コロナ禍での夏バテと対策

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はじめに

今年は、長梅雨の後コロナ禍の猛暑日が続き特に夏バテに注意したいですね。

夏バテは医学の領域における正式名称ではなく、高温で湿度の高い日本の夏の暑さによって、体調を崩してしまうことの総称です。

ずっと疲れが取れない、食欲不振が続く、夜に眠れないなどが、典型的な症状といえます。このような夏バテを防ぎ、元気なまま秋を迎えるには、生活上どのような点に注意すべきでしょうか。

そこで、効果的な夏バテ対策について考えてみましょう。

夏バテ予防のための食事

暑い日々が続くと、冷たいものがどうしても欲しくなります。そのため、普段の食事でも、冷やしそうめんや冷やしうどん、ざるそば、冷やし中華などを口にしがちではないでしょうか。

しかし、こうした麺類ばかりを食べていると、必要な栄養を十分に摂取することができません。麺類は炭水化物こそ多いですが、ビタミンやタンパク質がほとんど含まれていないため、それだけを食べ続けると栄養が不足し、夏バテにつながることになります。

そのため、食事は麺類だけで終わらせるのではなく、タンパク質を摂れる肉、魚、大豆、ビタミンやミネラルを摂れる野菜や果物類を必ず一緒に食べるようにしましょう。

タンパク質については、疲労回復につながるビタミンBも併せ持つ食材を食べるのがおすすめです。例えば豚肉やうなぎ、レバー、まぐろ、かつお、大豆製品、にんにくなどは、タンパク質とビタミンBを同時に摂取できる食材です。また、旬の夏野菜でもあるかぼちゃ、ピーマンなどは、ビタミンやカロテン、カリウムなどのミネラルを多く含む食材のようです。

夏を乗り切るため、麺類に加えてこれら夏バテを防ぐ栄養素を持つ食べ物を、普段の食事に積極的に取り入れていきましょう。

冷たいものを取りすぎると胃腸が...

夏というと、気を付けたいのが水分不足です。水分が不足すると体温が上昇して脱水状態となり、熱中症になる危険性があるので、もちろん水分補給はきちんと行う必要があります。

しかしだからといって、冷たい飲み物やアイスクリームを大量に摂取し続けるのはダメです。外気の暑さに反して体内が冷え切ってしまい、食欲不振や下痢などの症状が出る場合があるのです。

そのため水分補給をする際は、冷たいものを一気に体内に入れるということはできるだけ避けましょう。ほどほどに冷えた飲み物を、こまめに少しずつ摂取すれば、胃腸が極度に冷えることを避けやすい。もし夏場に下痢が続き、夏バテ気味だと感じる場合は、水分補給と称して極度に冷えた飲み物をゴクゴクと大量に飲んでいないか、自分の生活をチェックしてみてはいかがですか。

冷房に当たりすぎると体への負担も大きくなる

また、夏場は水分補給に加えて、室内の温度が高温になりすぎないように注意することも大切です。風通しの悪い建物・部屋の場合、何もしないでいるとどんどん室内の気温と湿度が上昇していきます。室内で大量の汗をかき続け、そのまま熱中症になるというケースも多いので、適宜クーラーをつけるなどの対策が必須です。

しかし冷房は、必要以上に温度を低く設定し、長時間冷たい風に当たり続けると体調不良を引き起こします。エアコンは夏を乗り越えるために欠かせないアイテムですが、過度に「冷たさ」を追求するのは危険ということになります。

人間の体には交感神経と副交感神経の2種類があり、気温が高いときは副交感神経が優位となって発汗や血管の拡張などが起こって体温を発散させます。逆に気温が低いときは、交感神経が優位となり、血管を収縮させて体温の低下を防ぎます。

夏場に高温の室外、クーラーで冷え切った屋内を行ったり来たりすると、2つの神経が入れ替わり活発となって、血管の拡張と収縮が頻繁に起こってしまうのです。こうした状況が続くと、次第に自律神経のバランスが崩れるようになります。血行不良・だるさ、疲れを引き起こし、いわゆる夏バテの状態に陥りやすくなるというわけです。

エアコンにより夏バテなるのを防ぐためには、エアコンの温度設定を下げすぎないようにして、環境省推奨の「28℃」程度に留めておくのが望ましいのではないでしょうか。

28℃というのは室内の温度であり、エアコンの設定温度ではありません。室内に温度計等を設置して、室温を把握できる状況にしておきましょう。28℃でも汗が流れ落ちるという場合は、無理をせずにそれよりも低くしてもよいでしょうが、上に何かを羽織らないといけないほど寒さを感じる場合は、夏バテにつながる寒さと思って、設定温度、28℃を心がけましょう。

快適な睡眠を心がけて夏バテを防ぐ

夏場は熱帯夜が続くため、夜に熟睡できないという方もいるでしょう。睡眠はしっかり取らないと体調不良の原因となり、夏バテにつながります。

快眠をするには、環境を整えることが大事です。夜中に暑すぎて眠れない場合は、エアコンと扇風機をうまく使いながら、温度・湿度を下げる工夫をします。エアコンを使う場合は、タイマーを2~3時間にしておくと、エアコンが切れたときに目が覚めるということなり、睡眠不足になりかねないので、エアコンは下げ過ぎず、適温で朝までつけておきましょう。

また、夏場の間は、通気性がよく、熱を逃がしやすい寝具を使うこともおすすめです。最近では、手触りのよい接触冷感素材の寝具もあります。上に掛けるふとんも、タオルケットだけでなく天然素材の麻を使った風通しのよい肌掛け布団などもあるので、利用を検討してみるとよいかもしれませんね。

おわりに

夏バテを予防するには、栄養バランスのとれた食事と十分な睡眠が最も重要です。暑いからといって、冷たい麺類ばかり食べていると、栄養バランスに偏りが生じ、夏バテを引き起こします。また、夜中に暑苦しくて眠れない場合は、エアコンの活用と快適な寝具を使用しましょう。

夏場の熱中症対策には、水分補給のための飲み物とエアコンの利用が欠かせないといえます。しかし、水分補給と称して冷たい飲み物を大量に飲み続ける、エアコンの設定温度を低くしすぎる、といった行為を繰り返すと、体調不良をもたらし、夏バテの原因ともなるため皆さんくれぐれもご注意ください。