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ブログ - 大阪で会計士の監査は横田公認会計士事務所

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医療法人の会計監査

カテゴリ: 監査 公開日:2020年07月10日(金)

医療法人経営の透明性をより確保するために、平成27年9月に「医療法の一部を改正する法律」が成立し、一定規模以上の医療法人に対して、公認会計士・監査法人による監査(会計監査)を受けることが義務付けられました。(改正医療法第51条及び第70条の14)これにより、医療法人は医業経営において更なる効率性と透明性を求められています。

病院受付

公認会計士監査の対象となる一定規模以上の医療法人

  1. ・医療法人のうち、最終会計年度に係る負債額の合計が50億円以上、または、収益額の合計が70億円以上であるもの
  2. ・社会医療法人のうち、最終会計年度に係る負債額の合計が20億円以上、または収益額の合計が10億円以上であるもの
  3. ・社会医療法人のうち、社会医療法人債発行法人であるもの
  4. ・地域医療連携推進法人

医療法人の会計監査の目的

会計監査の目的は、監査を受ける医療法人を取り巻く多様な利害関係者(地域社会、利用者、職員、国、地方公共団体、金融機関等)に対し、公認会計士が独立した第三者として監査を受ける法人の財務報告の信頼性を担保することにあります。

公認会計士監査導入のメリット

  1. 財務情報の信頼性の向上およびガバナンスの強化、これらによる法人の社会的信頼性の向上に寄与します。
  2. 適時、適切な経営判断に不可欠な信頼性の高い財務情報を適時に把握できる管理体制の整備・経営力強化に寄与します。
  3. 職業的専門化との定期的なコミュニケーションにより、経営課題を明確化し、課題解決に共に取り組みます。
  4. 不正の防止、発見効果が上がります。
  5. 職務プロセスの見える化により、効率的な経営の実現に寄与します。

公認会計士監査に対する誤解-税理士や行政監査との違い-

公認会計士監査については税理士への毎月の試算表作成(チェック)や行政監査と同様のイメージを持っている方や、1日~2日来て終わるといったイメージをされている方もいますが、実際はだいぶ異なります。

公認会計士監査はあくまで独立した第三者として(この点が税理士と異なります)

財務諸表に対する(この点が行政監査と異なります)意見を表明することを目的とします。

また、日数についても一年間の作業日数は50人日前後はかかると考えていただいたほうがよいかと思います。

監査対象となる書類

 事業報告書等(事業報告書、財産目録、貸借対照表、損益計算書、 関係事業者との取引状況に関する報告書、純資産変動計算書 及び附属明細表)の内、監査対象となるのは以下の書類です。

●財産目録

●貸借対照表(注記含む)

●損益計算書(注記含む)

監査の進め方

会計監査人は、財務諸表を構成する勘定科目について監査要点を設定し、この監査要点を検証することで、計算書類が適切に作成されていることを確かめます。

監査要点を具体的に説明すると、

・実在性(本当にあるのか)

・網羅性(漏れがないか)

・権利と義務の帰属(当該法人のものか)

・評価の妥当性(価額は適切か)

・期間配分の適切性(正しい期間に計上されているか)

・表示の妥当性(開示は適切か)

などです。

会計監査人は、監査要点の検証を効率的、効果的に進めるため、リスク・アプローチにより監査計画を作成し、監査に当たります。リスク・アプローチとは、限られた人員や時間の中で、全ての項目に対して総括的に監査を行うのではなく、経済環境、法人の特性などを勘案して、計算書類の重要な虚偽記載につながるリスクのある項目に対して、重点的、効果的に監査を行う手法のことです。

内部統制とは

会計監査人監査の導入に当たって、必ず整備しなければならないのが内部統制です。

組織が自ら十分な内部統制を構築し、適切に運用していくことで、虚偽の表示が行われる可能性は低くなり、リスク・アプローチによる監査も効率的に実施することができます。
しかし、一般的には、内部統制は少し馴染みが薄い言葉かもしれません。

