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ブログ - 大阪で会計士の監査は横田公認会計士事務所

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会社法上、取締役会での決算確定のケースと申告書提出時期

カテゴリ: 税務 公開日:2022年06月13日(月)

確定決算の意義

法人税の課税標準は、確定した決算に基づく申告によって確定しますが、確定した決算に基づく申告とは、具体的には、次のことを表明したものです。

法人税の申告は、法人がその決算に基づく計算書類につき株主総会の承認、総社員の同意その他の手続による承認を受けた後、その承認を受けた決算に係る利益の計算に基づいて税法の規定により所得金額の計算を行い、その所得金額及び利益の計算とその所得金額の計算の差異を申告書において表現するものであること

つまり、税務申告書を提出する場合は、株主総会の承認を得た計算書類に基づいて所得金額の計算を行い確定申告を提出するのが基本的な流れとなります。

法人税に係る申告期限の1か月延長特例

申告期限の1か月延長特例とは、「定款等の定めにより、各事業年度終了の日の翌日から2か月以内に当該各事業年度の決算についての定時総会が招集されない常況にあると認められる場合」に、国税当局に申請することで適用が認められます(法法75の2①)。

上記のように、同特例は、事業年度終了の日の翌日から2か月以内に定時株主総会が招集されない場合を適用対象としていますが、実務上、当特例を適用しているからといって、定時株主総会後の申告書の提出が強制されるものではありません。

そのため、例えば、3月決算の会社が、5月開催の取締役会の承認により決算を確定させたのであれば、6月末の定時株主総会前に申告書を提出することも許容されるほか、事後的に、同特例の適用が取り消されることもありません。

取締役会で決算確定できる会社

具体的には、会計監査人設置会社の場合、会社法上、定時株主総会での決算確定の承認を経ることなく、取締役会の承認により決算を確定させることもできます。

会計監査人設置会社の特則

第439条 会計監査人設置会社については、第436条第3項の承認を受けた計算書類が法令及び定款に従い株式会社の財産及び損益の状況を正しく表示しているものとして法務省令で定める要件に該当する場合には、第438条第2項の規定(計算書類は、定時株主総会の承認を受けなければならない)は、適用しない。この場合においては、取締役は、当該計算書類の内容を定時株主総会に報告しなければならない。

このように、会計監査人設置会社の場合は、法人税に係る申告期限の1か月延長特例の適用を受けている場合でも、取締役会の承認により決算を確定させているのであれば、定時株主総会開催前に法人税の申告書を提出しても問題ないことになります。

法人税申告書別表一の「決算確定の日」はいつ?

表題の別表一の「決算確定の日」の欄には、定時株主総会の開催日を記載することが一般的ですが、取締役会の承認により決算を確定させて定時株主総会前に申告書を提出する場合には、取締役会での決算承認日を記載すればよいことになります。

おわりに

会計監査人設置会社の場合のように、取締役会の承認により決算を確定させる場合であっても、その計算書類(貸借対照表、損益計算書等)の内容を定時株主総会に“報告”する必要があります。

以上

横田公認会計士事務所は、非上場の会社法監査、医療法人の会計監査、学校法人の会計監査、労働組合の会計監査など上場会社を除く法定監査・任意監査に特化した監査事務所です。

上場会社を監査している監査法人等と比較し、費用面を抑えて実質的な監査を行うことを基本方針にしています。効率性の高い柔軟な会計監査を行うことが可能です。

監査等のご依頼・ご相談は、問い合わせフォーム(24時間年中無休)にてご連絡ください。以下のアドレスに直接メールされる方は、①お名前・②所属組織・③連絡先・④問い合わせ内容を記載して送信ください。電話でのご依頼の場合も同様の項目をまずはお伝えください。所属組織や連絡先の記載がない問合せはお断りします。

各種法定監査や合意された手続業務・税務顧問のご依頼・ご相談は気軽に問い合わせください。

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法人税申告書 

会計監査人の異動!5月は109社!大手監査法人から準大手・中小への流れ加速!

