インボイス開始!公認会計士等の監査対象法人の免税事業者取引の仕訳は?
- ●はじめに(当事務所のご紹介)
当事務所は、非上場の法定監査・任意監査を専門に行う公認会計士事務所であり、上場会社の監査のご依頼は受けておりません。
当事務所の会計監査対応地域は東京を含む原則全国対応ですが、主には、大阪府(主として大阪市を含む北部大阪)、神戸市を含む主として兵庫県南部、京都市を含む京都市周辺地域のご依頼を優先いたします。
一方、当事務所のブログは上場会社の最新の公認会計士等の異動など、監査・税務に関する環境変化については積極的に情報を発信する方針であり、今回は、公認会計士等の監査を受ける、主として法定監査の対象法人の「免税事業者との取引の仕訳」について具体例により説明します。
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- ●外部の会計監査を受ける会社法等の法定監査対象会社の免税事業者取引の仕訳
10月1日からインボイス制度が開始しました。同日以降免税事業者から課税仕入れを行った場合、仕入税額控除の対象外となる部分の金額は「対価の額」=本体費用等に含めて処理し、法人税の課税所得を計算します。
期中は、同制度開始前と同様に仮払消費税等を計上し、決算時に本来の科目に振り替える処理も税務会計上は認められるでしょう。
ただし、会計監査が義務付けられている会社の場合は、通常月次損益の管理も行っており、免税事業者との取引が多い会社等の場合は、決算時の修正が多額になることが考えられるため、①仕訳時に本来の仕訳を行うか、②その都度振替処理を行うか、③月末にまとめて振替処理を行うかを選択することが月次損益を適切に表示するという観点からはベターではないかと考えられます。
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- ●具体的な仕訳事例
インボイス制度開始後、適格請求書発行事業者以外の者からの課税仕入は、税務上、仮払諸費税等の額はないことになります。ただし、制度開始から一定期間は、仕入税額相当額の一定割合を仕入税額とみなして控除できます。
(期間) (割合)
令和5年10月1日から令和8年9月30にまで・・・仕入税額相当額の80%
令和8年10月1日から令和11年9月30日まで ・・仕入税額相当額の50%
会計監査を受けている大多数の会社は、税抜処理を採用しています。
適格請求書発行事業者以外の者からの課税仕入れを行った場合は、以下のような処理が考えられます。
【具体例】令和5年10月(80%控除可)に免税事業者に契約の基づく外注費を110,000円(税込)払った場合、
1.原則として下記仕訳を行います。
(借)外注費 102,000 (貸)預金 110,000
(借)仮払消費税等 8,000
2.ただし、システム上改修が間に合わず、上記処理ができない場合は
(借)外注費 100,000 (貸)預金 110,000
(借)仮払消費税等 8,000
上記仕訳を行ったうえで、取引の都度または月末締めの仕訳として
(借)外注費 2,000 (貸)仮払消費税等 2,000
振替仕訳を起票します。
免税事業者との取引が消耗品費なら、上記2,000円は消耗品費、支払手数料なら上記2,000円は支払手数料とし、月次に他の免税事業者との取引があれば科目ごとに振替仕訳を起票します。
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- ●おわりに
会計監査が義務付けられている会社の場合は、会計上、仕入税額控除できない金額は本来の取引科目(外注費など)で処理する必要があります。
財務会計の目的は、企業等の財政状態及び経営成績を利害関係者に正しく開示すること等にあります。
そのため、税務会計ならば、期末にまとめて、雑損失等に振り替える処理も問題ありませんが、会計監査が義務付けられている会社の場合はそうはいかないでしょう。
本来の取引科目が原価や販売費・一般管理費の場合において、雑損失(営業外費用)で処理した場合は段階損益をゆがめることになります。
ただし、月次損益管理を行っていないような会計監査対象法人の場合は、期末にまとめて、本来の取引科目に振り替える処理も認められるでしょう。
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以上
横田公認会計士事務所は、非上場の会社法監査、医療法人の会計監査、学校法人の会計監査、労働組合の会計監査など上場会社を除く法定監査・任意監査に特化した監査事務所です。
上場会社を監査している監査法人等と比較し、費用面を抑えて実質的な監査を行うことを基本方針にしています。効率性の高い柔軟な会計監査を行うことが可能です。
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