メニュー

ブログ - 大阪で会計士の監査は横田公認会計士事務所

〒532-0011 大阪府大阪市淀川区西中島3-18-9 新大阪日大ビル5F

tel:06-4862-7812

お問い合わせはこちら電話受付停止中!メール下さい!

ブログBLOG

役員給与の減額後の増額は可能?(コロナ禍における定期同額給与)

カテゴリ: 税務 公開日:2020年07月17日(金)

~単に売上等が戻ったことでの増額改定は不可~

新型コロナの影響下においての役員給与の減額改定後、期中に、従来の支給額に戻した場合単に売上が戻ったことが理由であれば、定期同額給与に該当しない。

ただし、単に売上が戻っただけでなく、その役員の職務内容の重大な変更があれば、臨時改定事由による改定となり、定期同額給与に該当し損金算入が可能となりそうです。

緊急事態宣言解除後の現状

緊急事態宣言が解除され、新型コロナウィルス感染症の影響により減額していた役員給与の支給額を、もとに戻そうという動きも出てきています。

ただし、また感染者が首都圏を中心に全国的に増加しており今後は不透明ではありますが。

その役員の職務内容の重大な変更が必要となる

 役員給与の減額改定については、国税庁が、新型コロナウィルス感染症の影響下において「業績悪化改定事由」に該当するケースを例示するなど、基本的には、認められます。

 問題となるのは、期の途中に2度目の改定を行い、売上が元に戻ったこと等を理由に、従来の支給額に戻す場合です。

 増額改定の場合、定期同額給与に該当するためには「臨時改定事由」に該当する必要があります。

 臨時改定事由とは、「役員の職制上の地位の変更、その役員の職務内容の重大な変更その他これらに類するやむを得ない事情」によりされたこれらの役員に対する定期給与の額の改定を言います。

 例えば、期の途中に平の取締役から専務取締役とりその役員の職務内容がより高度・専門的になった場合が該当します。

 つまりその役員について「職務の内容の重大な変更」等のやむを得ない事情がなければ、臨時改定事由に該当せず、例えば、コロナ禍が沈静化し、単に、客足が戻ってきたことで役員給与の支給額を戻しても、臨時改定事由による改定とは認められません。

 つまりは、増額した役員給与分は損金算入が認められないことになります。

 一方で、新型コロナウィルス感染症の影響により、その役員について「職務の内容の重大な変更」等のやむを得ない事情がある場合も考えられます。

 例えば、従来は支店管理のため各支店を飛び回っていた役員が、新型コロナウィルス感染症の影響により、以下の①,②のような理由により、役員給与の減額・増額を行った場合には、その役員について「職務の内容の重大な変更」等があったといえ、いずれも「臨時改定事由」による改定に該当することとなるようです。

  ①   政府の要請を受けて支店をすべて休業した・・・休業期間中、支店管理業務が不要となったため、役員給与を減額した

  ②   コロナ禍がおさまりつつあるので支店営業を再開した・・・従来通り、支店管理業務を行うこととなったため、役員給与を元に戻した

役員がコロナで入院した場合にはどうなるか

 従来から、病気のために職務が執行できない場合については、臨時改定事由に該当するものとされています。

 このため、役員が新型コロナウィルスに感染し、入院したことから、当初予定されていた職務の執行が一部できないこととなった場合に、役員給与の額を減額することは、臨時改定事由による改定と認められます。

 また、一定期間経過後に退院し、従前と同様の職務の執行が可能となった場合には、入院前の給与と同額の給与を支給することとする改定も臨時改定事由による改定と認められます。

 つまりこの場合の、減額後の役員給与、元に戻した役員給与の全額が損金算入されることとなります。

 

税務調査における交際費のポイント

カテゴリ: 税務 公開日:2020年07月16日(木)

税務調査における交際費のポイントは、交際費の科目に計上したものの内容に関するものと、交際費の科目以外で計上されたもので実態が交際費と認識されるものがあります。前者は、役員等の個人的な支出などであり、後者は福利厚生費、支払手数料、広告宣伝費などのなかで、税務上の交際費に合致するものがないかという点です。

1.           交際費の定義

交際費とは「交際費、接待費、機密費その他の費用で、法人が、その得意先、仕入先その他事業に関係のある者等に対する接待、供応、慰安、贈答その他のこれらに類する行為のために支出するものをいう」(措法61の4④)とされ、3つの要件にまとめると以下の通りです。

支出の対手先

直接取引先→得意先、仕入先、直接の事業関係者等

間接的な関係者→役員、従業員、株主、将来の取引先候補等

支出の目的 事業関係者等と親睦の度を密にして取引関係の円滑な進行を図る
行為の態様 接待、供応、慰安、贈答等の行為のための支出であること

 交際費は、法人の所得の計算上、会社の規模におり、損金の額に算入するのに限度額があります。

   

