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学校法人会計における「継続企業の前提」

カテゴリ: 監査 最終更新日:2021年06月22日(火) 公開日:2021年06月22日(火)

はじめに

沖縄を除き、まん延防止等重点措置へ移行した都道府県が多くなりました。酒類の提供は7時まで、二人一組まで入店可能などまだまだ従来の生活様式からは程遠いという実感を持っている方がほとんどでしょう。

今週から職域でのワクチン接種が本格化し、1日100万人のワクチン接種が現実味を帯びてきました。ワクチン接種率の高まりに期待しましょう。

ところで、私個人でも今日にも接種券が届く予定です。副作用の心配はありますが、すぐにワクチン接種の予約をし、7月末までには2回目接種を目指しています。

学校法人会計における「継続企業の前提」について

学校法人においても、企業等と同様に学校法人が予測し得る将来にわたって存続し、教育事業を継続することを前提に計算書類が作成されており、いわゆる「継続企業の前提」は学校法人会計においても前提とされています。

継続法人の前提に関連する理事者の責任

学校法人会計基準においては、継続法人の前提に関する注記は義務付けられておらず、理事者に対して継続法人の前提に関する一定の評価を行うことを要求する明示的な規定は存在しません。しかしながら、学校法人会計基準第34 条8項では、「その他財政及び経営の状況を正確に判断するために必要な事項」の注記が求められており、近年の学校法人を取り巻く環境を鑑みれば、学校法人は継続法人の前提に関する事項を記載する必要があるか否かを検討する必要があり(実務指針第36 号第23 項参照)、理事者は計算書類の作成において継続法人の前提を評価することが求められると考えられます(監基報570 第4項参照)。

継続法人を前提として計算書類を作成することが適切でない場合

次のような一定の事実が存在する場合

・再生手続開始決定の取消し、再生計画の不認可など

・破産手続開始の申立て

・法令の規定による整理手続によらない関係者の協議等による事業継続の中止に関する決定

・私立学校法第62 条第1項による所轄庁の解散命令(同法第50 条第1項第6号)

「継続法人の前提」に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況

<財務指標関係>

・教育活動収入の著しい減少

・継続的なマイナスの教育活動資金収支差額の計上

・重要なマイナスの教育活動資金収支差額の計上

・継続的なマイナスの経常収支差額の計上

・重要なマイナスの経常収支差額の計上

・翌年度繰越支払資金の継続的な減少

・翌年度繰越支払資金の重要な減少

<財務活動関係>

・事業に関連する債務の返済の困難性

・借入金の返済条項の不履行又は履行の困難性

・新たな資金調達の困難性

・債務免除の要請

・支払不能すなわち資金ショートに陥るリスクがあること。

・債務超過又は債務超過に陥るリスクがあること。

<事業活動関係>

・重要な設置校、学部等の募集停止

・重大な災害による損害の発生

・継続的な学生生徒数の著しい減少

・重要な補助金の減額又は不交付の決定

・事業活動に不可欠な重要な権利の失効

・事業活動に不可欠な人材の流出

・事業活動に不可欠な重要な資産の毀損、喪失又は処分

・法令又は所轄庁の規制に基づく重要な事業の制約

<その他>

・巨額な損害賠償金又はデリバティブ取引の解約に伴う損失の負担の可能性

・不祥事などによるブランド・イメージの著しい悪化

おわりに

研究報告第34号では貸借対照表日において、単独で、又は複合して継続法人の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況として、前項のような項目が考えられるとしています。ただし、次の点に留意が必要です。

・単独の事象又は状況により、破産の原因となる事実が生じるおそれや、事業の継続に著しい支障を来すことなく弁済期にある債務を弁済することができなくなることも考えられ、より慎重に検討を行うことが適切

・通常これらの項目は、複数の事象又は状況が密接に関連して発生又は発現することが多いと考えられる。このため、理事者は継続法人の前提の評価の過程において、上記に例示するような項目が継続法人の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況に該当するかどうかについて、総合的に判断することが適切

・各項目は例示であり、その学校法人の規模等によっては金額的重要性や質的重要性を加味して判断すべき事項もある。また、学校法人の特殊性等を考慮し、これらの項目と異なる財務指標を用いることが適切な場合や、これらの項目とは異なる事象又は状況が継続法人の前提に重要な疑義を生じさせるような場合もある

・例示のうちの一つ以上が存在する場合に、必ずしも重要な不確実性が存在していることを意味するわけではないことに留意する。

横田公認会計士事務所は、非上場の会社法監査、医療法人の会計監査、学校法人の会計監査、労働組合の会計監査など上場会社を除く会計監査に特化した監査事務所です。

上場会社を監査している監査法人と比較し、費用面を抑えて実質的な監査を行うことを基本方針にしています。効率性の高い会計監査を目指しています。

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 学校青空と校舎

コロナ禍における学校法人の会計処理②(収入等)

カテゴリ: 監査 最終更新日:2021年06月21日(月) 公開日:2021年06月21日(月)

はじめに

今日、6月21日(月)より沖縄を除き、緊急事態宣言が解除されました。

私の住む大阪を含め近畿・関東・愛知・福岡・北海道は「まん延防止等重点措置」の対象となっています。酒類の提供は午後7時まで提供可能となりました。

午後7時です。夏至の今日、午後7時はまだ明るい時間です。なんともすっきりしない緊急事態宣言の解除ですね。

やはりワクチン接種が国民全体の4割まで進む8月あるいは9月まで飲食店の営業時間を含め生活パターンがコロナ前の水準に戻るのは持ち越しのようです。

更に、本日はニューヨークの株安を受けて、日経平均株価は1,000円を超える下落となっています。私の個人的な見解ですが、この下落自体は、短期的なものと考えていますが、緊急事態宣言明けの2021年6月21日月曜日の夏至は、すっきりしない週初めとなっています。

それでは、そのようなもやもやの中、本題に入ります。

今回は、前回のブログに続き「コロナ禍における学校法人の会計処理」の収入と過去の会計処理です。

1.国や地方自治体からの補助

【事例】

①国や地方自治体からの休業協力事業者への協力金

②小学校休業等対応助成金

③日本学生支援機構の新型コロナウイルス感染症対策助成事業

④雇用調整助成金

<会計処理>

・国又は地方自治体からの助成金(国又は地方公共団体からの資金を原資とする間接的な助成金である日本私立学校振興・共済事業団及びこれに準ずる団体からのものを含む)⇒ 「補助金収入」