一般に、内部統制の目的は4つあるとされています。
① 業務の有効性・効率性 ・・・ 事業活動の目的を達成するために、業務の有効性・効率性を高めること。
② 財務報告の信頼性   ・・・ 財務諸表に重要な影響を及ぼす可能性のある情報の信頼性を確保すること。
③ 事業活動に関わる法令等の遵守 ・・・ 法令その他の規範の遵守を促進すること。
④ 資産の保全  ・・・ 資産の取得・使用・処分が正当な手続及び承認のもとに行われるようにすること。

上記の内部統制の目的を医療法人に置き換えてみると、以下のとおりとなります。
① 医療事業の目的を達成するために、業務の改善や平準化を図り、標準化をする。

   正しい財務諸表を作成する。

③ 法令等を遵守する。

④ 医療事業を営む上で必要な資産を適切に管理する。

これらのことが医療法人の皆様にとって重要なことはよくお分かりでしょう。

内部統制というと難しく聞こえますが、要は、
・業務の水準が一定程度保証される仕組み。同じ業務であれば、担当者が違っても結果が変わらない、など。
・法令違反や資産の流用がしにくい、あるいは自ずと発見される仕組み 
など、組織内部の不正や誤りを防止、発見する仕組みのことです。

私共は、これまでの経験を活かして、貴法人が内部統制の整備を進めていかれるために、適切なアドバイスをいたします。

個人公認会計士事務所による監査の利点

監査法人監査でよくある不満としては、

  • ・監査報酬が高い
  • ・監査手続があまりに杓子定規
  • ・監査責任者が現場にほとんど来ない
  • ・監査担当者がしょっちゅう変わり、毎回同じ質問を受ける
  • ・監査メンバーに新人をOJTとして連れてくる
  • ・意思決定が遅い
  • ・税務に疎い

以上のような不満を感じたことはないでしょうか

以上のような不満をお持ちの会社であれば、横田公認会計士事務所がその不満を解決します。

・「監査報酬が高い」

監査法人は、国際ネットワーク維持費をはじめ、多くの間接費がかかります。個人公認会計士事務所であれば、これらはほとんどかかりません。監査法人の監査報酬よりも少なくとも1~2割、場合によってはこれ以上、お安くできる可能性があります。

・「監査手続があまりに杓子定規」

上場会社の監査先を持っている監査法人は、国際ネットワークのもつ基準や公認会計士協会のレビュー及び金融庁の検査にも対応する必要があり、法人内共通の杓子定規な手続をこなす必要がでてくるのです。形式的な監査範囲の基準に準拠することを求めるあまり、足元の重要なリスクを看過する可能性もあると考えています。この点につき、個人公認会計士であれば、監査基準に準拠しつつも、より臨機応変に、効率的な方法を模索して対応することが可能になります。

・「監査責任者が現場のほとんど来ない」「監査担当者がしょっちゅう変わり、毎回同じ質問を受ける」「監査メンバーに新人をOJTとして連れてくる」

これらについては、私をはじめ、独立した大手監査法人出身の経験豊富な公認会計士でチームを構成し、固定しますので、効率的で深度のある監査を実施できると確信しています。

・「意思決定が遅い」

監査法人は大なり小なり似たような組織構成で、品質管理上、分業体制をとっており、意思決定に時間がかかるのはやむを得ません。個人の公認会計士であれば、監査チームとのコミュニケーションは密に行いますので、その場で意思決定を行うことも可能です。

・「税務に疎い」

公認会計士は試験合格後、まずは大手監査法人に勤務するケースがほとんどで、税務申告書を作成した経験のある人はほとんどいません。その後、監査で申告書をレビューすることはあるものの、申告書別表(四)、別表(五)程度のレビューであり、作成手続を経験している公認会計士は監査法人にはほとんどいません。当事務所の監査チームは、大手監査法人経験後、独立して税務申告書の作成や税務相談業務を経験したメンバーで構成します。税務のご相談も監査業務に付随することに限っては対応致します。

ただし、以下のような会社については、監査法人の監査を継続すべきです。

「規模が大きく現状監査人が毎回5人以上往査に来る」「大手のブランド志向がある」

医療法人に関して言えば、

医業収益が1,000億円を超過するような超巨大医療法人であれば、大手監査法人に依頼すべきですが、そうでなければ監査法人に依頼するメリットはあまり多くないと考えられます。

労働組合の会計監査

カテゴリ: 監査 公開日:2020年07月08日(水)

外部の会計監査は必要か?

