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ブログ - 大阪で会計士の監査は横田公認会計士事務所

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新型コロナウイルス感染症対応の監査状況調査が公表(JICPA)

カテゴリ: 監査 最終更新日:2021年04月06日(火) 公開日:2021年04月06日(火)

はじめに

新型コロナウイルス感染症の陽性者が再び増加し、第4派が来ている状況下、今週より大阪・兵庫・宮城県にまん延防止等重点措置が適用されました。

3月決算の監査作業は、棚卸立会や実査等がすでに始まっており、今月半ばには本格的に期末監査が始まろうとしています。このようの状況で、日本公認会計士協会(JICPA)は、3月26日「新型コロナウイルス感染症に関連した監査上の対応状況についての調査報告書」を公表しました。 昨年3月以降、新型コロナの感染が拡大する中、JICPAは「十分かつ適切な監査証拠の入手」に向けて新型コロナに関する監査上の留意事項を順次公表するなどの対応を図りました。

今回の調査で2020年3月期の監査上の対応状況を確認した結果となっています。監査人は、リモートワークの増加等に伴う監査証拠の入手方法の変更や監査手続の一部制約等の影響を受けつつも、「代替的な監査手続の実施などを通じて必要な監査証拠の入手に努めていた」と結論しています。

監査事務所としての対応

JICPAは新型コロナ対応に関する「監査事務所としての対応」と「個別業務における監査チームの対応」を調査しました。

「監査事務所としての対応」については上場会社監査事務所名簿に登録の118事務所が対象で、うち110事務所から調査票を回収しました。結果、2020年3月期の監査について以下のように総括しています。

「公表した一連の【留意事項】等を参考にしつつ、職業的専門家としての判断を適宜行使し、監査スケジュールの見直し、代替的な監査手続の実施、監査証拠としての信頼性の評価等を通じて、財務諸表には全体として重要な虚偽表示がないことの合理的な保証を得るために必要な監査証拠の入手に努めていた」。

一方「監査事務所として、コロナ対応を書く監査チームに任せているケース」を懸念すべき事例として挙げ、留意を促しています。

「個別業務における監査チームの対応について」は、調査対象を絞り込んだ55業務(29事務所)から調査票を回収しています。「実地棚卸の立会」や「残高確認」、「会計上の見積り」「経営者確認書」などの項目をあげ、参考となる取り組み事例を紹介しています。

「コロナ対応下の監査業務(2020年3月期)に対する自主規制対応 新型コロナウイルス感染症に関連した監査上の対応状況についての調査報告書」の公表について | 日本公認会計士協会 (jicpa.or.jp)

おわりに

現状監査事務所によって監査業務へのコロナ禍の取り組みが異なっているのが実情です。4大監査法人の中には、完全リモートにて監査業務に取り組んでいる事務所もありますが、中小監査事務所においては蜜を避けつつ監査現場へ往査に出向く、従来通りの監査を実施している事務所が多数を占めているようです。

当事務所においても、コロナ禍の監査業務は今回で最後になることを祈りつつ、調査報告書を参考に今後も役立つ個別業務におけるリモート監査も取り入れながら効率的な監査を実施していくよう努めてまいります。

横田公認会計士事務所は、非上場の会社法監査、医療法人の会計監査、学校法人の会計監査、労働組合の会計監査など上場会社を除く会計監査に特化した監査事務所です。

上場会社を監査している監査法人と比較し、費用面を抑えて実質的な監査を行うことを基本方針にしています。効率性の高い会計監査を目指しています。

監査等のご依頼・ご相談は、問い合わせフォーム(24時間年中無休)又は電話にてのご連絡は平日10時~17時、にてご連絡ください。

来期の3月決算の会社等の監査は日程等についてご相談ください。3月決算を除く会社等の監査はまだ日程的にお受けできますので大歓迎です。お気軽にご相談ください。監査や税務顧問契約を前提としてご相談・お見積りは無料にて対応していますが、その他個人の方等のブログを見ての匿名による無料相談はお断りしています。

監査上の留意事項(その7)日本公認会計士協会(JICPA)3月2日公表

カテゴリ: 監査 最終更新日:2021年03月16日(火) 公開日:2021年03月16日(火)

はじめに

緊急事態宣言が続く首都圏では、コロナ感染者が下げ止まり、逆に前週比増加に転じてきています。今日の東京の新規感染者も300人と発表されました。今週末には期限を迎える緊急事態宣言、さてどうなることでしょうか。個人的には、首都圏では緊急事態宣言慣れが生じているため、解除して新たな対策を個別に実施すべきだと思っています。

では、本題ですが、日本公認会計士協会(JICPA)は3月2日、「新型コロナウイルス感染症に関連する監査上の留意事項(その7)」を公表しました。

これは、企業会計基準委員会(ASBJ)が2月10日に更新した議事概要(会計上の見積りを行う上での新型コロナウイルス感染症の影響の考え方)を受けたもので、JICPAが昨年4月10日に発出した同留意事項(その2)を「改めて周知する」としています。

JICPAの会員からは、会計上の見積りを行う上での新型コロナウイルスの影響に関して「仮定が明らかに不合理でなければ結果的に乖離が生じても誤謬には当たらない状況が継続するのか」や見積開示基準との関係を問う声が上がったため、これらの点を取り上げて注意を促しています。

監査上の留意事項(その7)の留意点

・経営者も監査人も共に、見積りに関する会計処理や監査において極めて難しい判断を迫られる場合も想定される。

・監査人には、職業的専門家としての公正な判断と誠実な行動が一層求められる。

・見積りに関する会計処理について、被監査企業の経営者及び監査役等と通例よりも注意を払って適時かつ適切にコミュニケーションを実施する。

・経営者による顔に楽観的な会計上の見積りの許容は適切ではないが、企業の収益力やキャッシュ・フローの獲得能力について、実態とかい離した過度に悲観的な予測を行い、経営者の行った会計上の見積りを重要な虚偽表示と判断することも適切ではない。

新型コロナウイルスの今後の広がり方や収束時期等の予測が困難な状況が続いています。3月決算に向けて「特にキャッシュ・フローの予測が極めて困難な状況」との認識が多く聞かれます。

首都圏は現在も緊急事態宣言下に置かれ、昨年4月の緊急事態宣言の期間と合わせると企業の事業年度のおよそ3分の1の期間において事業活動に制限を課されたことになります。

飲食業や旅行業など一部の業種では業績や財政状態への深刻な影響が明らかになっていることから、留意事項(その7)ではこれらの企業の監査人に向けて「経営者及び監査役等との適時かつ適切なコミュニケーションの実施」を強調しています。