カテゴリ: 監査 公開日:2022年06月12日(日)

はじめに

会計監査人の異動の流れが加速しています。以前のブログでも触れていますが、大手監査法人・準大手監査法人の公認会計士の人手不足により、監査報酬の値上げのラッシュが続いています。

上場会社が一番多い3月決算期で、6月の株主総会で会計監査人を変更する会社は5月一月で109社がIRを公表しました。

監査報酬の値上げに耐えられない上場会社が、大手監査法人からより監査報酬の安い準大手監査法人へ、更には中小監査法人へ会計監査人を変更する傾向が鮮明になっているようです。

会計監査人異動109社の内訳

①大手監査法人から中小監査法人へ変更した会社 48社

②大手監査法人から準大手監査法人へ変更した会社 24社

③中小監査法人から中小監査法人へ変更した会社 20社

上記、3区分だけで全体の84%を占めています。

準大手監査法人から中小監査法人への変更は7社ありますので、より監査報酬の安い小さな監査法人への異動及び中小同士の異動が、全体の90%を超えています。

中小でも比較的規模の大きい監査法人は人手不足が目立つように!

株式会社アテクト(東証スタンダード)は、5月25日、ひびき監査法人の退任とひかり監査法人の就任を公表しました。

異動理由:当社の会計監査人であるひびき監査法人より、監査法人内の人事異動及び担当者の退職により翌年度の監査チームの人員確保が困難となったため、翌年度の監査契約を継続できない旨の申し出があり、受理しました。

現状は、中小監査法人内でも比較的規模の大きい監査法人から規模の小さな監査法人へ移動する事例が増加する傾向にあるようです。

退任監査法人と就任監査法人の傾向

5月の会計監査人の異動を詳細に見ると、退任監査法人の数が一番多い

EY新日本有限責任監査法人 26社

逆に、就任監査法人として新規にクライアントを積極的に受け入れている監査法人は

太陽有限責任監査法人 16社

という状況です。

今後は、太陽有限責任監査法人から更に中小の各監査法人へ移動する流れが想像できます。

それでは、最も受け皿となっている中小監査法人についてIRに基づいて監査法人名を挙げてみますが、それぞれ中小なので太陽有限責任監査法人ほど多くのクライアントを受け入れることはできず、ばらけてそれぞれが受け入れている様子が浮かび上がります。

中小の中でも受け皿となっている監査法人

以下、多くても5月の就任は2,3社となっていますが、以下の監査法人が大手や準大手、更には中小の中でも更に受け皿となっている就任監査法人です。

上場会社で中小監査法人へ変更しようと考えている会社はご参考にしてください。

・海南監査法人

・史彩監査法人

・シンシア監査法人

・監査法人アヴァンティア

・ゼロス有限責任監査法人

・監査法人まほろば

・OAG監査法人

・やまと監査法人

・監査法人日本橋事務所

・永和監査法人

・ひかり監査法人

・かがやき監査法人

・アーク有限責任監査法人

・監査法人やまぶき

・監査法人銀河

など

小規模な中小監査法人への異動理由の具体例

①株式会社レントラックス(東証グロース)

IR公表日:2022/5/30

退任監査法人:太陽有限責任監査法人

就任監査法人:ゼロス有限責任監査法人

異動理由:監査役会がゼロス有限責任監査法人を会計監査人の候補者とした理由は、当社の事業規模に見合った監査費用と監査対応の相当性等について、他の監査法人と比較検討した結果、当社の会計監査人として適任と判断したためであります。

②株式会社北弘電社/札証(1734)

IR公表日 :2022/05/11

退任監査人: EY新日本有限責任監査法人

就任監査人: 監査法人銀河

異動理由:監査役会が監査法人銀河を会計監査人の候補者とした理由は、同監査法人の監査実績や監査報酬が当社の事業規模に適していること、

③エコナックホールディングス株式会社/東証プライム(3521)

