監査法人から監査報酬の値上げの提案を受けたらどうすべきか!?~会計監査~

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はじめに

上場会社の会計監査における、KAM(監査上の主要な検討事項)の導入や「収益認識に関する会計基準」の本格導入により、上場会社の会計監査においては、監査時間が増加し、監査法人による監査報酬の値上げの提案が増加しています。

それでは、監査法人から監査報酬の値上げを提案された場合、貴方の会社はどのように対応されたでしょうか!

監査報酬=監査工数(日数)×監査の単価(日)

監査報酬は上記のように工数に単価を乗じて見積りされます。

工数が増えれば、監査報酬は増加せざるを得ないのが実情です。

以下、上場会社の金商法監査と非上場会社の法定監査に分けてどうすべきか検討します。その前に、監査事務所を以下に分類します。

【監査事務所の分類(規模の大きい順番)】

公認会計士または監査法人による会計監査(法定監査)の場合、以下の監査事務所が存在します。

①大手監査法人(4大監査法人)

②準大手監査法人(大手に次ぐ規模の監査法人5法人)

③中堅監査法人(上場会社の被監査会社数が約10社~40社程度)※1

④その他の上場会社監査登録事務所(上場会社の被監査会社数9社以下)※1

⑤その他監査事務所(上場会社の監査をしていない監査法人及び個人の公認会計士事務所)※1

※1 中小規模監査事務所として大手・準大手以外を一括して呼ぶ場合もありますが、③④⑤では、監査報酬にかなりの違いがあるのであえて、分類を細かくしています。

 自社に適した公認会計士または監査法人を選ぶ

【監査報酬の高い順番】

当然ですが、高い順に①>②>③>④>⑤となります。

理由は、

・海外提携事務所への提携料の金額が①>②>③となること

・事務所の人員が多く、間接部門が多くなるため間接経費の金額が①>②>③となること

・④>⑤となるのは、④は上場会社を監査しているため、日本公認会計士協会(JICPA)のレビューが3年のうち、2年間は、本レビューとフォローアップレビューが入るため、レビューに対応するための間接経費が発生するためです。

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【上場会社の金商法監査】

上場会社の場合は、上場会社監査登録事務所でなければ監査できません。

④や⑤の監査事務所でも事前に登録すれば可能ですが、④⑤の監査事務所は上場会社の監査を引き受けるかどうか確実性がないため、監査法人等を変更するなら①~③の選択肢となります。

①の監査法人の監査を受けている会社の場合、監査報酬の値上げを提案されたら①の中の他の3法人、②、③という選択肢があります。

ただし、グローバルに海外展開している大企業の場合は大手の他の3法人の中から選ぶことになります。結果、監査報酬は値上げされない可能性はありますが、監査の内容はあまり変わりません。要は、杓子定規な監査が行われます。

グローバルな海外展開の度合いによって、②か③か選ぶ監査法人の範囲が変わってきます。

③の中堅監査法人で対応可能な会社の場合は、③の中から監査法人を選ぶのがベストな選択肢(監査報酬面・監査の柔軟性の両面)と言えます。

【非上場会社の法定監査】

・会社法単独の会計監査

・医療法人の会計監査

・社会福祉法人の会計監査

など、非上場の法定監査の場合は選択肢が①~⑤まで増加します。

ただし、非上場でもグローバルに海外展開している会社や病院数が数十病院以上あるような医療法人などの場合は、①~③の中から会計監査人を選びましょう。

それ以外の会社等の場合は、監査報酬・監査の柔軟性を重視するなら⑤の中から会計監査人を選びましょう。

⑤のその他の監査事務所の中でも、監査法人か個人の公認会計士事務所のどちらを選ぶかは、相性次第です。個人の公認会計士事務所の方が監査報酬・監査の柔軟性は一般的には高いでしょうが、個人事務所だけに個人差があります。

個人の公認会計士事務所よりは監査法人の方が安心かと言えばそうでもありません。

上場会社を監査していない監査法人は5人の社員(会社で言う取締役)が必要ですが、5人は名ばかりで、それぞれ別個の個人の公認会計士・税理士事務所が名前を貸しているだけで、監査法人という名目だけの監査法人がほとんどです。実質は個人の公認会計士事務所とほとんど変わりません。

個人の公認会計士事務所の方が、代表者がどんな人物であるかはっきりしているため、どのような事務所かわかりやすいと感じることでしょう。

どちらにしても、監査報酬だけを重視するなら相見積にて会計監査人を選べばよいでしょう。

ただし、どちらにしても会計監査人が必要で、監査報酬を払うなら、柔軟な姿勢で監査以外でも会社のことを考えて会計指導や組織の効率性、融資の相談や税務の相談まで幅広く対応できる公認会計士事務所等を選ぶのが会社等にとってベストな選択肢ではないかと考えます。

 以上

自社に適した公認会計士または監査法人を選ぶコツ

個人の公認会計士事務所による会計監査はメリットだらけ!

横田公認会計士事務所は、非上場の会社法監査、医療法人の会計監査、学校法人の会計監査、労働組合の会計監査など上場会社を除く会計監査に特化した監査事務所です。

上場会社を監査している監査法人と比較し、費用面を抑えて実質的な監査を行うことを基本方針にしています。効率性の高い会計監査を目指しています。

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