留意事項(その2)があげていた会計上の見積りの監査に当たっての留意点

・企業が置いた一定の家庭が明らかに不合理でなければ事後的な結果との乖離が生じたとしても「誤謬」には当たらない。

・経営者の角に楽観的な会計上の見積りを許容することや、過度に悲観的な予測を行い、経営者の行った会計銖の見積りを重要な虚偽表示と判断することは適切ではない。

・会計上の見積りの不確実性が財務諸表の利用者等の判断に重要な影響を及ぼす場合には、企業による見積りに関連する情報の開示を通じて、有用な情報を提供することを検討する。

おわりに

留意事項(その7)では、上記の留意点を再確認しつつ、特にこの3月決算から適用となる見積り開示基準(企業会計基準第31号)との関係についてASBJ議事概要(2月10日更新)の確認を呼びかけたものとなります。同議事概要は、見積り開示基準適用後の取り扱いなどを示しています。ご興味のある方はご確認ください。

【企業会計基準審議会】 「会計上の見積りを行う上での新型コロナウイルス感染症の影響の考え方(2021年2月10日更新)」

https://www.keidanren.or.jp/announce/2021/0210.html

横田公認会計士事務所は、非上場の会社法監査、医療法人の会計監査、学校法人の会計監査、労働組合の会計監査など上場会社を除く会計監査に特化した監査事務所です。

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来期の3月決算の会社等の監査は日程等についてご相談ください。3月決算を除く会社等の監査はまだ日程的にお受けできますので大歓迎です。お気軽にご相談ください。

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会計監査:リモートワーク環境下の決算・監査上の対応

カテゴリ: 監査 最終更新日:2021年02月26日(金) 公開日:2021年02月26日(金)

はじめに

昨日は東京で新たに新規感染者が340人となりました。首都圏の新規感染者は下げ止まりの状況です。3月7日の緊急事態宣言の解除後、新たに新規感染者が増加しないか、そもそも期限通りに解除できるのか疑問となってきます。

4月以降高齢者のワクチン接種が始まりますが、3月決算・監査を迎える4月、5月には落ち着いていることを願うばかりです。

このような状況下、リモートワークによる決算・監査が多くの会社等で行われる可能性が高くなっています。

日本公認会計士協会(JICPA)は、昨年10月から新施策「リモートワークの環境下における企業の業務及び決算・監査上の対応の検討」を進めています。企業側と監査人側の論点など計8つの項目を掲げ、昨年12月にはリモートワーク(RW)対応の留意事項を以下2本公表済みです。

第1号「電子的媒体または経路による確認に関する監査上の留意事項」

第2号「リモート棚卸立会の留意事項」

そして、今月2月12日に新たに留意事項等(3~5号)の文書3本を公表しました。

リモートワークに対応した提言・留意事項 | 日本公認会計士協会 (jicpa.or.jp)

新たなリモートワーク対応留意事項

2月12日に公表されたものは以下の3本です。

第3号「PDFに返還された証憑の真正性に関する留意事項」

第4号「構成単位等への往査が制限される場合の留意事項」

第5号「リモート会議及びリモート会議ツールの活用について」

新型コロナウイルス感染症の拡大防止のため、企業活動と共に監査業務においてもリモートワークの導入が進んできています。こうした状況は一過性のものではなく今後の継続が見込まれることから、JICPAはリモートワーク対応プロジェクトにおいて企業側と監査人側の論点などについて検討しています。

上記3号・4号はリモートワーク環境下における実務上の留意事項をまとめたもので「新たな要求事項儲けるものではない」としております。

リモートワーク対応第3号

第3号では、PDF化された監査証拠の評価における留意点をまとめたものとなっています。

PDF化された監査証拠とは「紙の文書等の原始文書を、電子情報等して表示、転送、保存のためにPDF変換した監査証拠」のことです。

まず監査人の要請によりPDF変換が行われる場合、返還作業が業務プロセスとしてルール化されていないとの想定のもと、入手したPDFと源泉となる情報との一致の確認やPDF変換に伴う改ざん、修正・落丁の有無を確認することになります。

一方、監査人の要請ではなく、被監査会社(企業)や被監査会社の取引先等外部が起点としてPDF変換を行う場合は、変換プロセス・手続の確認など運用面の評価手続き等を確認・検討することとなります。

リモートワーク対応第4号

第4号では、「我が国を含む世界各国の構成単位への往査が困難な場合が生じている」状況を踏まえ、「リモートワーク方式」による場合の留意事項を示しています。

ここに言う「構成単位」とは、監基報600第8項(9)において、 「グループ財務諸表に含まれる財務情報の作成単位となる、企業又はその他の事業単位をいう。」と定義しています。連結財務諸表を前提に、各子会社や重要な支店等のことです。

以下の項目について要点をまとめています。

①構成単位の財務情報に対する監査手続の実施~監査証拠に関する基本的な考え方

②構成単位の財務情報に対する監査手続及び構成単位の関人が実施する作業への関与

③構成単位の監査人とのコミュニケーションの内容や方法の見直し

②や③では、リモートワーク対応第3号・5号に触れながら留意点を上げているのであわせて確認してください。

リモートワーク対応第5号

第5号では、リモートワーク会議のリスクと対応策を例示しています。

公認会計士事務所がリモートワークを実施する際の情報漏洩リスクに着目して取りまとめたもので「Ⅰ.基本的な考えか」として3点示されています。

「主なリスク」として挙げているのは、以下の4分野です。

・利用方針

・リモート会議関連のリスクの洗い出し

・リモート会議ツール関連リスク

・リモート会議実施に係るリスク

おわりに

この3月決算は、特に上場会社では、リモートワークによる決算・監査が少なからず必要となるでしょう。JICPAが検討し公表している又は今後公表する留意事項を参考にしながら無事に効率的かつ十分な決算・監査が行われることを願っています。

横田公認会計士事務所は、非上場の会社法監査、医療法人の会計監査、学校法人の会計監査、労働組合の会計監査など上場会社を除く会計監査に特化した監査事務所です。

上場会社を監査している監査法人と比較し、費用面を抑えて実質的な監査を行うことを基本方針にしています。効率性の高い会計監査を目指しています。

監査のご依頼・ご相談は、問い合わせフォーム(24時間年中無休)、電話にてのご連絡は平日10時~17時、にてご連絡ください。

3月決算の会社等の監査は日程等についてご相談ください。3月決算を除く会社等の監査はまだ日程的にお受けできますので大歓迎です。お気軽にご相談ください。

緊急事態宣言下、時短・リモートにて営業しておりますので電話でのご連絡は平日11時~16時までにお願いします。なお、緊急事態宣言下、最初のご連絡はできるだけ問い合わせフォームをご利用ください。メールまたは電話にての連絡の希望の有無を記載いただければこちらから連絡いたします。