R公表日 :2022/05/19

退任監査人: フロンティア監査法人

就任監査人: 監査法人やまぶき

異動理由:フロンティア監査法人から、当社の度重なる監査報酬の減額により、監査工数および他の受嘱先との監査報酬のバランスも取れなくなるため、今会計年度の監査を継続しない旨の通知がありました。よって、本監査業務の終了をもって、当社との監査業務を終了するとともに、会計監査人を退任することとなりました。

監査役会が監査法人やまぶきを会計監査人の候補者とした理由は、新たな視点での監査が期待できることに加え、~略~当社の事業規模に適した効率的かつ効果的な監査業務の運営が期待できることから、当社の会計監査人として適任と判断したためであります。

おわりに

公認会計士の人手不足による監査報酬の値上げにより、

大手監査法人から準大手監査法人へ

準大手監査法人から中小監査法人へ

中小監査法人の中でも規模の大きい監査事務所から規模の小さい監査事務所へ

という流れが止まりそうもありません。

5月の会計監査人の異動の中には、個人の公認会計士事務所の連名による会計監査人就任もありました(上場会社は個人の公認会計士事務所による単独監査はできない)。

当事務所も5年前までは、個人の公認会計士事務所の連名により東証プライム市場上場会社の監査を行っていましたが、当時は、東芝の不適切会計問題等により、個人の公認会計士事務所から監査法人へ移動する流れが加速していましたが、逆の流れが起きつつあるようです。

以上が、上場会社を取り巻く会計監査人の異動の状況です。

非上場会社等の法定監査、すなわち会社法単独監査や医療法人等の監査などでは、もちろん個人の公認会計士事務所による単独監査が可能です。

これらの法定監査では、益々個人の公認会計士事務所による単独監査の需要が多くなるのではないでしょうか。

 監査法人から個人の公認会計士事務所への異動を考えている法定監査の会社等の責任者は早めに決断しないと、個人の公認会計士事務所も監査をお断りする状況がすぐそこまできています。お早めに決断することをお薦めします。

以上

横田公認会計士事務所は、非上場の会社法監査、医療法人の会計監査、学校法人の会計監査、労働組合の会計監査など上場会社を除く法定監査・任意監査に特化した監査事務所です。

上場会社を監査している監査法人等と比較し、費用面を抑えて実質的な監査を行うことを基本方針にしています。効率性の高い柔軟な会計監査を行うことが可能です。

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監査人の異動

わかりやすいインボイス制度と免税事業者の経過措置の帳簿への記載

カテゴリ: 税務 公開日:2022年06月04日(土)

インボイス制度とは

インボイス制度とは「適格請求書保存方式」のことをいいます。所定の記載要件を満たした請求書などが「適格請求書(インボイス)」です。インボイスの発行または保存により、消費税の仕入額控除を受けることが可能です。

インボイス制度は売り手側、買い手側双方に適用されます。売り手側は、取引相手(買い手)から求められたときには、インボイスを交付しなければなりません。買い手側は、原則として取引相手(売り手)から交付を受けたインボイスの保存が必要となります。

インボイス制度は2023年10月1日からスタートします。それまでに、売り手側は「適格請求書発行事業者」になっていなければなりません。適格請求書発行事業者でなければ、インボイスを発行できないからです。登録申請書の提出が可能となるのは、2021年10月1日以降です。

適格請求書発行事業者とは

インボイスを発行できるのは、適格請求書発行事業者だけです。適格請求書発行事業者になるためには、税務署への申請が必要です。登録申請書を税務署に提出し、審査を経て登録番号が通知されると、適格請求書発行事業者になれます。

登録申請書は、インボイス制度導入の2年前となる2021年10月1日から提出が始まっています。

インボイス制度導入は非常に多くの事業者に影響することから、申請書の審査には時間がかかることが予想されます。2023 年10月1日の制度導入と同時にインボイスが発行できるようになる(=適格請求書発行事業者として登録される)ためには、導入半年前の 2023年3月31日までに申請書を提出するよう、国税庁は推奨しています。

