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ブログ - 大阪で会計士の監査は横田公認会計士事務所

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監査報告書の電子署名が可能に?~公認会計士による会計監査~

カテゴリ: 監査 公開日:2021年05月27日(木)

はじめに

新型コロナウイルスによる第4派により、緊急事態宣言が5月31日の期限から、延長されることが現実味を帯びてきています。

監査業務のリモート化も進んでいますが、現在の監査報告書では自署と押印が求められています(公認会計士法第34条の12第2項)。一方、各種行政手続きでは押印廃止の動きが顕著になってきています。税務書類の押印義務の原則廃止などです。従来の押印や事務作業を行おうとすると、多くの公認会計士・事務職員らが出社せざるを得ません。

様々な行政手続きにおける押印業務廃止などを掲げた「デジタル社会の形成を図るための官益法律の整備に関する法律案」が5月12日に参議院本会議で可決、成立し、19日に交付されました。新型コロナウイルス禍で浮き彫りとなったデジタル化の遅れに対応し、関係法律の整備を行う。これを受けて公認会計士法が一部改正され、監査報告書における押印を署名のみの対応に代えることができるようになります。

コロナ禍を契機に押印の見直し

デジタル化の進展に伴い押印文化の見直しは議論されていたものの、新型コロナ感染拡大が引き金となりました。経理や監査の現場でも、押印のために出社せざるを得ないという課題が生じていたところ、金融庁・法務省・経済産業省が連名で2020年4月に公表した「継続会(会社法317条)について」では、「決算や監査実務の遂行に当たって書面への押印を求めるなどの慣行は見直されるべきである」と記されました。

監査業務において、監査報告書への押印・署名については定めがあります(公認会計士法第34条の12第2項、監査証明府令第4条)。しかし、コロナの第一波は2020年3月期決算・監査作業を直撃し、従来の押印や事務作業を行おうとすると、多くの公認会計士・監査法人の業務執行社員・事務職員らが出社せざるを得なくなりました。そこで日本公認会計士協会(JICPA)は同年5月、「監査業務における署名・押印に関する実務対応について」との文書を公表しました。具体的には「監査対象会社に対して、署名プラス押印を記載した監査報告書を改ざん不能な電子媒体(PDF形式等)にして電子メール等の方法で提出する」などの対応を示しました。

自署・押印から電子署名へ

今回のデジタル社会形成整備法は、様々な行政手続きにおける押印業務を廃止する趣旨で、各種法律が一部改正されています。

公認会計士法は、第34条12の一部改正を行います。金商法をはじめとするすべての手続きにおける監査報告書の押印について、電子署名による対応が可能となります(第2項で「自署」が「署名」となり、電子署名に対応)。詳細は内閣府令で定められます。施行日は2021年9月1日。

おわりに

公認会計士による監査報告書も押印廃止の流れで電子署名が可能となるようですが、行政手続きの押印業務廃止とは異なり、多数の方が訪れて書類を提出するような税務書類の提出と監査報告書の発行とは意味合いが少し違っていると感じます。電子署名がどのようなものになるのか詳細はわかりませんが、欧米でそうであるように日本独自の文化である「押印」は廃止しても監査報告書での自署は必要ではないかと思っています。どちらにしても、会計監査人が発行した、真正な監査報告書であることが担保されることが重要であり、電子署名がその目的を果たすのならば取り入れていくことは時代の流れであるのかなと感じています。

横田公認会計士事務所は、非上場の会社法監査、医療法人の会計監査、学校法人の会計監査、労働組合の会計監査など上場会社を除く会計監査に特化した監査事務所です。

上場会社を監査している監査法人と比較し、費用面を抑えて実質的な監査を行うことを基本方針にしています。効率性の高い会計監査を目指しています。

監査等のご依頼・ご相談は、問い合わせフォーム(24時間年中無休)又は電話にてのご連絡は平日10時~17時、にてご連絡ください。

来期の3月決算の会社等の監査は早急に日程等についてご相談ください。3月決算を除く組織の法定監査等はまだ日程的にお受けできますのでお気軽にご相談ください。監査や税務顧問契約等の有料の仕事の依頼を前提としてのご相談・お見積りは無料にて対応していますが、匿名での無料相談はお断りしています。

リモートワークの環境下におけるJICPAの決算・監査上の対応状況

カテゴリ: 監査 公開日:2021年04月20日(火)

はじめに

新型コロナ感染症の第4派が大阪を中心に広がっており、大阪府は今日20日にも緊急事態宣言を要請することが決定しました。今回の3度目の緊急事態宣言では昨年の緊急事態宣言と同様に、百貨店等の集客施設への休業要請等も行われるようです。どちらにしても、かなり強力な対策を行わなければ医療現場が崩壊する危機が迫っています。大阪の方はもちろんその他の地域の方もワクチン接種を終えるまで新型コロナに対しては十分注意してお過ごしください。

このような環境下、3月決算・監査がこれから本格化する時期が来ています。

新型コロナ感染症の拡大等により、リモートワークの一般化が進んで?いますが、決算・監査上の対応に当たって、参考となる情報が、日本公認会計士協会(JICPA)により順次公表されており、JICPAでの検討状況について以下まとめて記載します。

1.リモートワークを俯瞰した論点・課題の整理

企業側・ 監査人側双方のリモートワークの動向に関連する課題・論点を俯瞰的に検討し、論点整理・取りまとめを行うとともに、策定過程を通じて 外部関係者との協議・コミュニケーションを行うことが予定されています。

2.業務プロセス・内部統制の見直しに係る課題の整理

印鑑廃止に代表されるような企業のリモートワークの動向に伴う業務プ ロセス・内部統制の見直しに関する論点整理を行うほか、策定過程を通じて外部関係者との協議・コミュニケーションを行うことが予定されています。

3.電子的情報の真正性担保の仕組みの調査研究

監査人が被監査会社かPDFで企業内部の記録や文書を入手する場合における監査上の留意事項の取りまとめが行われ、2021年2月12日付けでリモートワーク対応第3号「PDFに変換された証憑の真正性に関する監査上の 留意事項」が公表されています。このほか、 電子署名、タイムスタンプ等の電子的情報の真正性を担保する仕組みに関する調査研究を行うとともに、監査上の対応を検討することが予定されています。