労働組合は、会計報告について会計監査人、すなわち、公認会計士又は監査法人による監査を受けることが義務付けられています。

根拠となる労働組合法第5条第2項第7号においては、以下のように定められています。監査現場②

(労働組合法第5条第2項第7号)

すべての財源及び使途、主要な寄附者の氏名並びに現在の経理状況を示す会計報告は、組合員によって委嘱された職業的に資格がある会計監査人による正確であることの証明書とともに、少なくとも毎年 1 回組合員に公表されること。

なお、特定独立行政法人等及び地方公営企業の職員で構成する労働組合に対しては、労働組合法の外部監査の規定が適用されます(労働組合監査における監査上の取扱い)。

さらに、国家公務員及び地方公務員の職業団体については、労働組合法が適用除外とされていますが、その職員団体が法人格を取得する場合は、公認会計士等、または信託会社の監査証明を受けることが必要とされています(同監査上の取扱い)。

 

 

 

監査を受けないとどうなる?

上記のように、労働組合法では、公認会計士による監査を受けることが義務付けられています。

では、監査を受けないと罰則はあるのでしょうか?
公認会計士による監査を受けなくとも、罰則規定は設けられていないものの、労働組合法上の手続きに参与し、救済を求める資格がないものとされています。(労働組合法5条1項)
​具体的には、下記の手続きが出来なくなります。

  • ・労働協約の地域的拡張適用の申立(法18条)
  • ・労働者委員の推薦(法19条の3第2項)
  • ・不当行為に対する救済申立(法5条1項)
  • ・法人格を取得するための資格証明取得(法11条)

これらの手続きが必要にもかかわらず、公認会計士による監査を受けていない場合には、その手続きができずに最悪の場合は労働組合の存在意義が無くなってしまう可能性があります。

 では、【上記の手続きは、うちの労働組合では必要ないので、罰則がないなら公認会計士による会計監査を受ける必要がないのでは?】

 と考え、公認会計士による監査を受けていない労働組合が多数存在するのも事実です!

 しかし、『公認会計士による監査を受けていないと発生するリスク』

①労働組合法違反という法令違反を犯している状況であり、罰則がなくても執行委員等執行部はコンプライアンス違反の状況にある。

②執行委員には、様々な諸手当が支給されているのが実情ですが、お手盛りが発生する可能性が高く、また、親睦等の目的で様々な会合や飲み会等を行っている執行委員の活動において、第三者の公認会計士による監査を受けていないと、私的な飲み代等を組合の経費として処理し、組合員の財産を私的に流用している可能性がある。

 以上、2点のリスクが発生しています。

 組合員等、組合費を支払っている方は、大会議案書の収支計算書や貸借対照表の後ろに、公認会計士の監査報告書(監事等内部の監査報告書ではなく)が添付されているかご確認ください。

 もし、公認会計士の監査報告書がないなら、上記2点のリスクを抱えている労働組合であることを認識し、執行部に対し上記2点のリスクに対する見解を求める事が、組合の財産を守るために当然必要な行動であると認識ください。

 会計監査のご依頼・お見積りは直接お電話ではなくこちらの問い合わせフォームより送信ください 

 

労働組合の会計基準

労働組合会計に関する会計基準である「労働組合会計基準」は、昭和60年10月に制定されました。
この基準は、公表後30年以上が経過しており、多くの労働組合において採用されています。
つまり、「一般に公正妥当と認められる労働組合会計の基準」として定着しているものです。

