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ブログ - 大阪で会計士の監査は横田公認会計士事務所

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税理士事務所を例に働き方改革!コロナ禍でテレワークが必須?!

カテゴリ: 暮しのお役立ち 公開日:2020年09月10日(木)

はじめに

新型コロナウイルスの感染が広がる中、2020年8月、日本感染症学会が「今、日本は第2波のまっただ中にいる」との見解を示したことが報じられました。さらに感染症シーズンの冬場には、第3波が来るとの見通しもあります。

新型コロナウイルスの感染拡大は、税理士事務所の働き方にも大きな影響を与えています。今後を見据え、テレワークや在宅勤務を導入しようと考えている税理士等士業の方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。

この記事では、そのような方へ向けて「コロナ禍でどう対応すべき?税理士事務所の働き方改革!」と題し、お役立ち情報をお届けします。

オンライン会議の上座は?話題になった議論とその顛末

コロナ禍の今、離れた場所でもコミュニケーションがとれるオンライン会議は身近になりつつあります。そうした動きに比例して、オンライン会議にまつわる議論も活発になりました。

たとえば「オンライン会議では何分前に集合したらいいのか?」「服装はどこまで気を付ければいいのか?」など、マナーに関する議論もその一つです。その中でも最近話題を集めたのは、「オンライン会議の上座はどこか?」という議論だそうです。

この議論、当初は新時代到来の足をひっぱる古いマナー意識だとネットニュースで話題になっていたようです。ところが2020年9月、オンライン会議システムの「Zoom」が上座機能を追加したことで状況が一変しました。会議の度に上座の設定で時間をとられていたユーザーのストレスが解消されるとともに、使い勝手がよさそうな機能だとの評判が広まっています。

働き方改革の切り札としてのテレワーク

2017年から、総務省、厚生労働省、経済産業省など複数の中央省庁の連携によって行われている「テレワーク・デイズ」という取り組み。この中でテレワークは働き方改革の切り札として位置づけられています。では、政府の取り組みとして具体的にどのようなことが発表されているのでしょうか。

「テレワーク・デイズ」の発表資料によると、近年のテレワークには2つの変化が見られます。
変化の一つは、制度のあり方です。従来のテレワークは福利厚生的な使われ方であったのに対し、最近では経営戦略として認識されるようになりました。すなわちテレワークは、あればいい制度から、なくてはならない制度へと変化しているのです。

もう一つの変化は、テレワーク制度の対象者です。従来は育児・介護者など一部に限定されていましたが、最近では全社員が対象となりました。テレワーク制度の対象者について、もはや垣根がなくなっています。

また、「テレワーク・デイズ」の発表資料では、テレワークにより生産性が1.6倍向上した事例なども取り上げられています。テレワークは、新型コロナウイルス感染症対策としてはもちろんのこと、生産性向上の面からも導入効果が期待できるのです。

このように働き方改革の切り札として、テレワークは日本全国で大きく推進されています。

税理士事務所のテレワーク実態調査に関する詳しい情報はこちら

コロナ禍で働き方改革が急進!税理士がおさえるべき3つのポイント

では令和の時代、税理士事務所がテレワークや在宅勤務を取り入れる際には、どういった目線が必要なのでしょうか。おさえるべき3つのポイントを順にご紹介いたします。

1:テレワークは、withコロナとafterコロナで考える

withコロナ(ウィズコロナ)とは、ワクチンがまだない中で、3密回避などの手段で感染拡大を防ぐ、現在の状況です。それに対しafterコロナ(アフターコロナ)とは、ワクチンなどである程度コロナ禍をコントロールできるようになった状況を指します。

テレワークを考える際は、withコロナとafterコロナの2つの視点が必要です。つまり、目下の対策と中長期の対策、その両方を検討する必要があります。

たとえば、オンライン会議の導入を検討する際は、顧問先と会うことが制限されているwithコロナの視点から、どのように運用していくかを検討することになるでしょう。加えて、afterコロナの視点から、オンライン会議の運用開始が、長期的に見て顧問先との面会にどのような影響をもたらすかも同時に検討しなければなりません。

2:在宅勤務は、顧問先、事務所、スタッフの三方良しで考える

在宅勤務を導入するかどうか、導入するとしたらどの程度とするか、税理士事務所だけでなく、おそらく日本中の企業が考えていることでしょう。考える際のポイントは、顧問先、事務所、スタッフの三方良しです。

例えば顧問先からオンライン会議ではなく、実際会いたいと要望があったとします。お客様の要望ですから応えないわけにはいきません。しかし同時に、事務所としてのリスクやスタッフの健康面を思うと、戸惑いを感じることもあるのではないでしょうか。

このような場合、顧問先との取引関係を見直し、ときには断る勇気が求められるのかもしれません。コロナ禍においては、お客様ファーストを掲げていればよかった従来と異なり、顧問先、事務所、スタッフの三方良しで考えなければならないのです。

3:基本業務は真っ先にクラウド化を図る

オンライン会議のみならず、インターネットを使って情報をやり取りできるクラウドサービスは、コロナ禍により急速に普及しています。そしてこのようなクラウド化の動きは、働き方改革にも大きな影響を与えています。コロナ禍とクラウド化、この2点は働き方改革が急進している要因となっているのです。

税理士事務所のテレワークや在宅勤務を考えるとき、最大のポイントとなるのは、会計や給与、税務などの基本業務のクラウド化を図るということではないでしょうか。

従来、税理士事務所においては事務所にサーバーを設置するオンプレミスの会計専用機しか選択肢がありませんでした。しかし近年では、安心して利用できるクラウドサービスが登場してきています。その中には、会計、給与、税務など税理士事務所で必要となる業務一式がオールインワンで揃ったクラウドサービスもあります。

顧問先に会うことが制限されている今、オンライン会議のシステムのようなクラウドサービスの活用を検討することも急務ではあります。しかしそれと同時に、税理士事務所においてテレワークや在宅勤務を導入するのであれば、基本業務である会計、給与、税務のクラウド化もそれ以上に大切なのです。

