会社法上、取締役会での決算確定のケースと申告書提出時期

確定決算の意義

法人税の課税標準は、確定した決算に基づく申告によって確定しますが、確定した決算に基づく申告とは、具体的には、次のことを表明したものです。

法人税の申告は、法人がその決算に基づく計算書類につき株主総会の承認、総社員の同意その他の手続による承認を受けた後、その承認を受けた決算に係る利益の計算に基づいて税法の規定により所得金額の計算を行い、その所得金額及び利益の計算とその所得金額の計算の差異を申告書において表現するものであること

つまり、税務申告書を提出する場合は、株主総会の承認を得た計算書類に基づいて所得金額の計算を行い確定申告を提出するのが基本的な流れとなります。

法人税に係る申告期限の1か月延長特例

申告期限の1か月延長特例とは、「定款等の定めにより、各事業年度終了の日の翌日から2か月以内に当該各事業年度の決算についての定時総会が招集されない常況にあると認められる場合」に、国税当局に申請することで適用が認められます(法法75の2①)。

上記のように、同特例は、事業年度終了の日の翌日から2か月以内に定時株主総会が招集されない場合を適用対象としていますが、実務上、当特例を適用しているからといって、定時株主総会後の申告書の提出が強制されるものではありません。

そのため、例えば、3月決算の会社が、5月開催の取締役会の承認により決算を確定させたのであれば、6月末の定時株主総会前に申告書を提出することも許容されるほか、事後的に、同特例の適用が取り消されることもありません。

取締役会で決算確定できる会社

具体的には、会計監査人設置会社の場合、会社法上、定時株主総会での決算確定の承認を経ることなく、取締役会の承認により決算を確定させることもできます。

会計監査人設置会社の特則

第439条 会計監査人設置会社については、第436条第3項の承認を受けた計算書類が法令及び定款に従い株式会社の財産及び損益の状況を正しく表示しているものとして法務省令で定める要件に該当する場合には、第438条第2項の規定(計算書類は、定時株主総会の承認を受けなければならない)は、適用しない。この場合においては、取締役は、当該計算書類の内容を定時株主総会に報告しなければならない。

このように、会計監査人設置会社の場合は、法人税に係る申告期限の1か月延長特例の適用を受けている場合でも、取締役会の承認により決算を確定させているのであれば、定時株主総会開催前に法人税の申告書を提出しても問題ないことになります。

法人税申告書別表一の「決算確定の日」はいつ?

表題の別表一の「決算確定の日」の欄には、定時株主総会の開催日を記載することが一般的ですが、取締役会の承認により決算を確定させて定時株主総会前に申告書を提出する場合には、取締役会での決算承認日を記載すればよいことになります。

おわりに

会計監査人設置会社の場合のように、取締役会の承認により決算を確定させる場合であっても、その計算書類(貸借対照表、損益計算書等)の内容を定時株主総会に“報告”する必要があります。

以上

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