区分 損金算入限度額
中小法人(資本金1億円以下) 800万円
上記以外 無し(全額損金不算入)

  ただし、次に掲げるものは交際費であっても損金算入できます。

   社外飲食費で一人当たり5,000円以下のもの

   一人当たり5,0000円超の社外飲食費は50%までの額(中小法人は800万円までの限度額と選択)

2.           交際費の内容について

   支出の内容により個人負担とすべきもの

交際費として処理されているものであっても、支出の内容を確認し、交際費ではなく役員等の給与(賞与)となる場合があります。税務調査では交際費に計上されているもののうち、支払内容と、誰(事業関係者)に対するものかを確認し、もっぱら役員等の趣味や嗜好性が高く、事業との関連性が薄いものは、交際費ではなく役員等への給与(賞与)とみなし、損金不算入かつ源泉所得税の対象となります。例えば、ゴルフの費用は得意先等の方と一緒であれば交際費となりますが、一緒の方が事業と関係のない方と判断されれば、個人的な支出と認定されるケースや、個人的な友好や趣味のお付き合いも同様となります。

   5,000円以下の飲食費とは

一人当たり5,000円以下の飲食費は、交際費の損金不算入計算の枠外で損金に算入されます。

少額飲食費等の損金算入制度

次のすべてに当てはまる場合は交際費等課税がされません

飲食その他これに類する行為のために要する費用

もっぱら法人の役員・従業員のために支出する社内飲食費を除いた飲食費等

一人当たり5,000円以下

一定の事項を記載した書類を保存していること

一定の事項を記載した保存書類の記載事項

   飲食等のあった年月日

   飲食等に参加した得意先、仕入先その他事業に関係のある者等の氏名、名称及びその関係

   飲食等に参加した者の数

   その費用の金額ならびにその飲食店、料理店等の名称及び所在地

   その他参考となるべき事項

3.           付随費用はどうする

接待時のタクシー代等の交通費はどう扱うべきでしょう。交際費に含まれるものはその接待がなければ支出されなかった費用です。特異昨冬を接待するために使用したタクシー代は、接待という行為がなければ発生しないので交際費に含まれます。

4.           交際費と指摘されやすい費用について

   福利厚生費と交際費

福利厚生費=従業員等に対し、機会均等で一般的な行事・金額である

 福利厚生費は「もっぱら従業員の慰安のため」のレクリエーション費用などで「通常要する費用」の範囲であれば交際費からは除かれます。従業員の他にも専属的な下請け業者や元従業員、従業

員の家族を含めることも有ります。逆に従業員であっても特定の者に偏った支出である場合は、交際費もしくは給与となります。福利厚生費は、機会均等でかつ一般的な行事及び金額であることが原則です。

   会議費と交際費

 会議費=会議等としての実態がある

会議費は、会議や商談等に関連して茶菓、弁当等を供与するために通常要する費用です。通常要する費用とは、実務では一人当たり3,000円~5,000円程度が目安となっています。

 会議と親睦を兼ねた研修や旅行等を行った場合、会議に直接要した費用の会場費等のみが会議費で、それ以外は交際費となります。

   手数料と交際費

 手数料=あらかじめ定められた契約(約束)に基づく

あらかじめ決められた契約等に基づき支払われる手数料は、合意に基づく経済行為であり交際費にはなりません。

 契約があっても、支払額に会社側の恣意性が働き相手先によって金額に偏りがあると、交際費と認定される場合があります。

 単に紹介してもらったお礼を支払うのであれば交際費となりますが、契約や約束(書面にて)していれば手数料となります。

   広告宣伝費と交際費

 広告宣伝費=不特定多数の者に広告の意図を持って行う行為

不特定多数の者に対して広告宣伝の目的をもって物品を贈答する場合、広く商品や企業を知ってもらうための販売促進を目的にしたものであるため、広告宣伝費となります。

 特に対象者が限定されている場合は、交際費となりやすくなります。例えば、特定の取引先のみに渡しているのであれば、交際人と指摘されることになります。

税務調査では、交際費であるかそうでないかはきちんと説明したことを立証できるかがポイントとなりますので、主たる目的が何であるかを稟議書や議事録、メモ等の書面に残しておくようにしましょう。

会社法監査

カテゴリ: 監査 公開日:2020年07月10日(金)

会社法監査とは

会社法において、以下の会社は計算書類及び附属明細書について会計監査人(公認会計士または監査法人のみ)による監査を受けることが義務付けられています。

 

content

   会社法上の大会社                       

次のいずれかに該当する会社をいいます。

・最終事業年度に係る貸借対照表の資本金が5億円以上(資本金基準)