・学校法人委員会実務指針第 39 号「寄付金収入に関する実務指針」(平成 27 年 10 月 7 日)6項 「また、補助金収入(国又は地方公共団体からの助成金のほか、国又は地方公共団体からの資金を原資とする間接的助成金である日本私立学校振興・共済事業団及びこれに準ずる団体からの助成金を含む。)に該当しない金銭その他の資産の贈与又は助成を受けたときは、雑収入として処理された祝い金等を除き、寄付金収入として処理するものとする。

・また、事業者の負担する雇用保険料等を原資とした助成等については、その財源を考えると補助金収入には馴染まず、雑収入も考えられる。

・その他、学生生徒等へ支給するために学校法人が代理受領する場合には預り金処理も考えられ、実態に応じた適切な科目を用いることが適当

<計上部門>

・支給者の支給目的に沿った各部門・学部で計上すべき

・法人単位で受領し、その支給目的から各部門・学部へ按分することが適切ではないものは、法人本部での計上も考えられる。 なお、「資金収支内訳表等の部門別計上及び配分について(通知)」(昭和55 年 11 月 4 日文管企第 250 号文部省管理局長通知)についても留意ください。

2.預かり保育従事者に対する「特別給付金」の会計処理

【事例】

緊急事態宣言の期間中において、感染リスクのある中、保育所同様の預かり保育を実施した幼稚園の職員に感謝の意を表すとともに支援を行うことを目的に地方自治体が独自に特別給付金等を支給する場合において、幼稚園を通じて支給されるときの会計処理はどうなるか。

【会計処理】

当該特別給付金等は、地方自治体から代理受領したものと考えられるため預り金処理が適当である 。

しかし、従事者数や勤務時間等で特別給付金等を按分したときの端数を幼稚園が負担した場合や幼稚園が独自で見舞金を支出した場合においては、教職員に対する所定福利費以外の福利費と考えられることから大科目「管理費(支出)」の小科目「福利費(支出)」を計上すればよいと考えられる。

ただし、知事所轄法人については、所轄庁の指示がある場合にはその指示により処理することに留意ください。

なお、「新型コロナウイルス感染症に関連して使用人等が使用者から支給を受ける見舞金の所得税の取扱いについて(国税庁・令和2年5月 15 日)」において、非課税所得とされる見舞金に該当するものの範囲が示されているので、参照ください。

3.授業目的公衆送信補償金制度の会計処理

・授業目的公衆送信補償金制度に従って補償金を支払った際の会計処理はどうなるか。

【会計処理】2020年 4 月より、オンデマンド型の遠隔授業などでの公衆送信について、学校法人が「一般社団法人授業目的公衆送信補償金等管理協会」( SARTRAS )へ補償金を支払うことで、個別に著作権者等の許諾を得ることなく利用可能となった。この補償金を支払った場合には、教育において著作物を利用する対価としての性格を有することから、大科目「教育研究経費(支出)」の中の小科目「手数料(支出)」等に計上することが適当である。

なお、2020 年度については 、新型コロナウイルス感染症による 緊急的かつ特例的対応として補償金の額は「 0 円」 とされている。

ただし、知事所轄法人については、所轄庁の指示がある場合にはその指示により処理することに留意ください。

以下は過去の参考となる会計処理です。

1.新型インフルエンザによる学園祭等にかかるキャンセル料の処理について

Q:今年度、全国的に流行している新型インフルエンザによる影響から、学園祭が中止となりました。この中止によって、すでに業者とレンタル契約をしている備品に関してキャンセル料が発生します。このキャンセル料について、どのように処理すればよいでしょうか。

A:学園祭、体育祭等の学校行事は教育研究活動の一環であると考えられるので、その活動にかかる費用は「教育研究経費(支出)」として処理をして差し支えありません。

(日本私立学校振興・共済事業団「月報私学」2009年12月号経営実務 Q&A より)

2.新型インフルエンザによる休校の際にかかる費用の処理について

Q:新型インフルエンザの学内での流行によって、休校となりました。この際に、罹患している生徒数の状況を把握し、とりまとめをして保健所等の公共機関への連絡をする必要があることから、教員が毎日、自宅から全校生徒へ電話で連絡をします。これにかかる通信費については、どのように処理すればよいでしょうか。

A:学校法人において生徒の病状等の把握をすることは、教育研究活動の一環と考えられ、これにかかる費用については、「教育研究経費(支出)」として処理をして差し支えありません。ただし、この場合においては、立て替払いを清算する必要があるため、通信費の明確な使途によって相当額を計上することに留意してください。

(日本私立学校振興・共済事業団「月報私学」2009年12月号経営実務 Q&A より)

3.新型インフルエンザによって入学選抜試験を複数回実施した際にかかる費用の会計処理について

Q:入学選抜試験の当日に新型インフルエンザにかかったり、感染の疑いがあったりした入学志願者のために、後日改めて入学選抜試験を実施することを予定しております。この際の会場使用料等の経費は「教育研究経費(支出)」で処理すればよいでしょうか。

A:学生生徒等の募集のために要する費用は、「管理経費(支出)」で処理することとなっていますが、入学選抜試験に要する経費は含まないこととなっています。

本問の経費は通常の入学を志願する者に対して行う入試選抜試験と同様の経費であり、入学選抜試験にかかる費用と解すことができますので、「教育研究経費(支出)」で処理して差し支えありません。

また、再試験に備えて諸会議等の経費が生じた場合にも、「教育研究経費(支出)」で処理して差し支えありません。

(日本私立学校振興・共済事業団「月報私学」2009年12月号経営実務 Q&A より)

おわりに

以上、前回と今回のブログにて「コロナ禍における学校法人の会計処理」について支出・収入・過去の参考となる事例について記載しました。

ワクチン接種が65歳以上の高齢者を中心に全国で1回接種した人の数が3,000万人を超えてきました。しかし、今年の末までは、コロナ禍における特別な会計処理が続くことが予想されます。

前回と今回のブログに基づいて、コロナ禍における学校法人の会計処理について参考としてください。

横田公認会計士事務所は、非上場の会社法監査、医療法人の会計監査、学校法人の会計監査、労働組合の会計監査など上場会社を除く会計監査に特化した監査事務所です。

上場会社を監査している監査法人と比較し、費用面を抑えて実質的な監査を行うことを基本方針にしています。効率性の高い会計監査を目指しています。

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学校青空と校舎

コロナ禍における学校法人の会計処理(支出)

カテゴリ: 監査 最終更新日:2021年06月17日(木) 公開日:2021年06月17日(木)

はじめに

沖縄を除く7都道府県の緊急事態宣言の解除が決まりそうです。大阪では、夜7時まで酒類の提供を認める「まん延防止措置」を適用するとのことです。夜7時までは厳しいですね。夕方5時にはお店に入らないとお酒をゆったり飲めそうにありません。私はお酒が好きな方なので((笑))、仕事が早く終わりそうな時に、古い友人を誘って個室のある居酒屋に行きたいな~と待ち望んでいます。

では、本題に入ります。

今回は支出について箇条書きに事例と会計処理を記載します。ご参考まで!