4.電子的監査証拠の利用の促進及び課題の整理

IAASB(国際監査・保証基準審議会)におけるISA500「Audit Evidence」改訂の動向のフォロー・意見発信のほか、ISO21378「監査データ収集」に代表される監査データ標準化に関する調査研究を行うとともに、監査上の活用方法、留意点を検討することが予定されています。

5.監査報告書の電子化に係る課題の整理

監査報告書の電子化に当たって阻害要因となるような制度上・実務上の課題の整理を行った上で、関係当局とも連携の上、対応を進めることが予定されています。

6.残高確認電子化に係る実務上の課題の整理

監査人のウェブサイト等による確認手続に対応した留意事項の取りまとめが行わ れ、2020年12月25日付けでリモートワーク対応第1号「電子的媒体又は経路による確認に関する監査上の留意事項~監査人のウェブサイト による方式について~」が公表されています。また、今後、その他の電子的確認手続の手法について検討を行うことが予定されています。

7.情報セキュリティ(リモートワークに関する課題の整理)

リモート会議及びリモート会議ツール利用に関する留意点について取りまとめが行われ、2021年2月12日付けでリモートワーク対応第5号「リモート会議及びリモート会議ツールの活用について」が公表されています。このほか、電子的情報の受渡し時の留意点など、会員に対して注意喚起を図る必要があると考えられる個別論点について、周知文書の発出を検討することや、リモートワークに対応したIT委員会実務指針第4号「公認会計士業務における情報セキュリティの指針」等の改正の要否を検討することが予定されています。

8.その他、会員に周知することが有用と考えられる事項

次の留意事項の取りまとめが行われ、公表されています。

・2020/12/25 リモートワーク対応第2号「リモート棚卸立会の留意事項」・・・直接的な実施棚卸の立会を行うことができない場合に、リモート方式で棚卸立会を実施する場合の留意事項についての解説

・2021/2/12 リモートワーク対応第4号「構成単位等(重要な子会社や重要な事業所など)への往査が制限される場合の留意事項」・・・構成単位等への往査に代えてリモートワーク方式によって監査手続 を実施する場合の留意事項についての解説

おわりに

来週から上場会社の決算発表が本格的に始まります。今が上場会社の監査の真っ最中という会社・監査法人が多い状況です。大手の4大監査法人ではすでにリモートワークによる監査を全面的に実施している法人もあります。幸い、私のような個人事務所では、会社法の会計監査や学校法人、医療法人、労働組合の監査がメインでありゴールデンウイークを境に監査が始まります。当事務所では少人数・精鋭による監査を実施しているため蜜を避けて現場に出向いて監査を行う方法がメインとなります。

また、当事務所の特徴である、効率的かつクライアントのニーズを可能な範囲で取り入れながら行う監査においては、リモートワーク監査は実施しづらい面がありますが、新型コロナ感染症には細心の注意を払いつつ、クライアントの要望を取り入れながらリモートワークでの監査についても取り入れていこうと考えています。

横田公認会計士事務所は、非上場の会社法監査、医療法人の会計監査、学校法人の会計監査、労働組合の会計監査など上場会社を除く会計監査に特化した監査事務所です。

上場会社を監査している監査法人と比較し、費用面を抑えて実質的な監査を行うことを基本方針にしています。効率性の高い会計監査を目指しています。

監査等のご依頼・ご相談は、問い合わせフォーム(24時間年中無休)又は電話にてのご連絡は平日10時~17時、にてご連絡ください。

来期の3月決算の会社等の監査は日程等についてご相談ください。3月決算を除く企業等の監査はまだ日程的にお受けできますのでお気軽にご相談ください。監査や税務顧問契約を前提としてご相談・お見積りは無料にて対応していますが、その他個人の方等によるブログを見ての匿名での無料相談はお断りしています。

会計監査:限定付き適正意見は理由を分かりやすく記載

カテゴリ: 監査 公開日:2021年04月13日(火)

はじめに

今週より東京都、京都府、沖縄県にまん延防止等重点措置が適用されました。そして大阪の新型コロナウイルス感染症の感染状況はかなりきわどいところまできているようです。本日(13日)の大阪の新型コロナウイルス感染症の新規感染者は1,000人を超えるそうです。今後3度目の緊急事態宣言も視野に入ってきました。一方で、高齢者へのワクチン接種が開始されトンネルの出口も微かに見えてきました。みなさん、可能な方は、もう少しできるだけステイホームやテレワークを心掛け、感染対策に万全な体制で挑みましょう。

監査報告書も財務諸表利用者にとって分かりやすく記載

監査基準の改定により、限定付適正意見を表明した場合は、不適正意見ではなく限定付適正意見と判断した理由を分かりやすく記載することが求められています。

監査基準の2019年9月の改定によるものです。意見に関する除外や監査範囲の制約により限定付適正意見を表明する場合はそれぞれ、「除外した不適切な事項および財務諸表に与えている影響」、「実施できなかった監査手続及び当該事実が影響する事項」とともに、「除外事項に関し重要性はあるが広範囲性はないと判断し限定付適正意見とした理由」を記載することになります。適用は、2020年3月期決算に係る財務諸表監査からとなっています。

すでに公表された限定付適正意見

2020年公表の監査報告書において、上場5社に「限定付適正意見」が表明されました。このうち3社は個別財務諸表に係る監査で無限定適正意見となっています。

監査人は、財務諸表の表示方法等に不適切なものがあり、その影響が夢幻的適正意見を表明することができない程度に重要であるものの、財務諸表全体として虚偽の表示に当たるとするほどではないと判断した場合等は、除外事項を付した「限定付適正意見」を表明することになります。

2020年公表の監査報告書において、監査人が「限定付適正意見」を表明した上場会社は、以下の5社となっています。なお3社は、連結財務諸表に係る監査では「限定付適正意見」だったが、個別財務諸表に係る監査では『無限定適正意見』でした。

①インパクトホールディングス(東マ、2019年12月期、監査法人アリア)

②昭和ホールディングス(東二、2020年3月期、監査法人アリア)

③サクサホールディングス(東一、2020年3月期、EY新日本有限責任監査法人)

