会計処理・会計監査:雇用調整助成金
はじめに
東京五輪が先週開幕し、みなさんは日本人選手の金メダルラッシュに沸いている現状でしょうか。そのような中、新型コロナウイルス感染症の陽性者数も予断を許さない状況で、東京では新規感染者が1000人を超える日が続いています。このような現状、当事務所ではコロナ対策をしてリモートでの業務を実施し、東京五輪はテレビ観戦で楽しんでいます。
私個人は、8月2日にワクチン接種の2回目を終えるため、当事務所としては8月16日から通常の事務所活動を再開する予定です。
雇用調整助成金の特例措置
雇用調整助成金とは、事業主が労働者に支給する休業手当等の一部を助成するもので、特例措置では、一定の要件に該当する場合、上限額の引上げ等が行われています。
詳細は以下を参照ください。
雇用調整助成金(新型コロナ特例)|厚生労働省 (mhlw.go.jp)
新型コロナに係る「雇用調整助成金」の特例措置は今のところ9月末まで継続する予定です。10月以降の対応は、雇用情勢を踏まえて8月中に決定されます。現下のコロナウイルス感染症の第5派の状況では10月以降も継続されることが予想されます。8月中の決定にはご留意ください。
雇用調整助成金の収益計上時期
雇用調整助成金は、労総者個人への支給ではなく、事業主に支払われるため、交付された金額は企業の収益となります。
収益計上時期については、国税庁が考え方を示していますが、考え方としては、同助成金の「交付決定日の属する事業年度」または「経費(休業手当)が発生した事業年度」のどちらかとなります。
同助成金の特例措置は、通常とは異なり、事前の休業等計画届の提出が不要であることから、前者、すなわち「交付決定日の属する事業年度」が税務上の収益計上時期の原則となります。ただし、交付申請を行い、交付が受けられることが確実だと認められ、経費発生事業年度に会計上も収益計上した場合には、後者、すなわち「経費(休業手当)が発生した事業年度」も特例として認められます。
雇用調整助成金の表示方法
雇用調整助成金の損益計算書上の表示方法には、以下の①~③の方法があります。
①営業外収益に表示
②特別利益に表示
③販売費及び一般管理費から控除し、その旨を注記
具体的には、①では、雇用調整助成金として独立掲記するほか、同助成金の額が営業外収益総額の10%以下の場合は「その他」に含めて表示することができます。
おわりに
当事務所の監査上の対応ですが、雇用調整助成金の受取金額が明瞭で、営業利益に影響を与えないことから①の営業外収益に表示する方法を推奨します。特別利益はあくまで臨時・巨額の収益や過年度の収益の修正額を表示するという観点からです。雇用調整助成金が巨額となるケースは稀であると考えます。
ところで、みなさんのワクチン接種状況はいかがでしょうか?まだ2回接種を終えられた方は高齢者が中心のようなので、2回接種を終えられた方は少ないのではないでしょうか。どうぞ、2回接種を終えて、2週間が経過するまでは新型コロナウイルス感染症対策を万全にしてお過ごしください。
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