大法人の電子申告義務化 書面提出では無申告加算税?
はじめに
現在10都府県で緊急事態宣言下ですが、関西3府県、愛知県と岐阜県では緊急事態宣言の解除を政府に要請しました。2月末まで。3月1日から緊急事態宣言の解除が行われるか政府が今週中に判断するとのこと。緊急事態宣言の解除がなされても飲食店への時短要請は午後8時から午後9時になるようでどれだけ違いがあるのかよくわからないのが私の個人的な考え方です。とにかく、ワクチン接種が広がって新型コロナウイルス感染症への対策がある程度できてからでないとコロナ前の状況に戻ることはないのではと思っています。
それでは、本題です。
大法人の電子申告義務化が開始されて以後、3月決算法人は初の確定申告を迎えます。大法人は、申告書等のすべてをe-Taxで提出しなければならないため、誤って書面で提出してしまった場合は無申告となってしまいます。ただ、申告書等の一部を書面で提出したとしても、申告書の主要な部分が申告期限内にe-Taxで提出されていれば、無申告にはなりません。
原則すべての申告書等がe-Taxで提出
大法人とは資本金の額等が1億円超の法人がこれに当たります。大法人の電子申告義務化は、令和2年4月1日以後開始事業年度より適用され、法人に係る法人税及び消費税、地方税の法人住民税等の申告を電子で行わなければなりません。
大法人は、申告書だけではなく、申告書に添付すべき書類も含め、すべてをe-Taxで提出する必要があります。例えば、法人税の場合、財務諸表や勘定科目内訳書などの添付書類も含まれます。
申告書の主要な部分とは
義務化対象の大法人が、申告期限までに書面で提出したとしても、e-Taxで提出されていない場合、無効な申告となり、無申告加算税が課されます。
e-Taxで送信後、一部書類の提出漏れに気付いた場合も、e-Taxで提出しなければなりませんが、誤って書面で提出してしまったとしても、すでにe-Taxで申告書の主要な部分が提出されていれば、有効な申告として扱われ、無申告加算税は課されません。
電子申告義務化の導入が決定した当初から注目されていた申告書の主要な部分の具体的な範囲について確認しましょう。
一部申告書等のみのe-Taxでの提出を助長する恐れがあるため、現時点では詳細は不明となっています。
申告書等のすべてをe-Taxで提出することが義務である以上、一部書類の提出漏れなどがあっても、意図的な書面での提出は避けるべきでしょう。一部書類の提出漏れの場合、e-Taxの追加送信機能を使うなどして対応することが賢明になると考えます。
おわりに
電子申告義務化の対象が、申告書及び申告書に添付すべきとされる書類の全て、とされている以上、書面での提出は避けましょう。とにかく確定申告書、勘定科目内訳書をe-Taxで提出し、その他必要な書類があれば税務署等に確認の上、追加送信機能を使ってその都度e-Taxにて提出するようにしましょう。
横田公認会計士事務所は、非上場の会社法監査、医療法人の会計監査、学校法人の会計監査、労働組合の会計監査など上場会社を除く会計監査に特化した監査事務所です。
上場会社を監査している監査法人と比較し、費用面を抑えて実質的な監査を行うことを基本方針にしています。効率性の高い会計監査を目指しています。
監査のご依頼・ご相談は、問い合わせフォーム(24時間年中無休)、電話にてのご連絡は平日10時~17時、にてご連絡ください。
3月決算の会社等の監査は日程等についてご相談ください。3月決算を除く会社等の監査はまだ日程的にお受けできますので大歓迎です。お気軽にご相談ください。
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税務調査、申告期限延長で調査着手も延期か!
はじめに
緊急事態宣言が延長されて10日が経ちました。新型コロナウイルス感染症の新規感染者は減少してきていますが、病床のひっ迫状況の改善はまだ目標には届いておらず、今週中に解除要請を出す都府県はないとのこと。
ところで、国税庁は2月2日、令和2年分の所得税等の確定申告の期限を4月15日まで延長しました。10都府県への政府の緊急事態宣言の期間が確定申告期間と重なることを踏まえた措置となります。
国税庁は申告期限を延長したことに伴い、同日までは原則、新規税務調査に着手しないことを全国税局等に連絡したとのこと。
新規調査の着手が伸びる対象
例年、2月16日から3月15日までの所得税の確定申告期限は、一般的に税理士が調査対応をすることが困難となるため、原則、新規調査の着手はされていません。今回、申告期限が4月15日に延長されたことにより、この新規調査の着手が原則されない期間が同日まで伸びることとなるようです。
4月15日まで申告期限が延長されたのは、所得税、個人事業者の消費税、贈与税で、法人税や相続税は対象ではありません。
しかし、延長された申告期限までは、確定申告の対応に追われる税理士が多いことが考えられます。そのため、新規調査については、税理士が関与している法人への法人税や消費税等の調査、そして相続税の調査も含め、基本的に税目を問わず調査の着手を控えることになると考えられます。
ただし、新規の踏査案件でも、税理士が関与していない法人や、真に必要な緊急の事案であれば調査着手がされることはあるでしょう。
全国一律の対応
緊急事態宣言の対象となっているのは10都府県ですが、申告期限の延長は納税地を問わず、全国一律の対応となっています。そのため、新規調査の方針としても同様に、全国一律に4月15日まで基本的に調査の着手が控えられることになるでしょう。
4月16日以後は?