・最終事業年度に係る貸借対照表の負債の部に計上した額の合計額が200億円以上(負債基準)

②監査等委員会設置会社及び指名委員会等設置会社

③会計監査人の任意設置を行った会社

※その他決算書の信頼性を確保するために、金融機関等へ監査報告書が添付された決算書を提出するため等の理由で任意で監査を受けることも可能です。

監査の目的と税務会計との相違

株式会社等の監査の目的は、会社法の規定により作成される「計算書類」が適法に作成されているかどうかについて行う監査です。主に株主や債権者保護のために、決算書が会社の経営状況を正しく表示しているか否かの適正性について意見表明がなされます。

従来、税務申告のための税務会計のみを行っていた会社が、増資や事業規模の拡大により、①の資本金基準又は負債基準に該当し、法定監査を受けることになった場合には内部的には計算書類および事業報告ならびにこれらの付属明細書を作成する作業が発生します。また外部的には公認会計士等による会計監査を受けるための監査報酬が発生し、そのための導入コストは少なくありません。

税務会計では課税の公平性の観点から、簡易的で画一的な会計処理が求められます。一般的には顧問税理士が中心となって決算を行っている会社が多いのが現状です。一方、会社法の法定監査が求められるような会社になると、利害関係者(株主、債権者、大手取引先など)は一般的には増加し、利害関係者に情報を提供するための財務会計基準での報告が求められます。財務会計では、取引ごとの経済的実態に即した会計処理をすることが求められ、膨大でかつ複雑な会計基準とその注記が求められます。

会社法監査の1年間の流れ

3月決算会社を例に、会社法監査の1年間の大まかな流れについて説明すると次のようになります。

時期 主な監査実施項目
20X179月頃
  • 監査計画の立案・計画審査
  • 監査役等への監査計画の説明
20X11020X22月頃
  • 内部統制の評価
  • 期中に行われた取引記録の検証
20X23月頃
  • 決算方針の事前確認
  • 期末残高監査の準備
  • 実地棚卸の立会
20X24月上旬
  • 現預金等の実査
  • 銀行取引等の残高確認
20X24月下旬~5月中旬
  • 各財務諸表項目の検証
    (各種分析的手続き、残高確認状や関連証憑との照合等実証的手続き)
  • 経営者とのディスカッション
5月下旬
  • 計算書類及び附属明細書の表示の検討
  • 監査結果の取りまとめ
  • 経営者確認書の入手
  • 監査報告書の作成・提出
  • 監査役等への監査結果の報告

個人公認会計士事務所による監査の利点

監査法人監査でよくある不満としては、

  • ・監査報酬が高い
  • ・監査手続があまりに杓子定規
  • ・監査責任者が現場にほとんど来ない
  • ・監査担当者がしょっちゅう変わり、毎回同じ質問を受ける
  • ・監査メンバーに新人をOJTとして連れてくる
  • ・意思決定が遅い
  • ・税務に疎い

以上のような不満を感じたことはないでしょうか

以上のような不満をお持ちの会社であれば、横田公認会計士事務所がその不満を解決します。

・「監査報酬が高い」

監査法人は、国際ネットワーク維持費をはじめ、多くの間接費がかかります。個人公認会計士事務所であれば、これらはほとんどかかりません。監査法人の監査報酬よりも少なくとも1~2割、場合によってはこれ以上、お安くできる可能性があります。

・「監査手続があまりに杓子定規」

上場会社の監査先を持っている監査法人は、国際ネットワークのもつ基準や公認会計士協会のレビュー及び金融庁の検査にも対応する必要があり、法人内共通の杓子定規な手続をこなす必要がでてくるのです。形式的な監査範囲の基準に準拠することを求めるあまり、足元の重要なリスクを看過する可能性もあると考えています。この点につき、個人公認会計士であれば、監査基準に準拠しつつも、より臨機応変に、効率的な方法を模索して対応することが可能になります。

・「監査責任者が現場のほとんど来ない」「監査担当者がしょっちゅう変わり、毎回同じ質問を受ける」「監査メンバーに新人をOJTとして連れてくる」

これらについては、私をはじめ、独立した大手監査法人出身の経験豊富な公認会計士でチームを構成し、固定しますので、効率的で深度のある監査を実施できると確信しています。

・「意思決定が遅い」

監査法人は大なり小なり似たような組織構成で、品質管理上、分業体制をとっており、意思決定に時間がかかるのはやむを得ません。個人の公認会計士であれば、監査チームとのコミュニケーションは密に行いますので、その場で意思決定を行うことも可能です。