税理士事務所におけるテレワークの実態調査からわかること

実際のところ、テレワークや在宅勤務について税理士事務所ではどのような取り組みがなされているのでしょうか。

いい税理士が集まるメディア「Lanchor(ランカー)」の運営元であるMikatus株式会社では、2020年5~6月にかけて全国の税理士事務所のみなさん177名(うち税理士146名)を対象に、新型コロナウイルス感染拡大の影響とテレワーク導入に関する実態調査を実施しました。

【調査結果のポイント】
●影響を感じている税理士事務所は69%
●過半の税理士事務所がテレワークを導入済み
●85%の税理士事務所は課題があってもテレワークを運用できていると回答

この調査では、過半の税理士事務所がテレワークを導入済みであることが明らかになりました。日本税理士会連合会(日税連)が4月上旬、テレワーク導入を推進する方向性を示したことも、少なからず影響しているものと思われます。

「テレワークを始めるために、どんなクラウドサービスを導入したのか?」「運用している税理士事務所ではどんな課題を抱えているのか?」

おわりに 

多くの税理士事務所にとって、働き方改革とは未知なる領域へのチャレンジともいえるのではないでしょうか。大変な状況ではありますが、苦難に負けず知恵を合わせ工夫してがんばっていきましょう。

成年年齢の引き下げと影響:相続税の未成年者控除の引き下げなど

カテゴリ: 税務 公開日:2020年09月08日(火)

はじめに

成年年齢が、令和4年4月から、現行の20歳から18歳に引き下げられます。約140年ぶりに成年の定義が見直されることで、何が変わるのか、私たちの暮らしにどのような影響がもたらされるのか、今から心構えをしておきましょう。

未成年者控除

相続人が未成年者の場合に相続開始時の年齢に応じて相続税額から一定額を控除する未成年者控除の対象者が、令和4年4月1日以後開始の相続等から18歳未満となります。

これは上記の通り成年年齢が民法の改正により20歳から18歳に引き下げられることによる見直しで、未成年者控除額は「(18歳-相続開始時の年齢)×10万円」で計算することになります。

すでに、未成年者控除を受けたことがあるものが2回目以降で控除できる額は「“最初の相続等に係る控除可能額”からすでに控除を受けた額の合計額を控除した額」すなわち最初の相続税額から引ききれなかった残額となります。

ただ、今回の改正に伴い、最初の相続等が令和4年3月31日までに、2回目以降の相続等が令和4年4月1日以後に開始すると、2回目以降の控除可能額の計算で用いる“最初の相続等に係る控除可能額”は「(18歳-最初の相続開始時の年齢)×10万円」で計算しなおす必要があります。

例えば、1回目の相続が平成30年(2歳、相続税額100万円)に、2回目の相続が令和5年(7歳、相続税110万円)に開始した場合を想定すると、1回目の控除可能額は180万円(=(20歳-2歳)×10万円なので、相続税から控除される額は全額の100万円となります。一方、2回目は、1回目相続時の年齢が18歳に達するまでの年齢で計算しなおした控除可能額160万円(=(18歳-2歳)×10万円)から既往額100万円を引いた額の60万円(=160万円-100万円)が控除される額となります。

尚、このほか民法改正に伴う見直しとして、相続時精算課税制度における受贈者の年齢要件が令和4年4月1日以後の贈与から18歳以上になります。

おわりに(その他何が変わる?)

成年に達すると、未成年のときと何が変わるのでしょうか。
民法が定めている成年年齢は、「一人で契約をすることができる年齢」という意味と、「父母の親権に服さなくなる年齢」という意味があります。成年に達すると、親の同意を得なくても、自分の意思で様々な契約ができるようになるということです。

例えば、携帯電話を契約する、一人暮らしの部屋を借りる、クレジットカードをつくる、高額な商品を購入したときにローンを組むといったとき、未成年の場合は親の同意が必要です。しかし、成年に達すると、親の同意がなくても、こうした契約が自分一人でできるようになります。また、親権に服さなくなるため、自分の住む場所、進学や就職などの進路なども自分の意思で決定できるようになります。
さらに、10年有効のパスポートを取得したり、公認会計士や司法書士、行政書士などの資格を取得したりすることもできるようになります。

また、女性が結婚できる最低年齢は16歳から18歳に引き上げられ、結婚できるのは男女ともに18歳以上となります。

一方、成年年齢が18歳になっても、飲酒や喫煙、競馬などの公営競技に関する年齢制限は、これまでと変わらず20歳です。それは健康面への影響や非行防止、青少年保護等の観点から、現状維持となっているようです。

年末調整手続電子化10月からスタート

カテゴリ: 暮しのお役立ち 公開日:2020年09月07日(月)

はじめに

10月からスタートする年末調整手続の電子化では、従業員が、保険料控除等の証明書(控除証明書等)をデータで取得することになりますが、データで取得できないケースもあるということです。

年末調整手続きの電子化

 これまで主に紙ベースで行ってきた

   控除証明書等の取得

   年末調整申告書の作成

   勤務先への提出

以上を電子化し、手続を簡便化するものです。保険会社などからデータで取得した控除証明書等を、国税庁が無償提供する年末調整申告書の作成ソフトウェア(年調ソフト)等にインポートすれば、自動入力、控除額の自動計算が行われ、従業員の申告書の作成が容易になります。

勤務先においても、チェック・検算や給与システムへの入力が不要となるなどのメリットがあります。

これらのメリットのいくつかは、控除証明書等のデータでの取得が前提となります。

ただし、発行者である保険会社等においてデータでの提供が義務ではないことも有り、今年は準備が整わず、顧客への控除証明書等のデータでの提供を見送るケースもあるようです。

税務署が発行する住宅ローン控除証明書についても、データで提供できるのは、居住年が令和元年(平成31年)以後のものに限られています。

さらに、居住開始年分の確定申告書をe-Taxで提出し、e-Taxによる電子データでの交付を希望することが必要となります。

おわりに

控除証明書等をデータで取得できなかった場合、従来通り紙で提出することになりますが、紙とデータでの提出が混在することになりますが、紙とデータでの提出が混在することに法律上の問題はありません。紙で提出する場合でも年調ソフトの仕様などにより一定のメリットは得られるということです。

また、電子化は段階的に行うことも可能です。

今年は、控除証明書等の提出は従来通り紙のみとし、年末調整申告書は年調ソフトを使って作成・データで提出するといった対応なども可能です。まずは、今年の電子化の方針を決定することが必要となるでしょう。

法人が中間申告をする場合の実務ポイント(コロナ禍、公認会計士からのアドバイス)

カテゴリ: 税務 公開日:2020年09月04日(金)

はじめに

 新型コロナウィルス感染症は経済活動に大きな影響を与えており、資金繰りの関係から中間申告について、前年度実績による予定納税ではなく、仮決算によることを検討している法人も多いと思われます。今回は法人税の中間申告、対象、方法、計算の仕方、コロナ禍の特例など、基礎的なことからコロナ禍の特例について記載します。

法人税の中間申告、納付とは何?