延長された申告期限の4月15日より後に、新規調査が着手されることになりますが、納税者が個別に申告期限の延長(4月16日以降)を受けていることなどもあるでしょう。
このような納税者の個々の状況等を十分に考慮し、かつ、調査に当たる職員のマスク着用や調査の場での人数を最小限に控えるなどした上で、調査に着手していくことになるでしょう。
おわりに
大阪などでは、新型コロナウイルス感染症の1日の感染者数が100人を下回る状況まで減少してきています。ただし、大阪での重症病床使用率は2月15日時点で64.3%とまだ50%を下回っていません。例え、来週以降3月7日までに緊急事態宣言の解除がなされる地域があったとしても、申告期限の延長は4月15日までとなります。したがって、新規調査の着手は上記の通り変更はありません。
ところで、税務調査だけではなく、公認会計士協会の品質管理レビュー等も同様に緊急事態宣言下、実施されていないことでしょう。こちらは、一般の方には影響しないので情報が不足していますがこの状況でレビュー等が実施されることはないと確信しています。今日からワクチンの接種が始まりましたが、早期にコロナ前の状況に戻ることを切に願っています。
横田公認会計士事務所は、非上場の会社法監査、医療法人の会計監査、学校法人の会計監査、労働組合の会計監査など上場会社を除く会計監査に特化した監査事務所です。
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令和2年分確定申告から納税者本人の押印廃止
はじめに
緊急事態宣言の延長が栃木県を除く10都道府県でなされています。今回の緊急事態宣言は3月7日までの1か月延長ですが、各地域の実情により解除することがあるようです。確かに大阪でも感染者数は減少傾向にありますが、医療体制のひっ迫はまだ続いており、すぐに緊急事態宣言の解除はまだ早いのではないかと思っています。
このように、テレワークが推奨されている現状にて、令和3年度税制改正により税務関係書類の押印義務が原則廃止されます。令和3年度税制改正法案の成立を待たず、運用上、税務署に提出する書類に押印がなくても改めて押印は求められず、書類の提出が受け付けられるようです。
税理士の押印も不要
法人税や所得税等の確定申告書といった税務関係書類には、納税者本人やその申告を代理する税理士が押印することとされています(通法124、税理士法33)。
この押印義務が廃止されることで、確定申告書等への納税者本人や税理士の押印、それに、税理士が納税者の申告等を代理する際の「税務代理権限証書」への納税者本人の押印が不要になります。
ただし、現行、実印による押印・印鑑証明の添付が求められている書類は引き続き押印や添付が求められるので注意してください。例えば、相続税及び贈与税の特例における添付書類のうち財産の分割の協議に関する書類(遺産分割協議書)など。
税務署の窓口で押印再提出は要求されない
税務署の窓口では、税務関係書類に押印がないと、押印の上、再提出を促されることがありますが、押印義務が廃止されることで、その施行予定の令和3年4月1日より前でも、改めて押印を求められることにはなりません。
そのため、4月1日より前に、押印をせず令和2年分の所得税等の確定申告書を提出しても、改めて押印は求められないようです。
おわりに
押印が廃止されても、本人を証明するための新たな手続き等は生じないようです。また電子申告では、押印廃止に伴う影響はなく、従来通り電子証明書を用いて送信して申告します。
今後、税務署に限らず地方公共団体の申請書類等でも押印廃止の動きが加速することになりそうですね。
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令和2年分確定申告期限の延長!令和3年4月15日まで
はじめに
緊急事態宣言の延長が栃木県を除く10都道府県に決まりました。令和3年3月7日までです。これを受けて国税庁は緊急事態宣言の期間と確定申告の期間が重なることから、一律に令和3年4月15日まで確定申告期限を延長しました。
030202kigenencho.pdf (nta.go.jp)
令和元年分の申告期限の延長
去年の令和元年分の申告期限については、新型コロナウイルス感染症の拡大防止の観点から、申告所得税、個人事業者の消費税、贈与税の申告期限を令和2年4月16日に延長し、その後さらに、申告が困難な納税者については、個別の延長手続きをすることで、期限以降であっても柔軟に確定申告書を受け付けることとしています。
国税庁のFAQによれば、令和元年分の確定申告について、個別の延長により今後確定申告をされる予定の方は、令和2年分の確定申告を行うまでに行う必要があります(令和2年分の確定申告と同時でも差し支えありません)。
また、令和元年分について、令和2年分確定申告の申告期限後に申告した場合には、原則として期限後申告として取り扱われることとなります。
また、令和元年分の申告所得税等の確定申告書を提出する前に、他の申告書や申請書等を提出した場合は、令和元年分の所得税等の確定申告をすることができないやむを得ない理由があったとは原則認められませんので、期限後申告として取り扱われます。
個別延長可能な「やむを得ない理由」
令和2年分の申告期限が4月15日まで延長されましたが、「やむを得ない理由」があれば、個別の申請による期限延長は可能となります。国税庁のFAQでは、個人について、次のような「やむを得ない理由」を例示しています。