1.オンライン環境の整備のための一律支援

【事例】

新型コロナウイルス感染症の発生等に伴い、家庭でオンライン授業を受けるための環境の整備を目的として、学校法人が「オンライン授業の実施に伴う特別奨学金」「自宅学修支援金」等、学生生徒等に対して一律の支援を行う際の会計処理はどうなるか。

【会計処理】

学生生徒等に対して一律支援を行った場合には、学校法人委員会報告第30号「授業料等の減免に関する会計処理及び監査上の取扱いについて」(昭和58年3月28日)に記載のとおり、大科目「教育研 究経費(支出)」の中の小科目「奨学費(支出)」等に計上することが適当である。 なお、支援額が相当多額になる場合には、内容を「その他財政及び経営の状況を正確に判断するために必要な事項」として注記することや適当な小科目を追加することも考えられます。 また、学校側の環境整備を実施した場合等は奨学費には該当せず、奨学費以外の教育研究経費 (あるいは固定資産)として処理することに留意されたい。 ただし、知事所轄法人については、所轄庁の指示がある場合にはその指示により処理することに留意ください。

2.家計の急変、アルバイト収入の減少により経済的に困窮する学生への支援

【事例】

新型コロナウイルス感染症の発生等に伴う家計の急変、アルバイト収入の減少により経済的に困窮する学生生徒等に対して、学校法人が「緊急支援金」「修学支援奨学金」等の名目によって支援を行う際の会計処理はどうなるか。

【会計処理】

新型コロナウイルス感染症の発生等に伴い、経済的に困窮する学生生徒等への支援を行った場合 には、大科目「教育研究経費(支出)」の中の小科目「奨学費(支出)」等に計上することが適当である。 なお、支援額が相当多額になる場合には、「1.オンライン環境の整備のための一律支援」を参照ください。 ただし、知事所轄法人については、所轄庁の指示がある場合にはその指示により処理することに留意ください。

3.学費の減免

【事例】

新型コロナウイルス感染症の発生等に伴い、学費の減免を行う際の会計処理はどうなるか。

【会計処理】

新型コロナウイルス感染症の発生等に伴い、学費の減免を行った場合には、大科目「教育研究経費 (支出)」の中の小科目「奨学費(支出)」等に計上することが適当である。 なお、減免額が相当多額になる場合には、「1.オンライン環境の整備のための一律支援」を参照ください。 ただし、知事所轄法人については、所轄庁の指示がある場合にはその指示により処理することに留意ください。

4.学費等の返還

【事例】

新型コロナウイルス感染症の発生等に伴い、学費の返還を行う際の会計処理はどうなるか。

【会計処理】

新型コロナウイルス感染症の発生等に伴い、学費(授業料、実験実習料他)の返還を行った場合に は、基本的に学費の減免と同様の性格を有すると考えられることから、大科目「教育研究経費(支出)」 の中の小科目「奨学費(支出)」等に計上することが適当である。 なお、日割で徴収する学費(無償化対象外の者の基本保育料等)のうち教育の役務提供ができなかった日数分を返還する類いのものは、次の5(給食代等実費程度徴収額の返還) の会計処理 が考えられます。 また、減免額が相当多額になる場合には、「1.オンライン環境の整備のための一律支援」を参照ください。 ただし、知事所轄法人については、所轄庁の指示がある場合にはその指示により処理することに留意ください。

5.給食代等実費程度徴収額の返還

【事例】

給食代等、実費程度の徴収額を補助活動収入として計上していた場合に、新型コロナウイルス感染症の発生等に伴い、休校期間に対応する給食代等を返還する際の会計処理はどうなるか。

【会計処理】

給食代等、実費程度の徴収額を補助活動収入として計上している場合、休校期間に対応する給食代等については、基本的に役務の提供を行っていないものと考えられることから、実費程度の徴収額からこれに対する返還額を差し引いた実際の役務提供に対応する金額のみを補助活動収入として処理することが適当である。 ただし、知事所轄法人については、所轄庁の指示がある場合にはその指示により処理することに留意ください。

6.学生生徒等への見舞金

【事例】

新型コロナウイルス感染症の発生等に伴い、学校法人が学生生徒等へ、自宅学習に資することを目的として図書カード等を見舞金として支給する事例があるが、その際の会計処理はどうなるか。

【会計処理】

新型コロナウイルス感染症の発生等に伴い、学校法人が学生生徒等へ例えば図書カードを支給する等、学生生徒等の自宅学習に資することを目的として見舞金を支給した場合には、大科目「教育研究 経費(支出)」の中の小科目「奨学費(支出)」や「福利費(支出)」等に計上することが考えられるが、見舞金の性質に応じた適切な科目を用いることが適当であることに留意されたい。 ただし、知事所轄法人については、所轄庁の指示がある場合にはその指示により処理することに留意ください。

7.幼児教育無償化分(25,700円)を超えた分の自己負担の免除

【事例】

新型コロナウイルス感染症の発生等に伴い、令和元年10 月1 日から始まった幼児教育無償化制度における無償化分を除く学費負担分について、学費の減免を行う際の会計処理はどうなるか。

【会計処理】

新型コロナウイルス感染症の発生等に伴い、学費の減免を行った場合には、大科目「教育研究経費 (支出)」の中の小科目「奨学費(支出)」等に計上することが適当である。 なお、日割で徴収する学費(無償化対象外の者の基本保育料等)のうち教育の役務提供ができなかった日数分を返還する類いのものは、5 (給食代等実費程度徴収額の返還)の会計処理が考えられます。また、減免額が相当多額になる場合には、「1.オンライン環境の整備のための一律支援」を参照ください。 ただし、知事所轄法人については、所轄庁の指示がある場合にはその指示により処理することに留意ください。

8.金銭にかかる支援以外の支援

【事例】

新型コロナウイルス感染症の発生等に伴い、家庭でオンライン授業を受けるための環境の整備を目的として、学校法人がノートパソコンやタブレット、モバイルWi-Fi等を購入し、これを学生生徒等へ貸与する際のノートパソコン等を少額重要資産として取り扱うことの是非について。