監査事務所の規模別の監査報酬についての分析

カテゴリ: 監査 最終更新日:2021年02月03日(水) 公開日:2021年02月02日(火)

はじめに

前回のブログを受けて今回は前回結論付けた、会社等の規模別に監査報酬を効率的にするため(節約するため)にどのような監査事務所を選ぶべきかの根拠を紐解いていくいきます。

監査報酬は、監査事務所の規模別に当然高低があり一定水準以上の適正な監査を行うことを前提にそれぞれ監査事務所の規模別に監査報酬の中身を分析します。

以下、①大手監査法人、②準大手監査法人、③中堅監査法人、④中小監査事務所の分類は前回のブログをご参照ください。

 会計監査:自社に適した公認会計士または監査法人を選ぶコツ

私が上記①~④までの監査事務所の監査報酬の分析ができる知識があるかどうかについては、それぞれすべての監査事務所に所属して監査した経験があるからです。そこで所属していてそれぞれの監査責任者を見てきた経験からの私なりの分析です。ですから、多少私なりの解釈もあり、それぞれの監査事務所にとっては「うちの監査事務所はそうではない」と思われることもあるかと思いますが、大きな方向性で見れば相違は小さいと確信していますので、その点はご了承の上お読みください。あくまで私個人の見解です。

【監査報酬の構成要素】

みなさんもちろんおわかりだと思いますが、監査報酬の高い順に

Ⅰ①大手監査法人>②準大手監査法人>③中堅監査法人>④中小監査事務所

となります。監査報酬は

監査報酬=単価(A)×日数または時間数(B)

で構成されています。

Aの単価、Bの日数とも、単価は高く、日数が多いのは上記Iの順番どおりです。

まず、以下『単価』について内容を見ていきましょう。

ここでは話を簡単にするために単価は1日当たりの単価とします。

協会(JICPA)の監査実施状況調査においては、監査時間は日数ではなく時関数で記載されていますが、協会(JICPA)に提出する監査実施報告書が監査時間にて報告する形式のため監査時関数にて公表されています。ただし、監査報酬を見積る場合多くは日程と補助者の日数を集計し、日数の合計から監査報酬を見積るためほとんどの監査事務所は、監査報酬=事務所単価×監査日数 にて報酬を計算しています。

私の知る範囲では、概ね各監査事務所は以下の通りの単価で監査報酬を計算していると考えます。

①12~15万円以上、②10~14万円、③10~12万円④は10万円前後

単価が以上のように監査事務所により異なる理由は簡単に言うと共通費が多いか少ないかによると考えられます。直接費である監査を行う会計士等の日当(給料)は各監査事務所でそれほど多くの違いはありません。

共通費とは、事務所共通の職員の給料、監査事務所の家賃、海外提携先がある場合の提携料、新人の教育費、それに協会(JICPA)のレビュー及び金融庁の検査に対応するための社員や職員の報酬や給料です。レビューや検査が多い事務所ほど対応人員や日数が増加しその分の給料等を監査報酬で補うこととなります。①の大手は上記すべてで一番共通費が多くなりますが、特に海外提携先も大手会計事務所のため提携料が高いのが特徴です。②の準大手も海外事務所と提携していますが①ほど海外の大手会計事務所ではなく提携もゆるい提携のため①よりは提携料が安いと考えられます。③も海外事務所と提携している事務所は提携料を支払いますが②よりさらにゆるい提携で提携料の高い順に①>②>③となります。④については提携料が無い事務所がほとんどでしょう。

次に単価に大きく影響を及ぼす要因は、協会(JICPA)レビューと金融庁の検査です。

レビューと検査は上場会社を監査している事務所は必ず行われるという制度となっています。したがって④の監査事務所にはレビューや検査は行われません。また、上場会社を監査している事務所にレビュー等が行われるわけですが、上場会社の監査について監査調書等のレビューが行われるのはもちろん、その他非上場の会社の監査の監査調書等についてもレビュー対象がランダムに選ばれます。これは、レビュー等対象監査事務所が、上場会社と非上場会社で異なる品質の監査を行うことを阻止するためです。このレビューや検査は監査事務所の監査上場会社の数によりその頻度が大きく違ってきます。先ほども簡単に述べましたが、頻度が多いほどそれに対応する人員や日数が多くなり、その対応分の給料等が共通費として大きくなります。①大手は毎年、②準大手は3年に1回(太陽のみ毎年)、③中堅監査法人ではレビューは3年に1回、検査は数年に1回となっています。このレビューや検査は2週間から1か月以上かかります。私が個人事務所として上場会社を監査していた時にレビューは2名が来所し1週間で済みました。1社のみでそうですから数十社、数百社の上場会社を監査している事務所はその中から数社または数十社をレビュー等の対象とされますので、1か月以上かかりそれに対応する人員を準備しなければなりません。その間、対応する人員は監査できないわけですからそのものに対する給料や報酬は共通費としてその監査事務所の監査報酬の単価に上乗せされることになります。

監査報酬のもう一つの構成要素『日数』について以下にて中身を見ていきましょう。

日数も大手>準大手>中堅>中小(個人含む)となるのは

まず1点目、単価でも述べましたが、大手や準大手、中堅監査法人の場合いずれも上場会社監査登録事務所に登録しており、協会(JICPA)レビューや金融庁の検査の対象となります。それに応じてレビューや検査に対してレビュー等するものが見てわかる監査証拠としての調書を作成する必要があります。この見てわかる調書を作成する時間が監査時間のかなりの程度を占めることが原因にあります。監査現場をよく知っている方は、一昔前と比べて監査中の会計士が黙々とPCと向き合っている時間が増えたと思われるのではないでしょうか。逆に言うと、非上場のみの監査法人や個人の公認会計士事務所の場合は、監査責任者が監査証拠としての心証を得られれば、レビュー等がないので、監査責任者が見てわかる調書を作ればよいのです。メモ書き程度で自分が後になってわかるのなら自由に調書を作成すれば良いということです。この違いは監査チーム全体を含めればかなりの監査時間の節約になります。また、レビュー等の結果、指摘事項が監査事務所に文書で提出されます。その指摘事項に対して今後どのように改善するかの報告書を提出します。この改善事項が多いほど、次回のレビューまでに監査調書の改善点を反映させます。これが毎回繰り返され、現場等で作成する監査調書はどんどん分量が増えていきます。