●納税者や経理担当の(青色)事業専従者が、感染症に感染した、又は感染症の患者に濃厚接触した事実があること
●次のような事情により、納税者が、保健所・医療機関・自治体等から外出自粛の要請を受けたこと
- 感染症の患者に濃厚接触した疑いがある
- 発熱の症状があるなど、感染症に感染した疑いがある
- 基礎疾患があるなど、感染症に感染すると重症化するおそれがある
● 新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づき、生活の維持に必要な場合を除きみだりに自宅等から外出しないことが要請されていること
おわりに
令和元年分の確定申告を個別延長してまだ申告していない人は、令和2年分の確定申告期限までに確定申告をし、令和2年分はその後確定申告期限までに申告するか又は令和元年分と同時に申告することになります。
今年の確定申告もコロナウイルス感染症の影響により、今後も様々な措置が行われることとなりそうです。今後の国税庁からの新着情報には注意が必要です。
監査事務所の規模別の監査報酬についての分析
はじめに
前回のブログを受けて今回は前回結論付けた、会社等の規模別に監査報酬を効率的にするため(節約するため)にどのような監査事務所を選ぶべきかの根拠を紐解いていくいきます。
監査報酬は、監査事務所の規模別に当然高低があり一定水準以上の適正な監査を行うことを前提にそれぞれ監査事務所の規模別に監査報酬の中身を分析します。
以下、①大手監査法人、②準大手監査法人、③中堅監査法人、④中小監査事務所の分類は前回のブログをご参照ください。
私が上記①~④までの監査事務所の監査報酬の分析ができる知識があるかどうかについては、それぞれすべての監査事務所に所属して監査した経験があるからです。そこで所属していてそれぞれの監査責任者を見てきた経験からの私なりの分析です。ですから、多少私なりの解釈もあり、それぞれの監査事務所にとっては「うちの監査事務所はそうではない」と思われることもあるかと思いますが、大きな方向性で見れば相違は小さいと確信していますので、その点はご了承の上お読みください。あくまで私個人の見解です。
【監査報酬の構成要素】
みなさんもちろんおわかりだと思いますが、監査報酬の高い順に
Ⅰ①大手監査法人>②準大手監査法人>③中堅監査法人>④中小監査事務所
となります。監査報酬は
監査報酬=単価(A)×日数または時間数(B)
で構成されています。
Aの単価、Bの日数とも、単価は高く、日数が多いのは上記Iの順番どおりです。
まず、以下『単価』について内容を見ていきましょう。
ここでは話を簡単にするために単価は1日当たりの単価とします。
協会(JICPA)の監査実施状況調査においては、監査時間は日数ではなく時関数で記載されていますが、協会(JICPA)に提出する監査実施報告書が監査時間にて報告する形式のため監査時関数にて公表されています。ただし、監査報酬を見積る場合多くは日程と補助者の日数を集計し、日数の合計から監査報酬を見積るためほとんどの監査事務所は、監査報酬=事務所単価×監査日数 にて報酬を計算しています。
私の知る範囲では、概ね各監査事務所は以下の通りの単価で監査報酬を計算していると考えます。
①12~15万円以上、②10~14万円、③10~12万円④は10万円前後
単価が以上のように監査事務所により異なる理由は簡単に言うと共通費が多いか少ないかによると考えられます。直接費である監査を行う会計士等の日当(給料)は各監査事務所でそれほど多くの違いはありません。
共通費とは、事務所共通の職員の給料、監査事務所の家賃、海外提携先がある場合の提携料、新人の教育費、それに協会(JICPA)のレビュー及び金融庁の検査に対応するための社員や職員の報酬や給料です。レビューや検査が多い事務所ほど対応人員や日数が増加しその分の給料等を監査報酬で補うこととなります。①の大手は上記すべてで一番共通費が多くなりますが、特に海外提携先も大手会計事務所のため提携料が高いのが特徴です。②の準大手も海外事務所と提携していますが①ほど海外の大手会計事務所ではなく提携もゆるい提携のため①よりは提携料が安いと考えられます。③も海外事務所と提携している事務所は提携料を支払いますが②よりさらにゆるい提携で提携料の高い順に①>②>③となります。④については提携料が無い事務所がほとんどでしょう。
次に単価に大きく影響を及ぼす要因は、協会(JICPA)レビューと金融庁の検査です。
レビューと検査は上場会社を監査している事務所は必ず行われるという制度となっています。したがって④の監査事務所にはレビューや検査は行われません。また、上場会社を監査している事務所にレビュー等が行われるわけですが、上場会社の監査について監査調書等のレビューが行われるのはもちろん、その他非上場の会社の監査の監査調書等についてもレビュー対象がランダムに選ばれます。これは、レビュー等対象監査事務所が、上場会社と非上場会社で異なる品質の監査を行うことを阻止するためです。このレビューや検査は監査事務所の監査上場会社の数によりその頻度が大きく違ってきます。先ほども簡単に述べましたが、頻度が多いほどそれに対応する人員や日数が多くなり、その対応分の給料等が共通費として大きくなります。①大手は毎年、②準大手は3年に1回(太陽のみ毎年)、③中堅監査法人ではレビューは3年に1回、検査は数年に1回となっています。このレビューや検査は2週間から1か月以上かかります。私が個人事務所として上場会社を監査していた時にレビューは2名が来所し1週間で済みました。1社のみでそうですから数十社、数百社の上場会社を監査している事務所はその中から数社または数十社をレビュー等の対象とされますので、1か月以上かかりそれに対応する人員を準備しなければなりません。その間、対応する人員は監査できないわけですからそのものに対する給料や報酬は共通費としてその監査事務所の監査報酬の単価に上乗せされることになります。