【会計処理】

少額重要資産については、学校法人委員会研究報告第20号「固定資産に関するQ&A」(平成22年6 月9日)に記載のとおり、第一に学校法人の性質上基本的に重要な資産であるかどうか、第二に常時相当多額(多量)に保有することが目的遂行上必要とされる資産であるかどうかを基準に判断ください。 なお、少額重要資産については、経理規程等に具体的な内容を明記することが望ましくなります。 ただし、知事所轄法人については、所轄庁の指示がある場合にはその指示により処理することに留意ください。

おわりに

以上、今回のブログでは支出について事例ごとにみてきましたが、支出についてはほとんどが、大科目「教育研究経費 (支出)」の中の小科目「奨学費(支出)」等に計上することとなります。

横田公認会計士事務所は、非上場の会社法監査、医療法人の会計監査、学校法人の会計監査、労働組合の会計監査など上場会社を除く会計監査に特化した監査事務所です。

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 学校青空と校舎

医療法人の決算と監査のスケジュール

カテゴリ: 監査 最終更新日:2021年06月16日(水) 公開日:2021年06月16日(水)

はじめに

緊急事態宣言の期限が今週末となっています。昨日発表された国内の新規感染者数は1,417人(前週同曜日比-464人)です。確かに感染者数は減少傾向にありますが、高齢者のワクチン接種がまだ終わっていない現状緊急事態宣言を解除して大丈夫でしょうか。大阪府は、解除された場合「まん延防止措置」へ移行し、府内全域を指定して、期間は3週間から1か月程度とするようです。感染を防止する観点からは64歳以降の活発に活動する世代のワクチン接種率を進める必要があると思いますが、みなさんはいかがでしょうか。私個人の接種券は来週には届く予定です。届けばすぐに大規模接種会場でのワクチン接種を予約するつもりです。かかりつけ医の接種は8月末まで高齢者で予約が埋まっているようです。

では、ブログの本題に入ります。

事業報告書等の作成と届出等

医療法人はいつまでに事業報告等を作成し、都道府県知事に届出をしなければならないのか。また、監事又は公認会計士等の監査、理事会の承認や社員総会(又は評議員会)の報告・承認はどのように規定されているのでしょうか。

医療法人は、毎会計年度終了後2月以内に、次の書類(以下「事業 報告書等」という。)を作成しなければならない(医療法第51条第1項 医療法施行規則第33条第1項)。

・事業報告書

・財産目録

・貸借対照表

・損益計算書

・関係事業者(理事長の配偶者がその代表者であることその他の当該医療法人又はその役員と厚生労働省令で定める特殊の関係がある者)との取引の状況に関する報告書

・その他厚生労働省令で定める書類

社会医療法人については、認定要件に該当する旨を説明する書類

社会医療法人債発行法人については、上記①の書類(社会医療法人である場合に限る。)、純資産変動計算書、キャッシュ・フロー計算書及び附属明細表

公認会計士又は監査法人(以下「公認会計士等」という。)の監査の対象となる医療法人については、純資産変動計算書及び附属明細表

・医療法人のうち、その事業活動の規模その他の事情を勘案して厚生労働省令で定める基準に該当する者は、厚生労働省令で定めるところにより、貸借対照表及び損益計算書を作成し、財産目録、貸借対照表及び損益計算書について、公認会計士等の監査を受けなけばならない。

・理事は、上記の承認を受けた事業報告書等を社員総会(又は評議員会)に報告し、承認を得なければならない(医療法第51条の2)。

・さらに、厚生労働省令で定めるところにより、毎会計年度終了後3月以内に、次に掲げる書類を都道府県知事に届け出なければならない(医療法第52条)。

① 事業報告書等

② 監事の監査報告書

③ (上記の医療法人の場合)公認会計士等の監査報告書

医療法人の監事と公認会計士の監査報告書の日付

医療法人の監事の監査報告書の日付は、監査人の監査報告書の日付よりも後になるのかどうかについて。

・監事は、次に掲げる日のいずれか遅い日までに、理事に対し、監事の監査報告書の内容を通知しなければならない(医療法第51条第4項~第6項、医療法施行規則第33条の2の2~第33条の2の4)。

① 事業報告書等を受領した日から4週間を経過した日

② 当該理事及び当該監事が合意により定めた日があるときは、その日

・公認会計士等は、次に掲げる日のいずれか遅い日までに、理事及び監事に対し、公認会計士等の監査報告書の内容を通知しなければならない(医療法施行規則第33条の2の6第1項)。

① 財産目録、貸借対照表及び損益計算書を受領した日から4週間を経過した日

② 当該理事、当該監事及び当該公認会計士等が合意により定めた日があるときは、その日

・上記のとおり、医療法人には会計監査人が機関として設置されておらず、監事の監査報告書が監査人の監査報告書の後になるという規定はない。

・ただし、監査基準委員会報告書260「監査役等とのコミュニケーション」の趣旨を踏まえると、監査人は監査報告書を、監事の監査報告書の提出日より前に提出することが望ましいと考えます。

おわりに

医療法人の2020年度(2021年3月期)の監査は、すでに終了し監査報告書を受領した医療法人も多いでしょう。

3月期決算の医療法人の事業報告書等や監査報告書の都道府県への提出は6月末が期限となります。ご留意ください。

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学校法人の会計監査:高等教育の修学支援制度の概要(給付型奨学金)

カテゴリ: 監査 最終更新日:2021年09月14日(火) 公開日:2021年06月15日(火)

はじめに

前回同じような題名にてブログを書いたのが、昨年の11月でした。当時は新型コロナウイルスの第3派の状況で、感染者数が増加傾向でしたがその後年明けに第2回目の緊急事態宣言が発令され、現在は第3回目の緊急事態宣言が発令中です。

前回のブログから半年以上経っていますが、新型コロナウイルス感染症の影響は今も続いています。

   前回のブログ高等教育の修学支援制度の概要と会計処理

今回は、前回のブログにて書いていなかった「給付型奨学金」について触れたいと思います。

1.給付型奨学金の給付額(住民税非課税世帯)>(年額)

自宅生 自宅外生
国公立 大学・短期大学・専門学校 約35万円 約80万円
国公立 高等専門学校 約21万円 約41万円
私立 大学・短期大学・専門学校 約46万円 約91万円
私立 高等専門学校 約32万円 約52万円

