消費税の課税選択特例:令和2年のみ課税事業者を選択

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はじめに

今日、東京が発表した新型コロナ感染者の陽性者の人数が888人となり過去最高を更新しました。曜日別では、連日過去最高を更新している状況です。このような中売上が減少し、消費税の免税事業者でも消費税の還付を受けたい事業者も多いと考えられます。

新型コロナ税特法では、新型コロナウイルス感染症等の影響による収入の著しい減少があった一定の事業者(特例対象事業者)を対象に、「消費税の課税選択の変更特例」が設けられています。

新型コロナ等の影響で売上が減少し、消費税の還付を受けたい事業者も多いと考えられますが、同特例は、1年間のみ課税事業者を選択することや、逆に1年間のみ課税事業者の選択をやめることも可能です。

課税期間スタート後でも選択可能

「消費税の課税選択の変更特例」では、新型コロナ等の影響により、令和2年2月1日から令和3年1月31日までの間に事業としての収入の著しい減少のあった「特例対象事業者」が、税務署からの承認を受けることで、特定課税期間(新型コロナ等の影響で事業としての著しい減少があった期間内の日を含む課税期間)以後の課税期間について、課税期間のスタート後でも、課税事業者の選択または選択不適用が可能となっています。

適用に当たっては、税務署に提出する特例承認申請書等の提出期限は、

 

①課税事業者を選択する場合(免税→課税)

②課税事業者の選択をやめる場合(課税→免税)

①では特定課税期間の末日の翌日から3か月(法人は2ヶ月)を経過する日

②では特定課税期間の場合は確定申告書の提出期限、それ以降の期間の場合は課税期間の末日

上記のようになっています。

1年間(特定課税期間)のみ課税事業者を選択するケース

個人事業者が、消費税の還付を受けるため、令和2年のみ課税事業者を選択する場合(免税→課税)、申請書等の提出期限は、上記①の通り、特定課税期間の末日の翌日から3か月を経過する日となるため、「令和3年3月31日」となります。

令和3年、すなわち来年に課税事業者の選択をやめる場合(課税→免税)の申請書等の提出期限は、上記の②の通り令和3年の課税期間の末日となるため、「令和3年12月31日」となります。

みなし承認

「消費税の課税選択の変更特例」の前提となる税務署からの承認について、「特定課税期間の末日」までに申請書等を提出した場合、特定課税期間の末日の翌日から2ヶ月経過する日までに承認がなかったときは承認があったものとみなされる『みなし承認』の対象となります。

おわりに

令和2年に売上が減少し、一方で経費は発生しており大幅に赤字になるような事業者は、同特例を適用して、課税事業者として消費税の還付を受け、来期(令和3年)に売上が回復し、黒字となった場合は、免税事業者の要件を満たす限り、免税事業者に戻れることになります。

今回の新型コロナ等の影響は大きいものと考えられますが、新型コロナ等の影響が収まった時まで事業を持ちこたえるよう、給付金も含めいろんな手立てを考えておきましょう。

 本日12月24日はクリスマスイブです。それぞれのクリスマスイブを楽しんでください。

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