監査報酬のもう一つの構成要素『日数』について以下にて中身を見ていきましょう。
日数も大手>準大手>中堅>中小(個人含む)となるのは
まず1点目、単価でも述べましたが、大手や準大手、中堅監査法人の場合いずれも上場会社監査登録事務所に登録しており、協会(JICPA)レビューや金融庁の検査の対象となります。それに応じてレビューや検査に対してレビュー等するものが見てわかる監査証拠としての調書を作成する必要があります。この見てわかる調書を作成する時間が監査時間のかなりの程度を占めることが原因にあります。監査現場をよく知っている方は、一昔前と比べて監査中の会計士が黙々とPCと向き合っている時間が増えたと思われるのではないでしょうか。逆に言うと、非上場のみの監査法人や個人の公認会計士事務所の場合は、監査責任者が監査証拠としての心証を得られれば、レビュー等がないので、監査責任者が見てわかる調書を作ればよいのです。メモ書き程度で自分が後になってわかるのなら自由に調書を作成すれば良いということです。この違いは監査チーム全体を含めればかなりの監査時間の節約になります。また、レビュー等の結果、指摘事項が監査事務所に文書で提出されます。その指摘事項に対して今後どのように改善するかの報告書を提出します。この改善事項が多いほど、次回のレビューまでに監査調書の改善点を反映させます。これが毎回繰り返され、現場等で作成する監査調書はどんどん分量が増えていきます。
2点目は、特に大手と準大手に多いのですが、監査に不慣れな新人が多いということです。監査法人では毎年かなりの職員が退職します。元々、独立志向をもって公認会計士試験に合格した人が多いことやより良い条件やキャリアを求めて、他のコンサルティング会社などへ転職、またある一定年齢に達すると(40代)社員(会社で言う役員)になる人が限られてきます。社員にならずに、定年まで同じ監査法人で務める人はそれほど多くありません。そこで、転職や独立をして退職する人が多いのです。そのような退職者の穴を埋めるのが毎年の合格者である新人の試験合格者なのです。監査チームに新人が多いということは効率性が低下するのは当然です。また新人の作成した調書は、先輩のレビューを受けます。レビューの結果、足らずの調書の場合手続きの追加が頻繁に行われます。みなさんの会社等で新人が入れ代わりやってきて新人のOJTの場として使われていると感じることはないでしょうか。もし感じるならその会社はリスクが小さく新人のOJTの絶好の場として監査事務所が考えているということです。以上の理由から新人採用の多い順番に監査時間が多くなります。逆に言うと、個人の公認会計士事務所の場合が典型ですが、大手出身の独立したベテランの会計士でチームを組みます。ベテランなので、監査の効率も良く、ガチガチの見せる調書を作成する必要もないので、監査責任者の疑問に応えられ、監査証拠を入手したと実感できれば監査を短時間で行うことが可能となります。
以上の理由から、監査報酬の高い順番は上記のⅠの通りとなり、単価(A)も安く、時間(B)も少ない、中小監査事務所、すなわち非上場会社のみ監査している監査法人および個人の公認会計士事務所がもっとも監査報酬が安くなるということになります。
おわりに
緊急事態宣言が栃木県を除き1か月延長されることが決まりました。ここ1,2週間は感染者も減少傾向にありますが、まだ医療の現場はひっ迫していることが原因のようです。
みなさんの組織の中にはあと一ヶ月以上緊急事態宣言が続けば、もう持たないと思われるところもあるのではないかと心配しています。普段から経費節減を行っている会社等も更なる経費節減の必要性を感じているのではないでしょうか。
監査報酬は会計処理上「支払手数料」「支払報酬」「雑費」など様々な科目で処理されていますが、会計的には経費の一種です。法定監査対象の会社等の経営者は正しい財務情報を開示し、説明する責任を負っています。また、公認会計士監査は、その内容を検証して、「適正」か「不適正」か判断した結果を報告することとなります。その監査報酬についても、同じ結果が得られるのであれば、経費節減を考えるのも経営者の重要な役割です。
コロナ禍、経費節減を考える際、監査報酬についてももう一度、自らの組織に最も適した効率的な監査事務所を選ぶことは重要な判断だと考えます。
横田公認会計士事務所は、非上場の会社法監査、医療法人の会計監査、学校法人の会計監査、労働組合の会計監査など上場会社を除く会計監査に特化した監査事務所です。
上場会社を監査している監査法人と比較し、費用面を抑えて実質的な監査を行うことを基本方針にしています。効率性の高い会計監査を目指しています。
監査のご依頼・ご相談は、問い合わせフォーム(24時間年中無休)、電話にてのご連絡は平日10時~17時、にてご連絡ください。
3月決算の会社等の監査は日程等についてご相談ください。3月決算を除く会社等の監査はまだ日程的にお受けできますので大歓迎です。お気軽にご相談ください。
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会計監査:自社に適した公認会計士または監査法人を選ぶコツ(コロナ禍、監査報酬を見直したい!)
