株式投資:東証の投資単位の引下げの水準

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はじめに

先月、2月には日経平均株価は30,000円を超えました。コロナ禍の中、株価はバブル時代以来の水準となっています。コロナ禍で在宅勤務が増えたこともあり、若者の証券口座開設ペースもかなりの水準で増加しているようです。楽天証券では2020年3月から2020年9月の9か月間で口座数が400万口座から500万口座へ12.5%も増加しています。新規口座開設者の属性は、女性の比率が40%弱、30代以下の若者の比率が6割を超えているようです。

株式投資では、投資単位が高いと投資するハードルが上がります。例えば、人気のソニーの株価は1万円を超えていますが、最低売買単位は100株ですからソニーの株を買うためには100万円以上の資金が必要となります。東証一部を含めてそのような株価の銘柄ばかりなら初心者や若者は中々株式投資ができなくなります。

そこで東証では、望ましい投資単位の水準を定めています。

投資単位の水準

東証では、個人投資家が投資しやすい環境を整備するために、望ましい投資単位として「5万円以上50万円未満」という水準を明示しています(上場規程第445条)。

投資単位が50万円未満の会社は2020年9月末時点では、3,678社中3,433社(93.3%)となっており、50万円以上の会社も近年は10%未満で推移しています。投資単位が50万円以上の会社の内訳は東証一部が172社と最も多く、次にマザーズ37社となっています。

投資単位の引下げ

投資単位が50万円以上である場合、事業年度経過後3か月以内に、望ましい投資単位へ移行するための投資単位の引下げに関する考え方および方針等を開示することが義務付けられています(上場規程第409条)。

ただし、当該開示を行う日までの間に、上場会社が投資単位の引下げを目的として「株式分割」を行うことを具体的に決定している場合には、考え方および方針等に関する開示は不要となります。

株式会社ミルボンは2月12日“投資単位の引下げに関する考え方および方針等について”として考え方について「当社は、投資単位の引下げが、投資家層の拡大や株式の流動性の向上等、株式市場の活性化を図るための有効な施策であり、株式市場における適正な株価形成の観点からも重要であると認識しております。」今後の方針については「上記の認識のもと、今後株式市場の動向を注視しつつ、当社株式の株価水準や流動性、株主構成の推移等を総合的に勘案し、実施の要否および実施する場合はその時期について、慎重に検討してまいります。」と開示しています。3月1日付の同社の株価は5,990円であり最低売買価格は59万9千円となっています。

おわりに

東証が投資単位として望ましいとする5万円以上50万円未満とする水準は、確かに若者の株式投資初心者にも投資しやすい水準だと考えられます。2月15日に30年半ぶりに3万円を超えた日経平均株価ですが、今後の値動きは別として、コロナ禍でもある現状、在宅勤務など働き方も変化してきており、個人投資家の株式投資は今後も増えていくことでしょう。株式投資は自己責任ですので、くれぐれも投資の判断については安易に考えず、慎重に見極めて投資を行ってください。

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