2.支給対象者の要件(個人要件)は、次のとおりです。

・進学前は成績だけで否定的な判断をせず、レポート等で本人の学修意欲を確認する。

・大学等への進学後は、その学修状況について厳しい要件(※)を課し、これに満たない場合には支援を打ち切る。

(※)廃止(支援打切り)の基準は、次のように定められています。

次の①~④のいずれかに該当するとき

① 修業年限で卒業又は修了できないことが確定したこと。

② 修得した単位数の合計数が標準単位数の5割以下であること。

③ 履修科目の授業への出席率が5割以下であることその他の学修意欲が著しく低い状況にあると認められること。

④ 警告の区分に該当する学業成績に連続して該当すること。

おわりに

新型コロナウイルス感染症における、第3回目の緊急事態宣言の期日が今週末に迫っています。大学生等の多くはリモートでの授業が中心で行われているのが現状です。

また、緊急事態宣言による飲食店への時短や休業要請・酒類の提供禁止措置が行われ、飲食店でのアルバイトの多くを担っていた大学生のアルバイト収入が激減しているのが現状です。

給付型奨学金の支給対象については、住民税非課税世帯という要件があります。この要件に該当する世帯の大学生は、是非、給付型奨学金の支給を受け大学生活を全うし、自分の将来の夢を叶えてください。

横田公認会計士事務所は、非上場の会社法監査、医療法人の会計監査、学校法人の会計監査、労働組合の会計監査など上場会社を除く会計監査に特化した監査事務所です。

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監査報告書の電子署名が可能に?~公認会計士による会計監査~

カテゴリ: 監査 最終更新日:2021年05月27日(木) 公開日:2021年05月27日(木)

はじめに

新型コロナウイルスによる第4派により、緊急事態宣言が5月31日の期限から、延長されることが現実味を帯びてきています。

監査業務のリモート化も進んでいますが、現在の監査報告書では自署と押印が求められています(公認会計士法第34条の12第2項)。一方、各種行政手続きでは押印廃止の動きが顕著になってきています。税務書類の押印義務の原則廃止などです。従来の押印や事務作業を行おうとすると、多くの公認会計士・事務職員らが出社せざるを得ません。

様々な行政手続きにおける押印業務廃止などを掲げた「デジタル社会の形成を図るための官益法律の整備に関する法律案」が5月12日に参議院本会議で可決、成立し、19日に交付されました。新型コロナウイルス禍で浮き彫りとなったデジタル化の遅れに対応し、関係法律の整備を行う。これを受けて公認会計士法が一部改正され、監査報告書における押印を署名のみの対応に代えることができるようになります。

コロナ禍を契機に押印の見直し

デジタル化の進展に伴い押印文化の見直しは議論されていたものの、新型コロナ感染拡大が引き金となりました。経理や監査の現場でも、押印のために出社せざるを得ないという課題が生じていたところ、金融庁・法務省・経済産業省が連名で2020年4月に公表した「継続会(会社法317条)について」では、「決算や監査実務の遂行に当たって書面への押印を求めるなどの慣行は見直されるべきである」と記されました。

監査業務において、監査報告書への押印・署名については定めがあります(公認会計士法第34条の12第2項、監査証明府令第4条)。しかし、コロナの第一波は2020年3月期決算・監査作業を直撃し、従来の押印や事務作業を行おうとすると、多くの公認会計士・監査法人の業務執行社員・事務職員らが出社せざるを得なくなりました。そこで日本公認会計士協会(JICPA)は同年5月、「監査業務における署名・押印に関する実務対応について」との文書を公表しました。具体的には「監査対象会社に対して、署名プラス押印を記載した監査報告書を改ざん不能な電子媒体(PDF形式等)にして電子メール等の方法で提出する」などの対応を示しました。

自署・押印から電子署名へ

今回のデジタル社会形成整備法は、様々な行政手続きにおける押印業務を廃止する趣旨で、各種法律が一部改正されています。

公認会計士法は、第34条12の一部改正を行います。金商法をはじめとするすべての手続きにおける監査報告書の押印について、電子署名による対応が可能となります(第2項で「自署」が「署名」となり、電子署名に対応)。詳細は内閣府令で定められます。施行日は2021年9月1日。

おわりに

公認会計士による監査報告書も押印廃止の流れで電子署名が可能となるようですが、行政手続きの押印業務廃止とは異なり、多数の方が訪れて書類を提出するような税務書類の提出と監査報告書の発行とは意味合いが少し違っていると感じます。電子署名がどのようなものになるのか詳細はわかりませんが、欧米でそうであるように日本独自の文化である「押印」は廃止しても監査報告書での自署は必要ではないかと思っています。どちらにしても、会計監査人が発行した、真正な監査報告書であることが担保されることが重要であり、電子署名がその目的を果たすのならば取り入れていくことは時代の流れであるのかなと感じています。

横田公認会計士事務所は、非上場の会社法監査、医療法人の会計監査、学校法人の会計監査、労働組合の会計監査など上場会社を除く会計監査に特化した監査事務所です。

上場会社を監査している監査法人と比較し、費用面を抑えて実質的な監査を行うことを基本方針にしています。効率性の高い会計監査を目指しています。

監査等のご依頼・ご相談は、問い合わせフォーム(24時間年中無休)又は電話にてのご連絡は平日10時~17時、にてご連絡ください。

来期の3月決算の会社等の監査は早急に日程等についてご相談ください。3月決算を除く組織の法定監査等はまだ日程的にお受けできますのでお気軽にご相談ください。監査や税務顧問契約等の有料の仕事の依頼を前提としてのご相談・お見積りは無料にて対応していますが、匿名での無料相談はお断りしています。

令和3年度税制改正について

カテゴリ: 税務 最終更新日:2021年05月25日(火) 公開日:2021年05月25日(火)

はじめに

3回目の緊急事態宣言が今日5月25日現在10都道府県に出されています。23日に出された沖縄を除き、9都道府県では5月31日が宣言の期限となりますが、すでに大阪府では再延長を要請することが決定しました。また福岡県でも延長を要請することを決定しました。再延長や延長の要請は他の都道府県にも広がることでしょう。一方、ワクチンの集団接種が各地で始まりトンネルの向こうに光も見えてきました。

ところで、ブログを記載するのは約1か月ぶりとなります。お久しぶりです。

4月後半から今週まで3月決算の監査業務で繁忙期を迎えていたためブログの記載をお休みしていました。来週以降も第三セクターや労働組合の監査日程が入っているためブログはしばらく書けないかもしれません。

当事務所は非上場の組織の監査に特化しているため、4月後半から6月中旬まで期末監査業務を継続的に行っています。大規模な組織の監査は行っていないため私が監査に行く組織の方々はリモート業務をあまり行っておらず、通常通りの訪問形式の監査を行っています。大阪では医療現場がひっ迫していますが、この1か月監査した体験から、幸い、私の周りでは緊急事態宣言下の印象はあまりありません。もちろん、みなさんマスクや消毒液による手洗い等は徹底しています。