はじめに
コロナ禍、売上が減少し経費節減を実施したい会社や法人が多くなってきているようです。医療法人も近年、一定規模以上の医療法人や社会医療法人は法定監査の対象となりました。その医療法人の50%以上が赤字の状態だそうです。新型コロナウイルス感染症により、外来で訪れる患者が減っていることが一番の要因です。飲食業や観光業も緊急事態宣言により利用者が激減しています。飲食業といえば小規模な居酒屋やバーなどを思い浮かべる人が多いと思いますが、大手の居酒屋チェーンや牛丼・食堂のフランチャイズ店、それらに食材を提供する一定規模以上の食品会社も時短営業の影響等を受けて売上が減少しています。この状態はワクチン接種を国民全員が終えるまで続くと考えられます。
このように医療法人のみならず、法定監査の対象である一定規模以上の会社も売上減少により、経費の節減が企業存続の要となってきています。
【公認会計士または監査法人の監査を受けなければならない会社等】
法定監査とは、主に以下の法人等に対して法令等で公認会計士または監査法人の監査(以下外部監査)が義務付けられているものです。
①上場会社(金融商品取引法に基づく監査)
②会社法に基づく監査(大会社及び委員会設置会社)
③学校法人の監査(国や地方公共団体から補助金を受けている)
④公益社団・財団法人
⑤一般社団・財団法人
⑥社会福祉法人の監査
⑦医療法人の監査
その他については以下を参照ください。
日本の監査制度 | 日本公認会計士協会 (jicpa.or.jp)
【公認会計士または監査法人の規模別状況】
規模の大きい(職員数の多い)順に以下の通り分類します。
①大手監査法人
②準大手監査法人
③中堅監査法人(準大手より小規模で上場会社の監査をしている監査法人)
④中小監査事務所(ここでは非上場会社のみ監査している監査法人及び個人の公認会計士事務所)
④の中小監査事務所について、監査法人と個人事務所を分類せず一緒にしているのは、非上場会社のみ監査している監査法人の実質は、監査法人は社員(会社の取締役)5人以上で構成されますが、④の監査法人はそれぞれの社員が個人事務所と同じようにそれぞれ監査を実施し、横の連携がなく監査法人という名前の下に集まっている組織というのが実情だからです。事務所も会計も従業員もそれぞれ別に雇っていて、社員の個人事務所のどこか一箇所を法人事務所としている監査法人というのが多くの実態と言っても過言ではありません。
【公認会計士または監査法人の規模別実情】
①については4っつの法人だけであり、新日本、トーマツ、あずさ、Pwcあらたです。これらの監査法人は職員数では3,000人以上最も多いトーマツは約7,000人で事務所も全国的に展開しています。
海外の大手会計事務所とも提携しています。
②については、太陽、仰星、東洋、三優、Pwc京都です。職員数や事務所も大手には及びませんが、比較的多数の上場会社を監査しています。上場会社の数が多い順に太陽237社、仰星85社、東洋83社、三優69社、Pwc京都50社
③については、上場会社の監査先で一番多いのがアーク41社であり、他はそれより少なく、1社のみという監査法人が一番多くなっています。2020年10月現在でアークを含め合計105の監査法人が存在します。
④については、2020年末現在、監査法人数は254法人あるため、①,②,③を除いた約140法人あることになります。個人の公認会計士事務所で監査を行っている事務所については非公表のためどれほどあるかわからないので実情です。
【結論:ずばり会社等の規模別の適正な会計監査人の選び方】
会社や法人等の規模別にどの規模の監査人を選べば費用対効果が一番高い(監査報酬が安い)かの結論を述べましょう。
法定監査を受ける会社や法人の規模を以下の4区分に分類します。
①売上高等の収益が300億円未満で従業員300人未満、
②売上高等の収益が1,000億円未満で従業員1,000人未満(①を除く)
③売上高等の収益が1,000億円以上で従業員1,000人以上
④上場会社
①~③は非上場の会社や学校法人・医療法人等です。
①→中小監査事務所>中堅監査法人
②→中堅監査法人>準大手監査法人
③→中堅監査法人>準大手監査法人>大手監査法人
④→中堅監査法人>準大手監査法人>大手監査法人
以上となります。
①の区分の会社は中小監査事務所(当事務所を含む)が最適ですが、中小監査事務所の場合は代表者個人との相性がすべてと言っても過言ではありません。必ず面談して代表者との相性を確かめてください。
①や②の区分の会社でも、監査が必要なほどの重要な海外子会社がいる場合は、その子会社の数の程度により、
中堅監査法人→準大手監査法人→大手監査法人の順番でコンタクトするのが一番良いかと考えます。
最後に③,④の場合でグローバルに海外展開している会社は大手監査法人の一択のみとなります。監査報酬を安く抑えるためには、大手監査法人の中で見積を取って一番安い監査報酬を提示した監査法人を選択するのが賢明でしょう。品質の差はほとんどありません。代表者個人との関係も希薄であり、どちらにしろ数年で代表者はローテーションで変わります。監査法人という組織との付き合いだとビジネスライクにお考えください。
次のブログで、なぜ、上記の結論になるのか『監査事務所の規模別の監査報酬についての分析』として監査報酬の構成要素とその中身を説明します。
おわりに
コロナ禍、経営が厳しい会社や法人にとって、社会的な必要経費としての監査報酬も企業の存続を考えれば、なるべく抑えたいのが実情でしょう。しかし、質の悪い監査を受けて、監査人が重要な従業員の不正や会社の経理の重要なミス等を見逃すようなことがあっては、のちのち会社や法人の信用問題に発展し、損害賠償や規制当局からの行政処分を受けてしまいます。そのようなことになって、コロナ後に問題が発覚し会社や法人の存続危機がその時に訪れて後悔しても遅いということになります。