「労働組合会計基準」は、以下のような特徴があります。

  1. ガイドラインとしての役割
    「労働組合会計基準」は、労働組合会計に携わるもののガイドラインとしての役割を期待されて制定されたものです。
    つまり、企業会計の基準のように適用が強制されるような性質のものではなく、適用にあたっては個々の労働組合にその判断がゆだねられる性質のものです。
  2. 予算が重視される会計(予算準拠主義)
    労働組合における組合費の使途については、あらかじめ大会等で承認される必要があります。
    この承認プロセスにより、労働組合の執行部の組合費の使途について一定の制約がかけられることになります(内部牽制機能)。
    したがって、労働組合会計においては、一期間に係る損益計算よりも、当初の活動計画に基づいた業務を行ったかどうかのほうが重視されています。
  3. 特別会計の設定
    特別の目的を定めて徴収した資金を財源として組合活動を行う場合には、その状況を明らかにするため特別会計を設ける必要があります。
    例えば、組合費とは別に、闘争資金等を徴収している場合、共済資金を徴収している場合などです。
    また、将来の特定の支出に備えるため、又は、特定の資金を区分して管理するために特別会計を設けることもできます。
    例えば、役職員退職給与積立特別会計、会館維持特別会計などです。

労働組合の会計監査はどのように行われる?

労働組合の会計監査は監査基準に準拠して行われます。

監査基準では、リスクアプローチに基づく監査の実施が求められています。
リスクアプローチに基づく監査では、財務書類に虚偽の表示が含まれるリスクの度合いやそれが生じる箇所等を特定し、それぞれのリスクに応じた手続を実施することで、効果的、かつ効率的に監査を実施するものとされています。
主な監査手続としては、以下のようなものを挙げることができますが、実際に行う手続きやその範囲は、上記のリスクに応じて会計監査人が判断することになります。

1.実査

労働組合が保有する現金や預金通帳、出資金等の現物を会計監査人自らが直接手にとって検証する手続きです。

2.確認

預金残高や未収入金等について、会計監査人自らが労働組合の取引金融機関や取引先等に金額について文書で照会を行い、直接回答を得る手続きです。

3.分析的手続

資産・負債の残高や収入・支出の発生高について、予算比較や期間比較、比率分析等を行い、異常値の有無を把握する手続きです。

4.証憑突合

監査人が重要と判断した個々の取引について、請求書や領収書、稟議書(決裁書)、預金の入出金記録等の証憑と会計記録とを照合する手続きです。

会計監査人の変更について

外部監査人の変更を検討する時期としては決算を行うタイミングというのが実務的には多いのではないでしょうか。外部監査人の変更理由としては、外部監査人の対応力の低さ、高齢化、監査報酬の見直しということが挙げられます。近年、労働組合は組合加入率の低下などによる長期的な収入減少傾向に悩まされており、監査人への支出も含めて検討しなければならないケースが出てきていると思います。

 

一方で、ここ数年(2021年以降)公認会計士の業界は人員不足に陥っており、上場会社を筆頭に公認会計士等による監査報酬の値上げラッシュが続いています。

当事務所への監査のご依頼も多くなり、日程調整が難しくなっているため監査報酬については値上げせざるを得ない状況になっていることはご理解ください。

報酬の目安

監査報酬は、監査に要する日数を見積り、その積み上げを基礎として計算しています。
したがって、労働組合の規模(収入・支出や資産の規模、支部の数等)によって監査報酬は異なってきます。
当事務所では、最小規模の労働組合(概ね組合員100人未満)であれば、監査報酬は150,000円(税別)~

その他概ね、1,000人以下の労働組合の場合200,000円~400,000円(税別)で、監査日数により変動します。

1,000人以上の労働組合の場合は、400,000円(税別)~で監査日数により変動します。

ただし、初年度の監査については、組合の予算についても考慮して柔軟に対応しますが、2年目以降は通常の見積り日数にて監査報酬が発生します。

監査報酬のお見積りは無料で行っておりますので、お気軽にお問い合わせください。

 

横田公認会計士事務所では、迷惑な営業電話拒否のため、問い合わせフォームより送信いただいた方に対して優先的にこちらから改めてご連絡いたします。

不明な携帯電話からのご連絡は迷惑電話と判断し、受けないことがあることをご了承ください。

 

会計監査のご依頼・お見積り・ご相談はこちらの問い合わせフォームより

 

