金融庁 中小監査法人や個人事務所も対象としたガバナンス・コードへ見直し

金融庁

はじめに

金郵貯は、11月14日「監査法人のガバナンス・コードに関する有識者検討会」の第7回会合を開催しました。

前回の議論を踏まえコードの見直しの方向性案が示されました。大手監査法人に限定した記載内容の削除、中小監査法人に形式的な経営機関や監督機関の設置を必須としないことなどが盛り込まれています。

日本公認会計士協会(JICPA)は中小監査法人等の体制整備支援に向けて「監査品質のマネジメントに関する年次報告書」の作成を求めるなど、具体的な取り組み案を説明しています。

監査法人のガバナンス・コード見直しの方向性案(概要)

<コードの対象>

・現行の大手監査法人を念頭に置いた記載を削除し、上場企業等の監査を担う監査法人における組織的な運営の姿を念頭に策定していることを「前文」に明記する。

・上場企業等の監査を担う共同監査事務所や公認会計士個人も対象とする。

<運用手法>

コンプライ・オア・エクスプレイン(=遵守(コンプライ)せよ、さもなくば、説明(エクスプレイン)せよ)の在り方や考え方を「前文」に明記する(形だけのコンプライではなく、コンプライしない理由や将来的な方向性の説明など)。

<JICPAの役割>

監査法人の体制整備等が実態を伴ったものになるよう、JICPAが自主規制の下で十分な指導・監督機能を発揮していくことが期待される胸を「前文」に明記する。

近年、上場企業の監査を大手監査法人から中小監査法人に交代するケースが増加していることに加え、改正公認会計士法等により、上場企業の監査を行う監査法人等はガバナンス・コードに沿った業務管理体制の整備が求められる方向にあります。

大手監査法人を念頭に置く、現状のガバナンス・コードをどのように見直すかが注目されていますが、中小監査法人等の受け入れになじむ工夫の観点に関しては、現行のガバナンス・コードでは、法人の組織的な運営に関する機能を実効的に果たすことができる経営機関の設置(原則2)、経営から独立した立場で経営機能の実効性を監督・評価する機関の設置(原則3)について見なおす方向です。

見直し案では「特別な機関を設置せずに経営機能や監督・評価機能を確保している場合は、その合理性を説明すること」、「監督・評価機能を担う独立第三者に期待する要件を開示すること」を各原則に明記することを提案しています。

おわりに

ガバナンス・コード見直し案の適用時期は2024年7月以降となりそうであり、次回の金融庁の検討会でガバナンス・コードの改定案が示される予定となっています。

以上

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