このブログを見られている方の多くは、上記の会社や法人等の規模では①に該当すると思われます。
法定監査の監査人としては、中小監査事務所を選ぶべきです。中小監査事務所は本文でも説明していますが、上場会社を監査していない個人事務所の集まりのような監査法人又は個人の公認会計士事務所です。これらの数は、他の規模の監査法人に比べて圧倒的に多くの事務所が存在します。
中小監査事務所の中で、どの事務所を選ぶべきか迷っている方や、中小監査事務所は情報が少なくどの事務所を選べばよいかわからないと言う方も多いでしょう。
そのような時は、監査責任者が上場会社の監査責任者の経験があるかどうかを一つの指針としてください。上場会社の監査責任者の経験があれば、協会(JICPA)のレビューや金融庁の検査を受けた経験があります。その経験の下で監査を行いますので、質の悪い監査を行うリスクは低いと言えます。
当事務所は、上場会社の監査責任者の経験があり、監査チームのメンバーは大手監査法人出身の独立した個人事務所を経営するベテラン会計士で構成しています。安心してご依頼ください。また、中小監査事務所の場合、当事務所に限らず、監査法人と比較して、監査責任者が現場にめったに来ないということはありません。監査責任者が先頭に立って現場で監査を行います。信頼感の持てる監査を提供いたします。
その場合、監査責任者との相性も重要となるでしょう。まずは、当事務所に限らず、心当たりのある監査事務所が見つかれば、監査責任者に問い合わせして、どのような人柄なのかを確かめてみてはいかがでしょうか。
横田公認会計士事務所は、非上場の会社法監査、医療法人の会計監査、学校法人の会計監査、労働組合の会計監査など上場会社を除く会計監査に特化した監査事務所です。
上場会社を監査している監査法人と比較し、費用面を抑えて実質的な監査を行うことを基本方針にしています。効率性の高い会計監査を目指しています。
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雇用調整助成金の会計処理:通常とコロナ禍の特例措置の違い
はじめに
ここ最近、新型コロナウイルスのワクチン接種のニュースが多くなっています。イスラエルのワクチン接種が世界でいち早く行われており、3月までには国民全員がファイザー社のワクチン接種を2回受ける予定となっています。現状で、ワクチンを2回接種した人の感染率は0.01%と低く、感染した人の症状も軽症で高熱などの症状もないとのこと。日本も一刻も早いワクチン接種が待ち遠しい今日この頃です。
さて、個人事業者や法人が支給を受けた「雇用調整助成金」の収入計上時期ですが、国税庁が更新した情報では、通常は助成金の支給額が確定していない場合でも金額を見積り、休業を実施した事業年度に収入(益金)を計上します。ただし、今回のコロナ禍で支給要件の緩和等がされている“特例措置”では、実際に支給があった事業年度に収入計上することもできます。
通常の会計処理
雇用調整助成金の支給手続きでは、通常、休業期間等を計画し労使協定を結んだ後に、労働局等に「計画届」を提出します。その計画等に基づき休業の実施や休業手当を支給し、休業の実績に基づいて助成金の支給申請を行います。
最初に、「計画届」の提出の手続きをとり、雇用調整助成金による補填を前提に休業手当が支給されるため、収益費用対応の観点から、休業を実施した事業年度に支給額が確定していなくても、支給額を合理的に見積もって休業を実施した事業年度に収入を計上するものとされています。税務も同様です(法基通2-1-42)。
(会計処理)
休業を実施した年度末に支給見込額を見積り以下の仕訳を行う。
Dr)未収入金××× Cr)雑収入 ×××
コロナ禍の特例
コロナ禍の特例措置として、同助成金の支給要件の緩和や助成率の引き上げ、手続きの簡素化などが図られています。事前の「計画届」の提出が不要とされています。通常の措置とは異なり、休業の実施や休業手当を支給した後に、その実績に基づき支給申請を行えばよく、あらかじめ手続きをとり、同助成金の補てんを前提に休業手当が支給されているものではないこととなります。
この場合には、休業手当の支給が同助成金による補填を前提としていないことから、支給の決定を受けた事業年度に支給額を収入に計上すればよく(支給決定基準)、休業を実施した事業年度においては金額を見るもる必要はありません。
コロナ禍の特例の雇用調整助成金は、任意の1年間の対象期間内の休業の実績を1か月単位で判定し、通常はその期間ごとに支給申請をする仕組みになっています。
各支給申請に係る雇用調整助成金の支給が決定する度に、その支給額を収入計上する処理を行うこととなります。
おわりに
コロナ禍特例の雇用調整助成金は、上記に様に、労働局の審査を経て支給決定時に支給額を収入に計上します。事業年度末までに支給決定が通知されており入金がまだの場合には以下の仕訳を行います。
・支給決定額の通知があった場合の未入金の支給額
Dr)未収入金××× Cr)雑収入×××
・事業年度末に支給決定がない場合
仕訳無し
支給額は雑収入として、営業外収益に計上し、休業に関わった費用と相殺するのは間違った処理となりますので注意してください。
横田公認会計士事務所は、非上場の会社法監査、医療法人の会計監査、学校法人の会計監査、労働組合の会計監査など上場会社を除く会計監査に特化した監査事務所です。