「適格請求書発行事業者」の登録(届け出)の方法

e-Taxを使えば電子申請を行えます。電子申請の場合、本人確認書類の添付を省略でき、また個人事業主はスマートフォンからの申請も可能であるため、利用可能な場合はぜひe-TAXを利用しましょう。国税庁もe-TAXによる電子申請を推奨しています。

e-TAXを利用しない場合は、申請書を所轄の税務署へ①直接持参もしくは②郵送して申請できます。申請書の書式は国税庁のWebサイト「適格請求書発行事業者の登録申請手続」からダウンロード可能です。

適格請求書発行事業者の登録申請に手数料等はかかりません。

インボイス制度で影響を受けるのは課税事業者

もっとも大きな影響を受けるのは、消費税を納税している課税事業者です。インボイス制度が始まると、モノ・サービスを提供した側(売手)は「買手の課税事業者から求められたときは、インボイスを発行しなければならない」という義務と「発行したインボイスの控えを保存しておかなければならない」という2つの義務が発生します。

一方、モノ・サービスの提供を受けた側(買手)は、消費税の仕入税額控除を受けようとする場合に、帳簿だけでなくインボイスも保存しておくことが必要になります。

課税事業者は、これらの変更によって「売手側も買手側も、経理事務の作業が従来よりも増える」という影響が考えられます。

免税事業者にはどのような影響があるか

個人事業主やフリーランスで、消費税を納税していない免税事業者の場合は、インボイス制度の影響はないのでしょうか。免税事業者の場合、インボイス制度の開始によって何か法律上の義務が新たに発生するわけではありません。しかし、課税事業者へモノ・サービスを納めている場合には注意が必要です。

インボイス制度が始まると、課税事業者は、免税事業者から購入した商品・サービスの費用を仕入税額控除できません。買手の課税事業者にとってみれば、控除が受けられない=納める消費税が多くなるということであり、その分だけ会社の納める消費税が増えてしまうということになります。そのため、課税事業者にモノ・サービスを納めている免税事業者には、下記のような影響が出ると予想されます。

  • モノ・サービスの品質や金額が同等であれば、免税事業者よりも課税事業者から仕入れるように切り替えられてしまう可能性がある
  • 仕入税額控除できないので、今まで請求できていた消費税が請求できなくなる(実質的に売上が10%減少する)

「一般の消費者や、免税事業者にしかモノ・サービスを販売していない」という場合であっても、今回のインボイス制度開始により「取引先の免税事業者が課税事業者へ切り替える」という可能性もあります。つまり、企業規模の大小や個人か法人かを問わず、何かしらインボイス制度の影響があると考えておいた方が良いでしょう。

インボイス経過措置と帳簿への記載

インボイス制度導入の2023年10月1日まで1年半を切り、経理担当者は、請求書等の対応を早めに準備したほうが良いでしょう。

インボイス制度導入後も一定期間、免税事業者からの仕入れについて仕入税額控除を受ける方法はあります。現行の区分記載請求書等保存方式(2023年9月末まで)における帳簿に、一定の記載事項を追記することが必要となります。

インボイス制度では、原則として免税事業者からの仕入れについて仕入税額控除の適用を受けることができません(新消法30⑦)。

ただし、記載事項を満たした帳簿と請求書等の保存という要件を満たせば、下記期間中の課税仕入等は一定割合を控除できる経過措置があります(平成28年改正法附則53,53)。

・2023年10月1日から2026年9月30日までの控除可能割合→「仕入税額相当額の80%」

・2026年10月1日から2029年9月30日までの控除可能割合→「仕入税額相当額の50%」

帳簿に追加が必要となる記載事項とは、「経過措置の適用を受ける課税仕入である旨」とういことです。

記載方法は、各経過措置対象取引に記号(例●)を示し、「※●は免税事業者からの仕入れ」と別途表示する方法で良いとされています。

なお、帳簿に加えて保存が必要な請求書等に求められる記載事項は、区分記載請求書等保存方式(※1)の記載事項と同様となります。

※1:要は、請求書に「軽減税率対象品目である旨」と「税率ごとの合計額」の記載がある請求書を保存することです。

※2:一方、適格請求書保存方式(インボイス制度)とは、請求書に「適格請求書発行事業者の登録番号」を記載することが追加されているだけです。要は、適格請求書発行事業者が発行する請求書を保存すればよいのです。難しく考えないでください。