前事業年度の法人税額が20万円を超えると、翌事業年度に法人税の中間申告と納付を行う必要があります。この中間申告は、課税期間で確定申告することにより決める年税額の前払いをしているイメージです。そのため、中間申告をして、納付した税額があるときは、確定申告をした際に中間申告で納付した税額が控除されます。また、控除しきれなかったときには払い過ぎとなった税金が還付されます。

この中間申告には1.予定申告という方法と2. 仮決算にもとづく中間申告の2つの方法があります。
(参照元URL:国税庁HP 中間申告の方法

法人税の中間申告の対象となる人、時期

中間申告が必要なのは、前事業年度の法人税額が20万円を超える場合です。中間申告が必要となったとき、その提出期限と税金の納期限は、事業年度開始後6月を経過した日から2月以内です。なお、法人税の中間申告の対象となる人は、地方税(都道府県税、市町村民税、事業税等)についての申告も必要です。

中間申告の方法、計算の仕方など

中間申告には1.予定申告という方法と2. 仮決算にもとづく中間申告の2つの方法があります。

  1. 予定申告による場合は、前事業年度の法人税の2分の1の額が法人税額となります。法人税額の計算方法は、「前事業年度の確定申告書に記載すべき法人税額を当該前事業年度の月数で除し、これに6を乗じた金額」と規定されています。そのため、まず、前事業年度の確定申告書に記載すべき法人税額を前事業年度の月数で除して(円未満の端数切捨て)、その整数値に6を乗じて計算します。なお、100円未満の端数は切捨てします。
  2. 仮決算に基づく申告方法では、その事業年度開始の日以後6か月の期間を1事業年度とみなして法人税額を計算します。

予定申告をするときは、税務署から送られてきた予定(中間)申告書用紙に必要事項を記入した上で、捺印をして税務署に提出します。この予定(中間)申告書用紙については、前事業年度の法人税の確定申告書をe-Taxにより提出した場合は、税務署から送付されません。予定申告書用紙を送付しない法人に対しては、「法人税予定申告のお知らせ」がe-Taxの利用者本人のメッセージボックスへ送信されます。e-Taxソフトを使用している場合には、このお知らせ内容から「法人名」、「納付すべき税額」等の欄が初期表示された予定申告書の作成画面に移り、作成・送信することができます。

なお、後述しますが、中間申告については、申告書を提出しなかったとしても、自動的に申告があったものとみなされます。仮決算に基づく中間申告を行う場合は、中間申告対象期間で年度決算と同じように法人税の申告書を作成し、提出します。仮決算をした場合は、中間申告書に、貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書及び勘定科目内訳明細書等を添付して提出する必要があります。年度の確定申告書の添付書類とは異なっていますので注意してください。

中間申告は電子申告できる?

中間申告であっても、事業年度末の確定申告と同様にe-tax・eLTAXを利用して電子申告をすることができます。また年度と同様にダイレクト納付を利用して納税することもできます。

中間申告の勘定科目、仕訳方法

中間申告で納付した法人税等はあくまで年税額が確定していない段階での仮払いのような状態です。そのため、納付した法人税等の額を「仮払金」や「未払法人税等」のマイナスとして処理するのが一般的です。年度決算で法人税等の額が確定したときに、仮払金を取り崩し、年税額との差額が未収入金(未収法人税等)もしくは未払法人税等となります
もしくは、納付した法人税等を「法人税、住民税及び事業税」の勘定科目で計上することもあります。

中間申告をしなかった場合の特例

中間申告書の提出がない場合の特例が設けられており、中間申告書の提出が必要な事業者が提出期限までに中間申告書を提出しなかったときは、その提出期限の日に中間申告書の提出があったものとされ、前事業年度の法人税の年税額を基準にして計算された法人税額が確定することとなります。
なお、納付すべき法人税等の納付が遅れた場合、実際に納付した日までの延滞税を本税と併せて納付しなければなりません。

納税額が少なくなる方を選択することも

年度の法人税の支払についてはしっかりと把握していても、中間申告については時期や金額をうっかり忘れてしまっていることもあります。そんなときは、突然の税金の支払で資金繰りに慌てることになるかもしれません。中間申告について理解した上で、事前に資金計画の中に織り込んでおきましょう。また、予定申告でするか、仮決算に基づく中間申告をするかは、事前の届出も必要ありませんので、都度選択することができます。そのため、どちらか、納税額が少なくなる方を選択するということもできます。

新型コロナウィルス感染症の影響による期限の延長

災害その他やむを得ない理由により、国税に関する法律に基づく申告、申請、請求、納付等につき、期限までにこれらの行為をできないと認められるときは、そのものの申請により、その期限を延長することができ(国通法11)、この規定による期限の延長については利子税、延滞税がかかりません。

新型コロナウィルス感染症の影響については、経理担当部署の社員が感染し部署を相当期間閉鎖しなければならなくなったこと等により通常の業務体制が維持できない状況が生じたことなどの理由により、申告書や決算書類などの申告・納付の手続きに必要な書類等の作成が遅れ、その期限までに申告・納付等を行うことが困難な場合などが該当しますが、このような理由以外であっても、感染症の影響を受けて期限までに申告・納付が困難な場合には、期限の延長ができます。

現状は、申告の際、申告書等の余白に「新型コロナウィルスによる申告・納ス期限延長申請」である旨を付記すれば適用できることとされており、申告期限及び納付期限は原則として申告書の提出日となります。

