会計監査:自社に適した公認会計士または監査法人を選ぶコツ(コロナ禍、監査報酬を見直したい!)
はじめに
コロナ禍、売上が減少し経費節減を実施したい会社や法人が多くなってきているようです。医療法人も近年、一定規模以上の医療法人や社会医療法人は法定監査の対象となりました。その医療法人の50%以上が赤字の状態だそうです。新型コロナウイルス感染症により、外来で訪れる患者が減っていることが一番の要因です。飲食業や観光業も緊急事態宣言により利用者が激減しています。飲食業といえば小規模な居酒屋やバーなどを思い浮かべる人が多いと思いますが、大手の居酒屋チェーンや牛丼・食堂のフランチャイズ店、それらに食材を提供する一定規模以上の食品会社も時短営業の影響等を受けて売上が減少しています。この状態はワクチン接種を国民全員が終えるまで続くと考えられます。
このように医療法人のみならず、法定監査の対象である一定規模以上の会社も売上減少により、経費の節減が企業存続の要となってきています。
【公認会計士または監査法人の監査を受けなければならない会社等】
法定監査とは、主に以下の法人等に対して法令等で公認会計士または監査法人の監査(以下外部監査)が義務付けられているものです。
①上場会社(金融商品取引法に基づく監査)
②会社法に基づく監査(大会社及び委員会設置会社)
③学校法人の監査(国や地方公共団体から補助金を受けている)
④公益社団・財団法人
⑤一般社団・財団法人
⑥社会福祉法人の監査
⑦医療法人の監査
その他については以下を参照ください。
日本の監査制度 | 日本公認会計士協会 (jicpa.or.jp)
【公認会計士または監査法人の規模別状況】
規模の大きい(職員数の多い)順に以下の通り分類します。
①大手監査法人
②準大手監査法人
③中堅監査法人(準大手より小規模で上場会社の監査をしている監査法人)
④中小監査事務所(ここでは非上場会社のみ監査している監査法人及び個人の公認会計士事務所)
④の中小監査事務所について、監査法人と個人事務所を分類せず一緒にしているのは、非上場会社のみ監査している監査法人の実質は、監査法人は社員(会社の取締役)5人以上で構成されますが、④の監査法人はそれぞれの社員が個人事務所と同じようにそれぞれ監査を実施し、横の連携がなく監査法人という名前の下に集まっている組織というのが実情だからです。事務所も会計も従業員もそれぞれ別に雇っていて、社員の個人事務所のどこか一箇所を法人事務所としている監査法人というのが多くの実態と言っても過言ではありません。
【公認会計士または監査法人の規模別実情】
①については4っつの法人だけであり、新日本、トーマツ、あずさ、Pwcあらたです。これらの監査法人は職員数では3,000人以上最も多いトーマツは約7,000人で事務所も全国的に展開しています。
海外の大手会計事務所とも提携しています。
②については、太陽、仰星、東洋、三優、Pwc京都です。職員数や事務所も大手には及びませんが、比較的多数の上場会社を監査しています。上場会社の数が多い順に太陽237社、仰星85社、東洋83社、三優69社、Pwc京都50社
③については、上場会社の監査先で一番多いのがアーク41社であり、他はそれより少なく、1社のみという監査法人が一番多くなっています。2020年10月現在でアークを含め合計105の監査法人が存在します。
④については、2020年末現在、監査法人数は254法人あるため、①,②,③を除いた約140法人あることになります。個人の公認会計士事務所で監査を行っている事務所については非公表のためどれほどあるかわからないので実情です。
【結論:ずばり会社等の規模別の適正な会計監査人の選び方】
会社や法人等の規模別にどの規模の監査人を選べば費用対効果が一番高い(監査報酬が安い)かの結論を述べましょう。
法定監査を受ける会社や法人の規模を以下の4区分に分類します。
①売上高等の収益が300億円未満で従業員300人未満、
②売上高等の収益が1,000億円未満で従業員1,000人未満(①を除く)
③売上高等の収益が1,000億円以上で従業員1,000人以上
④上場会社
①~③は非上場の会社や学校法人・医療法人等です。
①→中小監査事務所>中堅監査法人
②→中堅監査法人>準大手監査法人
③→中堅監査法人>準大手監査法人>大手監査法人
④→中堅監査法人>準大手監査法人>大手監査法人
以上となります。