④ユニデンホールディングス(東一、2020年3月期、監査法人アリア)

⑤日本フォームサービス(JQ、2020年9月期、史彩監査法人)

おわりに

限定付適正意見の詳細に興味のある方は、各社の有価証券報告書にてご確認ください。簡単に具体例を挙げると、上記のサクサホールディングスでは、監査人が重要な拠点の連結子会社について、年度末の実地棚卸の立会が実施できず、また代替手続によっても棚卸資産の数量の検証を行えなかったことが記載されています。結果、「連結財務諸表全体に及ぼす影響は限定的であり、連結財務諸表に及ぼす可能性のある影響は重要であるが広範ではない。」と記載されています。

コロナ禍においての監査では、連結子会社等の重要な拠点に対して現場に出向くことが困難となり、上記のような「限定付適正意見」は2021年3月期も増加するのではないでしょうか。

横田公認会計士事務所は、非上場の会社法監査、医療法人の会計監査、学校法人の会計監査、労働組合の会計監査など上場会社を除く会計監査に特化した監査事務所です。

上場会社を監査している監査法人と比較し、費用面を抑えて実質的な監査を行うことを基本方針にしています。効率性の高い会計監査を目指しています。

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新型コロナウイルス感染症対応の監査状況調査が公表(JICPA)

カテゴリ: 監査 公開日:2021年04月06日(火)

はじめに

新型コロナウイルス感染症の陽性者が再び増加し、第4派が来ている状況下、今週より大阪・兵庫・宮城県にまん延防止等重点措置が適用されました。

3月決算の監査作業は、棚卸立会や実査等がすでに始まっており、今月半ばには本格的に期末監査が始まろうとしています。このようの状況で、日本公認会計士協会(JICPA)は、3月26日「新型コロナウイルス感染症に関連した監査上の対応状況についての調査報告書」を公表しました。 昨年3月以降、新型コロナの感染が拡大する中、JICPAは「十分かつ適切な監査証拠の入手」に向けて新型コロナに関する監査上の留意事項を順次公表するなどの対応を図りました。

今回の調査で2020年3月期の監査上の対応状況を確認した結果となっています。監査人は、リモートワークの増加等に伴う監査証拠の入手方法の変更や監査手続の一部制約等の影響を受けつつも、「代替的な監査手続の実施などを通じて必要な監査証拠の入手に努めていた」と結論しています。

監査事務所としての対応

JICPAは新型コロナ対応に関する「監査事務所としての対応」と「個別業務における監査チームの対応」を調査しました。

「監査事務所としての対応」については上場会社監査事務所名簿に登録の118事務所が対象で、うち110事務所から調査票を回収しました。結果、2020年3月期の監査について以下のように総括しています。

「公表した一連の【留意事項】等を参考にしつつ、職業的専門家としての判断を適宜行使し、監査スケジュールの見直し、代替的な監査手続の実施、監査証拠としての信頼性の評価等を通じて、財務諸表には全体として重要な虚偽表示がないことの合理的な保証を得るために必要な監査証拠の入手に努めていた」。

一方「監査事務所として、コロナ対応を書く監査チームに任せているケース」を懸念すべき事例として挙げ、留意を促しています。

「個別業務における監査チームの対応について」は、調査対象を絞り込んだ55業務(29事務所)から調査票を回収しています。「実地棚卸の立会」や「残高確認」、「会計上の見積り」「経営者確認書」などの項目をあげ、参考となる取り組み事例を紹介しています。

「コロナ対応下の監査業務(2020年3月期)に対する自主規制対応 新型コロナウイルス感染症に関連した監査上の対応状況についての調査報告書」の公表について | 日本公認会計士協会 (jicpa.or.jp)

おわりに

現状監査事務所によって監査業務へのコロナ禍の取り組みが異なっているのが実情です。4大監査法人の中には、完全リモートにて監査業務に取り組んでいる事務所もありますが、中小監査事務所においては蜜を避けつつ監査現場へ往査に出向く、従来通りの監査を実施している事務所が多数を占めているようです。

当事務所においても、コロナ禍の監査業務は今回で最後になることを祈りつつ、調査報告書を参考に今後も役立つ個別業務におけるリモート監査も取り入れながら効率的な監査を実施していくよう努めてまいります。

横田公認会計士事務所は、非上場の会社法監査、医療法人の会計監査、学校法人の会計監査、労働組合の会計監査など上場会社を除く会計監査に特化した監査事務所です。

上場会社を監査している監査法人と比較し、費用面を抑えて実質的な監査を行うことを基本方針にしています。効率性の高い会計監査を目指しています。

監査等のご依頼・ご相談は、問い合わせフォーム(24時間年中無休)又は電話にてのご連絡は平日10時~17時、にてご連絡ください。

来期の3月決算の会社等の監査は日程等についてご相談ください。3月決算を除く会社等の監査はまだ日程的にお受けできますので大歓迎です。お気軽にご相談ください。監査や税務顧問契約を前提としてご相談・お見積りは無料にて対応していますが、その他個人の方等のブログを見ての匿名による無料相談はお断りしています。

監査上の留意事項(その7)日本公認会計士協会(JICPA)3月2日公表

カテゴリ: 監査 公開日:2021年03月16日(火)

はじめに

緊急事態宣言が続く首都圏では、コロナ感染者が下げ止まり、逆に前週比増加に転じてきています。今日の東京の新規感染者も300人と発表されました。今週末には期限を迎える緊急事態宣言、さてどうなることでしょうか。個人的には、首都圏では緊急事態宣言慣れが生じているため、解除して新たな対策を個別に実施すべきだと思っています。

では、本題ですが、日本公認会計士協会(JICPA)は3月2日、「新型コロナウイルス感染症に関連する監査上の留意事項(その7)」を公表しました。

これは、企業会計基準委員会(ASBJ)が2月10日に更新した議事概要(会計上の見積りを行う上での新型コロナウイルス感染症の影響の考え方)を受けたもので、JICPAが昨年4月10日に発出した同留意事項(その2)を「改めて周知する」としています。

JICPAの会員からは、会計上の見積りを行う上での新型コロナウイルスの影響に関して「仮定が明らかに不合理でなければ結果的に乖離が生じても誤謬には当たらない状況が継続するのか」や見積開示基準との関係を問う声が上がったため、これらの点を取り上げて注意を促しています。