中間申告においても同様で、中間申告書の提出ができることとなった時点で、その提出の際に、その申告書の余白部分に提出期限の延長申請である旨を記載して提出することにより、事後的に提出期限の延長が認められます。

さらに、中間申告書を提出することが困難な状態が確定申告書の提出期限まで続く場合には、中間申告書の提出は不要となります。この場合、確定申告書のお提出の際に、確定申告書の余白に、中間申告書は新型コロナウィルス感染症の影響により提出できなかった旨を記載します。その際の納付については、中間申告での納付がありませんから、確定申告書で1年分をまとめて納付することとなります。

現状のコロナ禍、中間申告についても柔軟な取り扱いができることとなっていますので、これから中間申告を控えている法人の経理担当の方は十分これらの取扱についてアンテナを張って国税庁等の発する最新の情報を入手するようにしてください。

公認会計士の会計監査!AI導入で不正会計が発覚しやすくなるか!

カテゴリ: 監査 公開日:2020年09月03日(木)

はじめに

企業の不正や経済関連の事件が多発している

2016年は上場企業の不正会計や粉飾決算による融資詐欺が多発し、大きな問題になった年です。

実際に、不適切な会計・経理を開示した上場企業は57社で、前年の52社を9.6%も上回っていました。なかでも、東証一部上場の大企業による不正会計の増加がみられました。大企業は、株主、従業員、関連会社や取引先、金融機関など多くの関わりを持ち、その影響は非常に大きいものです。こうした事件が発覚すると、同じ業態や類似の事件が起こりえる企業で臨時にヒアリングや調査が行われたり、より厳密な対応が求められることもありました。そうした潜在的な影響まで含めると、ある特定の企業が起こした不祥事でも、社会全体に与える影響は大きいでしょう。

しかし、報道された事件のように、監査法人が不正な会計処理を発見できず、後になっていくつもの不適切な処理が発覚するケースもあります。しかし、監査によって不正が発見され、是正された場合は、不適切な財務書類が外部に漏れることなく、企業の内部だけで事態が収束することになります。つまり、公認会計士が「監査」という職務をまっとうした場合、それは公認会計士の立場からすればごく当然なのかもしれませんが、さながら「影のヒーロー」のようで、実はものすごくカッコいいことなのではないでしょうか。

監査は公認会計士の独占業務。その社会的な役割と今後

公認会計士の業務は、公認会計士法によって「財務書類の監査」・「財務書類の内容証明」と定められています。これは公認会計士だけが行える業務であり、監査した財務書類の内容が適正であることを独立した第三者として公に証明することができます。

公認会計士の仕事は、監査対象の業務に貢献するだけでなく、監査対象の財務書類の内容を公に証明することによって、第三者に監査対象の判断材料となる情報を提供することにもつながっているのです。

財務書類は、その法人の優良性や健全な経営が行われているかを判断する重要な材料です。投資や融資だけでなく、取引先や就職先を選ぶときなど、あらゆる場面で必要とされる情報です。その際、財務書類が適正で虚偽の内容が含まれていないことが大前提となります。だからこそ、財務書類の信頼性を確保するため、財務書類の内容を証明する「監査」は、公認会計士の独占業務とされているのです。

企業の健全な経営を守り、社会全体に情報を提供する業務でありながら、監査業務の認知は一部の人や業種に限られています。公認会計士の仕事に対しても「数字を扱う」「細かい」といったばくぜんとしたイメージを抱く人が多く、監査の認知度はさらに低いと思います。財務書類に関する監査と内容の証明が、公認会計士にしか認められない業務であると知らない人も少なくないのではないでしょうか。その理由ですが、公認会計士が関わるのは、主に財務書類を第三者に公開する必要がある法人や団体で、しかも財務や経理などの部門以外には接触する機会が少ないこともあり、中小企業や個人でも関わる機会の多い税理士さんとくらべて、なじみが薄いと思われているのでしょう。

しかし、人口減少や高齢化により、中小企業を中心に事業承継や経営統合の事案が増加していくことは予想でき、それに比例して監査業務の需要は今後増加していくと考えられます。

AI導入で監査業務は効率化されるのか

さて、公認会計士が行う監査は「法定監査」と「任意監査」の2種類に分けられます。

法定監査は、所得税法や国税通則法などで規定される調書の提出義務者に対して実施される監査で、この場合の監査対象は主に上場企業などになり、中小企業や個人事業主には、法定監査を受ける義務はありません。法定監査が行われるタイミングは、期末や四半期などの決まった時期や特定の条件下で実施するよう、法律で定められています。そのため、決算が集中する時期(3月決算)には監査業務も集中し、公認会計士にとっては繁忙期となります。

一方の任意監査は、法律による義務ではなく、必要に応じて、任意のタイミングで行われる監査です。その企業との間に利害関係がある、もしくは発生する可能性のある企業や団体、投資家などの求めに応じて行われます。企業提携や事業譲渡の事前調査や融資先としての信頼性の確認など、法律とは関係なく、特定の目的のために独自に行われる監査であるため、実施されるタイミングは決まっていません。

こうした監査で不正が見過ごされてしまうのはなぜでしょうか。監査の限られた時間内に、すべての財務データに目をとおすことは不可能です。そのため、重要性の高い高額の取引や無作為に抽出した取引だけを検証する試査が中心でした。この方法では、監査対象にならない取引に不正があった場合や意図的に隠された不正を発見することは難しくなります。

特に経営者が意図的に粉飾に加担した場合は、内部統制が無効化され、不正リスクが増大します。

ところで、最近では監査にAIを導入する取り組みも始まっています。AIを活用すれば、全財務データを分析することも可能です。勘定科目間の相関の検証だけでなく、財務データと営業や業務などの非財務データの相関から異常点を抽出する監査手法も取り入れられています。もちろん、AIだけで監査ができるわけではありません。AIが異常点として抽出した取引について、その内容や会計処理の経緯を踏まえて、不正であるか否かを判断する必要があります。AIが分析したデータに人間の知見を組み合わせることで、精度の高い監査を効率よく行うことが可能になるのです。

