デジタル時代の公認会計士会計監査の監査証拠
はじめに
近年、ビジネスの複雑化がさらに増す一方で、テクノロジーの進化も日進月歩で、AI、ロボティクス、ブロックチェーン等、新技術には枚挙に暇がありません。
会計監査人の監査証拠
このような現状、会計監査人が集める監査証拠はどのようにアップデートしていくのでしょうか。この点、国際監査・保証審議会(IAASB)では、国際監査基準(ISA)500「監査証拠」の改定を計画しているようです。
9月3日に、IAASB内の監査証拠ワーキンググループがISA500に関する「プロジェクト・アップデート」を公表し、改定の方向性やスケジュール案を示しました。IAASBでは、2016年末から2020年初頭にかけて関係者から意見聴取などを行ってきたようです。6月の会議での議論を経て、一通りの下準備が完了しました。12月の会議での承認を経て、本格的な改定作業に着手する予定を示しています。
現時点では示されている改定の方向性は
① 情報の性質や情報源について等、監査人が用いる情報の変化に対応する
② テクノロジーの進化を反映させて、原則に基づいた基準の現代化や支援をする
③ 監査証拠として用いる情報について判断し、十分に適用可能な監査証拠が入手できたかを評価する際の職業的懐疑心の維持を促進する
上記3点が確認されているようです。
これらについて議論し、2021年12月に公開草案を公表したあと、2022年6月から2023年2月にかけて寄せられたコメントを検討し、2023年3月に改定を終了させる見込みのようです。
おわりに
デジタル時代の監査証拠がどのようなものになるのか?改定まで2年半あります。個人の公認会計士事務所として今後の会計監査に対応できるようデジタル化に対応していきたいと感じている今日この頃です。