・「税務に疎い」

公認会計士は試験合格後、まずは大手監査法人に勤務するケースがほとんどで、税務申告書を作成した経験のある人はほとんどいません。その後、監査で申告書をレビューすることはあるものの、申告書別表(四)、別表(五)程度のレビューであり、作成手続を経験している公認会計士は監査法人にはほとんどいません。当事務所の監査チームは、大手監査法人経験後、独立して税務申告書の作成や税務相談業務を経験したメンバーで構成します。税務のご相談も監査業務に付随することに限っては対応致します。

ただし、以下のような会社については、監査法人の監査を継続すべきです。

「規模が大きく現状監査人が毎回5人以上往査に来る」「上場会社あるいは上場準備会社」「ブランド志向がある」

業種にもよりますが、当事務所で効率的に監査が可能な売上規模はおおよそ300億円未満を基準にお考えください。

横田公認会計士事務所の強み

会社法監査に限らず、当事務所が強みと考えているのは次の3点です。
これらを常に念頭において、クライアントに満足いただけるサービス品質の維持・向上に努めています。

・コミュニケーション

当事務所は、クライアントとの対話を通じた意思疎通(コミニュケーション)を重視しています。
コミュニケーションを密に行うことで、双方の信頼関係に基づく効果的・効率的な監査の実施が可能になると考えているためです。

・豊富な知識と経験

大手監査法人に所属していた時代も含め通算26年間(2020年7月時点)にわたり会計監査の業務を行っている公認会計士が責任者として監査業務にあたります。
また、東証一部上場企業の監査責任者を7年間務めた実績と公認会計士レビュー(2回)や金融庁の検査への対応も特段の指摘もなく経験しています。

それらで蓄積された企業会計及び会計監査に対する豊富な経験と知識を最大限発揮して監査業務を行います。

・迅速な対応

当事務所は、クオリティはもちろんスピードも重視しています。
双方にとって無駄のない監査の実施のため、個人事務所ならではのフットワークの軽さを強く意識し、クライアントの疑問に迅速にお答えします。

 

横田公認会計士事務所による監査はメリットだらけ!

 

監査現場

 

会社法監査の料金

当事務所の監査報酬は、監査に要する日数を見積り、その積み上げを基礎として計算しています。

したがって、監査対象会社の規模、事業内容、多角化の度合い等によって監査報酬のお見積り金額は異なってきます。

ただし、個人公認会計士事務所による監査の利点で述べたように監査法人の監査報酬と比較すると費用対効果は高いとお考えください。

 

参考)会社法監査の監査報酬平均額

会社法監査の料金のお見積りは無料ですので、お気軽にお問い合わせください。

 

お問い合わせはこちら(問い合わせフォームをご利用ください)

医療法人の会計監査

カテゴリ: 監査 公開日:2020年07月10日(金)

医療法人経営の透明性をより確保するために、平成27年9月に「医療法の一部を改正する法律」が成立し、一定規模以上の医療法人に対して、公認会計士・監査法人による監査(会計監査)を受けることが義務付けられました。(改正医療法第51条及び第70条の14)これにより、医療法人は医業経営において更なる効率性と透明性を求められています。

病院受付

公認会計士監査の対象となる一定規模以上の医療法人

  1. ・医療法人のうち、最終会計年度に係る負債額の合計が50億円以上、または、収益額の合計が70億円以上であるもの
  2. ・社会医療法人のうち、最終会計年度に係る負債額の合計が20億円以上、または収益額の合計が10億円以上であるもの
  3. ・社会医療法人のうち、社会医療法人債発行法人であるもの
  4. ・地域医療連携推進法人

医療法人の会計監査の目的

会計監査の目的は、監査を受ける医療法人を取り巻く多様な利害関係者(地域社会、利用者、職員、国、地方公共団体、金融機関等)に対し、公認会計士が独立した第三者として監査を受ける法人の財務報告の信頼性を担保することにあります。

公認会計士監査導入のメリット

  1. 財務情報の信頼性の向上およびガバナンスの強化、これらによる法人の社会的信頼性の向上に寄与します。
  2. 適時、適切な経営判断に不可欠な信頼性の高い財務情報を適時に把握できる管理体制の整備・経営力強化に寄与します。
  3. 職業的専門化との定期的なコミュニケーションにより、経営課題を明確化し、課題解決に共に取り組みます。
  4. 不正の防止、発見効果が上がります。
  5. 職務プロセスの見える化により、効率的な経営の実現に寄与します。

公認会計士監査に対する誤解-税理士や行政監査との違い-

公認会計士監査については税理士への毎月の試算表作成(チェック)や行政監査と同様のイメージを持っている方や、1日~2日来て終わるといったイメージをされている方もいますが、実際はだいぶ異なります。