おわりに

いまはまだ、AIは一部の大手監査法人にしか導入されていませんが、技術革新や普及に伴い、現在の会計ソフトと同じように誰もがAIを使用できる時代が来るでしょう。当事務所のような個人事務所でもAIを活用した監査を行うことができるはずです。膨大な検証作業はAIに任せて、監査人はAIが抽出したデータの検証や折衝に注力することで、より内容の濃い監査を行うことができます。また、繁忙期に監査が集中しても残業続きになることがなくなれば、ワークライフバランスも向上すると考えられます。

そうした時代の波のなかで本当に重要なのは、監査業務に臨む公認会計士としての矜持ではないでしょうか。公認会計士は健全な企業経営と経済活動を内側から支える仕事です。監査をビジネスというだけでなく、社会的な影響力を持つ仕事であると自覚し、信念や誇りをもって働ける人こそがAI時代の公認会計士として望ましいと思います。

当事務所もAI時代の公認会計士として、時代に乗り遅れないようアンテナを張って大手監査法人のような杓子定規の監査ではなく、AIを取り入れつつ経営者とのコミュニケーションを密にした監査業務を続けていくつもりです。

会計監査関連~四半期の非財務情報~

カテゴリ: 監査 公開日:2020年08月31日(月)

はじめに

新型コロナウィルスの感染拡大を踏まえた対応として、同感染症の影響による提出遅延の場合、有価証券報告書や四半期報告書等の提出期限について各企業が個別の申請を行わなくとも9月30日まで延長されています。

その提出状況が懸念された四半期報告書ですが、3月末決算の上場会社の97%が縁にすることなく期限内に提出しています。

四半期の非財務情報

   今回の四半期報告書においては同感染症関連の非財務情報の開示も重要なポイントとなっています。

金融庁は同感染症に関する非財務情報の開示について留意点を示しており(7月1日公表)、非財務情報については、「事業等のリスク」における同感染症の影響や対応等の変更等、前事業年度の有価証券報告書に記載した内容から重要な変更があった場合には、四半期報告書において当該変更の具体的な内容を記載することが求められています。

例えば日東化工は四半期報告書において、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについて、重要な変更があった旨を開示しています。

同社は「新型コロナウィルス感染症等の異常事態リスク」という項目を設け、「前事業年度の有価証券報告書において、新型コロナウィルス感染症か躯体の影響は、2021年3月期第2四半期に概ね収束するものと想定」していたものの、「足元の受注状況や、感染動向に鑑みて、2021年3月期の第2四半期までは深刻な状況が継続し、その後緩やかに改善しはじめ、2021年3月期の第3四半期にはおおむね収束するものと想定しております」と、収束時期の想定を見直した旨開示しています。

おわりに

8月も最終日となりましたが、新型コロナウィルス感染症の陽性者は7月をピークに緩やかに減少してきているようです。

皆さんは、収束の時期をいつごろと予想されていますか?私は、今後も増減を繰り返し、治療薬やワクチンが開発されるまでは収束が見通せないのでは?と少し悲観的に感じています。コロナ禍においては、皆さんそれぞれ、小さな楽しみを見つけて小さな楽しみの中乗り越えましょう。一刻も早い治療薬やワクチンの開発を期待しています。

コロナ禍ではありますが、各種会計監査のご相談・お見積りは横田公認会計士事務所が随時受付しておりますので気軽にご連絡ください。

「free」(フリー)「マネーフォワード」クラウド会計ソフトの特徴

カテゴリ: 税務 公開日:2020年08月29日(土)

はじめに

会計ソフトは早くから存在していますが、クラウド化で確定申告までをサポートするなど、効率化が進んでいます。さらに経営分析や先々の資金繰りを予測し、資金調達の具体的提案を行う機能も登場しているのです。

クラウド会計ソフト「free」(フリー)

クラウド会計ソフト「free」では、法人向け、個人向けのサービスがあり、法人向けでは帳簿や決算書作成、請求業務に対応しています。個人向けでは、日々の経理から確定申告までを効率的に行えます。

注目したいのは「資金繰り改善ナビ」で、現金および預金の過去9か月分の残高推移と、翌3か月の残高予測がグラフで表示され、資金繰りの傾向を把握できることです。

残高予測のグラフは、同社が「会計freee」で蓄積したビッグデータとAIを活用し独自に開発したロジック(特許出願中)と、「会計freee」に取り込まれているユーザーの過去の資金推移を基に算出され、80%以内の確率で下限ラインと上限ラインの間に収まる予測が表示されるということです。

その結果をもとに資金繰りを改善するための手段も提示されます。提携金融機関に融資を申し込む「オファー型融資」、freeeに登録された売掛債権をオンラインで現金化する「請求書ファイナンス」、スモールビジネス向けのクレジットカードから借り入れを行う「freeeカード」、の3種類です。

データを開示することで、自社の財務状況に応じた資金調達可能額が試算され、借入手続が簡便なほか、借入審査に落ちるなどの事態を減らすことができます。

「スモールビジネスを世界の主役に。をミッションにビジネスを強くスマートに育てるためのサービスの開発、提供を目指しています」(運営会社:freee)

マネーフォワード

「マネーフォワードME」を提供するマネーフォワードはその法人向けクラウドシステムとして「マネーフォワードクラウド」も展開、個人事業や法人の会計においても「お金の見える化」を進めています。

「マネーフォワードクラウド」は会計、確定申告、請求書、経費、給与、勤怠、マイナンバーといったサービスを組み合わせることができ、「マネーフォワードクラウド確定申告」では、銀行やクレジットカードの明細データを自動取得して仕訳を提案、確定申告が手軽になります。

スマホからでも申告が完結できるよう、機能開発がすすめられています。「サービス、小売、情報通信など、様々な業種の個人事業主に利用されている」(運営会社:マネーフォワード)。

またクラウド型経営管理システム「Manageboard」を連携させることで、売り上げ目標やコストから、将来の業績やキャッシュフロー予測もできます。

経営資源が限られている個人事業主やフリーランスにとって、帳簿作成や税務の効率化に加え、経営面でのヒントが得られる利点があるといえます。

おわりに

会計、申告の実務が簡略化されるメリットは大きいですが、会計、税務について一定の知識を持ち、正しく記帳されるための設定を行うことが大切です。そうした点を支援するのもいいと思います。

