公認会計士または監査法人を選ぶ際の注意点(監査報酬・品質の両面から)
はじめに
ここ数日、新型コロナウイルス感染症の陽性者が全国で100人未満と減ってきています。Withコロナ、afterコロナとなりつつある現状、今後の会計監査にも影響してくることでしょう。
今回は、上場会社を除く以下の法定監査等を受けなければならない組織について、会計監査人を選ぶための注意点について記載します(9月6日のブログの再投稿です)。
①会社法に基づく監査(大会社及び委員会設置会社)…会社法監査
②学校法人の監査(国や地方公共団体から補助金を受けている)…学校法人の会計監査
③公益社団・財団法人・・・公益法人の監査
④一般社団・財団法人
⑤社会福祉法人の監査・・・社会福祉法人の監査
⑥医療法人の監査・・・医療法人の会計監査
⑦労働組合の監査・・・労働組合の会計監査
それぞれの監査の詳細については該当のブログを参照ください。
このブログは、当事務所が関与できる組織を対象として記載しています。
したがって、上場会社や国外にグローバルに展開している会社及び概ね、売上規模300億円超かつ従業員1,000人以上の会社等で、大手又は準大手、更には海外提携事務所のある中堅監査法人の監査を受けている会社等は、同規模の監査法人間で比較検討して独自にお考えください。
監査報酬の相場は?高いと感じるのはなぜか?
会社法監査の監査報酬の売上規模別平均額は以下の通りです。
売上100億円未満で平均監査報酬が約8百万円、50億円未満でも約6.5百万円です。
理由は、上場会社を監査する監査法人の監査報酬が高いからです。
当事務所のように上場会社を監査していない個人の公認会計士事務所や監査法人なら上記金額より3割以上安くなります。
私は、4年前まで上場会社を監査していましたのでなぜ高くなるのか理解できます。
上場会社を監査している監査法人でも監査報酬は大手になればなるほど高くなります。
その理由は大体みなさんも想像できるかと思いますが、間接経費が多くかかるからです。間接経費とは、海外提携事務所への提携料の支払い、新人を毎年多く採用するための研修費や採用費、上場会社監査登録事務所特有の公認会計士協会のレビューや金融庁の検査への対応費、レビューや検査で求められる品質管理部門など間接部門の人件費などがあります。
もっとも高くなる原因は、株式会社と違い役員(監査法人の場合は社員)が10倍~20倍(4大監査法人ではいわゆる役員が500~600人)も居るため、現場で働かない役員(社員)の報酬が人件費の相当部分を占めることが原因です。
適正な監査報酬で実のある監査を受けましょう
貴方の組織は、上場会社ではありません。そして売上規模も300億円未満で従業員も1,000名以下です。
であるならば、なぜ、上場会社を監査している監査法人の高い監査を受ける必要があるのでしょうか?
上場会社を監査していない個人の公認会計士事務所や監査法人の監査の品質は低いのでしょうか?
ずばり、他の監査事務所のことはわかりませんが、当事務所に限ってお応えすると監査品質は低くはありません。
上場会社を監査している監査法人と品質に関しては同等以上であり、逆に、単なる形式的な手続きを省略し、それぞれの会社に見合った監査を実施しますので、会社にとって実のある監査を実施することを基本方針としています。
このことの詳細については以下を参照ください。
おわりに
コロナ禍より大手監査法人はリモート監査を実施しています。リモート監査により社内の不正なども見過ごされているようです。
また、金商法監査を実施している監査法人等は、近年のKAMの導入・収益認識に関する会計基準の適用により、監査時間が増加し、監査報酬の引き上げを提案しています。
監査時間が増加し、金商法監査会社への人員が増員されれば、その他の法定監査(会社法・医療法人・学校法人など)の会社等に出向く人員は、不慣れな新人や監査経験の浅い会計士が多く投入され、監査の品質は低下しているのが実情でしょう。
しかし、監査報酬は引き下げないのが現実ではないでしょうか。
年末から年明けにかけて、withコロナ、afterコロナとなり来年の決算監査時には従来の監査が戻ってくるでしょう。
監査報酬の見直しや実のある監査を受けたいと切に思われるなら、上場会社を監査している監査法人ではなく、当事務所を含めた非上場会社等に特化した監査事務所を選ぶという決断がもっとも賢明であると考えます。
以上
横田公認会計士事務所は、非上場の会社法監査、医療法人の会計監査、学校法人の会計監査、労働組合の会計監査など上場会社を除く会計監査に特化した監査事務所です。
上場会社を監査している監査法人等と比較し、費用面を抑えて実質的な監査を行うことを基本方針にしています。効率性の高い会計監査を行うことが可能です。
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