以上

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 (インボイス制度等税務に関する質問等で電話されるのは迷惑です。ブログは善意で情報提供しています。ご自分の責任でご活用ください。メールでご来所の予約をされてから有料にてご相談を受けます)

 

インボイス制度

会社計算規則等の改正(2020年11月改定監査基準を受けて)

カテゴリ: 監査 公開日:2022年05月19日(木)

●2020年11月改訂監査基準等を受けての会社計算規則等の取扱い

Ⅰ.法務省からは、2021年1月29日付で「会社法施行規則及び会社計算規則の一部を改正する省令」が公表され、会社計算規則第126条第1項において、次のとおり第5号を追加する改正がなされています。

会計監査人は、計算関係書類を受領したときは、次に掲げる事項を内容とする会計監査報告を作成しなければならない。

1 会計監査人の監査の方法及びその内容

2 計算関係書類が当該株式会社の財産及び損益の状況を全ての重要な点において適正に表示しているかどうかについての意見があるときは、その意見(当該意見が次のイからハまでに掲げる意見である場合にあっては、それぞれ当該イからハまでに定める事項)

イ 無限定適正意見 監査の対象となった計算関係書類が一般に公正妥当と認められる企業会計の慣行に準拠して、当該計算関係書類に係る期間の財産及び損益の状況を全ての重要な点において適正に表示していると認められる旨

ロ 除外事項を付した限定付適正意見監査の対象となった計算関係書類が除外事項を除き一般に公正妥当と認められる企業会計の慣行に準拠して、当該計算関係書類に係る期間の財産及び損益の状況を全ての重要な点において適正に表示していると認められる旨並びに除外事項

ハ 不適正意見 監査の対象となった計算関係書類が不適正である旨及びその理由

3 前号の意見がないときは、その旨及びその理由

4 継続企業の前提に関する注記に係る事項

5 第2号の意見があるときは、事業報告及びその附属明細書の内容と計算関係書類の内容又は会計監査人が監査の過程で得た知識との間の重要な相違等について、報告すべき事項の有無及び報告すべき事項があるときはその内容

6 追記情報

7 会計監査報告を作成した日

Ⅱ.上記取扱は、2022年3月31日以後に終了する事業年度に係る計算関係書類についての会計監査報告について適用される(2021年3月31日 以後に終了する事業年度に係る計算関係書類についての会計監査報告への適用も可)。

Ⅲ.金融庁からは、2021年6月25日付けで財務諸表等の監査証明に関する内閣府令及び企業内容等の開示に関する内閣府令の一部を改正する内閣府令等が公表され、監査証明府令等について所要の改正が行われています。

Ⅳ.上記Ⅲ.は、2022年3月31日以後に終了する連結会計年度及び事業年度(以下「連結会計年度等」という。)に係る連結財務諸表、財務諸表及び財務書類(以下「連結財務諸表等」という。)の監査証明について適用することとされています(2021年3月31日以後終了する連結会計年度等に係る連結財務諸表等の監査証明への適用も可)。

以上

横田公認会計士事務所は、非上場の会社法監査、医療法人の会計監査、学校法人の会計監査、労働組合の会計監査など上場会社を除く法定監査・任意監査に特化した監査事務所です。

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会社法 2 

会計監査人の交代!4月は30社超え!後任監査人が決まらない会社も!