公認会計士の監査業界の現状(金融庁のレポート)及び監査人交代理由の実情

カテゴリ: 監査 公開日:2020年08月27日(木)

はじめに

2020年7月14日、金融庁の公認会計士・監査審査会は「令和2年版モニタリングレポート」を発表しました。

同レポートでは、監査事務所の状況などの最新情報が、一般の人々にもわかりやすく提供されています。新型コロナウイルスによって、日本社会は多大な影響を受けていますが、会計・監査業界ではどのような変化があったのでしょうか。

このコラムでは金融庁の「令和2年版モニタリングレポート」について、その中身を検討します。

モニタリングレポートとは

モニタリングレポートは2016年より、金融庁の公認会計士・監査審査会によって年次で作成・公表されているのです。

目的は、「監査や会計の専門家はもとより市場関係者及び学生や社会人など一般の人々をも読者として想定。審査会が実施するモニタリング活動の状況と成果を中心とした監査業界の現状や環境変化への対応を含む関連情報を分かりやすく提供することによって、監査の重要性に関する社会の理解を推進」するためとのことです。

(引用:「令和2年度モニタリングレポート 主なポイント」|公認会計士・監査審査会

レポート内容については、監査事務所や被監査会社の概況に関するデータを更新したり、審査会のモニタリング活動を通じて収集した最新情報を追加したりなど、年ごとに改訂されています。

年ごとによって傾向や特徴が当然異なっています。今回は、2020年7月14日に発表された「令和2年版モニタリングレポート」の中身について確認します。

「令和2年版モニタリングレポート」4つのポイント

まずは「令和2年版モニタリングレポート」のポイントから説明します。以下、4つのポイントにまとめられています。

Ⅰ.監査業界の概観

・公認会計士、監査事務所、被監査会社などの状況

・公認会計士試験関係及び金融機関監査、IPO支援業務に関する情報

Ⅱ.審査会によるモニタリング

・直近4事務年度の検査における大手監査法人、準大手監査法人と中小規模監査事務所の総合評価の状況など審査会の活動状況(制度の概要、審査、報告徴収及び検査の状況)

Ⅲ.監査事務所の運営状況  

・会計監査人の最新の異動状況などモニタリングを通じて把握した監査事務所の運営状況

・事務作業を集中処理する組織の構築に関する事例など、監査業務をサポートする組織体制について

Ⅳ.監査をめぐる環境変化への対応

・ITを活用した監査やグローバルネットワークとの連携の状況

・新型コロナウイルス感染症拡大の影響と対応

・監査に関する基準等の最近の動向や公表された重要な報告

レポートは全122ページとかなりの量となっていますが、理解しておきたい重要な内容を紹介します。

今回のモニタリングレポートのここだけは押さえておきたい

Ⅰ.監査業界の概観

大手監査法人(4法人)が、上場被監査会社の監査業務収入の83.6%を占めています。この寡占傾向は、日本だけではなくアメリカやイギリスでも同様です。

なお所属公認会計士の割合は、大手監査法人が8割で、準大手・中小監査法人が2割となっています。また日本公認会計士協会に所属している所属公認会計士の7割が、首都圏(東京、神奈川、埼玉、千葉)の地域会に所属しています。

監査法人数は、2020年3月末時点では246法人で、増加傾向にあります。昨年は236法人でしたが、13法人が設立され、3法人が解散・合併によって消滅しました。2016年には214法人あった監査法人が、5年の間で32法人も増えていることがわかります。

その大半が中小規模の監査法人で、25 人未満の法人が全体の9割を占めている状況です。一方で、準大手の監査法人は吸収合併によって減少傾向にあります。

Ⅱ.審査会によるモニタリング

業務運営における総合評価について公表されています。

監査事務所の業務運営の状況に応じて、5段階評価をつけており、最上位区分である「概ね妥当である」に該当する法人はありませんでした。すべての法人が、「妥当でない点がある」(改善すべき点はあるが、業務運営が概ね良好と認められる場合)以下となっています。

Ⅲ.監査事務所の運営状況 

監査法人のガバナンス・コードを踏まえた取組について言及されています。

ガバナンス・コードでは、監査法人が果たすべき役割、組織体制(経営機能)、組織体制(監督・評価機能)、業務運営、透明性の確保という5つの原則が定められています。

令和2年7月1日時点で、このガバナンス・コードの採用を表明しているのは、大手監査法人及び準大手監査法人のすべてと、中小監査法人のうち8法人です。

5つの原則を実践して、実効的な組織運営を実現するために、自律的な対応を各監査法人に求めています。

Ⅳ.監査をめぐる環境変化への対応

会計監査人の異動に関して、合併による異動の影響を除き、過去5年で最多の142件を記録しました。といっても昨年は、138件で大幅な増加ではありません。

近年は、大手監査法人から準大手監査法人以下への異動傾向が見うけられます。大手から大手への異動は、28件(前年は25件)にとどまりました。

異動理由については、今まで「任期満了」がもっとも多く、実質的な理由は記載されていませんでした。しかし東京証券取引所の改訂版「会社情報適時開示ガイドブック」において、交代理由の開示が求められた結果、2020年では皆無となっています。

現在では、交代理由としては大手監査法人が「監査報酬」で最多。「継続監査期間」「会計監査人からの辞任等」が続きます。一方で、準大手監査法人及び中小規模監査事務所は「会計監査人からの辞任等」、「監査報酬」、「グローバルな監査体制」が、異動理由として挙げられています。

なお、より規模の小さい監査事務所へ異動した際、監査報酬が減少するケースは約8割です。

このような状況で、新たな監査報酬の算出方法を検討する動きが起きています。しかし報酬面だけではなく、ITの活用による1人当たり労働時間の短縮などの働き方改革や、新型コロナウイルスの影響による在宅勤務の実施など、業界全体で新しい環境変化への対応が求められているのが実情です。

