全国旅行支援 出張時に利用した場合の法人・個人課税関係について

全国旅行支援

はじめに

全国を対象とする観光需要喚起策「全国旅行支援」が10月11日(東京都は10月20日)に始まっています。各都道府県が実施するキャンペーンに対し、国が全国一律の支援水準で旅行代金等の補助を行うもの。

法人の従業員等が出張等で利用して会社との間で精算した場合、その課税仕入れの額は割引前の税込額となります。個人の場合は一時所得となります。

全国旅行支援の内容

具体的に1泊1人当たりの割引上限は、交通付き旅行商品8,000円、それ以外5,000円。

クーポン券(平日3,000円、休日=土曜宿泊1,000円)も付与されます。

交通付き旅行商品を平日利用した場合、1人1泊当たり最大11,000円が補助されます。

法人の従業員等が出張で利用できるケースも考えられ、課税関係を判断する上では、利用時に各都道府県のキャンペーン内容を一応確認しておく必要があります。

国が補助する両行代金の割引額やクーポン券などの支給形態については、割引上限額の上乗せ等による個別の判断を必要としない限り、基本的には昨年のGo To トラベルと変わりません。

官公庁によると、利用者が直接割引額を受け取らず、旅行業者等が利用者に代わって国から補助額を受ける仕組みで、補助上限額も決まっているので注意が必要です。

また、旅行代金自体が割引されているものではありません。

具体的な課税仕入れの額は割引前の税込額

個人の場合キャンペーン対象となる旅行商品を購入した場合、国から補助される旅行代金の割引額及びクーポン券の額は原則一時所得となります。収益計上時期は、割引相当額については旅行代金割引相当額の充当後の額の支払い完了時となり、クーポン券については使用時となります。

法人の従業員等が出張等で交通付き旅行商品(8,000円)の対象となる商品20,000円(税込)を購入した場合、旅行業者等が旅行商品の対価の額を割引しているわけではないことから、会社が計上する課税仕入れの額については、割引後の税込12,000円ではなく、割引前の税込20,000円となります(消費税法30)。

従業員等との間の経費精算については、割引額を含めた20,000円で精算することが考えられますが、割引額を含めない12,000円で精算した場合には、不課税取引として、8,000円を雑収入等で計上することとなります。

おわりに(割引前の金額で出張旅費を精算した場合の従業員の課税)

従業員等が出張のためにキャンペーン対象の両行商品を購入し、後日、会社との間で精算した場合の旅費交通費等の扱いについては、一般的な社内の出張旅費規程に基づいて判断することとなります。所得税法上、一定の旅費として非課税となる範囲は、「給与所得を有する者が勤務する場所を離れてその職務を遂行するため旅行をし、その旅行に必要な支出に充てるため支給される金品で、その旅行について通常必要であると認められるもの」(所得税法9①四)とされています。

そのため、具体例の割引額が充当された旅行商品の金額税込20,000円で精算しても、社内の出張旅費規程に基づき「通常必要であると認められる」範囲であれば源泉徴収は必要ありません。

参照ブログ)監査法人より個人の公認会計士事務所を選任すべき会社等とは

以上

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