地域医療連携推進法人制度と公認会計士等の会計監査

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地域医療連携推進法人制度の概要

(1)地域医療連携推進法人は、医療機関相互間の機能の分担及び業務の連携を推進し、これにより競争よりも協調を進め、地域において質が高く効率的な医療体制を確保することにより、地域医療構想を達成するための一つの選択肢として創設された法人制度です(厚生労働省医政局長 平成29年2月17日 医政発0217第16号「地域医療連携推進法人制度について」(以下「医政発0217第16号」という。)第1。

(2)地域医療連携推進法人制度は、医療機関の機能の分担及び業務の連携を推進するための方針を定め、当該方針に沿って、参加する法人の医療機関の機能の分担及び業務の連携を推進することを目的とする一般社団法人を、都道府県知事が地域医療連携推進法人として認定する仕組みです(医政発0217第16号第1)。

(3)社員として参加できる法人は、病院等を開設する法人(医療法人等)、介護事業等の施設又は事業所を開設する法人であり、営利を目的とする法人は除かれます。また参加法人に加え、地域において良質かつ適切な医療を効率的に提供するために必要な者(個人開業医等)を社員とすることができます(医政発0217第16号第2)。

(4)地域医療連携推進法人は病院等に係る業務の連携を推進するための方針(医療連携推進方針)を定め、医療連携推進方針に沿った連携の推進を図ることを目的として行う次に掲げる業務(医療連携推進業務)その他の業務を行うことができます(医政発0217第16号第2 1)。

① 医療従事者の資質の向上を図るための研修

② 病院等に係る業務に必要な医薬品、医療機器その他の物資の供給

③ 資金の貸付けその他の参加法人が病院等に係る業務を行うのに必要な資金を調達するための支援(一定の場合)

④ 医療機関の開設(一定の場合)

(5)なお、社会保障審議会医療部会において、個人立を含めた医療機関がヒトやモノの融通を通じた連携を可能とする新類型の創設及び代表理事再任時の手続きの緩和等の検討が進められています(2022年11月28日 第93回社会保障審議会医療部会)。

地域医療連携推進法人の監査

(1)地域医療連携推進法人はその財政規模に関係なく、全ての法人に対して、公認会計士又は監査法人の監査を受けなければならないとされています(医療法第70条の14、第51条第5項)。

(2)監査の対象は、医療法人についての規定を準用し、財産目録、貸借対照表、損益計算書とされています(医療法第70条の14、第51条第5項)。

参考)医療法人の会計監査

地域医療連携推進法人の認定を予定する一般社団法人の監査

地域医療連携推進法人の認定を 2024年3月期の期中に予定している一般社団法人について、地域医療連携推進法人としての監査はいつからが対象となるか。

・一般社団法人が地域医療連携推進法人として認定を受けた場合、当該認定を受けた年度の1年間全体が監査の対象となるとされています(「地域医療連携推進法人会計基準等について(Q&A)」Q4)。

・したがって、2024年3月期の期中に認定を受けた場合、2024年3月期の1年間全体が地域医療連携推進法人としての監査の対象となり、それまでは、一般社団法人としての監査の取扱い(一般社団・財団法人法第60条第2項、第62条、第124条第2項第1号)によることとなります。

推奨ブログ)公認会計士の会計監査:「形式的な監査」と「柔軟な監査」の比較とメリット

以上

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