目で計上することになるでしょうか。

・幼児教育・保育の無償化によって、施設型給付費等の教育・保育給付(私立保育所に係る委託費を除く。)については、保護者から徴収していた利用者負担額が0となり、その同額が公費負担の施設型給付費等に変わっています。この施設型給付費は、施設の運営に標準的に要する費用総額として設定される「公定価格」を基に算出される性質であることを踏まえ、大科目は「補助金収入」として取り扱うことが基本とされ、小科目は「施設型給付費収入」として取り扱うこととされています(内閣府「幼児教育・保育の無償化に関する自治体向けFAQ【2022年11月21日版】」No.17-8【参考資料14】(P.31))。

・ただし、今般の無償化により増額された施設型給付費は、従前まで利用者負担額として保護者から徴収していたことや、施設型給付費が法的には保護者に対する個人給付と位置付けられているものである点を重視して、所轄庁(都道府県知事)の方針の下、大科目を「学生生徒等納付金収入」として取り扱うことも可能とされています。この場合でも、小科目は「施設型給付費収入」とすることが必要とされています(内閣府「幼児教育・保育の無償化に関する自治体向けFAQ【2022年11月21日版】」No.17-8【参考資料14】(P.31))。

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以上

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