収益認識基準を適用した場合の税務上の取扱い(電気・ガス事業者等)

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はじめに

昨日は、東京都の新型コロナウイルス感染症の陽性者が久しぶりに1,000人を下回りました。直近一週間のコロナ感染者数も減少傾向にあります。少しですが、光が見えてきたような気がしています。引き続き、ワクチン接種や治療薬が開発されるまで人との接触はなるべく避け、テレワークや不要不急の外出は控えたいと思っています。

さて、以前のコラムにも記載しましたが、収益認識に関する会計基準の適用指針の改正案では、検針日基準を認めていません。

電気・ガスの事業者は検針日程と会計期間とで異なる部分の収益の見積りが必要となります。平成30年度税制改正では、確定した収益認識会計基準(会計処理)を取り込む形で法人税法が改正されました。当時は会計基準において検針日基準に関する特別の対応の可能性が残されていたため税務対応についても気になるところとなります。

税務における検針日基準

法人税に関しては、基本通達で検針日基準の取扱いが示されています。要は、「月等を単位として規則的な検針に基づき料金の算定が行われ、法人が継続してその検針が行われた日に収益計上を行っているときは、当該検針による収益の計上を認める」というものです。この内容から検針日基準が収益の金額と時期の決定方法として認められていることがわかります。

会計基準適用なら検針日基準は?

収益認識基準を適用していない場合、従来通り検針日基準により収益経理をしている場合はその処理も税務上公正な処理基準に該当し、検針日基準で算定する収益の額を税務上も計上することになります。

一方、税務上は、一般に公正妥当と認められる会計処理の基準に従って収益経理した場合は、事業年度の所得の金額の計算上、益金の額に算入することが明確化されている(財務省「平成30年税制改正の解説P.274」ことから、収益認識基準の適用企業は、税務上も収益認識基準に従った見積りによる収益の額を計上することになります。

申告調整によって検針日基準で算定する収益の額に戻すことはできないということになります。逆に言うと、検針日基準に戻す必要はないということです。

おわりに

税務上、収益認識基準による収益を益金の額に算入することが明確化され、検針日基準を認めない収益認識基準の場合、検針日から期末日までの日数等の応じて収益を追加で見積り計上することになりますが、そもそも初年度は収益(益金)の額が見積分だけ多くなります。私個人の見解としても益金の額が多くなることについて税務上否認されることはあり得ないことだと思っています。

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