2点目は、特に大手と準大手に多いのですが、監査に不慣れな新人が多いということです。監査法人では毎年かなりの職員が退職します。元々、独立志向をもって公認会計士試験に合格した人が多いことやより良い条件やキャリアを求めて、他のコンサルティング会社などへ転職、またある一定年齢に達すると(40代)社員(会社で言う役員)になる人が限られてきます。社員にならずに、定年まで同じ監査法人で務める人はそれほど多くありません。そこで、転職や独立をして退職する人が多いのです。そのような退職者の穴を埋めるのが毎年の合格者である新人の試験合格者なのです。監査チームに新人が多いということは効率性が低下するのは当然です。また新人の作成した調書は、先輩のレビューを受けます。レビューの結果、足らずの調書の場合手続きの追加が頻繁に行われます。みなさんの会社等で新人が入れ代わりやってきて新人のOJTの場として使われていると感じることはないでしょうか。もし感じるならその会社はリスクが小さく新人のOJTの絶好の場として監査事務所が考えているということです。以上の理由から新人採用の多い順番に監査時間が多くなります。逆に言うと、個人の公認会計士事務所の場合が典型ですが、大手出身の独立したベテランの会計士でチームを組みます。ベテランなので、監査の効率も良く、ガチガチの見せる調書を作成する必要もないので、監査責任者の疑問に応えられ、監査証拠を入手したと実感できれば監査を短時間で行うことが可能となります。

以上の理由から、監査報酬の高い順番は上記のⅠの通りとなり、単価(A)も安く、時間(B)も少ない、中小監査事務所、すなわち非上場会社のみ監査している監査法人および個人の公認会計士事務所がもっとも監査報酬が安くなるということになります。

おわりに

緊急事態宣言が栃木県を除き1か月延長されることが決まりました。ここ1,2週間は感染者も減少傾向にありますが、まだ医療の現場はひっ迫していることが原因のようです。

みなさんの組織の中にはあと一ヶ月以上緊急事態宣言が続けば、もう持たないと思われるところもあるのではないかと心配しています。普段から経費節減を行っている会社等も更なる経費節減の必要性を感じているのではないでしょうか。

監査報酬は会計処理上「支払手数料」「支払報酬」「雑費」など様々な科目で処理されていますが、会計的には経費の一種です。法定監査対象の会社等の経営者は正しい財務情報を開示し、説明する責任を負っています。また、公認会計士監査は、その内容を検証して、「適正」か「不適正」か判断した結果を報告することとなります。その監査報酬についても、同じ結果が得られるのであれば、経費節減を考えるのも経営者の重要な役割です。

コロナ禍、経費節減を考える際、監査報酬についてももう一度、自らの組織に最も適した効率的な監査事務所を選ぶことは重要な判断だと考えます。

横田公認会計士事務所は、非上場の会社法監査、医療法人の会計監査、学校法人の会計監査、労働組合の会計監査など上場会社を除く会計監査に特化した監査事務所です。

上場会社を監査している監査法人と比較し、費用面を抑えて実質的な監査を行うことを基本方針にしています。効率性の高い会計監査を目指しています。

監査のご依頼・ご相談は、問い合わせフォーム(24時間年中無休)、電話にてのご連絡は平日10時~17時、にてご連絡ください。

3月決算の会社等の監査は日程等についてご相談ください。3月決算を除く会社等の監査はまだ日程的にお受けできますので大歓迎です。お気軽にご相談ください。

緊急事態宣言下、時短・リモートにて営業しておりますので電話でのご連絡は平日11時~16時までにお願いします。なお、緊急事態宣言下、最初のコンタクトはできるだけ問い合わせフォームをご利用ください。

会計監査:自社に適した公認会計士または監査法人を選ぶコツ(コロナ禍、監査報酬を見直したい!)

カテゴリ: 監査 最終更新日:2021年11月26日(金) 公開日:2021年02月01日(月)

はじめに

コロナ禍、売上が減少し経費節減を実施したい会社や法人が多くなってきているようです。医療法人も近年、一定規模以上の医療法人や社会医療法人は法定監査の対象となりました。その医療法人の50%以上が赤字の状態だそうです。新型コロナウイルス感染症により、外来で訪れる患者が減っていることが一番の要因です。飲食業や観光業も緊急事態宣言により利用者が激減しています。飲食業といえば小規模な居酒屋やバーなどを思い浮かべる人が多いと思いますが、大手の居酒屋チェーンや牛丼・食堂のフランチャイズ店、それらに食材を提供する一定規模以上の食品会社も時短営業の影響等を受けて売上が減少しています。この状態はワクチン接種を国民全員が終えるまで続くと考えられます。

このように医療法人のみならず、法定監査の対象である一定規模以上の会社も売上減少により、経費の節減が企業存続の要となってきています。

【公認会計士または監査法人の監査を受けなければならない会社等】

法定監査とは、主に以下の法人等に対して法令等で公認会計士または監査法人の監査(以下外部監査)が義務付けられているものです。

①上場会社(金融商品取引法に基づく監査)

②会社法に基づく監査(大会社及び委員会設置会社)

③学校法人の監査(国や地方公共団体から補助金を受けている)

④公益社団・財団法人

⑤一般社団・財団法人

⑥社会福祉法人の監査

⑦医療法人の監査

その他については以下を参照ください。

日本の監査制度 | 日本公認会計士協会 (jicpa.or.jp)

【公認会計士または監査法人の規模別状況】

規模の大きい(職員数の多い)順に以下の通り分類します。

①大手監査法人

②準大手監査法人

③中堅監査法人(準大手より小規模で上場会社の監査をしている監査法人)

④中小監査事務所(ここでは非上場会社のみ監査している監査法人及び個人の公認会計士事務所)

④の中小監査事務所について、監査法人と個人事務所を分類せず一緒にしているのは、非上場会社のみ監査している監査法人の実質は、監査法人は社員(会社の取締役)5人以上で構成されますが、④の監査法人はそれぞれの社員が個人事務所と同じようにそれぞれ監査を実施し、横の連携がなく監査法人という名前の下に集まっている組織というのが実情だからです。事務所も会計も従業員もそれぞれ別に雇っていて、社員の個人事務所のどこか一箇所を法人事務所としている監査法人というのが多くの実態と言っても過言ではありません。

【公認会計士または監査法人の規模別実情】

①については4っつの法人だけであり、新日本、トーマツ、あずさ、Pwcあらたです。これらの監査法人は職員数では3,000人以上最も多いトーマツは約7,000人で事務所も全国的に展開しています。

海外の大手会計事務所とも提携しています。

②については、太陽、仰星、東洋、三優、Pwc京都です。職員数や事務所も大手には及びませんが、比較的多数の上場会社を監査しています。上場会社の数が多い順に太陽237社、仰星85社、東洋83社、三優69社、Pwc京都50社