監査上の留意事項(その7)の留意点

・経営者も監査人も共に、見積りに関する会計処理や監査において極めて難しい判断を迫られる場合も想定される。

・監査人には、職業的専門家としての公正な判断と誠実な行動が一層求められる。

・見積りに関する会計処理について、被監査企業の経営者及び監査役等と通例よりも注意を払って適時かつ適切にコミュニケーションを実施する。

・経営者による顔に楽観的な会計上の見積りの許容は適切ではないが、企業の収益力やキャッシュ・フローの獲得能力について、実態とかい離した過度に悲観的な予測を行い、経営者の行った会計上の見積りを重要な虚偽表示と判断することも適切ではない。

新型コロナウイルスの今後の広がり方や収束時期等の予測が困難な状況が続いています。3月決算に向けて「特にキャッシュ・フローの予測が極めて困難な状況」との認識が多く聞かれます。

首都圏は現在も緊急事態宣言下に置かれ、昨年4月の緊急事態宣言の期間と合わせると企業の事業年度のおよそ3分の1の期間において事業活動に制限を課されたことになります。

飲食業や旅行業など一部の業種では業績や財政状態への深刻な影響が明らかになっていることから、留意事項(その7)ではこれらの企業の監査人に向けて「経営者及び監査役等との適時かつ適切なコミュニケーションの実施」を強調しています。

留意事項(その2)があげていた会計上の見積りの監査に当たっての留意点

・企業が置いた一定の家庭が明らかに不合理でなければ事後的な結果との乖離が生じたとしても「誤謬」には当たらない。

・経営者の角に楽観的な会計上の見積りを許容することや、過度に悲観的な予測を行い、経営者の行った会計銖の見積りを重要な虚偽表示と判断することは適切ではない。

・会計上の見積りの不確実性が財務諸表の利用者等の判断に重要な影響を及ぼす場合には、企業による見積りに関連する情報の開示を通じて、有用な情報を提供することを検討する。

おわりに

留意事項(その7)では、上記の留意点を再確認しつつ、特にこの3月決算から適用となる見積り開示基準(企業会計基準第31号)との関係についてASBJ議事概要(2月10日更新)の確認を呼びかけたものとなります。同議事概要は、見積り開示基準適用後の取り扱いなどを示しています。ご興味のある方はご確認ください。

【企業会計基準審議会】 「会計上の見積りを行う上での新型コロナウイルス感染症の影響の考え方(2021年2月10日更新)」

https://www.keidanren.or.jp/announce/2021/0210.html

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来期の3月決算の会社等の監査は日程等についてご相談ください。3月決算を除く会社等の監査はまだ日程的にお受けできますので大歓迎です。お気軽にご相談ください。

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会計監査:リモートワーク環境下の決算・監査上の対応

カテゴリ: 監査 公開日:2021年02月26日(金)

はじめに

昨日は東京で新たに新規感染者が340人となりました。首都圏の新規感染者は下げ止まりの状況です。3月7日の緊急事態宣言の解除後、新たに新規感染者が増加しないか、そもそも期限通りに解除できるのか疑問となってきます。

4月以降高齢者のワクチン接種が始まりますが、3月決算・監査を迎える4月、5月には落ち着いていることを願うばかりです。

このような状況下、リモートワークによる決算・監査が多くの会社等で行われる可能性が高くなっています。

日本公認会計士協会(JICPA)は、昨年10月から新施策「リモートワークの環境下における企業の業務及び決算・監査上の対応の検討」を進めています。企業側と監査人側の論点など計8つの項目を掲げ、昨年12月にはリモートワーク(RW)対応の留意事項を以下2本公表済みです。

第1号「電子的媒体または経路による確認に関する監査上の留意事項」

第2号「リモート棚卸立会の留意事項」

そして、今月2月12日に新たに留意事項等(3~5号)の文書3本を公表しました。

リモートワークに対応した提言・留意事項 | 日本公認会計士協会 (jicpa.or.jp)

新たなリモートワーク対応留意事項

2月12日に公表されたものは以下の3本です。

第3号「PDFに返還された証憑の真正性に関する留意事項」

第4号「構成単位等への往査が制限される場合の留意事項」

第5号「リモート会議及びリモート会議ツールの活用について」

新型コロナウイルス感染症の拡大防止のため、企業活動と共に監査業務においてもリモートワークの導入が進んできています。こうした状況は一過性のものではなく今後の継続が見込まれることから、JICPAはリモートワーク対応プロジェクトにおいて企業側と監査人側の論点などについて検討しています。

上記3号・4号はリモートワーク環境下における実務上の留意事項をまとめたもので「新たな要求事項儲けるものではない」としております。

リモートワーク対応第3号

第3号では、PDF化された監査証拠の評価における留意点をまとめたものとなっています。

PDF化された監査証拠とは「紙の文書等の原始文書を、電子情報等して表示、転送、保存のためにPDF変換した監査証拠」のことです。

まず監査人の要請によりPDF変換が行われる場合、返還作業が業務プロセスとしてルール化されていないとの想定のもと、入手したPDFと源泉となる情報との一致の確認やPDF変換に伴う改ざん、修正・落丁の有無を確認することになります。

一方、監査人の要請ではなく、被監査会社(企業)や被監査会社の取引先等外部が起点としてPDF変換を行う場合は、変換プロセス・手続の確認など運用面の評価手続き等を確認・検討することとなります。

リモートワーク対応第4号

第4号では、「我が国を含む世界各国の構成単位への往査が困難な場合が生じている」状況を踏まえ、「リモートワーク方式」による場合の留意事項を示しています。

ここに言う「構成単位」とは、監基報600第8項(9)において、 「グループ財務諸表に含まれる財務情報の作成単位となる、企業又はその他の事業単位をいう。」と定義しています。連結財務諸表を前提に、各子会社や重要な支店等のことです。