そのような状況で本日は令和3年税制改正の概要について記載します。

1.今回の税制改正の特徴

今年3月、令和3年度税制改正法案が国会で成立、交付されました。これは昨年9月に発足した菅政権の手による初の税制改正であり、内容を見ていくと、昨年10月の所信表明演説で示された「デジタル社会の実現」や「グリーン社会の実現」、あるいは目玉政策の一つとされる「企業の生産性向上」といった政権の目標が具体的に表現されている点が例年にも増して特徴的ではないかと思われます。改正項目の中から公認会計士の業務に関連しそうなものを選び出し、それらを政策目的の観点で分類して概観することとします。

2.デジタル社会やグリーン社会の実現に向けた投資促進税制

まず、デジタル社会やグリーン社会の実現に向けて企業投資を喚起するために新設された投資促進税制を二つ見ていきましょう。

(1)デジタルトランスフォーメーション(DX)投資促進税制

本税制はデジタル技術を活用した企業変革(DX)を後押しするためのものです。

具体的には、産業競争力強化法に基づく認定を受けた法人が、認定計画に従ってソフトウェアの新設・増設をし、またはソフトウェアの利用に係る費用(繰延資産となるものに限る。)の支出をした場合、取得した固定資産や繰延資産の取得価額の30%の特別償却と取得価額の3%(一定の場合5%)の税額控除を選択適用できるとする制度です。

投資額のうち本税制が適用される限度は300億円であり、また、税額控除については次の(2)の税制と合わせて法人税額の20%が限度とされます。

本税制は改正産業競争力強化法の施行日から令和5年3月31日までに開始する事業年度に適用される時限措置となります。

(2)カーボンニュートラル投資促進税制

本税制は2050年の温室効果ガス排出ゼロ(カーボンニュートラル)の実現に向けた企業の脱炭素化投資を加速させるためのものである。具体的には、産業競争力強化法に基づく認定を受けた法人が、認定計画に従って脱炭素化効果を持つ製品の生産設備や生産工程の脱炭素化を進める設備を導入した場合、その取得価額の50%の特別償却または取得価額の5%(一定の場合10%)を選択適用できるとする制度です。

投資額のうち本税制が適用される限度は500億円であり、また、税額控除については先の(1)の税制と合わせて法人税額の20%が限度とされます。

本税制は改正産業競争力強化法の施行日から令和6年3月31日までに開始する事業年度に適用される時限措置となります。

3.税務行政のデジタル化のための環境整備

経済社会のデジタル化の進展やウィズコロナという環境下にあって税務行政のデジタル化を推進するためにされた税制上の手当を二つ紹介しましょう。

(1)税務書類への押印義務の原則廃止

令和3年4月1日以降に提出する税務書類から押印義務が原則廃止されることとなりました。今後押印が求められるのは、国税については、一定の書類(担保提供関係書類、物納手続関係書類、相続税等の特例における添付書類のうち遺産分割に関する書類)に限られることとなりました。

(2)電子帳簿等保存制度の抜本的見直し

経済社会のデジタル化や生産性の向上といった文脈の中で、電子帳簿等保存制度も抜本的に見直されることとなりました。

具体的には、

①国税関係帳簿書類の電磁的記録の保存制度について事前承認が廃止されました。また、システム要件が大幅に緩和されるとともに、より厳格な要件を満たす者に帳簿に関連して過少申告があった場合の過少申告加算税が5%軽減されることとなりました。

②国税関係書類に係るスキャナ保存制度について事前承認が廃止されました。またタイムスタンプ要件が緩和されるとともに適正事務処理要件(相互牽制等)が廃止されました。

③電子取引の取引情報に係る電磁的記録の保存制度についてタイプスタンプ要件と検索要件が緩和されました。

④以上の②③のせいどについて、電磁的記録の改ざん等により課される重加算税が10%加重されることになりました。

以上に改正は令和4年4月1日から施行されます。

4.その他の税制改正項目

以上の他、今回の税制改正では、企業の統合による規模拡大を通じた生産性の向上を図るために新設されたM&A促進税制(・株式対価M&A促進税制、・経営資源集約化税制(準備金の積立))、繰越欠損金の控除上限を限られた条件の下撤廃する特例の創設、研究開発税制の見直し、賃上げ等促進税制の見直し、所得拡大促進税制の見直し等が図られています。

おわりに

以上のように令和3年度税制改正を概観するとそれぞれに目的がはっきりした改正であることが理解できるでしょう。政策との関係では、特に現在菅政権が令和5年10月のインボイス制度開始を睨んで意欲的に取り組んでいる電子インボイス導入との関係で電子帳簿保存制度の成り行きが引き続き注目されます。

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テレワーク助成金の概要等:中小企業必見!

カテゴリ: 税務 最終更新日:2021年04月26日(月) 公開日:2021年04月26日(月)

はじめに

3回目の緊急事態宣言が、東京都、大阪府、京都府、兵庫県に発出されました。今回はすでに大阪府で重症病床が100%を超過し、医療現場の崩壊の危機が叫ばれています。2回目の緊急事態宣言との違いは、大型商業施設の閉鎖や人流を抑えるためのテレワークの強い要請ではないでしょうか。みなさんの会社ではテレワークは導入されていますか?特に中小企業の場合テレワーク導入比率はまだ低いのが現状ではないでしょうか。

テレワーク体制を新しく構築する場合、必要になる設備の導入費の工面にお困りの際はテレワーク助成金の活用をおすすめします。

テレワーク助成金の概要

テレワーク助成金とは、テレワークを新規に導入・実施する中小企業に対して必要となる経費助成をするという制度です。

テレワーク助成金の対象となるのは、テレワークに使われる通信機器の導入と運用・ソフトウェアやシンクライアント端末などにまつわる費用です。

テレワーク助成金の支給は目標達成状況に応じて支給され、支給上限額は成果目標達成時の場合で300万円、目標未達成時の場合は200万円が上限となっています。

テレワーク助成金の受給条件

テレワーク助成金の受給条件としては、テレワーク導入を行う中小企業主を対象としています。しかし、全中小企業に対してというわけではなく、そこからまた細かく条件が設けられています。

【基本的な受給条件】

  • 労働者災害補償保険の適用事業主であること
  • 【小売業の場合】資本金もしくは出資額が5000万円以下で常時雇用する労働者が50人以下であること
  • 【サービス業の場合】資本金もしくは出資額が5000万円以下で常時雇用者が100人以下であること
  • 【卸売業の場合】資本金または出資額が1億円以下で常時雇用者が100人以下であること
  • 【その他業種】は資本金または出資額が3億円以下で常時雇用者が300人以下であること