カテゴリ: 監査 公開日:2022年05月01日(日)

はじめに

4月単月のIR公表日で、会計監査人の異動が31社に達しました。

その多くが、大手4大監査法人から中小監査事務所への交代となっています。

大手監査法人の人手不足と監査工数の増加による監査報酬の増額に耐えられなくなった上場会社がほとんどだと言うのが実態でしょう。

中には、後任の監査人が不在のケースもあり、中小監査事務所も人手不足により受け皿となるのが限界に近付いているようです。

4月に監査人異動を発表した会社の具体例

●まず、4月1日のIRから

①株式会社和心/東証マザーズ(9271)

IR公表日 :2022/04/01

異動年月日:2022/04/01

退任監査人: 監査法人銀河

就任監査人: 監査法人アリア

 

●次に大手から中小監査事務所への交代例

②株式会社ジェーソン/東証スタンダード(3080)

IR公表日 :2022/04/13

異動年月日:2022/05/26

退任監査人: 有限責任あずさ監査法人

就任監査人: アーク有限責任監査法人

異動理由:~監査工数の増加に伴う監査報酬の増額要請を契機に、当社の事業規模に適した監査対応や監査報酬の妥当性について検討した結果、~

③株式会社ヨンドシーホールディングス/東証プライム(8008)

IR公表日 :2022/04/21

異動年月日:2022/05/26

退任監査人: 有限責任監査法人トーマツ

就任監査人: かなで監査法人

異動理由:~また近年、監査工数の増加に伴い監査報酬が増加傾向にあることから、複数の監査法人を対象として比較検討した結果、~

●更に、準大手から中小監査事務所への交代例

④株式会社エスポア/名証ネクスト(3260)

IR公表日 :2022/04/13

異動年月日:2022/05/27

退任監査人: 仰星監査法人

就任監査人: 海南監査法人

異動理由:~事業規模に適した監査対応と監査費用の相当性の観点も勘案し、他の監査法人と比較検討してまいりました。その結果、

 

●後任監査人が決まらないケース

⑤エコナックホールディングス株式会社/東証プライム(3521)

IR公表日 :2022/04/14

異動年月日:2022/06/29

退任監査人: フロンティア監査法人

新任監査人:(不在)

異動理由:~当社の度重なる監査報酬の減額により、監査工数および他の受嘱先との監査報酬のバランスも取れなくなるため、今会計年度の監査を継続しない旨の通知がありました。

おわりに

4月に会計監査人の異動のIRを公表した会社31社中20社は2月決算の会社となっています。上場会社の中でダントツに多い3月決算の会社は3社にとどまっています。

これはどういうことでしょうか。5月に入ってますます会計監査人の異動が増加すると予想されます。更に、この傾向(監査工数の増加→監査報酬の増加→監査人の交代)は今後、益々増加することが見込まれます。

後任会計監査人が決まらず、上場廃止となる会社が出てくるというまさかの事体が発生するのも現実味を帯びてきました。

以上

横田公認会計士事務所は、非上場の会社法監査、医療法人の会計監査、学校法人の会計監査、労働組合の会計監査など上場会社を除く法定監査・任意監査に特化した監査事務所です。

上場会社を監査している監査法人等と比較し、費用面を抑えて実質的な監査を行うことを基本方針にしています。効率性の高い柔軟な会計監査を行うことが可能です。

監査等のご依頼・ご相談は、問い合わせフォーム(24時間年中無休)にてご連絡ください。以下のアドレスに直接メールされる方は、①お名前・②所属組織・③連絡先・④問い合わせ内容を記載して送信ください。電話でのご依頼の場合も同様の項目をまずはお伝えください。所属組織や連絡先の記載がない問合せはお断りします。

各種法定監査や合意された手続業務・税務顧問のご依頼・ご相談は気軽に問い合わせください。

依頼を伴わないご相談のみの場合は、30分5,000円(税抜)の相談料が発生します。

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監査人の異動

最新の会計監査人の異動(監査契約辞退:公認会計士等が会社を選ぶ時代へ)

カテゴリ: 監査 公開日:2022年04月25日(月)