以下の項目について要点をまとめています。

①構成単位の財務情報に対する監査手続の実施~監査証拠に関する基本的な考え方

②構成単位の財務情報に対する監査手続及び構成単位の関人が実施する作業への関与

③構成単位の監査人とのコミュニケーションの内容や方法の見直し

②や③では、リモートワーク対応第3号・5号に触れながら留意点を上げているのであわせて確認してください。

リモートワーク対応第5号

第5号では、リモートワーク会議のリスクと対応策を例示しています。

公認会計士事務所がリモートワークを実施する際の情報漏洩リスクに着目して取りまとめたもので「Ⅰ.基本的な考えか」として3点示されています。

「主なリスク」として挙げているのは、以下の4分野です。

・利用方針

・リモート会議関連のリスクの洗い出し

・リモート会議ツール関連リスク

・リモート会議実施に係るリスク

おわりに

この3月決算は、特に上場会社では、リモートワークによる決算・監査が少なからず必要となるでしょう。JICPAが検討し公表している又は今後公表する留意事項を参考にしながら無事に効率的かつ十分な決算・監査が行われることを願っています。

横田公認会計士事務所は、非上場の会社法監査、医療法人の会計監査、学校法人の会計監査、労働組合の会計監査など上場会社を除く会計監査に特化した監査事務所です。

上場会社を監査している監査法人と比較し、費用面を抑えて実質的な監査を行うことを基本方針にしています。効率性の高い会計監査を目指しています。

監査のご依頼・ご相談は、問い合わせフォーム(24時間年中無休)、電話にてのご連絡は平日10時~17時、にてご連絡ください。

3月決算の会社等の監査は日程等についてご相談ください。3月決算を除く会社等の監査はまだ日程的にお受けできますので大歓迎です。お気軽にご相談ください。

緊急事態宣言下、時短・リモートにて営業しておりますので電話でのご連絡は平日11時~16時までにお願いします。なお、緊急事態宣言下、最初のご連絡はできるだけ問い合わせフォームをご利用ください。メールまたは電話にての連絡の希望の有無を記載いただければこちらから連絡いたします。

監査事務所の規模別の監査報酬についての分析

カテゴリ: 監査 公開日:2021年02月02日(火)

はじめに

前回のブログを受けて今回は前回結論付けた、会社等の規模別に監査報酬を効率的にするため(節約するため)にどのような監査事務所を選ぶべきかの根拠を紐解いていくいきます。

監査報酬は、監査事務所の規模別に当然高低があり一定水準以上の適正な監査を行うことを前提にそれぞれ監査事務所の規模別に監査報酬の中身を分析します。

以下、①大手監査法人、②準大手監査法人、③中堅監査法人、④中小監査事務所の分類は前回のブログをご参照ください。

 会計監査:自社に適した公認会計士または監査法人を選ぶコツ

私が上記①~④までの監査事務所の監査報酬の分析ができる知識があるかどうかについては、それぞれすべての監査事務所に所属して監査した経験があるからです。そこで所属していてそれぞれの監査責任者を見てきた経験からの私なりの分析です。ですから、多少私なりの解釈もあり、それぞれの監査事務所にとっては「うちの監査事務所はそうではない」と思われることもあるかと思いますが、大きな方向性で見れば相違は小さいと確信していますので、その点はご了承の上お読みください。あくまで私個人の見解です。

【監査報酬の構成要素】

みなさんもちろんおわかりだと思いますが、監査報酬の高い順に

Ⅰ①大手監査法人>②準大手監査法人>③中堅監査法人>④中小監査事務所

となります。監査報酬は

監査報酬=単価(A)×日数または時間数(B)

で構成されています。

Aの単価、Bの日数とも、単価は高く、日数が多いのは上記Iの順番どおりです。

まず、以下『単価』について内容を見ていきましょう。

ここでは話を簡単にするために単価は1日当たりの単価とします。

協会(JICPA)の監査実施状況調査においては、監査時間は日数ではなく時関数で記載されていますが、協会(JICPA)に提出する監査実施報告書が監査時間にて報告する形式のため監査時関数にて公表されています。ただし、監査報酬を見積る場合多くは日程と補助者の日数を集計し、日数の合計から監査報酬を見積るためほとんどの監査事務所は、監査報酬=事務所単価×監査日数 にて報酬を計算しています。

私の知る範囲では、概ね各監査事務所は以下の通りの単価で監査報酬を計算していると考えます。

①12~15万円以上、②10~14万円、③10~12万円④は10万円前後

単価が以上のように監査事務所により異なる理由は簡単に言うと共通費が多いか少ないかによると考えられます。直接費である監査を行う会計士等の日当(給料)は各監査事務所でそれほど多くの違いはありません。

共通費とは、事務所共通の職員の給料、監査事務所の家賃、海外提携先がある場合の提携料、新人の教育費、それに協会(JICPA)のレビュー及び金融庁の検査に対応するための社員や職員の報酬や給料です。レビューや検査が多い事務所ほど対応人員や日数が増加しその分の給料等を監査報酬で補うこととなります。①の大手は上記すべてで一番共通費が多くなりますが、特に海外提携先も大手会計事務所のため提携料が高いのが特徴です。②の準大手も海外事務所と提携していますが①ほど海外の大手会計事務所ではなく提携もゆるい提携のため①よりは提携料が安いと考えられます。③も海外事務所と提携している事務所は提携料を支払いますが②よりさらにゆるい提携で提携料の高い順に①>②>③となります。④については提携料が無い事務所がほとんどでしょう。

次に単価に大きく影響を及ぼす要因は、協会(JICPA)レビューと金融庁の検査です。

レビューと検査は上場会社を監査している事務所は必ず行われるという制度となっています。したがって④の監査事務所にはレビューや検査は行われません。また、上場会社を監査している事務所にレビュー等が行われるわけですが、上場会社の監査について監査調書等のレビューが行われるのはもちろん、その他非上場の会社の監査の監査調書等についてもレビュー対象がランダムに選ばれます。これは、レビュー等対象監査事務所が、上場会社と非上場会社で異なる品質の監査を行うことを阻止するためです。このレビューや検査は監査事務所の監査上場会社の数によりその頻度が大きく違ってきます。先ほども簡単に述べましたが、頻度が多いほどそれに対応する人員や日数が多くなり、その対応分の給料等が共通費として大きくなります。①大手は毎年、②準大手は3年に1回(太陽のみ毎年)、③中堅監査法人ではレビューは3年に1回、検査は数年に1回となっています。このレビューや検査は2週間から1か月以上かかります。私が個人事務所として上場会社を監査していた時にレビューは2名が来所し1週間で済みました。1社のみでそうですから数十社、数百社の上場会社を監査している事務所はその中から数社または数十社をレビュー等の対象とされますので、1か月以上かかりそれに対応する人員を準備しなければなりません。その間、対応する人員は監査できないわけですからそのものに対する給料や報酬は共通費としてその監査事務所の監査報酬の単価に上乗せされることになります。