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緊急事態宣言下、時短・リモートにて営業しておりますので電話でのご連絡は平日11時~16時までにお願いします。なお、緊急の場合を除き、できるだけ問い合わせフォームをご利用ください。
令和2年分の医療費控除の適用には『医療費控除の明細書』の添付が必須
はじめに
大阪で緊急事態宣言が発出されてから2週間が経ちます。昨日の大阪の感染者数は343名、東京では1,026名となっていますが漸く、ここ一週間は前週の同じ曜日と比べて減少してきています。ただし、緊急事態宣言の期日である2月7日に宣言が解除されるかは微妙なところです。そもそも人手があまり減っていない現状、宣言を解除してもしなくてもそれほど大きな違いが無いのでは?という疑問もあります。
それでは、本題に入ります。令和2年分の所得税から医療費控除の適用を受けるためには「医療費控除の明細書」が必須となります。平成29年分から令和元年分までの各年分の確定申告について、経過措置として、従来通り医療費の領収書の添付又は提示により申告することもできましたが、令和2年分以後は『医療費控除の明細書』の添付がなければ適用できなくなります。
なお、医療費控除とは選択適用となるセルフメディケーション税制についても、医療費控除と同様に明細書の添付を要する点にも留意ください。
医療費控除の明細書
医療費控除の明細書については、以下で構成されています。
1.医療費通知に記載された事項
2.医療費(上記1以外)の明細
3.控除額の掲載
1.には医療費通知(原本)を提出する場合に記入しますが、医療保険者から交付を受けた医療費通知を添付することで明細書の記載を諸略出来ます。
医療費通知とは、①被保険者等の氏名、②療養を受けた年月日、③療養を受けた者、④療養を受けた病院、診療所、薬局の名称、⑤被保険者等が支払った医療費の額、⑥被保険者等の名称のすべての事項が記載されたもので、すべての記載がなければ利用できません。健康保険組合等が発行する「医療費のお知らせ」が該当し、例年1月半ばころに送付されるものがこれに当たります。
その他、2.医療費(上記1以外)の明細は、医療費の領収書から必要事項を記載します。3.控除額の掲載は医療費控除額を計算し、確定申告に転記するものです。
領収書の保存期間
領収書は5年間の保存義務があります。医療費控除の適用に当たっては、平成29年税制改正により、医療費控除の領主所の添付又は提示に代えて「医療費控除の明細書」の添付が必要となりました。経過措置によって、平成29年分から令和元年分までは、明細書の添付に代えて、医療費の領収書の添付又は提示によることもできるとされていました。その経過措置が終了したことから、令和2年分の所得税からは医療費控除の明細書の添付がない場合は適用を受けられなくなるためです。
令和2年分の所得税から医療費控除の明細書の添付が必要となり、領収書の添付等が不要となったものの、明細書に記載した医療費については、確定申告期限の翌日から5年を経過する日までの間は、税務署から医療費の領収書の提示又は提出を求められる場合があるので、自宅で領収書を保存する義務があります。
おわりに
医療費控除とセルフメディケーション税制の明細書は、国税庁HPからダウンロードが可能で、医療費集計フォームを利用して計算することができます。
医療費控除の準備:令和2年分 確定申告特集 (nta.go.jp)
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今後の会計事務所の付加価値を上げるものは財務に関するスキル
はじめに
経営者が会計事務所に対して抱く不満には、以下のようなものがあります。
・経営、資金繰りの相談に乗ってくれない
・試算表作成の時は短い時間しか会社にいない
・商売の実態に応じた財務指導がもらえない
・融資をどのように受けたらよいのかの知識がない
などなど、経営者は「財務」を重視しているのに、相変わらず税理士は「税務」(節税)を重視していないでしょうか。
旧来の会計事務所が提供してきたサービスに加えて、会計事務所の付加価値を上げるために財務コンサルの業務が必要ではないでしょうか。
税理士と財務コンサルティング業務の相性はよく、既存の高い専門知識を活かせることに加え、経営者に対して税務に加えて、財務の面から積極的にアドバイスをすることができるため、結果として、会計事務所としての付加価値を上げることになります。
財務コンサルティングの業務内容
財務コンサルティングの業務内容は、財務諸表の作成、税務申告という業務から財務諸表から経営状態の分析を行い、経営上の課題や伸びしろの発見、資金繰り改善、銀行融資ノウハウの提案などを行います。数字の面から事業戦略実現の角度を高めるアドバイスをする、まさに経営者の参謀としての役割を担うものです。
そのため、顧客の事業への理解はもちろん、業界のことや刻一刻と変化する社会情勢も理解している必要があります。
当然ながら、財務・税務コンサルをする上では高度な知識が求められることはもちろん、常に勉強し続ける姿勢が求められます。
資金繰り表や事業計画書の作成を行い、銀行融資のノウハウを提供することで、単なる税務顧問ではなく、会社の右腕を外部採用するイメージを顧客は持つのではないでしょうか。結果、顧客である会社は顧問料とは別に財務コンサルティング料として相応の報酬を支払うことについて躊躇しないのではないでしょうか。
旧来の業務との違い
財務コンサルタントは、財務諸表から会社の経営状況を分析・判断したうえで、現状の課題やその対策はもちろん、将来どのように経営をしていくべきかアドバイスをすることがメイン業務となります。
これまで会計事務所に求められてきた財務諸表の作成から税務申告、節税対策といった経験を活かしつつ、更にその先に踏み込んだ業務と言えます。
