新制度の四半期短信レビュー、4社に1社がレビューを受ける

はじめに(当事務所のご紹介と今回のブログの概要)

当事務所は、非上場の法定監査・任意監査を専門に行う公認会計士事務所であり、上場会社の監査のご依頼は受けておりません。

当事務所の会計監査対応地域は東京を含む原則全国対応ですが、効率性の観点から、大阪府(主として大阪市を含む北部大阪)、神戸市を含む主として兵庫県南部、京都市を含む京都市周辺地域のご依頼を優先しています。

他方で、当事務所のブログは上場会社の最新の公認会計士等の異動など、監査・税務に関する環境変化については積極的に情報を発信する方針であり、今回は、新制度の四半期短信の監査法人によるレビューについてその結果をご紹介します。

税務研究会が8月21日までに開示された3月末決算企業および9月末決算企業の四半期決算短信2,498社を調査した結果、レビュー報告書を添付した企業は24.5%の611社であり、4社に1社がレビューを受けていたことになります。

四半期開示制度の見直しにより、3月末決算(1Q)と9月末決算(3Q)の上場企業から新たな四半期決算短信の開示がスタートしています。

会社法監査やその他法定監査・任意監査のご依頼はまだ受け付けておりますので、問い合わせフォームよりお申し込みください。

決算期(特に3月決算)によっては人的資源に限りがあるためお断りする場合があることをご了承ください。

短信の2段階開示とは?また2段階開示を行う理由

上記のレビュー報告書を添付した企業611社のうち、64社は、先にレビュー未了の短信を開示して、レビューが完了次第、レビュー報告書を添付した決算短信を開示(2段階開示)していました。

2段階開示を行う理由は、四半期報告書制度と同様、先にレビューを受けずに決算発表の早期化を重視して短信を開示し、レビューが終了したのちに再度、短信(旧制度では四半期報告書)を開示するためです。

今回の2段階開示を行った企業は、最短で1日後、最長で18日後にレビュー報告書を添付した短信を開示しています。

なお、2段階開示を行った企業のうち5社では、レビュー報告書を添付した2段階目の開示において、1段階目の開示から内容を追加・変更しています。具体的には、セグメント情報等の注記を追加した事例や、後発事象や偶発債務の注記を変更した事例などがあったようです。

監査事務所の規模別レビュー企業数

監査事務所の規模企業数(割合)
大手監査法人341社(55.8%)
中小監査事務所170社(27.8%)
準大手監査法人100社(16.4%)

大手監査法人の内訳は、トーマツ118社、あずさ108社、EY新日本75社、PwcJ40社。

次いで多かった中小監査事務所は日本橋事務所11社、アーク10社、アスカ9社と続いています。

準大手監査法人は、仰星40社、東陽39社、太陽15社、三優6社だったようです。

売上高が大きい大規模会社ほどレビューの割合が高い傾向

売上高別のレビューの内訳

売上高を大きい順に並べた上記表のレビュー率に注目ください。

売上高が3兆円以上のレビュー率は約半数の46,3%ですが、売上高が少なくなるほどレビュー率は比例して下がっています。

おわりに(売上高が大きいとレビュー率が上がる理由)

新制度における四半期短信の公認会計士のレビューは任意となっています。

全体では、4社に1社の約25%がレビューを受けていますが、一番売上高が大きい3兆円以上の企業群は約半数の50%弱、一番売上高が小さい500億円未満の企業群は4分の1以下の21.5%しかレビューを受けていないというのが現実です。

では、なぜ売上高が大きいほどレビュー率が高くなっているのでしょう。

下記の理由が考えられます。

売上高が大きいほどコンプライアンス意識が高く、第3者のチェックを受ける

売上高が大きいほど企業活動が複雑になるため、第3者のチェックを受けたい

売上高が少ない企業の中には、監査法人の監査日数を削減して監査報酬を下げたい

などです。

直近の有報等において公認会計士監査等で「無限定適正意見」以外の意見が付された場合や内部統制報告書において内部統制に開示すべき重要な不備がある場合などの会計上または内部統制上に何らかの問題を抱えている企業は、レビューが義務付けされます。レビュー義務付け企業の大半は売上高1,000億円以下であり、これらの企業のレビュー率は4社に1社の平均を下回っている企業群に属します。

逆に言うと、会計上や内部統制上に問題を抱えており、それを公認会計士に指摘された企業は、レビューが義務付けされますが、指摘されていない企業はレビューを避ける傾向にあると言えます。

以上

横田公認会計士事務所は、非上場の会社法監査、医療法人の会計監査、学校法人の会計監査、労働組合の会計監査など上場会社を除く法定監査・任意監査に特化した監査事務所です。

上場会社を監査している監査法人等と比較し、費用面を抑えて実質的な監査を行うことを基本方針にしています。効率性の高い柔軟な会計監査を行うことが可能です。

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