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建設業を例にしたインボイス制度への対応策(申請期限令和5年3月末)

カテゴリ: 税務 最終更新日:2022年10月27日(木) 公開日:2022年10月27日(木)

はじめに

インボイス制度とは、令和5年10月より導入される適格請求書等保存方式のことであり、令和3年10月1日の登録申請書の受付開始から1年が経過しました。

また、令和4年度税制改正によりインボイス制度の一部見直しが行われています。

インボイス制度の具体的なイメージをしやすくするため、業種を建設業と仮定し、想定される課題および実務に即した対応策について記載します。

免税事業者に関係する令和4年度税制改正の概要

(1)免税事業者の登録に関する経過措置の見直し

経過措置により、免税事業者が課税期間の中途である登録日から適格請求書発行事業者となることが可能となり、「登録申請書」の提出のみで登録手続きが完了し「課税事業者選択届出書」の提出は不要となっています。

改正前は令和5年10月1日の属する課税期間以外では、この経過措置が適用されませんでしたが、改正により、令和5年10月1日から令和11年9月30日までの日の属する課税期間まで、経過措置の適用される期間が拡大されています。

(2)免税事業者を選択することの制限(2年縛り)の取り扱い

免税事業者が「課税事業者選択届出書」を提出し、課税事業者となった場合、2年間は免税事業者となることができません。ただし、改正前のインボイス制度では、上記(1)の経過措置を適用して免税事業者が課税事業者となった場合には「課税事業者選択届出書」の提出が不要であることから、この2年縛りの対象外となっていました。

しかし、今回の改正により、令和5年10月1日の属する課税期間に登録を受けた場合は2年縛りの対象外となるものの、それ以外の課税期間に登録を受けた場合は2年縛りの対象となります。実務上、非常にミスが起きやすい事案になるかと思いますのでご注意ください。

建設業の課税事業者における実務上想定される今後の課題と対応策

建設業を営んでいる課税事業者の場合、下請業者にはいわゆるひとり親方が多く、その多くが免税事業者であるケースが想定されます。したがって、下請業者が適格請求書発行事業者の登録をせず免税事業者のままだった場合、当該建設業者は仕入れ税額控除ができなくなるため、消費税負担が増加し、業績への影響も大きくなることが考えられます。

このような場合、当該建設業者は下請業者に対してどのような対応をすべきでしょうか。

(1)配布用チラシによる下請け業者へのインボイス制度周知と免税事業者の把握

まず、インボイス制度を下請業者に認識してもらい、かつ下請業者の中に免税事業者がどの程度いるのかを把握することが対応の第一歩となります。

(2)下請業者と交渉する際の留意点

下請業者へのインボイス制度の登録事業者となるよう要請したり、再交渉において双方納得の上で取引価格を設定すれば、結果的に取引価格が引き下げられても、独占禁止法や下請法で問題とはなりません。

ただ、当事者の一方が優越的地位にあり、その地位を利用して、登録しなければ取引を行わない、あるいは取引価格を引き下げる、また交渉する場合も形式的なものにとどめる、といった場合は、独占禁止法上問題となる恐れがあります。また、課税事業者となることを了承した下請業者に対し、消費税分の価格転嫁をせず、据え置くように通告する場合も同様です。下請業者との交渉の際は、十分に協議を行い、双方納得する条件を設定することが重要となります。

(3)簡易課税制度の有効活用

下請業者が登録事業者になることを拒絶する理由は多いことでしょう。インボイス制度のデメリットのみを判断材料とし、下請業者との取引を中止するという選択は現実的には難しいと考えられます。建設業界は慢性的な人材不足の状況であり、加えて技術のある下請業者の代わりがなかなか見つからない場合、建設現場に影響を及ぼす可能性もあります。

そのような場合、当該建設会社が簡易課税制度を適用することも検討すると良いでしょう。基準期間の課税売上高が5,000万円以下という条件がありますのでどの会社でも適用できるわけではありませんが、貴方の会社の課税売上高のみで消費税を計算する簡易課税制度は、下請業者に免税事業者多いケースでは有効だと考えられます。

さらに、下請業社にもこうした簡易課税の趣旨、内容を理解してもらえば、登録事業者となるインセンティブが働くことも考えられます。

(4)免税事業者からの請求書に消費税額を記載する際の留意点

免税事業者からの請求書について、令和5年10月1日以降の取引においても消費税額の請求を禁止する規定はありません。ただし、適格請求書発行事業者であると誤解を招かないように消費税額ではなく消費税相当額として記載してもらうか、請求金額を税額別記とせず、税込みの金額により記載してもらうといった対応が提案されているようです。

(5)当事者である建設会社内部への制度の周知

経営者が制度を理解していても、従業員の理解が不十分な場合には、適格請求書発行事業者登録を行ってもらえない事業者と新規に取引を開始し、結果、仕入税額控除を受けられないという事態になる可能性があります。そのようなトラブルを回避するためにも、研修会等に参加するなど従業員への制度周知が重要となります。

おわりに

インボイス制度の登録申請書の提出期限は、原則として、令和5年3月31日ですので、対応を焦る必要はないと考えている方も多いかもしれません。

しかし、上記に記載した実務上の課題と対応策イメージすると、建設業以外の業種も含め検討すべき対応策は多岐にわたります。インボイス制度を理解し、適切なタイミングで登録申請等の対応ができるよう、上記の内容を半年後の提出期限に備えるための参考にしてください。

以上

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