公認会計士監査はあくまで独立した第三者として(この点が税理士と異なります)

財務諸表に対する(この点が行政監査と異なります)意見を表明することを目的とします。

また、日数についても一年間の作業日数は50人日前後はかかると考えていただいたほうがよいかと思います。

監査対象となる書類

 事業報告書等(事業報告書、財産目録、貸借対照表、損益計算書、 関係事業者との取引状況に関する報告書、純資産変動計算書 及び附属明細表)の内、監査対象となるのは以下の書類です。

●財産目録

●貸借対照表(注記含む)

●損益計算書(注記含む)

監査の進め方

会計監査人は、財務諸表を構成する勘定科目について監査要点を設定し、この監査要点を検証することで、計算書類が適切に作成されていることを確かめます。

監査要点を具体的に説明すると、

・実在性(本当にあるのか)

・網羅性(漏れがないか)

・権利と義務の帰属(当該法人のものか)

・評価の妥当性(価額は適切か)

・期間配分の適切性(正しい期間に計上されているか)

・表示の妥当性(開示は適切か)

などです。

会計監査人は、監査要点の検証を効率的、効果的に進めるため、リスク・アプローチにより監査計画を作成し、監査に当たります。リスク・アプローチとは、限られた人員や時間の中で、全ての項目に対して総括的に監査を行うのではなく、経済環境、法人の特性などを勘案して、計算書類の重要な虚偽記載につながるリスクのある項目に対して、重点的、効果的に監査を行う手法のことです。

内部統制とは

会計監査人監査の導入に当たって、必ず整備しなければならないのが内部統制です。

組織が自ら十分な内部統制を構築し、適切に運用していくことで、虚偽の表示が行われる可能性は低くなり、リスク・アプローチによる監査も効率的に実施することができます。
しかし、一般的には、内部統制は少し馴染みが薄い言葉かもしれません。

一般に、内部統制の目的は4つあるとされています。
① 業務の有効性・効率性 ・・・ 事業活動の目的を達成するために、業務の有効性・効率性を高めること。
② 財務報告の信頼性   ・・・ 財務諸表に重要な影響を及ぼす可能性のある情報の信頼性を確保すること。
③ 事業活動に関わる法令等の遵守 ・・・ 法令その他の規範の遵守を促進すること。
④ 資産の保全  ・・・ 資産の取得・使用・処分が正当な手続及び承認のもとに行われるようにすること。

上記の内部統制の目的を医療法人に置き換えてみると、以下のとおりとなります。
① 医療事業の目的を達成するために、業務の改善や平準化を図り、標準化をする。

   正しい財務諸表を作成する。

③ 法令等を遵守する。

④ 医療事業を営む上で必要な資産を適切に管理する。

これらのことが医療法人の皆様にとって重要なことはよくお分かりでしょう。

内部統制というと難しく聞こえますが、要は、
・業務の水準が一定程度保証される仕組み。同じ業務であれば、担当者が違っても結果が変わらない、など。
・法令違反や資産の流用がしにくい、あるいは自ずと発見される仕組み 
など、組織内部の不正や誤りを防止、発見する仕組みのことです。

私共は、これまでの経験を活かして、貴法人が内部統制の整備を進めていかれるために、適切なアドバイスをいたします。

個人公認会計士事務所による監査の利点

監査法人監査でよくある不満としては、

  • ・監査報酬が高い
  • ・監査手続があまりに杓子定規
  • ・監査責任者が現場にほとんど来ない
  • ・監査担当者がしょっちゅう変わり、毎回同じ質問を受ける
  • ・監査メンバーに新人をOJTとして連れてくる
  • ・意思決定が遅い
  • ・税務に疎い

以上のような不満を感じたことはないでしょうか

以上のような不満をお持ちの会社であれば、横田公認会計士事務所がその不満を解決します。

・「監査報酬が高い」

監査法人は、国際ネットワーク維持費をはじめ、多くの間接費がかかります。個人公認会計士事務所であれば、これらはほとんどかかりません。監査法人の監査報酬よりも少なくとも1~2割、場合によってはこれ以上、お安くできる可能性があります。

・「監査手続があまりに杓子定規」

上場会社の監査先を持っている監査法人は、国際ネットワークのもつ基準や公認会計士協会のレビュー及び金融庁の検査にも対応する必要があり、法人内共通の杓子定規な手続をこなす必要がでてくるのです。形式的な監査範囲の基準に準拠することを求めるあまり、足元の重要なリスクを看過する可能性もあると考えています。この点につき、個人公認会計士であれば、監査基準に準拠しつつも、より臨機応変に、効率的な方法を模索して対応することが可能になります。