監査報酬のもう一つの構成要素『日数』について以下にて中身を見ていきましょう。

日数も大手>準大手>中堅>中小(個人含む)となるのは

まず1点目、単価でも述べましたが、大手や準大手、中堅監査法人の場合いずれも上場会社監査登録事務所に登録しており、協会(JICPA)レビューや金融庁の検査の対象となります。それに応じてレビューや検査に対してレビュー等するものが見てわかる監査証拠としての調書を作成する必要があります。この見てわかる調書を作成する時間が監査時間のかなりの程度を占めることが原因にあります。監査現場をよく知っている方は、一昔前と比べて監査中の会計士が黙々とPCと向き合っている時間が増えたと思われるのではないでしょうか。逆に言うと、非上場のみの監査法人や個人の公認会計士事務所の場合は、監査責任者が監査証拠としての心証を得られれば、レビュー等がないので、監査責任者が見てわかる調書を作ればよいのです。メモ書き程度で自分が後になってわかるのなら自由に調書を作成すれば良いということです。この違いは監査チーム全体を含めればかなりの監査時間の節約になります。また、レビュー等の結果、指摘事項が監査事務所に文書で提出されます。その指摘事項に対して今後どのように改善するかの報告書を提出します。この改善事項が多いほど、次回のレビューまでに監査調書の改善点を反映させます。これが毎回繰り返され、現場等で作成する監査調書はどんどん分量が増えていきます。

2点目は、特に大手と準大手に多いのですが、監査に不慣れな新人が多いということです。監査法人では毎年かなりの職員が退職します。元々、独立志向をもって公認会計士試験に合格した人が多いことやより良い条件やキャリアを求めて、他のコンサルティング会社などへ転職、またある一定年齢に達すると(40代)社員(会社で言う役員)になる人が限られてきます。社員にならずに、定年まで同じ監査法人で務める人はそれほど多くありません。そこで、転職や独立をして退職する人が多いのです。そのような退職者の穴を埋めるのが毎年の合格者である新人の試験合格者なのです。監査チームに新人が多いということは効率性が低下するのは当然です。また新人の作成した調書は、先輩のレビューを受けます。レビューの結果、足らずの調書の場合手続きの追加が頻繁に行われます。みなさんの会社等で新人が入れ代わりやってきて新人のOJTの場として使われていると感じることはないでしょうか。もし感じるならその会社はリスクが小さく新人のOJTの絶好の場として監査事務所が考えているということです。以上の理由から新人採用の多い順番に監査時間が多くなります。逆に言うと、個人の公認会計士事務所の場合が典型ですが、大手出身の独立したベテランの会計士でチームを組みます。ベテランなので、監査の効率も良く、ガチガチの見せる調書を作成する必要もないので、監査責任者の疑問に応えられ、監査証拠を入手したと実感できれば監査を短時間で行うことが可能となります。

以上の理由から、監査報酬の高い順番は上記のⅠの通りとなり、単価(A)も安く、時間(B)も少ない、中小監査事務所、すなわち非上場会社のみ監査している監査法人および個人の公認会計士事務所がもっとも監査報酬が安くなるということになります。

おわりに

緊急事態宣言が栃木県を除き1か月延長されることが決まりました。ここ1,2週間は感染者も減少傾向にありますが、まだ医療の現場はひっ迫していることが原因のようです。

みなさんの組織の中にはあと一ヶ月以上緊急事態宣言が続けば、もう持たないと思われるところもあるのではないかと心配しています。普段から経費節減を行っている会社等も更なる経費節減の必要性を感じているのではないでしょうか。

監査報酬は会計処理上「支払手数料」「支払報酬」「雑費」など様々な科目で処理されていますが、会計的には経費の一種です。法定監査対象の会社等の経営者は正しい財務情報を開示し、説明する責任を負っています。また、公認会計士監査は、その内容を検証して、「適正」か「不適正」か判断した結果を報告することとなります。その監査報酬についても、同じ結果が得られるのであれば、経費節減を考えるのも経営者の重要な役割です。

コロナ禍、経費節減を考える際、監査報酬についてももう一度、自らの組織に最も適した効率的な監査事務所を選ぶことは重要な判断だと考えます。

横田公認会計士事務所は、非上場の会社法監査、医療法人の会計監査、学校法人の会計監査、労働組合の会計監査など上場会社を除く会計監査に特化した監査事務所です。

上場会社を監査している監査法人と比較し、費用面を抑えて実質的な監査を行うことを基本方針にしています。効率性の高い会計監査を目指しています。

監査のご依頼・ご相談は、問い合わせフォーム(24時間年中無休)、電話にてのご連絡は平日10時~17時、にてご連絡ください。

3月決算の会社等の監査は日程等についてご相談ください。3月決算を除く会社等の監査はまだ日程的にお受けできますので大歓迎です。お気軽にご相談ください。

緊急事態宣言下、時短・リモートにて営業しておりますので電話でのご連絡は平日11時~16時までにお願いします。なお、緊急事態宣言下、最初のコンタクトはできるだけ問い合わせフォームをご利用ください。

会計監査:自社に適した公認会計士または監査法人を選ぶコツ(コロナ禍、監査報酬を見直したい!)

