インボイス制度 免税事業者からの課税仕入れに係る経過措置(8割・5割控除)

インボイス制度

はじめに(当事務所のご紹介)

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仕入税額控除の経過措置(8割・5割控除)

インボイス制度の導入後6年間は、インボイス制度において仕入税額控除が認められない課税仕入れであっても、区分記載請求書(=適格請求書発行事業者の登録のない事業者の請求書)等保存方式において仕入税額控除の対象となるものについては、次の割合で仕入税額控除が認められます(平28 年改正法

附則52、53)。

・令和5年10月1日から令和8年9月30日までの3年間・・・80%控除可能

・令和8年10月1日から令和11年9月30日までの3年間・・50%控除可能

・令和11年10月1日以降・・・控除できない

(1)帳簿の記載

この経過措置の適用を受けるためには、帳簿に、たとえば、「80%控除対象」、「免税事業者からの仕入れ」など、経過措置の適用を受ける課税仕入れである旨を記載しておかなければなりません。この記載は、適用対象となる取引に、「※」や「☆」といった記号・番号等を表示し、これらの記号・番号等が「経過措置の適用を受ける課税仕入れである旨」を別途「※(☆)は80%控除対象」などと表示する方法も認められます。

(2)区分記載請求書等の保存

また、区分記載請求書等と同様の記載事項が記載された請求書等の保存が必要です。

現行法においては、区分記載請求書等は「紙」に限られており、区分記載請求書等の記載事項に係るデータの提供を受けて「紙」の交付を受けない場合には、区分記載請求書等の保存がないものと整理されますが、インボイス制度においては、区分記載請求書等の記載事項に係るデータの提供を受け、そのデータを保存する場合にも、経過措置の適用が認められます(令和4 年度改正、平28 年改正法附則52①②、53①②)。

(3)仕入先が登録しない場合

買手が、登録をしない仕入先に対して価格交渉を行う場合には、独占禁止法又は下請法に配慮することが求められます。

令和4年1月19日、公正取引委員会は関係省庁と共同作成した「免税事業者及びその取引先のインボイス制度への対応に関するQ&A」を公表しました(令和4年3月8日改正)。Q7には次のような記述があります。

Q7:事業者がどのような条件で取引するかについては、基本的に、取引当事者間の自主的な判断に委ねられるものですが、免税事業者等の小規模事業者は、売上先の事業者との間で取引条件について情報量や交渉力の面で格差があり、取引条件が一方的に不利になりやすい場合も想定されます。

自己の取引上の地位が相手方に優越している一方の当事者が、取引の相手方に対し、その地位を利用して、正常な商慣習に照らして不当に不利益を与えることは、優越的地位の濫用として、独占禁止法上問題となるおそれがあります。

仕入先である免税事業者との取引について、インボイス制度の実施を契機として取引条件を見直すことそれ自体が、直ちに問題となるものではありませんが、見直しに当たっては、「優越的地位の濫用」に該当する行為を行わないよう注意が必要です。

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おわりに(免税事業者との取引で注意すべき事項)

取引が実現した後に、登録番号のない請求書を見て一方的に支払額を減額するといった行為は法令に違反する行為です。

また、登録番号のない請求書を見て、継続取引を一方的に停止するといったことも避けるべきでしょう。

課税事業者になるよう要請すること自体は独占禁止法上問題になりませんが、それにとどまらず、「課税事業者にならなければ取引価格を引き下げる」、「それにも応じなければ取引を打ち切る」などと一方的に通告することは、独占禁止法上問題となるおそれがあります。

なお、提供する商品や技術の希少性、人手不足や供給不足といった理由で、インボイスの交付がないのに、価格交渉を行うことができないケースも想定されます。

仕入先等が登録するかどうかは、早めに確認して、互いの事情を話し合い、取引価格の合意に至る努力が必要です。

2割特例の創設に係る情報提供や、仕入明細書方式の活用による事務負担の軽減の提案などを検討しましょう。

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以上

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