・「監査責任者が現場のほとんど来ない」「監査担当者がしょっちゅう変わり、毎回同じ質問を受ける」「監査メンバーに新人をOJTとして連れてくる」

これらについては、私をはじめ、独立した大手監査法人出身の経験豊富な公認会計士でチームを構成し、固定しますので、効率的で深度のある監査を実施できると確信しています。

・「意思決定が遅い」

監査法人は大なり小なり似たような組織構成で、品質管理上、分業体制をとっており、意思決定に時間がかかるのはやむを得ません。個人の公認会計士であれば、監査チームとのコミュニケーションは密に行いますので、その場で意思決定を行うことも可能です。

・「税務に疎い」

公認会計士は試験合格後、まずは大手監査法人に勤務するケースがほとんどで、税務申告書を作成した経験のある人はほとんどいません。その後、監査で申告書をレビューすることはあるものの、申告書別表(四)、別表(五)程度のレビューであり、作成手続を経験している公認会計士は監査法人にはほとんどいません。当事務所の監査チームは、大手監査法人経験後、独立して税務申告書の作成や税務相談業務を経験したメンバーで構成します。税務のご相談も監査業務に付随することに限っては対応致します。

ただし、以下のような会社については、監査法人の監査を継続すべきです。

「規模が大きく現状監査人が毎回5人以上往査に来る」「大手のブランド志向がある」

医療法人に関して言えば、

医業収益が1,000億円を超過するような超巨大医療法人であれば、大手監査法人に依頼すべきですが、そうでなければ監査法人に依頼するメリットはあまり多くないと考えられます。

労働組合の会計監査

カテゴリ: 監査 公開日:2020年07月08日(水)

外部の会計監査は必要か?

労働組合は、会計報告について会計監査人、すなわち、公認会計士又は監査法人による監査を受けることが義務付けられています。

根拠となる労働組合法第5条第2項第7号においては、以下のように定められています。監査現場②

(労働組合法第5条第2項第7号)

すべての財源及び使途、主要な寄附者の氏名並びに現在の経理状況を示す会計報告は、組合員によって委嘱された職業的に資格がある会計監査人による正確であることの証明書とともに、少なくとも毎年 1 回組合員に公表されること。

なお、特定独立行政法人等及び地方公営企業の職員で構成する労働組合に対しては、労働組合法の外部監査の規定が適用されます(労働組合監査における監査上の取扱い)。

さらに、国家公務員及び地方公務員の職業団体については、労働組合法が適用除外とされていますが、その職員団体が法人格を取得する場合は、公認会計士等、または信託会社の監査証明を受けることが必要とされています(同監査上の取扱い)。

 

 

 

監査を受けないとどうなる?

上記のように、労働組合法では、公認会計士による監査を受けることが義務付けられています。

では、監査を受けないと罰則はあるのでしょうか?
公認会計士による監査を受けなくとも、罰則規定は設けられていないものの、労働組合法上の手続きに参与し、救済を求める資格がないものとされています。(労働組合法5条1項)
​具体的には、下記の手続きが出来なくなります。

  • ・労働協約の地域的拡張適用の申立(法18条)
  • ・労働者委員の推薦(法19条の3第2項)
  • ・不当行為に対する救済申立(法5条1項)
  • ・法人格を取得するための資格証明取得(法11条)

これらの手続きが必要にもかかわらず、公認会計士による監査を受けていない場合には、その手続きができずに最悪の場合は労働組合の存在意義が無くなってしまう可能性があります。

 では、【上記の手続きは、うちの労働組合では必要ないので、罰則がないなら公認会計士による会計監査を受ける必要がないのでは?】

 と考え、公認会計士による監査を受けていない労働組合が多数存在するのも事実です!

 しかし、『公認会計士による監査を受けていないと発生するリスク』

①労働組合法違反という法令違反を犯している状況であり、罰則がなくても執行委員等執行部はコンプライアンス違反の状況にある。

②執行委員には、様々な諸手当が支給されているのが実情ですが、お手盛りが発生する可能性が高く、また、親睦等の目的で様々な会合や飲み会等を行っている執行委員の活動において、第三者の公認会計士による監査を受けていないと、私的な飲み代等を組合の経費として処理し、組合員の財産を私的に流用している可能性がある。

 以上、2点のリスクが発生しています。

 組合員等、組合費を支払っている方は、大会議案書の収支計算書や貸借対照表の後ろに、公認会計士の監査報告書(監事等内部の監査報告書ではなく)が添付されているかご確認ください。