また、社内で行う施策として以下のいずれか1つ以上の施策が実施されていることも条件となります。基本的な条件にくわえて、下記のの施策を1つ以上実施されている場合に限り、テレワーク助成金の受給対象となります。

【テレワーク助成金受給に必要な施策】

  • テレワーク用の通信機器の導入や運用
  • 就業規則や労使協定等の作成・変更
  • 労務管理担当者に対する研修
  • 労働者に対する研修、周知啓発
  • 外部専門家によるコンサル

IT導入補助金の申請方法

テレワーク助成金以外にもテレワークを促進するために活用できる助成金として、IT導入補助金があります。

これは、中小企業や小規模事業者の方は、経営課題に合ったソフトウエアやサービスの導入コストを、IT導入補助金として申請し受給することがきるというものです。

補助金の交付申請を行う準備として、まずは業種や事業規模や経営課題に沿ってIT導入支援事業者と導入したいITツールを選定していきます。

その後、支援事業者と商談を行い交付申請の事業計画を決めます。

ある程度の計画ができたらIT導入支援事業者から「申請マイページ」の招待をしてもらい、代表者氏名等の申請者基本情報を入力します。

そして、交付申請に必要な情報、IT導入支援事業者が導入する必要なツール情報や事業計画を入力します。

その際、いくつかの添付書類も必要になります。

入力が完了したら、「申請マイページ」にて内容の確認をしてから、申請に対する宣誓を実施してから事務局へ提出します。これで申請が完了となります。

おわりに

テレワーク助成金は、テレワークを導入する中小企業向けに必要な機材の導入や運用を支援するための助成金です。

感染予防を促進するためにテレワークの推進がされている昨今、助成金によりテレワークを導入する環境構築がしやすくなるでしょう。

今のこの時期を逃して、テレワークを導入せず、アフターコロナとなった時にはテレワーク導入の動機が薄れてしまいます。新型コロナ感染症が収まったとしても、今後何らかの新たな感染症等によりテレワークが必須という事態になった場合の備えとして、経営上のリスク管理と捉え、是非、この機会にテレワークを導入しておきましょう。

横田公認会計士事務所は、非上場の会社法監査、医療法人の会計監査、学校法人の会計監査、労働組合の会計監査など上場会社を除く会計監査に特化した監査事務所です。

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監査等のご依頼・ご相談は、問い合わせフォーム(24時間年中無休)又は電話にてのご連絡は平日10時~17時、にてご連絡ください。

来期の3月決算の会社等の監査は日程等についてご相談ください。3月決算を除く企業等の監査はまだ日程的にお受けできますのでお気軽にご相談ください。監査や税務顧問契約等の有料の仕事の依頼を前提としてのご相談・お見積りは無料にて対応していますが、匿名での無料相談はお断りしています。

リモートワークの環境下におけるJICPAの決算・監査上の対応状況

カテゴリ: 監査 最終更新日:2021年04月20日(火) 公開日:2021年04月20日(火)

はじめに

新型コロナ感染症の第4派が大阪を中心に広がっており、大阪府は今日20日にも緊急事態宣言を要請することが決定しました。今回の3度目の緊急事態宣言では昨年の緊急事態宣言と同様に、百貨店等の集客施設への休業要請等も行われるようです。どちらにしても、かなり強力な対策を行わなければ医療現場が崩壊する危機が迫っています。大阪の方はもちろんその他の地域の方もワクチン接種を終えるまで新型コロナに対しては十分注意してお過ごしください。

このような環境下、3月決算・監査がこれから本格化する時期が来ています。

新型コロナ感染症の拡大等により、リモートワークの一般化が進んで?いますが、決算・監査上の対応に当たって、参考となる情報が、日本公認会計士協会(JICPA)により順次公表されており、JICPAでの検討状況について以下まとめて記載します。

1.リモートワークを俯瞰した論点・課題の整理

企業側・ 監査人側双方のリモートワークの動向に関連する課題・論点を俯瞰的に検討し、論点整理・取りまとめを行うとともに、策定過程を通じて 外部関係者との協議・コミュニケーションを行うことが予定されています。

2.業務プロセス・内部統制の見直しに係る課題の整理

印鑑廃止に代表されるような企業のリモートワークの動向に伴う業務プ ロセス・内部統制の見直しに関する論点整理を行うほか、策定過程を通じて外部関係者との協議・コミュニケーションを行うことが予定されています。

3.電子的情報の真正性担保の仕組みの調査研究

監査人が被監査会社かPDFで企業内部の記録や文書を入手する場合における監査上の留意事項の取りまとめが行われ、2021年2月12日付けでリモートワーク対応第3号「PDFに変換された証憑の真正性に関する監査上の 留意事項」が公表されています。このほか、 電子署名、タイムスタンプ等の電子的情報の真正性を担保する仕組みに関する調査研究を行うとともに、監査上の対応を検討することが予定されています。

4.電子的監査証拠の利用の促進及び課題の整理

IAASB(国際監査・保証基準審議会)におけるISA500「Audit Evidence」改訂の動向のフォロー・意見発信のほか、ISO21378「監査データ収集」に代表される監査データ標準化に関する調査研究を行うとともに、監査上の活用方法、留意点を検討することが予定されています。

5.監査報告書の電子化に係る課題の整理

監査報告書の電子化に当たって阻害要因となるような制度上・実務上の課題の整理を行った上で、関係当局とも連携の上、対応を進めることが予定されています。

6.残高確認電子化に係る実務上の課題の整理

監査人のウェブサイト等による確認手続に対応した留意事項の取りまとめが行わ れ、2020年12月25日付けでリモートワーク対応第1号「電子的媒体又は経路による確認に関する監査上の留意事項~監査人のウェブサイト による方式について~」が公表されています。また、今後、その他の電子的確認手続の手法について検討を行うことが予定されています。

7.情報セキュリティ(リモートワークに関する課題の整理)

リモート会議及びリモート会議ツール利用に関する留意点について取りまとめが行われ、2021年2月12日付けでリモートワーク対応第5号「リモート会議及びリモート会議ツールの活用について」が公表されています。このほか、電子的情報の受渡し時の留意点など、会員に対して注意喚起を図る必要があると考えられる個別論点について、周知文書の発出を検討することや、リモートワークに対応したIT委員会実務指針第4号「公認会計士業務における情報セキュリティの指針」等の改正の要否を検討することが予定されています。

8.その他、会員に周知することが有用と考えられる事項

次の留意事項の取りまとめが行われ、公表されています。

・2020/12/25 リモートワーク対応第2号「リモート棚卸立会の留意事項」・・・直接的な実施棚卸の立会を行うことができない場合に、リモート方式で棚卸立会を実施する場合の留意事項についての解説