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学校法人の会計監査

カテゴリ: 監査 公開日:2020年07月07日(火)

1.学校法人監査とは

補助金を受ける各種学校や幼稚園については、私立学校振興助成法第14条第3項により、貸借対照表、収支計算書等の財務計算に関する書類を作成し、公認会計士又は監査法人の監査を受けることが義務付けられています。

ただし、補助金の額が1,000万円未満である学校法人については、公認会計士等による監査が免除されています。

また、大学等を新設する際には、文部省告示第117号(平成6年7月20日)に基づく財産目録の監査が必要となります。

 

学校青空と校舎

2.学校法人監査の対象

学校法人監査の監査対象は次の計算書類です。
(計算書類)

  • 資金収支計算書(人件費支出内訳表を含む。)
  • 事業活動収支計算書
  • 貸借対照表(固定資産明細表、借入金明細表及び基本金明細表を含む。)
  • 重要な会計方針及びその他の注記

3.学校法人に適用される会計基準

学校法人は、「学校法人会計基準」(昭和46年文部省令第18号)に準拠して、計算書類を作成する必要があります。
したがって、公認会計士等による監査も、理事者の作成した計算書類が、学校法人会計基準(昭和46年文部省令第18号)に準拠して、学校法人の経営の状況及び財政状態を適正に表示しているかどうかについて監査意見を表明することとなります。

4.学校法人会計の特徴

予算制度

 学校法人会計は、「予算制度」が採用されており会計年度毎に作成された予算どおりに学校を運営していきます。学校法人会計で予算制度が重視されるのは、以下の理由からです。
学校法人の資金源の公共性の高さ
 学校法人の資金源は、学納金・補助金・寄付金等、公共性の高い資金で運営されています。
支出・収入要因が固定的
 学校法人の支出の大半は、人件費、教材費、施設設備費と固定的であり、企業のように原材料費の急騰に伴う急激な支出増加は発生しにくい環境です。また、収入についても、学納金が大半を占めるため、学生定員の厳格な管理が求められていることもあり、学生数の大幅増による増収は見込めません。あわせて、入学後、修業年限の期間においては授業料等の学納金が大幅に変動することもないため、収入の増加の可能性は極めて低いといえます。
教育環境の維持・発展が目的
 学校法人の財産は、寄付行為に基づく創設者の財産であり、その資産の維持発展を目的としており、営利目的ではなく、ある程度決まっている収入の枠組みの中で、最大限の教育研究の充実を図る必要があるためです。

基本金制度

 学校法人の目的が学校の維持・発展を目指すところからそれらに係る経費を保有すべく「基本金」という概念が学校会計では採用されており、企業のように利益を追求するための資本金とは考え方が異なります。公共性の高い教育という事業を担う学校法人において教育研究活動を永続的に保つための資産に相当する金額を維持した上で、収支均衡を安定させるという、学校法人の財政基盤を確立するために必要な制度となっています。

5.終わりに「株式会社等の会計監査との相違点」

学校法人が準拠しなければならない「学校法人会計基準」が文部科学省令、いわゆる法令であるという点で、「一般に公正妥当と認められる企業会計の基準」への準拠性を問う一般的な企業の監査と大きく違うところです。

また、企業の財務諸表監査では、財政状態、経営成績やキャッシュフローの状況を適正に示しているかどうかを問いますが、学校法人の監査はそれだけでは不十分です。

なぜならば、企業の財務諸表が外部の利害関係者に企業の財政状態や経営成績を伝えることを目的に作成されているのに対し、学校法人の計算書類が学校法人の所轄庁である文部科学省や都道府県に対する報告書としての役割を重視し作成されているからです。

そのため、学校法人会計基準では一般的な非営利会計の会計基準に比し、特殊でかつ詳細な計算書類体系、勘定科目体系が設定されています。また、どの勘定科目、どの部門で処理するかは補助金の金額にも影響するため、これらの区分処理を正しく行わなければならない要請が企業会計で要請されるレベルよりも格段に高くなっています。

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カテゴリ: スタッフブログ 公開日:2020年07月03日(金)