 もし、公認会計士の監査報告書がないなら、上記2点のリスクを抱えている労働組合であることを認識し、執行部に対し上記2点のリスクに対する見解を求める事が、組合の財産を守るために当然必要な行動であると認識ください。

 会計監査のご依頼・お見積りは直接お電話ではなくこちらの問い合わせフォームより送信ください 

 

労働組合の会計基準

労働組合会計に関する会計基準である「労働組合会計基準」は、昭和60年10月に制定されました。
この基準は、公表後30年以上が経過しており、多くの労働組合において採用されています。
つまり、「一般に公正妥当と認められる労働組合会計の基準」として定着しているものです。

「労働組合会計基準」は、以下のような特徴があります。

  1. ガイドラインとしての役割
    「労働組合会計基準」は、労働組合会計に携わるもののガイドラインとしての役割を期待されて制定されたものです。
    つまり、企業会計の基準のように適用が強制されるような性質のものではなく、適用にあたっては個々の労働組合にその判断がゆだねられる性質のものです。
  2. 予算が重視される会計(予算準拠主義)
    労働組合における組合費の使途については、あらかじめ大会等で承認される必要があります。
    この承認プロセスにより、労働組合の執行部の組合費の使途について一定の制約がかけられることになります(内部牽制機能)。
    したがって、労働組合会計においては、一期間に係る損益計算よりも、当初の活動計画に基づいた業務を行ったかどうかのほうが重視されています。
  3. 特別会計の設定
    特別の目的を定めて徴収した資金を財源として組合活動を行う場合には、その状況を明らかにするため特別会計を設ける必要があります。
    例えば、組合費とは別に、闘争資金等を徴収している場合、共済資金を徴収している場合などです。
    また、将来の特定の支出に備えるため、又は、特定の資金を区分して管理するために特別会計を設けることもできます。
    例えば、役職員退職給与積立特別会計、会館維持特別会計などです。

労働組合の会計監査はどのように行われる?

労働組合の会計監査は監査基準に準拠して行われます。

監査基準では、リスクアプローチに基づく監査の実施が求められています。
リスクアプローチに基づく監査では、財務書類に虚偽の表示が含まれるリスクの度合いやそれが生じる箇所等を特定し、それぞれのリスクに応じた手続を実施することで、効果的、かつ効率的に監査を実施するものとされています。
主な監査手続としては、以下のようなものを挙げることができますが、実際に行う手続きやその範囲は、上記のリスクに応じて会計監査人が判断することになります。

1.実査

労働組合が保有する現金や預金通帳、出資金等の現物を会計監査人自らが直接手にとって検証する手続きです。

2.確認

預金残高や未収入金等について、会計監査人自らが労働組合の取引金融機関や取引先等に金額について文書で照会を行い、直接回答を得る手続きです。

3.分析的手続

資産・負債の残高や収入・支出の発生高について、予算比較や期間比較、比率分析等を行い、異常値の有無を把握する手続きです。

4.証憑突合

監査人が重要と判断した個々の取引について、請求書や領収書、稟議書(決裁書)、預金の入出金記録等の証憑と会計記録とを照合する手続きです。

会計監査人の変更について

外部監査人の変更を検討する時期としては決算を行うタイミングというのが実務的には多いのではないでしょうか。外部監査人の変更理由としては、外部監査人の対応力の低さ、高齢化、監査報酬の見直しということが挙げられます。近年、労働組合は組合加入率の低下などによる長期的な収入減少傾向に悩まされており、監査人への支出も含めて検討しなければならないケースが出てきていると思います。

 

一方で、ここ数年(2021年以降)公認会計士の業界は人員不足に陥っており、上場会社を筆頭に公認会計士等による監査報酬の値上げラッシュが続いています。

当事務所への監査のご依頼も多くなり、日程調整が難しくなっているため監査報酬については値上げせざるを得ない状況になっていることはご理解ください。

報酬の目安

監査報酬は、監査に要する日数を見積り、その積み上げを基礎として計算しています。
したがって、労働組合の規模(収入・支出や資産の規模、支部の数等)によって監査報酬は異なってきます。
当事務所では、最小規模の労働組合(概ね組合員100人未満)であれば、監査報酬は150,000円(税別)~

その他概ね、1,000人以下の労働組合の場合200,000円~400,000円(税別)で、監査日数により変動します。

1,000人以上の労働組合の場合は、400,000円(税別)~で監査日数により変動します。

ただし、初年度の監査については、組合の予算についても考慮して柔軟に対応しますが、2年目以降は通常の見積り日数にて監査報酬が発生します。

監査報酬のお見積りは無料で行っておりますので、お気軽にお問い合わせください。

 