③については、上場会社の監査先で一番多いのがアーク41社であり、他はそれより少なく、1社のみという監査法人が一番多くなっています。2020年10月現在でアークを含め合計105の監査法人が存在します。

④については、2020年末現在、監査法人数は254法人あるため、①,②,③を除いた約140法人あることになります。個人の公認会計士事務所で監査を行っている事務所については非公表のためどれほどあるかわからないので実情です。

会計監査のご依頼・お見積りはこちらの問い合わせフォームより

【結論:ずばり会社等の規模別の適正な会計監査人の選び方】

会社や法人等の規模別にどの規模の監査人を選べば費用対効果が一番高い(監査報酬が安い)かの結論を述べましょう。

法定監査を受ける会社や法人の規模を以下の4区分に分類します。

①売上高等の収益が300億円未満で従業員300人未満、

②売上高等の収益が1,000億円未満で従業員1,000人未満(①を除く)

③売上高等の収益が1,000億円以上で従業員1,000人以上

④上場会社

①~③は非上場の会社や学校法人・医療法人等です。

①→中小監査事務所>中堅監査法人

②→中堅監査法人>準大手監査法人

③→中堅監査法人>準大手監査法人>大手監査法人

④→中堅監査法人>準大手監査法人>大手監査法人

以上となります。

①の区分の会社は中小監査事務所(当事務所を含む)が最適ですが、中小監査事務所の場合は代表者個人との相性がすべてと言っても過言ではありません。必ず面談して代表者との相性を確かめてください。

参考まで)横田公認会計士事務所による監査はメリットだらけ!

 ①や②の区分の会社でも、監査が必要なほどの重要な海外子会社がいる場合は、その子会社の数の程度により、

中堅監査法人→準大手監査法人→大手監査法人の順番でコンタクトするのが一番良いかと考えます。

最後に③,④の場合でグローバルに海外展開している会社は大手監査法人の一択のみとなります。監査報酬を安く抑えるためには、大手監査法人の中で見積を取って一番安い監査報酬を提示した監査法人を選択するのが賢明でしょう。品質の差はほとんどありません。代表者個人との関係も希薄であり、どちらにしろ数年で代表者はローテーションで変わります。監査法人という組織との付き合いだとビジネスライクにお考えください。

会計監査のご依頼・お見積りはこちらの問い合わせフォームより

次のブログで、なぜ、上記の結論になるのか『監査事務所の規模別の監査報酬についての分析』として監査報酬の構成要素とその中身を説明します。

おわりに

コロナ禍、経営が厳しい会社や法人にとって、社会的な必要経費としての監査報酬も企業の存続を考えれば、なるべく抑えたいのが実情でしょう。しかし、質の悪い監査を受けて、監査人が重要な従業員の不正や会社の経理の重要なミス等を見逃すようなことがあっては、のちのち会社や法人の信用問題に発展し、損害賠償や規制当局からの行政処分を受けてしまいます。そのようなことになって、コロナ後に問題が発覚し会社や法人の存続危機がその時に訪れて後悔しても遅いということになります。

このブログを見られている方の多くは、上記の会社や法人等の規模では①に該当すると思われます。

法定監査の監査人としては、中小監査事務所を選ぶべきです。中小監査事務所は本文でも説明していますが、上場会社を監査していない個人事務所の集まりのような監査法人又は個人の公認会計士事務所です。これらの数は、他の規模の監査法人に比べて圧倒的に多くの事務所が存在します。

中小監査事務所の中で、どの事務所を選ぶべきか迷っている方や、中小監査事務所は情報が少なくどの事務所を選べばよいかわからないと言う方も多いでしょう。

そのような時は、監査責任者が上場会社の監査責任者の経験があるかどうかを一つの指針としてください。上場会社の監査責任者の経験があれば、協会(JICPA)のレビューや金融庁の検査を受けた経験があります。その経験の下で監査を行いますので、質の悪い監査を行うリスクは低いと言えます。

横田公認会計士事務所のプロフィール

当事務所は、上場会社の監査責任者の経験があり、監査チームのメンバーは大手監査法人出身の独立した個人事務所を経営するベテラン会計士で構成しています。安心してご依頼ください。また、中小監査事務所の場合、当事務所に限らず、監査法人と比較して、監査責任者が現場にめったに来ないということはありません。監査責任者が先頭に立って現場で監査を行います。信頼感の持てる監査を提供いたします。

その場合、監査責任者との相性も重要となるでしょう。まずは、当事務所に限らず、心当たりのある監査事務所が見つかれば、監査責任者に問い合わせして、どのような人柄なのかを確かめてみてはいかがでしょうか。

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横田公認会計士事務所は、非上場の会社法監査、医療法人の会計監査、学校法人の会計監査、労働組合の会計監査など上場会社を除く会計監査に特化した監査事務所です。

上場会社を監査している監査法人と比較し、費用面を抑えて実質的な監査を行うことを基本方針にしています。効率性の高い会計監査を目指しています。

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3月決算の会社等の監査は日程等についてご相談ください。3月決算を除く会社等の監査はまだ日程的にお受けできますので大歓迎です。お気軽にご相談ください。

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監査現場②

雇用調整助成金の会計処理:通常とコロナ禍の特例措置の違い

カテゴリ: 監査 最終更新日:2021年01月28日(木) 公開日:2021年01月28日(木)

はじめに

ここ最近、新型コロナウイルスのワクチン接種のニュースが多くなっています。イスラエルのワクチン接種が世界でいち早く行われており、3月までには国民全員がファイザー社のワクチン接種を2回受ける予定となっています。現状で、ワクチンを2回接種した人の感染率は0.01%と低く、感染した人の症状も軽症で高熱などの症状もないとのこと。日本も一刻も早いワクチン接種が待ち遠しい今日この頃です。

さて、個人事業者や法人が支給を受けた「雇用調整助成金」の収入計上時期ですが、国税庁が更新した情報では、通常は助成金の支給額が確定していない場合でも金額を見積り、休業を実施した事業年度に収入(益金)を計上します。ただし、今回のコロナ禍で支給要件の緩和等がされている“特例措置”では、実際に支給があった事業年度に収入計上することもできます。

通常の会計処理

雇用調整助成金の支給手続きでは、通常、休業期間等を計画し労使協定を結んだ後に、労働局等に「計画届」を提出します。その計画等に基づき休業の実施や休業手当を支給し、休業の実績に基づいて助成金の支給申請を行います。

最初に、「計画届」の提出の手続きをとり、雇用調整助成金による補填を前提に休業手当が支給されるため、収益費用対応の観点から、休業を実施した事業年度に支給額が確定していなくても、支給額を合理的に見積もって休業を実施した事業年度に収入を計上するものとされています。税務も同様です(法基通2-1-42)。