会計監査人の働き方だけではなく、監査業務におけるAIやITの利用、サイバーセキュリティ対策など、IT・最新技術への投資が盛んになっています。

おわりに

「令和2年版モニタリングレポート」について検討しました。近年の傾向や問題点などをつかむことで、これからの監査業界について考察する手がかりにしてみてください。

会計監査人の異動の理由として、大手・準大手・中小事務所を経験した私の考えを大まかにまとめると

・監査報酬を抑えたい会社・・・大手監査法人→準大手監査法人又は中小規模監査事務所

・継続監査年数による監査の品質低下を危惧する会社・・・大手監査法人→他の大手監査法人

・監査法人と意見が対立する会社・・・大手監査法人→準大手監査法人又は中小規模監査事務所

・会社内部の不正等が発見された会社・・・大手監査法人又は準大手監査法人→中小規模監査事務所

以上のケースが私の考える会計監査人異動の現実です。ご参考までに。

印紙税~印紙についての基本知識を解説~

カテゴリ: 税務 公開日:2020年08月25日(火)

はじめに

普段から契約書などを扱っている人ならよく知っている印紙ですが、そうでない人にはいったい何のために貼られ、そもそも何に貼るべきなのか、わからないことも多いはずです。実は印紙は、正しく使わないと脱税になってしまう可能性もあるほど重要なものなのです。今回は印紙の概要や、貼らなければいけない書類、必要な金額など印紙にまつわるお話についてご紹介します。

印紙ってそもそも?貼るのは何のためなのか?

印紙は、正式な名称を「収入印紙」といいます(以下印紙)。印紙は、租税や行政に対する手数料の支払いに利用される証票で、印紙税法によって貼るべき書類や、金額が定められています。印紙は、1円〜100,000円の額面で31種類が発行されています。

印紙税法という言葉からもわかるように、私たちは印紙を購入して書類に貼ることで、税金(もしくは公的なサービスに対する手数料)を納めているんです。税金というからには、納めるのが遅れたり、納めなければ当然罰せられることになります。

印紙を買っただけでは納税にならない

印紙を貼らなければならない文書に、印紙を貼って消印をしなかった場合には印紙税法 第20条の定めにより過怠税が課されます。

印紙税法 第20条 印紙納付に係る不納税額があつた場合の過怠税の徴収

「第8条第1項の規定により印紙税を納付すべき課税文書の作成者が同項の規定により納付すべき印紙税を当該課税文書の作成の時までに納付しなかった場合には、当該印紙税の納税地の所轄税務署長は、当該課税文書の作成者から、当該納付しなかった印紙税の額とその2倍に相当する金額との合計額に相当する過怠税を徴収する。」

ここで確認いただきたいのは条文内の「納付しなかった場合には」という言葉です。印紙は郵便局やコンビニ、法務局の印紙さばき所で購入することができますが、印紙を買っただけでは印紙税を納付したことにはなりません。「え!?お金を払ったのに納税したことにならないの?」と思う人もいるでしょう。

実は印紙は、印紙を貼らなければならない文書(印紙税法で定められた課税文書)に、印紙を直接貼り、かつ消印をしなければ納税したことにはならないのです。消印は、印鑑で割り印をしなくても、ボールペンなどでサインすればOKです(鉛筆など消せるものは不可)。また契約書でよくある、契約者双方が割り印する必要もありません。要するにしっかりと課税文書に貼られた状態で、消印により二度と使えないようにされていればよいのです。

印紙を故意に貼らなかった場合は「一年以下の懲役もしくは20万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する」と印紙税法で決められていますので、決してあなどってはいけません。印紙は購入するだけでなく、貼付し再度、使えない状態に消印することで、はじめて納税したことになると覚えておきましょう。

印紙を貼らなければいけない書類である課税文書は?

課税文書は、国税庁が発行する印紙税額一覧表に1号から20号まで規定されています。いくつか代表的なものを挙げましょう。

●1号文書

不動産の売買契約書や消費貸借契約書(ローンなど)等が、1号文書になります。契約書に記載された金額で印紙の額は変わり、契約金額が1万円未満であれば非課税です。

●2号文書

請負についての契約書(ソフトウェア開発や工事の請負契約書等)が2号文書に該当します。注文請書なども2号文書に含まれるので、会社などで比較的よく目にするかもしれません。こちらも契約金額が1万円未満であれば非課税です。

●3号文書

約束手形や為替手形は、3号文書です。金額が記載されていないものや記載金額が10万円未満のものは非課税ですが、あとから記載され、かつ10万円以上であれば印紙を貼らなければなりません。

●17号文書

売上代金の金銭または有価証券の受取書、領収書などは17号文書です。私たちが普段の生活の中で、一番目にする課税文書は17号文書かもしれません。5万円以上のものには印紙を貼る必要があり、100万円を超えると400円、200万円を超えると600円というように、金額で印紙の額は変わります。

現金だけでなく、商品券やプリペイドカードで商品などを購入し、領収書を発行してもらった場合でも印紙が必要です。ただし、クレジットカードで商品などを購入した場合の領収書には印紙は必要ありません。金銭または有価証券の受領がない、というのがその理由ですが少しややこしいですね。

印紙を貼り忘れると契約書は無効となるか?

それでは印紙を貼り忘れたり消印を忘れたりした場合には、契約書や領収書は無効になってしまうのでしょうか?結論からいうと、これは無効にはなりません。印紙は先述のように納税に関わる証票であり、文書の内容や当事者間の約束事を担保するような性質のものではないからです。もちろん金額を間違えた場合でも、文書は無効にはなりません。

おわりに

課税文書と印紙の金額は国税庁により細かく定められているので、すべて覚えておくことはなかなか難しいし、覚えておく必要もないでしょう。自分の扱う書類が課税文書かどうか、課税文書ならいくらの印紙を貼ればよいのか、必要であれば経理やインターネットで確認の上、貼付と消印を忘れないようにして正しい金額を使うようにしましょう。

税務調査で印紙税の調査も良く行われているのが実情です。失念していると必要な印紙の額とその2倍の過怠税(結局印紙税の額の3倍の額)が課されますのでご注意を!