横田公認会計士事務所では、迷惑な営業電話拒否のため、問い合わせフォームより送信いただいた方に対して優先的にこちらから改めてご連絡いたします。

不明な携帯電話からのご連絡は迷惑電話と判断し、受けないことがあることをご了承ください。

 

会計監査のご依頼・お見積り・ご相談はこちらの問い合わせフォームより

 

問い合わせ専用メールアドレス E-mail:このメールアドレスはスパムボットから保護されています。閲覧するにはJavaScriptを有効にする必要があります。

 

上記問い合わせフォームまたは問い合わせ専用メールアドレスに必須項目を入力の上、送信ください。

学校法人の会計監査

カテゴリ: 監査 公開日:2020年07月07日(火)

1.学校法人監査とは

補助金を受ける各種学校や幼稚園については、私立学校振興助成法第14条第3項により、貸借対照表、収支計算書等の財務計算に関する書類を作成し、公認会計士又は監査法人の監査を受けることが義務付けられています。

ただし、補助金の額が1,000万円未満である学校法人については、公認会計士等による監査が免除されています。

また、大学等を新設する際には、文部省告示第117号(平成6年7月20日)に基づく財産目録の監査が必要となります。

 

学校青空と校舎

2.学校法人監査の対象

学校法人監査の監査対象は次の計算書類です。
(計算書類)

  • 資金収支計算書(人件費支出内訳表を含む。)
  • 事業活動収支計算書
  • 貸借対照表(固定資産明細表、借入金明細表及び基本金明細表を含む。)
  • 重要な会計方針及びその他の注記

3.学校法人に適用される会計基準

学校法人は、「学校法人会計基準」(昭和46年文部省令第18号)に準拠して、計算書類を作成する必要があります。
したがって、公認会計士等による監査も、理事者の作成した計算書類が、学校法人会計基準(昭和46年文部省令第18号)に準拠して、学校法人の経営の状況及び財政状態を適正に表示しているかどうかについて監査意見を表明することとなります。

4.学校法人会計の特徴

予算制度

 学校法人会計は、「予算制度」が採用されており会計年度毎に作成された予算どおりに学校を運営していきます。学校法人会計で予算制度が重視されるのは、以下の理由からです。
学校法人の資金源の公共性の高さ
 学校法人の資金源は、学納金・補助金・寄付金等、公共性の高い資金で運営されています。
支出・収入要因が固定的
 学校法人の支出の大半は、人件費、教材費、施設設備費と固定的であり、企業のように原材料費の急騰に伴う急激な支出増加は発生しにくい環境です。また、収入についても、学納金が大半を占めるため、学生定員の厳格な管理が求められていることもあり、学生数の大幅増による増収は見込めません。あわせて、入学後、修業年限の期間においては授業料等の学納金が大幅に変動することもないため、収入の増加の可能性は極めて低いといえます。
教育環境の維持・発展が目的
 学校法人の財産は、寄付行為に基づく創設者の財産であり、その資産の維持発展を目的としており、営利目的ではなく、ある程度決まっている収入の枠組みの中で、最大限の教育研究の充実を図る必要があるためです。

基本金制度

 学校法人の目的が学校の維持・発展を目指すところからそれらに係る経費を保有すべく「基本金」という概念が学校会計では採用されており、企業のように利益を追求するための資本金とは考え方が異なります。公共性の高い教育という事業を担う学校法人において教育研究活動を永続的に保つための資産に相当する金額を維持した上で、収支均衡を安定させるという、学校法人の財政基盤を確立するために必要な制度となっています。

5.終わりに「株式会社等の会計監査との相違点」

学校法人が準拠しなければならない「学校法人会計基準」が文部科学省令、いわゆる法令であるという点で、「一般に公正妥当と認められる企業会計の基準」への準拠性を問う一般的な企業の監査と大きく違うところです。

また、企業の財務諸表監査では、財政状態、経営成績やキャッシュフローの状況を適正に示しているかどうかを問いますが、学校法人の監査はそれだけでは不十分です。

なぜならば、企業の財務諸表が外部の利害関係者に企業の財政状態や経営成績を伝えることを目的に作成されているのに対し、学校法人の計算書類が学校法人の所轄庁である文部科学省や都道府県に対する報告書としての役割を重視し作成されているからです。

そのため、学校法人会計基準では一般的な非営利会計の会計基準に比し、特殊でかつ詳細な計算書類体系、勘定科目体系が設定されています。また、どの勘定科目、どの部門で処理するかは補助金の金額にも影響するため、これらの区分処理を正しく行わなければならない要請が企業会計で要請されるレベルよりも格段に高くなっています。

ブログ始めました。

カテゴリ: スタッフブログ 公開日:2020年07月03日(金)