カテゴリ: 監査 公開日:2021年02月01日(月)

はじめに

コロナ禍、売上が減少し経費節減を実施したい会社や法人が多くなってきているようです。医療法人も近年、一定規模以上の医療法人や社会医療法人は法定監査の対象となりました。その医療法人の50%以上が赤字の状態だそうです。新型コロナウイルス感染症により、外来で訪れる患者が減っていることが一番の要因です。飲食業や観光業も緊急事態宣言により利用者が激減しています。飲食業といえば小規模な居酒屋やバーなどを思い浮かべる人が多いと思いますが、大手の居酒屋チェーンや牛丼・食堂のフランチャイズ店、それらに食材を提供する一定規模以上の食品会社も時短営業の影響等を受けて売上が減少しています。この状態はワクチン接種を国民全員が終えるまで続くと考えられます。

このように医療法人のみならず、法定監査の対象である一定規模以上の会社も売上減少により、経費の節減が企業存続の要となってきています。

【公認会計士または監査法人の監査を受けなければならない会社等】

法定監査とは、主に以下の法人等に対して法令等で公認会計士または監査法人の監査(以下外部監査)が義務付けられているものです。

①上場会社(金融商品取引法に基づく監査)

②会社法に基づく監査(大会社及び委員会設置会社)

③学校法人の監査(国や地方公共団体から補助金を受けている)

④公益社団・財団法人

⑤一般社団・財団法人

⑥社会福祉法人の監査

⑦医療法人の監査

その他については以下を参照ください。

日本の監査制度 | 日本公認会計士協会 (jicpa.or.jp)

【公認会計士または監査法人の規模別状況】

規模の大きい(職員数の多い)順に以下の通り分類します。

①大手監査法人

②準大手監査法人

③中堅監査法人(準大手より小規模で上場会社の監査をしている監査法人)

④中小監査事務所(ここでは非上場会社のみ監査している監査法人及び個人の公認会計士事務所)

④の中小監査事務所について、監査法人と個人事務所を分類せず一緒にしているのは、非上場会社のみ監査している監査法人の実質は、監査法人は社員(会社の取締役)5人以上で構成されますが、④の監査法人はそれぞれの社員が個人事務所と同じようにそれぞれ監査を実施し、横の連携がなく監査法人という名前の下に集まっている組織だからです。事務所も会計も従業員もそれぞれ別に雇っていて、社員の個人事務所のどこか一箇所を法人事務所としている監査法人というのが多くの実態なのです。

【公認会計士または監査法人の規模別実情】

①については4っつの法人だけであり、新日本、トーマツ、あずさ、Pwcあらたです。これらの監査法人は職員数では3,000人以上最も多いトーマツは約7,000人で事務所も全国的に展開しています。

海外の大手会計事務所とも提携しています。

②については、太陽、仰星、東洋、三優、Pwc京都です。職員数や事務所も大手には及びませんが、比較的多数の上場会社を監査しています。上場会社の数が多い順に太陽237社、仰星85社、東洋83社、三優69社、Pwc京都50社

③については、上場会社の監査先で一番多いのがアーク41社であり、他はそれより少なく、1社のみという監査法人が一番多くなっています。2020年10月現在でアークを含め合計105社存在します。

④については、2020年末現在、監査法人数は254法人あるため、①,②,③を除いた約140法人あることになります。個人の公認会計士事務所で監査を行っている事務所については非公表のためどれほどあるかわからないので実情です。

【結論:ずばり会社等の規模別の適正な会計監査人の選び方】

会社や法人等の規模別にどの規模の監査人を選べば費用対効果が一番高い(監査報酬が安い)かの結論を述べます。

法定監査を受ける会社や法人の規模を以下の4区分に分類します。

①売上高等の収益が300億円未満で従業員300人未満、

②売上高等の収益が1,000億円未満で従業員1,000人未満(①を除く)

③売上高等の収益が1,000億円以上で従業員1,000人以上

④上場会社

①~③は非上場の会社や学校法人・医療法人等です。

①→中小監査事務所>中堅監査法人

②→中堅監査法人>準大手監査法人

③→中堅監査法人>準大手監査法人>大手監査法人

④→中堅監査法人>準大手監査法人>大手監査法人

以上となります。③,④の場合でグローバルに海外展開している会社は大手監査法人の選択のみとなります。監査報酬を安く抑えるためには、大手監査法人の中で見積を取って一番安い監査報酬を提示した監査法人にするしかないのが実情です。

次のブログで、なぜ、上記の結論になるのか『監査事務所の規模別の監査報酬についての分析』として監査報酬の構成要素とその中身を説明します。

おわりに

コロナ禍、経営が厳しい会社や法人にとって、社会的な必要経費としての監査報酬も企業の存続を考えれば、なるべく抑えたいのが実情でしょう。しかし、質の悪い監査を受けて、監査人が重要な従業員の不正や会社の経理の重要なミス等を見逃すようなことがあっては、のちのち会社や法人の信用問題に発展し、損害賠償や規制当局からの行政処分を受けてしまいます。そのようなことになって、コロナ後に問題が発覚し会社や法人の存続危機がその時に訪れて後悔しても遅いということになります。

このブログを見られている方の多くは、上記の会社や法人等の規模では①に該当すると思われます。

法定監査の監査人としては、中小監査事務所を選ぶべきです。中小監査事務所は本文でも説明していますが、上場会社を監査していない個人事務所の集まりのような監査法人又は個人の公認会計士事務所です。これらの数は、他の規模の監査法人に比べて圧倒的に多くの事務所が存在します。

中小監査事務所の中で、どの事務所を選ぶべきか迷っている方や、中小監査事務所は情報が少なくどの事務所を選べばよいかわからないと言う方も多いでしょう。

そのような時は、監査責任者が上場会社の監査責任者の経験があるかどうかを一つの指針としてください。上場会社の監査責任者の経験があれば、協会(JICPA)のレビューや金融庁の検査を受けた経験があります。その経験の下で監査を行いますので、質の悪い監査を行うリスクは低いと言えます。

当事務所は、上場会社の監査責任者の経験があり、監査チームのメンバーは大手監査法人出身の独立した個人事務所を経営するベテラン会計士で構成しています。安心してご依頼ください。また、中小監査事務所の場合、当事務所に限らず、監査法人と比較して、監査責任者が現場にめったに来ないということはありません。監査責任者が先頭に立って現場で監査を行います。その場合、監査責任者との相性も重要となるでしょう。まずは、当事務所に限らず、心当たりのある監査事務所が見つかれば、監査責任者に問い合わせして、どのような人柄なのかを確かめてみてはいかがでしょうか。

横田公認会計士事務所は、非上場の会社法監査、医療法人の会計監査、学校法人の会計監査、労働組合の会計監査など上場会社を除く会計監査に特化した監査事務所です。

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雇用調整助成金の会計処理:通常とコロナ禍の特例措置の違い