(会計処理)

休業を実施した年度末に支給見込額を見積り以下の仕訳を行う。

Dr)未収入金××× Cr)雑収入 ×××

コロナ禍の特例

コロナ禍の特例措置として、同助成金の支給要件の緩和や助成率の引き上げ、手続きの簡素化などが図られています。事前の「計画届」の提出が不要とされています。通常の措置とは異なり、休業の実施や休業手当を支給した後に、その実績に基づき支給申請を行えばよく、あらかじめ手続きをとり、同助成金の補てんを前提に休業手当が支給されているものではないこととなります。

この場合には、休業手当の支給が同助成金による補填を前提としていないことから、支給の決定を受けた事業年度に支給額を収入に計上すればよく(支給決定基準)、休業を実施した事業年度においては金額を見るもる必要はありません。

コロナ禍の特例の雇用調整助成金は、任意の1年間の対象期間内の休業の実績を1か月単位で判定し、通常はその期間ごとに支給申請をする仕組みになっています。

各支給申請に係る雇用調整助成金の支給が決定する度に、その支給額を収入計上する処理を行うこととなります。

おわりに

コロナ禍特例の雇用調整助成金は、上記に様に、労働局の審査を経て支給決定時に支給額を収入に計上します。事業年度末までに支給決定が通知されており入金がまだの場合には以下の仕訳を行います。

・支給決定額の通知があった場合の未入金の支給額

Dr)未収入金××× Cr)雑収入×××

 ・事業年度末に支給決定がない場合

  仕訳無し

支給額は雑収入として、営業外収益に計上し、休業に関わった費用と相殺するのは間違った処理となりますので注意してください。

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収益認識基準を適用した場合の税務上の取扱い(電気・ガス事業者等)

カテゴリ: 監査 最終更新日:2021年01月25日(月) 公開日:2021年01月25日(月)

はじめに

昨日は、東京都の新型コロナウイルス感染症の陽性者が久しぶりに1,000人を下回りました。直近一週間のコロナ感染者数も減少傾向にあります。少しですが、光が見えてきたような気がしています。引き続き、ワクチン接種や治療薬が開発されるまで人との接触はなるべく避け、テレワークや不要不急の外出は控えたいと思っています。

さて、以前のコラムにも記載しましたが、収益認識に関する会計基準の適用指針の改正案では、検針日基準を認めていません。

電気・ガスの事業者は検針日程と会計期間とで異なる部分の収益の見積りが必要となります。平成30年度税制改正では、確定した収益認識会計基準(会計処理)を取り込む形で法人税法が改正されました。当時は会計基準において検針日基準に関する特別の対応の可能性が残されていたため税務対応についても気になるところとなります。

税務における検針日基準

法人税に関しては、基本通達で検針日基準の取扱いが示されています。要は、「月等を単位として規則的な検針に基づき料金の算定が行われ、法人が継続してその検針が行われた日に収益計上を行っているときは、当該検針による収益の計上を認める」というものです。この内容から検針日基準が収益の金額と時期の決定方法として認められていることがわかります。

会計基準適用なら検針日基準は?

収益認識基準を適用していない場合、従来通り検針日基準により収益経理をしている場合はその処理も税務上公正な処理基準に該当し、検針日基準で算定する収益の額を税務上も計上することになります。

一方、税務上は、一般に公正妥当と認められる会計処理の基準に従って収益経理した場合は、事業年度の所得の金額の計算上、益金の額に算入することが明確化されている(財務省「平成30年税制改正の解説P.274」ことから、収益認識基準の適用企業は、税務上も収益認識基準に従った見積りによる収益の額を計上することになります。

申告調整によって検針日基準で算定する収益の額に戻すことはできないということになります。逆に言うと、検針日基準に戻す必要はないということです。

おわりに

税務上、収益認識基準による収益を益金の額に算入することが明確化され、検針日基準を認めない収益認識基準の場合、検針日から期末日までの日数等の応じて収益を追加で見積り計上することになりますが、そもそも初年度は収益(益金)の額が見積分だけ多くなります。私個人の見解としても益金の額が多くなることについて税務上否認されることはあり得ないことだと思っています。

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改定監査基準「その他の記載内容」の監査手続と監査報告書への記載内容

カテゴリ: 監査 最終更新日:2021年01月21日(木) 公開日:2021年01月21日(木)

はじめに

本日、バイデン氏がアメリカの大統領に就任しました。就任式にはトランプ前大統領は欠席。なんと退任する大統領が就任式を欠席するのは152年ぶりとのことです。トランプさんはまさに破天荒な大統領でした。私が知っているこれまでの大統領は、世界を代表する大統領というイメージでしたが、トランプさんにはその面影がまったくなく、ある意味、アメリカだけのための大統領であり、アメリカンファーストを貫いた大統領ではないでしょうか。

それでは、本題に入ります。

昨年11月に監査基準が改定されました。公認会計士を除いた一般の方はそうなの?と思われる方がほとんどでしょうが。

改定監査基準の主な改定点は

1.「その他の記載内容」について

(1)監査報告書のおける「その他の記載内容」に係る記載の位置付け

(2)「その他の記載内容」に対する手続き

(3)「その他の記載内容」の記載

(4)経営者・監査役等の対応

2.リスク・アプローチの強化について

以上2点です。

1の「その他の記載内容」に関する改定点への対応として金融庁は昨年12月24日、財務諸表等の監査証明に関する内閣府令等に関する改正案を公表しました。「企業会計審議会において、「その他の記載内容」について監査人の手続きを明確にするとともに、監査報告書に必要な記載を求める等の監査基準等の改定が行われたことを受け、所要の改正を行う。」とされています。

ここで、「その他の記載内容」ってなんだ?と思われる方が多いことでしょう。簡単に言うと、会計監査人が監査した財務諸表を含む開示書類のうち当該財務諸表と監査報告書とを除いた部分の記載内容のことです。「その他の記載内容」は財務情報も含まれますが、文章や大株主の状況など非財務情報も含まれます。

「その他の記載内容」の監査手続と監査報告書への記載

ここ数年、経営者による非財務情報の開示の充実化が進んでいます。一方で、財務諸表または監査人が監査の過程で得た知識と「その他の記載内容」について重要な相違があった場合、財務諸表の信頼性を損なうことが懸念されます。

そこで、「その他の記載内容」に関して監査人が実施すべき手続の明確化等を求める内容で監査基準の改定が検討され、2020年11月の企業会計審議会総会において、改定監査基準が了承されました。

この監査基準の改定により、監査人は「その他の記載内容」を通読し、当該情報と財務情報または監査人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうかについて検討することが求められることとなりました。

