新型コロナウイルス感染症対応の監査状況調査が公表(JICPA)
はじめに
新型コロナウイルス感染症の陽性者が再び増加し、第4派が来ている状況下、今週より大阪・兵庫・宮城県にまん延防止等重点措置が適用されました。
3月決算の監査作業は、棚卸立会や実査等がすでに始まっており、今月半ばには本格的に期末監査が始まろうとしています。このようの状況で、日本公認会計士協会(JICPA)は、3月26日「新型コロナウイルス感染症に関連した監査上の対応状況についての調査報告書」を公表しました。 昨年3月以降、新型コロナの感染が拡大する中、JICPAは「十分かつ適切な監査証拠の入手」に向けて新型コロナに関する監査上の留意事項を順次公表するなどの対応を図りました。
今回の調査で2020年3月期の監査上の対応状況を確認した結果となっています。監査人は、リモートワークの増加等に伴う監査証拠の入手方法の変更や監査手続の一部制約等の影響を受けつつも、「代替的な監査手続の実施などを通じて必要な監査証拠の入手に努めていた」と結論しています。
監査事務所としての対応
JICPAは新型コロナ対応に関する「監査事務所としての対応」と「個別業務における監査チームの対応」を調査しました。
「監査事務所としての対応」については上場会社監査事務所名簿に登録の118事務所が対象で、うち110事務所から調査票を回収しました。結果、2020年3月期の監査について以下のように総括しています。
「公表した一連の【留意事項】等を参考にしつつ、職業的専門家としての判断を適宜行使し、監査スケジュールの見直し、代替的な監査手続の実施、監査証拠としての信頼性の評価等を通じて、財務諸表には全体として重要な虚偽表示がないことの合理的な保証を得るために必要な監査証拠の入手に努めていた」。
一方「監査事務所として、コロナ対応を書く監査チームに任せているケース」を懸念すべき事例として挙げ、留意を促しています。
「個別業務における監査チームの対応について」は、調査対象を絞り込んだ55業務(29事務所)から調査票を回収しています。「実地棚卸の立会」や「残高確認」、「会計上の見積り」「経営者確認書」などの項目をあげ、参考となる取り組み事例を紹介しています。
おわりに
現状監査事務所によって監査業務へのコロナ禍の取り組みが異なっているのが実情です。4大監査法人の中には、完全リモートにて監査業務に取り組んでいる事務所もありますが、中小監査事務所においては蜜を避けつつ監査現場へ往査に出向く、従来通りの監査を実施している事務所が多数を占めているようです。
当事務所においても、コロナ禍の監査業務は今回で最後になることを祈りつつ、調査報告書を参考に今後も役立つ個別業務におけるリモート監査も取り入れながら効率的な監査を実施していくよう努めてまいります。
横田公認会計士事務所は、非上場の会社法監査、医療法人の会計監査、学校法人の会計監査、労働組合の会計監査など上場会社を除く会計監査に特化した監査事務所です。
上場会社を監査している監査法人と比較し、費用面を抑えて実質的な監査を行うことを基本方針にしています。効率性の高い会計監査を目指しています。
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