税理士になるために国家資格を取得する必要があるのに対し、コンサルでは独占資格にあたるものが特に存在しません。そのため、この分野においては、他の経営コンサルタントと競合することになります。しかし、税理士の有資格者が「会計分野の専門家」として、アドバイスをすることで、無資格の経営コンサルタントとの差別化を図ることができます。
税理士が財務コンサルティングするメリット
税理士が財務コンサルティングを行うメリットは、旧来の会計や税金に関する支援を通じて、顧客企業の経営状態を深く理解している点にあります。その企業の財務状況を的確に把握している中で、そこから更に発展したアドバイスができるため、顧客企業としても安心してアドバイスを受け入れてくれるでしょう。
そのため、財務コンサルができる税理士にかかる期待は大きく、寄せられる信頼も確固たるものになります。まさに会社の右腕としての信頼を得られるのではないでしょうか。
近い将来、会計自動化の流れやAIを利用した新しいサービスが台頭してくるとしても、積極的にそれらを活用して、課題抽出や経営戦略の提案ができる税理士なら顧客の信頼は確固たるものとなることでしょう。
おわりに
税理士がコンサルティング業務をするうえで、求められるスキルをいくつか挙げてみます。
●財務諸表から経営状態を読み解く洞察力(資金繰り表や事業計画書の作成)
●顧問先のビジネスに高い関心をもつこと
●顧客を説得するコミュニケーションスキル
税務に関する専門家ともいえる税理士は、財務諸表などから今までの企業の財務状態を把握する能力に長けています。
その反面、顧問先のビジネスに高い関心をもつことや顧客を説得するコミュニケーションを苦手とする税理士もいます。独占業務を中心にサービスを提供してきたことで、教える側、指導する側としてのスタンスが抜けない税理士は注意が必要です。税理士が顧客に対してマウンティングしてしまうようでは、信頼を得ることはできません。
もちろんコンプライアンスを守ることは前提となりますが、一般論や正論を振りかざすのではなく、経営者と目線を合わせて、一緒に課題解決をすること、将来の展望を語ることが財務コンサルティングを行っていく際に必要になると考えます。
横田公認会計士事務所は、非上場の会社法監査、医療法人の会計監査、学校法人の会計監査、労働組合の会計監査など上場会社を除く会計監査に特化した監査事務所です。
上場会社を監査している監査法人と比較し、費用面を抑えて実質的な監査を行うことを基本方針にしています。効率性の高い会計監査を目指しています。
監査のご依頼・ご相談は、問い合わせフォーム(24時間年中無休)、電話にてのご連絡は平日10時~17時、にてご連絡ください。
3月決算の会社等の監査は日程等についてご相談ください。3月決算を除く会社等の監査はまだ日程的にお受けできますので大歓迎です。お気軽にご相談ください。
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収益認識基準を適用した場合の税務上の取扱い(電気・ガス事業者等)
はじめに
昨日は、東京都の新型コロナウイルス感染症の陽性者が久しぶりに1,000人を下回りました。直近一週間のコロナ感染者数も減少傾向にあります。少しですが、光が見えてきたような気がしています。引き続き、ワクチン接種や治療薬が開発されるまで人との接触はなるべく避け、テレワークや不要不急の外出は控えたいと思っています。
さて、以前のコラムにも記載しましたが、収益認識に関する会計基準の適用指針の改正案では、検針日基準を認めていません。
電気・ガスの事業者は検針日程と会計期間とで異なる部分の収益の見積りが必要となります。平成30年度税制改正では、確定した収益認識会計基準(会計処理)を取り込む形で法人税法が改正されました。当時は会計基準において検針日基準に関する特別の対応の可能性が残されていたため税務対応についても気になるところとなります。
税務における検針日基準
法人税に関しては、基本通達で検針日基準の取扱いが示されています。要は、「月等を単位として規則的な検針に基づき料金の算定が行われ、法人が継続してその検針が行われた日に収益計上を行っているときは、当該検針による収益の計上を認める」というものです。この内容から検針日基準が収益の金額と時期の決定方法として認められていることがわかります。
会計基準適用なら検針日基準は?
収益認識基準を適用していない場合、従来通り検針日基準により収益経理をしている場合はその処理も税務上公正な処理基準に該当し、検針日基準で算定する収益の額を税務上も計上することになります。
一方、税務上は、一般に公正妥当と認められる会計処理の基準に従って収益経理した場合は、事業年度の所得の金額の計算上、益金の額に算入することが明確化されている(財務省「平成30年税制改正の解説P.274」ことから、収益認識基準の適用企業は、税務上も収益認識基準に従った見積りによる収益の額を計上することになります。
申告調整によって検針日基準で算定する収益の額に戻すことはできないということになります。逆に言うと、検針日基準に戻す必要はないということです。
おわりに
税務上、収益認識基準による収益を益金の額に算入することが明確化され、検針日基準を認めない収益認識基準の場合、検針日から期末日までの日数等の応じて収益を追加で見積り計上することになりますが、そもそも初年度は収益(益金)の額が見積分だけ多くなります。私個人の見解としても益金の額が多くなることについて税務上否認されることはあり得ないことだと思っています。
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