・2021/2/12 リモートワーク対応第4号「構成単位等(重要な子会社や重要な事業所など)への往査が制限される場合の留意事項」・・・構成単位等への往査に代えてリモートワーク方式によって監査手続 を実施する場合の留意事項についての解説

おわりに

来週から上場会社の決算発表が本格的に始まります。今が上場会社の監査の真っ最中という会社・監査法人が多い状況です。大手の4大監査法人ではすでにリモートワークによる監査を全面的に実施している法人もあります。幸い、私のような個人事務所では、会社法の会計監査や学校法人、医療法人、労働組合の監査がメインでありゴールデンウイークを境に監査が始まります。当事務所では少人数・精鋭による監査を実施しているため蜜を避けて現場に出向いて監査を行う方法がメインとなります。

また、当事務所の特徴である、効率的かつクライアントのニーズを可能な範囲で取り入れながら行う監査においては、リモートワーク監査は実施しづらい面がありますが、新型コロナ感染症には細心の注意を払いつつ、クライアントの要望を取り入れながらリモートワークでの監査についても取り入れていこうと考えています。

横田公認会計士事務所は、非上場の会社法監査、医療法人の会計監査、学校法人の会計監査、労働組合の会計監査など上場会社を除く会計監査に特化した監査事務所です。

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来期の3月決算の会社等の監査は日程等についてご相談ください。3月決算を除く企業等の監査はまだ日程的にお受けできますのでお気軽にご相談ください。監査や税務顧問契約を前提としてご相談・お見積りは無料にて対応していますが、その他個人の方等によるブログを見ての匿名での無料相談はお断りしています。

3月決算向け税制改正項目のポイント

カテゴリ: 税務 最終更新日:2021年04月15日(木) 公開日:2021年04月15日(木)

はじめに

大阪では連日、新型コロナウイルス感染症の陽性者が1,000人を超え、中学・高校の部活動が5月5日まで停止することになりました。私の娘も高校生で軽音楽部に所属していますが、部活動ができなくなり学校に行きたくないなどと言い出しました。やれやれです。

来週以降の感染者の状況によって、吉村知事はより強い昨年のような緊急事態宣言の発動を検討するとしています。これから監査を迎える我々会計士業界にとってもやれやれです。

交際費課税

(概要)

法人が支出する交際費等の額は、原則、損金不算入となりますが、令和4年3月31日まで、交際費等の額のうち接待飲食費の50%相当額は損金算入できます。

中小法人(資本金の額等が1億円以下の法人)の場合、年800万円(定額控除限度額)まで損金算入できることとなっています。

(接待交際費の50%損金算入特例の対象見直し)

令和2年度税制改正により接待飲食費の50%損金算入特例の対象から、資本金の額等が100億円超の法人が除外されました。令和2年4月1日以後開始事業年度から適用されています。

期末の資本金等の額

接待飲食費の

50%損金算入特例

年800万円の定額控除特例
100億円超       ×        ×
1億円超100億円以下       ○        ×
1億円以下       ○        ○

企業版ふるさと納税制度

(概要)

地方創生応援税制(企業版ふるさと農政精度)とは、国が認定した地方公共団体の地方創生事業に対して行った寄附額のうち、一定額を法人税額等から税額控除するものです。寄附額は10万円以上。適用期限は、令和7年3月31日まで。

(税額控除割合の引き上げ)

令和2年度税制改正により、令和2年4月1日以後開始事業年度分の法人税から、税額控除割合が寄附額の最大6割に引き上げられました。

通常の寄附額に係る損金算入限度割合の約3割(国税と地方税の合計)と併せて、最大で約9割の軽減が可能となっています。

                   寄附額

通常の寄附

(国税+地方税)

企業版ふるさと納税

(法人税+法人住民税・事業税)

損金算入

(約3割)

税額控除

(最大6割)

負担

(約1割)

新型コロナ禍での取引先支援等に係る寄附金等

(改正通達)

新型コロナの影響による売上減少等に伴い資金繰りが困難となった取引先等に対する支援は、災害におる被災者への支援と同様に取り扱われます。これら支援のための費用・損失額等は、寄附金及び交際費等に該当せず、全額を損金算入できます。

以下、新型コロナ禍での取引先支援に関する改正通達

○寄附金関係

・災害の場合の取引先に対する売掛債権等の免除(法基通9-4-6の2)

・災害の場合の取引先に対する低利又は無利息による融資(法基通9-4-6の3)

○交際費等関係

・取引先に対する災害見舞金等(措通61の4(1)-10の2)

・下請け企業の従業員等に支出する費用(措通61の4(1)-18

(具体例)

寄附金や交際費等に該当せず、損金算入できるものとして、国税庁の「国税における新型コロナウイルス感染症拡大防止への対応と申告や納税などの当面の税務上の取扱いに関するFAQ」で示されている具体例は以下の通りです。

●寄附金・交際費等に該当しない費用等の具体例

・生活困窮者等に対する支援として自社製品等を提供する費用

・取引先等に一定の条件の下でマスクを無償提供する費用

・取引先等の復興支援のためなどに行う賃料の減額分

・プロスポーツ団体の復旧支援のためのスポンサー料返還辞退による損失

おわりに

新型コロナ禍で、3月の本決算を迎えるのは2年目となりました。昨年は初めての経験で戸惑いも多かったと思われます。2年目の今回の決算は、コロナ禍での決算を取り巻く状況の準備に対する備えが関係各方面や法令の整備等が前もってある程度行われています。ただし、ここにきての新型コロナ感染者の第4派が今までを超える感染者数となり、想定より厳しい社会制限活動が行われる可能性が高まってきました。

決算を迎えるみなさん、今後の動向に注意し、決算作業に取り組んでください。

横田公認会計士事務所は、非上場の会社法監査、医療法人の会計監査、学校法人の会計監査、労働組合の会計監査など上場会社を除く会計監査に特化した監査事務所です。

上場会社を監査している監査法人と比較し、費用面を抑えて実質的な監査を行うことを基本方針にしています。効率性の高い会計監査を目指しています。

監査等のご依頼・ご相談は、問い合わせフォーム(24時間年中無休)又は電話にてのご連絡は平日10時~17時、にてご連絡ください。

来期の3月決算の会社等の監査は日程等についてご相談ください。3月決算を除く企業等の監査はまだ日程的にお受けできますのでお気軽にご相談ください。監査や税務顧問契約を前提としてご相談・お見積りは無料にて対応していますが、その他個人の方等によるブログを見ての匿名での無料相談はお断りしています。