医療法人の新型コロナウイルス感染症関連の補助金・助成金の会計処理

オミクロン株の国内2例目の感染者が確認されました。オミクロン株に対してワクチン効果がどの程度なのか気になる今日この頃です。

それでは、本題に入ります。

『医療法人の補助金等の会計処理』

医療法人における補助金の会計処理は、運営費補助金のように補助対象となる支出が事業費に計上されるものについては当該補助対象の費用と対応させるため事業収益に計上することになりますが、以下の補助金等について、運営費の補助として事業収益として計上しても良いのか検討します。

・雇用調整助成金

・新型コロナウィルス感染症緊急対策事業空室確保等支援事業対象助成金

・感染拡大防止等支援事業補助金

・医療機関資金確保緊急支援事業補助金

『一般的に医療法人における補助金の会計処理について』

医療法人運用指針第19項は、補助金等の会計処理について、次のように規定しています。

「医療法人が国又は地方公共団体等から補助金等を受けた場合の会計処理は以下のとおりとする。

① 固定資産の取得に係る補助金等については、直接減額方式又は積立金経理により圧縮記帳する。

② 運営費補助金のように補助対象となる支出が事業費に計上されるものについては、当該補助対象の費用と対応させるため、事業収益に計上する。

なお、補助金等の会計処理方法は、会計基準第3条第5号の事項として注記するものとし、補助金等に重要性がある場合には、補助金等の内訳、交付者及び貸借対照表等への影響額を会計基準第22条第8号に事項として注記するものとする。」

『雇用調整助成金』

雇用調整助成金の対象となる支出は、人件費として事業費に計上されるものになるため、当該助成金は、事業収益に計上するものと考えます。

『感染拡大防止等支援事業補助金』

新型コロナウィルス感染症緊急対策事業空室確保等支援事業対象助成金及び感染拡大防止等支援事業補助金についても、事業費に計上される支出を対象としたものであれば、同様に事業収益に計上するものと考えます。

『医療機関資金確保緊急支援事業補助金』

医療機関資金確保緊急支援事業補助金は、新型コロナウイルス感染症の影響により経営が悪化した病院が、当面の運転資金を確保するために、金融機関から融資を受けた際の金利負担の補助を目的としたものであり、対象となる支出が事業外費用に計上されるものになるため、事業外収益に計上するものと考えます。

まとめ

医療法人の場合は、補助金等の対象となる費用が事業費に計上されるかそうでないかにより補助金等を計上すべき収益区分が異なります。

事業費に計上・・・・・・・・・・事業収益に計上

事業外費用に計上・・・・・・・・事業外収益に計上

まさに、会計の根本的な考え方である費用収益対応の原則が適用されるわけです。

以上                                    

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