①の区分の会社は中小監査事務所(当事務所を含む)が最適ですが、中小監査事務所の場合は代表者個人との相性がすべてと言っても過言ではありません。必ず面談して代表者との相性を確かめてください。
①や②の区分の会社でも、監査が必要なほどの重要な海外子会社がいる場合は、その子会社の数の程度により、
中堅監査法人→準大手監査法人→大手監査法人の順番でコンタクトするのが一番良いかと考えます。
最後に③,④の場合でグローバルに海外展開している会社は大手監査法人の一択のみとなります。監査報酬を安く抑えるためには、大手監査法人の中で見積を取って一番安い監査報酬を提示した監査法人を選択するのが賢明でしょう。品質の差はほとんどありません。代表者個人との関係も希薄であり、どちらにしろ数年で代表者はローテーションで変わります。監査法人という組織との付き合いだとビジネスライクにお考えください。
次のブログで、なぜ、上記の結論になるのか『監査事務所の規模別の監査報酬についての分析』として監査報酬の構成要素とその中身を説明します。
おわりに
コロナ禍、経営が厳しい会社や法人にとって、社会的な必要経費としての監査報酬も企業の存続を考えれば、なるべく抑えたいのが実情でしょう。しかし、質の悪い監査を受けて、監査人が重要な従業員の不正や会社の経理の重要なミス等を見逃すようなことがあっては、のちのち会社や法人の信用問題に発展し、損害賠償や規制当局からの行政処分を受けてしまいます。そのようなことになって、コロナ後に問題が発覚し会社や法人の存続危機がその時に訪れて後悔しても遅いということになります。
このブログを見られている方の多くは、上記の会社や法人等の規模では①に該当すると思われます。
法定監査の監査人としては、中小監査事務所を選ぶべきです。中小監査事務所は本文でも説明していますが、上場会社を監査していない個人事務所の集まりのような監査法人又は個人の公認会計士事務所です。これらの数は、他の規模の監査法人に比べて圧倒的に多くの事務所が存在します。
中小監査事務所の中で、どの事務所を選ぶべきか迷っている方や、中小監査事務所は情報が少なくどの事務所を選べばよいかわからないと言う方も多いでしょう。
そのような時は、監査責任者が上場会社の監査責任者の経験があるかどうかを一つの指針としてください。上場会社の監査責任者の経験があれば、協会(JICPA)のレビューや金融庁の検査を受けた経験があります。その経験の下で監査を行いますので、質の悪い監査を行うリスクは低いと言えます。
当事務所は、上場会社の監査責任者の経験があり、監査チームのメンバーは大手監査法人出身の独立した個人事務所を経営するベテラン会計士で構成しています。安心してご依頼ください。また、中小監査事務所の場合、当事務所に限らず、監査法人と比較して、監査責任者が現場にめったに来ないということはありません。監査責任者が先頭に立って現場で監査を行います。信頼感の持てる監査を提供いたします。
その場合、監査責任者との相性も重要となるでしょう。まずは、当事務所に限らず、心当たりのある監査事務所が見つかれば、監査責任者に問い合わせして、どのような人柄なのかを確かめてみてはいかがでしょうか。
横田公認会計士事務所は、非上場の会社法監査、医療法人の会計監査、学校法人の会計監査、労働組合の会計監査など上場会社を除く会計監査に特化した監査事務所です。
上場会社を監査している監査法人と比較し、費用面を抑えて実質的な監査を行うことを基本方針にしています。効率性の高い会計監査を目指しています。
監査のご依頼・ご相談は、問い合わせフォーム(24時間年中無休)、電話にてのご連絡は平日10時~17時、にてご連絡ください。
3月決算の会社等の監査は日程等についてご相談ください。3月決算を除く会社等の監査はまだ日程的にお受けできますので大歓迎です。お気軽にご相談ください。
緊急事態宣言も解除され、最近は監査の現場での作業で外出が多くなっています。ご依頼・ご相談のある方は事務所への電話は控えていただき、最初のコンタクトはできるだけ問い合わせフォームまたは問い合わせ専用メールアドレスをご利用ください。こちらすぐにご連絡いたします。
必須項目を記入いただき問い合わせいただいたらすぐに以下の下四桁の携帯より折り返しご連絡します。
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