また、監査報告書においては「その他の記載内容」に係る区分を新設し、重要な誤りの有無やその内容等についての情報提供を充実させることとされました。

今回の改正案は、監査報告書の記載内容の変更に係るもので、以下4つです。

①財務諸表等の監査証明に関する内閣府令の一部改正(案)

②企業内容等の開示に関する内閣府令の一部改正(案)

③附則(案)

④『財務諸表等の監査証明に関する内閣府令」の取扱いに関する留意事項についての一部改正(案)

このうち①は「その他の記載内容」について監査報告書に次の事項の記載を求める内容となっています。

・その他の記載内容の範囲

・その他の記載内容に対する経営者および監査役等の責任

・その他の記載内容に対して監査人は意見を表明するものではない旨

・その他の記載内容に対する監査人の責任

・その他の記載内容について監査人が報告すべき事項の有無およびその内容

「その他の記載内容」についての記載の性質

従来同様、「その他の記載内容」について監査人は意見を表明するものではないとされています。また、「その他の記載内容」の通読及び検討にあたっては、財務諸表監査の過程で入手した監査証拠等以外の新たな監査証拠の入手は求められていません。

現行においても「その他の記載内容」に関して、監査人には「通読」が求められ、場合によっては監査報告書への追記が必要とされていますので、手続的に従来と大きく変化することは想定されておらず、被監査側からしても基本的に対応に追加で手間がかかるということはないと思われます。

ただし、“監査人は、「その他の記載内容」の通読及び検討に当たって、財務諸表や監査の過程で得た知識に関連しない「その他の記載内容」についての重要な誤りに気づいた場合には、経営者や監査役等と協議を行うなど追加の手続を実施することが求められる。「その他の記載内容」に重要な誤りがある場合において、上記の追加の手続を実施しても当該重要な誤りが解消されない場合には、監査報告書にその旨及びその内容を記載するなどの適切な対応が求められる”とされていますので、「その他の記載内容」に関連して追加の手続が実施されることはありえます。

非上場会社の場合の取扱

「その他の記載内容」の関する監査報告書の記載については、非上場会社の場合であっても同様の取扱いが求められています。この点、公開草案に対するコメントに対する考え方17では以下の様に記載されています。

【監査基準は公認会計士監査のすべてに共通するものであるため、上場企業か否かにかかわらず、監査報告書日までに「その他の記載内容」を入手していない場合でも、「その他の記載内容」の区分を設けることは求められます。 監査人は、経営者との協議により、予め「その他の記載内容」 を入手する方法や時期を決定することが考えられます。特に非上場企業においては、監査報告書日までに「その他の記載内容」 を入手できない場合もあると考えられますが、その場合は、監査報告書に入手する予定の「その他の記載内容」を記載することが考えられます。この取扱いについては、上場の有無によって変わることがないものと考えられます。 また、~ 「その他の記載内容」に対する手続」に記載した通読及び検討等の手続は、入手後の「その他の記載内容」についても行われるものと考えます。】

2021年3月期から早期適用可

また、③附則は施行期日および経過措置に関するもので、改正後の布令は交付日以後施行され、適用日は改定後の監査基準の通り、「その他の記載内容」に係る改正について2022年3月31日以後終了する事業年度に係る監査証明から適用されます。

ただし、2021年3月31日以後に終了する事業年度に係る監査証明からの早期適用も可能となっています。

横田公認会計士事務所は、非上場の会社法監査、医療法人の会計監査、学校法人の会計監査、労働組合の会計監査など上場会社を除く会計監査に特化した監査事務所です。

上場会社を監査している監査法人と比較し、費用面を抑えて実質的な監査を行うことを基本方針にしています。効率性の高い会計監査を目指しています。

監査のご依頼・ご相談は、問い合わせフォーム(24時間年中無休)、電話にてのご連絡は平日10時~17時、にてご連絡ください。

3月決算の会社等の監査は日程等についてご相談ください。3月決算を除く会社等の監査はまだ日程的にお受けできますので大歓迎です。お気軽にご相談ください。

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その他の監査(医療法人など)の平均監査報酬

カテゴリ: 監査 最終更新日:2021年01月23日(土) 公開日:2021年01月20日(水)

はじめに

公認会計士協会(JICPA)が2020年12月14日に公表した、「監査実施状況調査(2019年度)」は2019年4月期から2020年3月期までに係る被監査会社等の監査実施状況を記載したものです。

調査対象は、(1)金融商品取引法・会社法監査、(2)信金・信組・労金監査、(3)学校法人監査、(4)その他に分類し、会社(法人)数、監査の実施状況(監査人の数)、監査時関数、監査報酬について売上規模等の各区分ごとに詳しく記載されています。

詳細をご覧になりたい方は、公認会計士協会(JICPA)のホームページを参照ください。監査実施状況調査(2019年度) | 日本公認会計士協会 (jicpa.or.jp)

(4)その他は(1)、(2)、(3)以外の監査についての分類です。

今回はその他に分類されている医療法人や社会福祉法人について簡略化して取り上げます。監査時関数は8時間/日として日数換算し、監査報酬は平均監査報酬のみ取り上げました。

医療法人監査実施状況

(法人区分)   (法人数)    (監査日数)   (平均監査報酬)

医療法人     202      59日     5,804千円

社会医療法人   269      40日     3,943千円

総計・総平均   471      47日     4,741千円

社会福祉法人

(サービス活動収益区分) (法人数)  (監査日数)  (平均監査報酬)

30億円未満       121     30日   5,804千円

30億円以上       348     60日   5,551千円

総計・総平均        469               47日   4,777千円

おわりに

上記、医療法人及び社会福祉法人共通に言えることがあります。監査日数(1日8時間換算)と平均監査報酬の関係ですが、いずれも日数×10万円程度になっていることです。これは前回の学校法人でも同様ですが、我々公認会計士等の監査の平均監査報酬は

【監査報酬=10万円×日数】

これから監査を受けられる組織の方や現在監査を受けている会社や法人の方は上記監査報酬を参考にご自分の会社等の監査報酬について検討してみてください。

一般論ですが、あくまで上記10万円×日数の監査報酬は大手監査法人から中小監査事務所(個人事務所を含む)の平均です。監査報酬は、基本報酬プラス監査事務所の共通費の合計です。中小監査事務所は共通費が少なく、大手監査法人になるほど共通費は高くなりますので、監査報酬の高低は、高い順に、大手監査法人>準大手監査法人>中規模監査法人>中小監査事務所>個人の公認会計士事務所となります。

また、日数も監査報酬が決まるもう一つ重要な要素です。日数についても単価と同じく大手監査法人ほど多くなります。なぜでしょう?

