インボイス制度開始まで1年!事業者のインボイス対応の現状と免税事業者との取引

インボイス

はじめに

令和5年10月1日のインボイス制度開始まで1年を切り、半年足らずの令和5年3月末にはインボイス発行事業者の登録申請期限を迎えます。

他の事業者のインボイス対応の進捗状況が気になるところでしょう。

今回は、インボイス発行事業者の登録状況のほか、免税事業者との取引対応など、インボイス制度開始1年前の事業者の現状について記載します。

令和4年8月末時点のインボイス登録件数

インボイス制度開始の令和5年10月1日よりインボイス発行事業者となるには原則、令和5年3月31日までに、国税庁に登録申請が必要です。

公表資料の関係で8月末時点のインボイス登録件数までしかわかりませんが、東特件数は約99万件となり、全国約300万件の課税事業者(個人・法人)の3割が登録済ませているというのが現状です。このペースで登録が増加すれば、今年中には150万件を超え、全体の6割程度の登録件数に達すると思われます。

年明けの展望

実際、年が明けると確定申告が始まるため、年内にはほとんどの顧問先の登録番号の申請を行う東井税理士の声をよく聞きます。

税理士のとある対応は「顧問先のうち、課税事業者には基本的に登録してもらい、無料で申請代行を行う。免税事業者には、登録のメリット・デメリットの説明をするなどの手間がかかるため、申請代行をする際には数万円程度の報酬を受ける予定で、来年の確定申告の時期に説明する」と今後の対応を行うようです。

登録番号の通知等

インボイス制度の登録番号を取得した後は、売上先に対し、登録番号を一斉に通知することを検討する事業者もいるようです。

また、自社のウェブサイトに登録番号を掲載している事業者もいます。

一方、とある法人は「今後の取引で、登録番号を記載した請求書等を発行するため、必要な取引先への通知はそれで十分だと考えている。すでにアンケート等の形で登録番号を回答している」などとして、登録番号の一斉通知はしない方針のようです。

このような法人は今後も増えてくるのかと考えます。

免税事業者との取引対応

免税事業者との取引についてはその対応に苦慮しているようです。

大会社である資本金5億円以上の法人では、「塾や予備校等の講師(免税事業者)に対し、課税事業者に転換してもらう前提で説明会を開いたようですが、課税事業者になることへの反発が当該講師から強く、一律に課税事業者になってもらうことは断念した。免税事業者のままの講師には、個別に取引価格の交渉を行う。一方、免税事業者の立場から見れば、例えば飲食店などで取引相手の多くが一般消費者の場合には、登録しないといった検討も必要かもしれない」などの話があるようです。

飲食店でも喫茶店のような事業者は、登録する必要性はほどんどないでしょうが、居酒屋のような、会社の接待に使われるようなちょっと洒落たお店の場合は、例え、カウンターだけの狭いお店で免税事業者でも、会社の接待として使われなくなるデメリットは大きいでしょうね。

おわりに

免税事業者の取引先が多い法人の場合は、免税事業者の個人等にアンケートを実施して、登録の意向を把握し、できるだけ課税事業者への転換を勧めるよう努力が必要となります。難しい場合は価格交渉の協議に応じることを説明して、下請法等の観点で交渉の方法等や交渉の経緯等の記録を残すようにするのが後々のトラブルを防ぐ意味から必要になるでしょう。

また、接待ではできるだけ免税事業者のお店にはいかないようにといった対応も、営業部等にしていく必要があるかと思われます。

以上

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