カテゴリ: 監査 公開日:2021年01月28日(木)

はじめに

ここ最近、新型コロナウイルスのワクチン接種のニュースが多くなっています。イスラエルのワクチン接種が世界でいち早く行われており、3月までには国民全員がファイザー社のワクチン接種を2回受ける予定となっています。現状で、ワクチンを2回接種した人の感染率は0.01%と低く、感染した人の症状も軽症で高熱などの症状もないとのこと。日本も一刻も早いワクチン接種が待ち遠しい今日この頃です。

さて、個人事業者や法人が支給を受けた「雇用調整助成金」の収入計上時期ですが、国税庁が更新した情報では、通常は助成金の支給額が確定していない場合でも金額を見積り、休業を実施した事業年度に収入(益金)を計上します。ただし、今回のコロナ禍で支給要件の緩和等がされている“特例措置”では、実際に支給があった事業年度に収入計上することもできます。

通常の会計処理

雇用調整助成金の支給手続きでは、通常、休業期間等を計画し労使協定を結んだ後に、労働局等に「計画届」を提出します。その計画等に基づき休業の実施や休業手当を支給し、休業の実績に基づいて助成金の支給申請を行います。

最初に、「計画届」の提出の手続きをとり、雇用調整助成金による補填を前提に休業手当が支給されるため、収益費用対応の観点から、休業を実施した事業年度に支給額が確定していなくても、支給額を合理的に見積もって休業を実施した事業年度に収入を計上するものとされています。税務も同様です(法基通2-1-42)。

(会計処理)

休業を実施した年度末に支給見込額を見積り以下の仕訳を行う。

Dr)未収入金××× Cr)雑収入 ×××

コロナ禍の特例

コロナ禍の特例措置として、同助成金の支給要件の緩和や助成率の引き上げ、手続きの簡素化などが図られています。事前の「計画届」の提出が不要とされています。通常の措置とは異なり、休業の実施や休業手当を支給した後に、その実績に基づき支給申請を行えばよく、あらかじめ手続きをとり、同助成金の補てんを前提に休業手当が支給されているものではないこととなります。

この場合には、休業手当の支給が同助成金による補填を前提としていないことから、支給の決定を受けた事業年度に支給額を収入に計上すればよく(支給決定基準)、休業を実施した事業年度においては金額を見るもる必要はありません。

コロナ禍の特例の雇用調整助成金は、任意の1年間の対象期間内の休業の実績を1か月単位で判定し、通常はその期間ごとに支給申請をする仕組みになっています。

各支給申請に係る雇用調整助成金の支給が決定する度に、その支給額を収入計上する処理を行うこととなります。

おわりに

コロナ禍特例の雇用調整助成金は、上記に様に、労働局の審査を経て支給決定時に支給額を収入に計上します。事業年度末までに支給決定が通知されており入金がまだの場合には以下の仕訳を行います。

・支給決定額の通知があった場合の未入金の支給額

Dr)未収入金××× Cr)雑収入×××

 ・事業年度末に支給決定がない場合

  仕訳無し

支給額は雑収入として、営業外収益に計上し、休業に関わった費用と相殺するのは間違った処理となりますので注意してください。

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収益認識基準を適用した場合の税務上の取扱い(電気・ガス事業者等)

カテゴリ: 監査 公開日:2021年01月25日(月)

はじめに

昨日は、東京都の新型コロナウイルス感染症の陽性者が久しぶりに1,000人を下回りました。直近一週間のコロナ感染者数も減少傾向にあります。少しですが、光が見えてきたような気がしています。引き続き、ワクチン接種や治療薬が開発されるまで人との接触はなるべく避け、テレワークや不要不急の外出は控えたいと思っています。

さて、以前のコラムにも記載しましたが、収益認識に関する会計基準の適用指針の改正案では、検針日基準を認めていません。

電気・ガスの事業者は検針日程と会計期間とで異なる部分の収益の見積りが必要となります。平成30年度税制改正では、確定した収益認識会計基準(会計処理)を取り込む形で法人税法が改正されました。当時は会計基準において検針日基準に関する特別の対応の可能性が残されていたため税務対応についても気になるところとなります。

税務における検針日基準

法人税に関しては、基本通達で検針日基準の取扱いが示されています。要は、「月等を単位として規則的な検針に基づき料金の算定が行われ、法人が継続してその検針が行われた日に収益計上を行っているときは、当該検針による収益の計上を認める」というものです。この内容から検針日基準が収益の金額と時期の決定方法として認められていることがわかります。

会計基準適用なら検針日基準は?

収益認識基準を適用していない場合、従来通り検針日基準により収益経理をしている場合はその処理も税務上公正な処理基準に該当し、検針日基準で算定する収益の額を税務上も計上することになります。

一方、税務上は、一般に公正妥当と認められる会計処理の基準に従って収益経理した場合は、事業年度の所得の金額の計算上、益金の額に算入することが明確化されている(財務省「平成30年税制改正の解説P.274」ことから、収益認識基準の適用企業は、税務上も収益認識基準に従った見積りによる収益の額を計上することになります。

申告調整によって検針日基準で算定する収益の額に戻すことはできないということになります。逆に言うと、検針日基準に戻す必要はないということです。

おわりに

税務上、収益認識基準による収益を益金の額に算入することが明確化され、検針日基準を認めない収益認識基準の場合、検針日から期末日までの日数等の応じて収益を追加で見積り計上することになりますが、そもそも初年度は収益(益金)の額が見積分だけ多くなります。私個人の見解としても益金の額が多くなることについて税務上否認されることはあり得ないことだと思っています。

横田公認会計士事務所は、非上場の会社法監査、医療法人の会計監査、学校法人の会計監査、労働組合の会計監査など上場会社を除く会計監査に特化した監査事務所です。

上場会社を監査している監査法人と比較し、費用面を抑えて実質的な監査を行うことを基本方針にしています。効率性の高い会計監査を目指しています。

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3月決算の会社等の監査は日程等についてご相談ください。3月決算を除く会社等の監査はまだ日程的にお受けできますので大歓迎です。お気軽にご相談ください。

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