大手監査法人を含む上場会社監査登録事務所は、日本公認会計士協会のレビューを少なくとも3年に1度(大手・準大手は毎年のように)、金融庁の監査審査会の調査を順番(大手監査法人がメイン)に事務所として受けます。これらレビューや調査への対応日数も監査日数と同様に所属公認会計士が対応します。また、レビューや調査での指摘事項に対しての今後の対応についても報告書を作成し、事務所内に周知するよう文書化等も行います。これらの指摘事項を反映して、文書化(データ化)するための監査手続が年々増える傾向にあります。

結果、日数は増加しているものの実質的な経営者とのコミニュケーション(形式的なコミニュケーションは手続き上必須)や会社等の実情を職業的専門家として肌で感じる余裕があるかどうかについて、私個人としては大いに疑問に感じています。

会計監査人を決める際に監査報酬は少なからず影響を及ぼす事項です。このコラムが参考になれば幸いです。逆に監査報酬は低い方が良いとは思っていません。費用対効果の問題です。中小監査事務所を選ばれるときには大手の監査法人等と違って、実績がない等のため当たり外れがあると思います。一定レベルの品質の監査を必ず求めるなら大手を含めた監査法人を選ぶのも間違いではありません。ただ、時間を掛けて費用対効果の高い監査を求めるなら中小監査事務所も一つの選択肢となります。

このコラムを見てくださった方の組織にとって、最も良い選択となる会計監査人を選ばれることを願っています。

会社法監査の平均監査報酬

横田公認会計士事務所は、非上場の会社法監査、医療法人の会計監査、学校法人の会計監査、労働組合の会計監査など上場会社を除く会計監査に特化した監査事務所です。

上場会社を監査している監査法人と比較し、費用面を抑えて実質的な監査を行うことを基本方針にしています。効率性の高い会計監査を目指しています。

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3月決算の会社等の監査は日程等についてご相談ください。3月決算を除く会社等の監査はまだ日程的にお受けできますので大歓迎です。時節柄、12月決算の会社等からのご依頼をお待ちしています。

緊急事態宣言下、時短・リモートにて営業しておりますので電話でのご連絡は平日11時~16時までにお願いします。

学校法人監査の平均監査報酬について(最新情報)

カテゴリ: 監査 最終更新日:2021年01月20日(水) 公開日:2021年01月18日(月)

はじめに

緊急事態宣言が1都2府8県に発出されている現状ですが、給与支払報告書や源泉徴収票、報酬等の支払調書などの提出期限が迫っています。人事・経理に従事する方々はまだ忙しくされていることでしょう。新型コロナウイルス感染症の感染予防を徹底して業務を行ってください。

さて、昨年の12月に日本公認会計士協会(JICPA)より公表された「監査実施状況調査」においては、上場会社の監査・会社法監査・学校法人監査・その他の監査の区分で監査報酬の開示がなされています。

先週は、会社法監査の平均監査報酬を取り上げましたが、今回は学校法人監査の平均監査報酬を取り上げます。

学校法人監査を受けている学校の方はご参考にしてください。

※監査日数は監査実施状況調査の監査時間を8時間で割り戻した日数を記載しています(端数四捨五入)。

文部科学大臣所轄学校法人監査実施状況

(事業活動収入※)   (法人数)   (監査日数)    (監査報酬)

7億円未満        40法人    24日      2,297千円   

10億円未満        26法人             29日               2,692千円

15億円未満        49法人     33日     3,415千円

20億円未満      62法人     38日     3,930千円

30億円未満      97法人     45日     4,915千円

40億円未満      57法人     54日     5,595千円

50億円未満      49法人     55日     6,237千円

70億円未満      68法人     60日     6,396千円

100億円未満      58法人     70日     8,080千円

150億円未満      44法人     88日     9,459千円

150億円以上      91法人      135日     14,418千円

※10億円未満は7億円以上10億円未満、15億円未満は10億円以上15億円未満を表しています。以下同じ。

知事所轄学校法人監査実施状況

1.高校・中学・小学校法人

(事業活動収入※)   (法人数)   (監査日数)    (監査報酬)

3億円未満       88法人    11日     1,013千円   

4億円未満         56法人            15日              1,462千円

5億円未満       60法人    17日     1,665千円

6億円未満       52法人    14日     1,595千円

7億円未満                   42法人    18日     2,183千円

8億円未満       44法人    17日     2,000千円

9億円未満       47法人    19日     2,316千円

10億円未満      46法人    21日     2,354千円

20億円未満      266法人    24日     2,812千円

20億円以上      102法人    37日     4,393千円

※4億円未満は3億円以上4億円未満。以下同じ。

2.幼稚園法人

(事業活動収入※)   (法人数)   (監査日数)    (監査報酬)

3千万円未満      60法人      5日           408千円   

4千万円未満         84法人             5日                  446千円

5千万円未満       97法人     6日         454千円

6千万円未満     102法人     6日        501千円

7千万円未満               134法人     6日       501千円

8千万円未満     184法人     6日        570千円

9千万円未満     150法人     6日        565千円

1億円未満      150法人     6日        592千円

1.5億円未満     781法人     7日      623千円

2億円未満      499法人     8日      721千円

3億円未満      537法人     8日      843千円

3億円以上      478法人    12日     1,198千円

※4千万円未満は、3千万円以上4千万円未満。以下同じ。

おわりに

文部科学大臣所轄学校法人とは、大学や短大のことです(大学等)。大学等の場合の監査報酬は、概ね2百万円から大規模な大学で1千万円を超えています。平均的な大学では約5百万円となっています。

小・中・高校の場合は規模別に1百万円から4百万円、平均的な規模の学校で2百万円前半といったところでしょう。

幼稚園の場合は、規模別に40万円から1百万円を超える程度で、平均的な規模では50万円~60万円となっています。

会社法監査の監査報酬を記載した時には、日数を7時間/日で計算して記載しましたが、少し私が知っている現場の監査報酬とは違和感があったので、今回は8時間/日にて日数換算を変更しました。

大学等、小・中・高校、幼稚園に共通して日数と平均監査報酬とを比較してみてください。概ね、平均監査報酬は日数×10万円となっていることでしょう。監査法人の規模によっては日数の単価は概ね10万円~15万円にて見積りを計算します。上記は実績ですが、ほとんどの監査では見積より実績の方が監査時間は多くなる傾向にありますので、上記の日数は私の肌感覚では妥当ではないかと感じています。

横田公認会計士事務所は、非上場の会社法監査、医療法人の会計監査、学校法人の会計監査、労働組合の会計監査など上場会社を除く会計監査に特化した監査事務所です。

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