コロナ禍での夏バテと対策

カテゴリ: 暮しのお役立ち 公開日:2020年08月20日(木)

はじめに

今年は、長梅雨の後コロナ禍の猛暑日が続き特に夏バテに注意したいですね。

夏バテは医学の領域における正式名称ではなく、高温で湿度の高い日本の夏の暑さによって、体調を崩してしまうことの総称です。

ずっと疲れが取れない、食欲不振が続く、夜に眠れないなどが、典型的な症状といえます。このような夏バテを防ぎ、元気なまま秋を迎えるには、生活上どのような点に注意すべきでしょうか。

そこで、効果的な夏バテ対策について考えてみましょう。

夏バテ予防のための食事

暑い日々が続くと、冷たいものがどうしても欲しくなります。そのため、普段の食事でも、冷やしそうめんや冷やしうどん、ざるそば、冷やし中華などを口にしがちではないでしょうか。

しかし、こうした麺類ばかりを食べていると、必要な栄養を十分に摂取することができません。麺類は炭水化物こそ多いですが、ビタミンやタンパク質がほとんど含まれていないため、それだけを食べ続けると栄養が不足し、夏バテにつながることになります。

そのため、食事は麺類だけで終わらせるのではなく、タンパク質を摂れる肉、魚、大豆、ビタミンやミネラルを摂れる野菜や果物類を必ず一緒に食べるようにしましょう。

タンパク質については、疲労回復につながるビタミンBも併せ持つ食材を食べるのがおすすめです。例えば豚肉やうなぎ、レバー、まぐろ、かつお、大豆製品、にんにくなどは、タンパク質とビタミンBを同時に摂取できる食材です。また、旬の夏野菜でもあるかぼちゃ、ピーマンなどは、ビタミンやカロテン、カリウムなどのミネラルを多く含む食材のようです。

夏を乗り切るため、麺類に加えてこれら夏バテを防ぐ栄養素を持つ食べ物を、普段の食事に積極的に取り入れていきましょう。

冷たいものを取りすぎると胃腸が...

夏というと、気を付けたいのが水分不足です。水分が不足すると体温が上昇して脱水状態となり、熱中症になる危険性があるので、もちろん水分補給はきちんと行う必要があります。

しかしだからといって、冷たい飲み物やアイスクリームを大量に摂取し続けるのはダメです。外気の暑さに反して体内が冷え切ってしまい、食欲不振や下痢などの症状が出る場合があるのです。

そのため水分補給をする際は、冷たいものを一気に体内に入れるということはできるだけ避けましょう。ほどほどに冷えた飲み物を、こまめに少しずつ摂取すれば、胃腸が極度に冷えることを避けやすい。もし夏場に下痢が続き、夏バテ気味だと感じる場合は、水分補給と称して極度に冷えた飲み物をゴクゴクと大量に飲んでいないか、自分の生活をチェックしてみてはいかがですか。

冷房に当たりすぎると体への負担も大きくなる

また、夏場は水分補給に加えて、室内の温度が高温になりすぎないように注意することも大切です。風通しの悪い建物・部屋の場合、何もしないでいるとどんどん室内の気温と湿度が上昇していきます。室内で大量の汗をかき続け、そのまま熱中症になるというケースも多いので、適宜クーラーをつけるなどの対策が必須です。

しかし冷房は、必要以上に温度を低く設定し、長時間冷たい風に当たり続けると体調不良を引き起こします。エアコンは夏を乗り越えるために欠かせないアイテムですが、過度に「冷たさ」を追求するのは危険ということになります。

人間の体には交感神経と副交感神経の2種類があり、気温が高いときは副交感神経が優位となって発汗や血管の拡張などが起こって体温を発散させます。逆に気温が低いときは、交感神経が優位となり、血管を収縮させて体温の低下を防ぎます。

夏場に高温の室外、クーラーで冷え切った屋内を行ったり来たりすると、2つの神経が入れ替わり活発となって、血管の拡張と収縮が頻繁に起こってしまうのです。こうした状況が続くと、次第に自律神経のバランスが崩れるようになります。血行不良・だるさ、疲れを引き起こし、いわゆる夏バテの状態に陥りやすくなるというわけです。

エアコンにより夏バテなるのを防ぐためには、エアコンの温度設定を下げすぎないようにして、環境省推奨の「28℃」程度に留めておくのが望ましいのではないでしょうか。

28℃というのは室内の温度であり、エアコンの設定温度ではありません。室内に温度計等を設置して、室温を把握できる状況にしておきましょう。28℃でも汗が流れ落ちるという場合は、無理をせずにそれよりも低くしてもよいでしょうが、上に何かを羽織らないといけないほど寒さを感じる場合は、夏バテにつながる寒さと思って、設定温度、28℃を心がけましょう。

快適な睡眠を心がけて夏バテを防ぐ

夏場は熱帯夜が続くため、夜に熟睡できないという方もいるでしょう。睡眠はしっかり取らないと体調不良の原因となり、夏バテにつながります。

快眠をするには、環境を整えることが大事です。夜中に暑すぎて眠れない場合は、エアコンと扇風機をうまく使いながら、温度・湿度を下げる工夫をします。エアコンを使う場合は、タイマーを2~3時間にしておくと、エアコンが切れたときに目が覚めるということなり、睡眠不足になりかねないので、エアコンは下げ過ぎず、適温で朝までつけておきましょう。

また、夏場の間は、通気性がよく、熱を逃がしやすい寝具を使うこともおすすめです。最近では、手触りのよい接触冷感素材の寝具もあります。上に掛けるふとんも、タオルケットだけでなく天然素材の麻を使った風通しのよい肌掛け布団などもあるので、利用を検討してみるとよいかもしれませんね。

おわりに

夏バテを予防するには、栄養バランスのとれた食事と十分な睡眠が最も重要です。暑いからといって、冷たい麺類ばかり食べていると、栄養バランスに偏りが生じ、夏バテを引き起こします。また、夜中に暑苦しくて眠れない場合は、エアコンの活用と快適な寝具を使用しましょう。

夏場の熱中症対策には、水分補給のための飲み物とエアコンの利用が欠かせないといえます。しかし、水分補給と称して冷たい飲み物を大量に飲み続ける、エアコンの設定温度を低くしすぎる、といった行為を繰り返すと、体調不良をもたらし、夏バテの原因ともなるため皆さんくれぐれもご注意ください。