はじめに

最近は大手監査法人から準大手監査法人や中小監査事務所まで幅広く、監査工数の増加と公認会計士の人員不足による監査報酬の値上げが継続しています。

この値上げに耐えられなくなった被監査会社はより小規模な監査法人へ会計監査人を移動する流れが一般化してきました。

会計監査人の異動を発表(どちらも会計監査人から監査契約辞退の申し出)

1.2021年12月期において、債務超過となっているピート・ホールディングス・リミテッド(東証スタンダード)は、4月7日、史彩監査法人の退任と監査法人アリアの就任を公表しました。

同社は、史彩監査法人から監査工数の大幅な増大および人員不足を理由とした監査業務辞退の申し出を受け、新たな監査人を探す必要性に迫られたようです。

表向きには、「監査品質および監査報酬の観点から見直しを検討した」と発表していますが、史彩監査法人の辞退を受け、より監査報酬の安い監査法人へ変更せざるを得なかったのではないかと推察できます。

2.コンバム(東証スタンダード)は4月6日、監査法人アリアを一時会計監査人として選任することを公表しました。

同社は、前任の東陽監査法人から、「監査工数の増加等を理由とした監査契約を継続しない」旨の申し出を受理。後任の会計監査人の検討を行っていました。今回、建前では「事業規模に適した効率的かつ効果的な監査が受けられる観点等から監査法人アリアを一時会計監査人に選任した。」と公表しています。

こちらも、監査報酬の値上げを拒んだ等の結果、東陽監査法人から監査契約を継続しないと通知され、新規の監査法人探しに奔走した結果ではないでしょうか。

3.ジー・スリー・ホールディングス(東証スタンダード)は、4月12日、監査法人アリアを一時会計監査人に選任することを公表しました。

同社は、「赤坂有限責任監査法人より、第11期事業年度(自2020年9月1日 至2021年8月31日) に係る会社法第396条第1項前段に基づく会計監査業務終了の時をもって会計監査人を辞任により退任する旨の通知を受けておりましたが、本日付けで同会計監査業務が終了したため、赤坂有限責任監査法人は当社の会計監査人を退任いたしました。」と公表しています。

かなり複雑な事情があるようですね。過去5年間の有価証券報告書等の訂正を行っています。

当事者の監査法人の概要

東陽監査法人(準大手監査法人)→上場会社担当会社数81社

史彩監査法人(中小監査事務所)→上場会社担当会社数4社

赤坂有限責任監査法人(中小監査事務所)→上場会社担当会社数10社

監査法人アリア(中小監査事務所)→上場会社担当会社数15社

上記は、2022年4月時点ですが、先にご紹介した3件の会計監査人の異動はすべてアリア監査法人が選任されています。更に、4月1日公表の株式会社和心(東証マザーズ)も監査法人銀河が退任し、監査法人アリアが一時会計監査人に選任されていますので、4月だけで少なくとも監査法人アリアのクライアントは4社増加していることになります。

 そのことが一体何を表しているのか?詳細は、当事者のみ知り得ることですが、「監査工数の増加と公認会計士の人員不足による監査報酬の増加」が原因の一つであることは間違いないと言えるのではないでしょうか。

おわりに

会計監査人の異動について、今回は3社を取り上げましたが、これは一部であり、実は4月だけで上場会社の会計監査人の異動は、先週末時点(4月22日)で22社となっています。

それら異動の理由について最も多いのは、「監査工数の増加と公認会計士の人員不足による監査報酬の増加」が原因です。

今後も、同様の理由により会計監査人の異動が頻発することが予想され、監査報酬の増加により、監査報酬を支払えない企業は監査を受けられないという事態が発生するかもしれません。

法定監査を受けなければならない会社等では、増大する監査報酬を払える金銭面の余裕が必要な時代が来たと言えるのではないでしょうか。また、会計監査人を会社等が選ぶ時代から会計監査人が会社等を選ぶ時代に転換したと言えるのかもしれません。

以上

横田公認会計士事務所は、非上場の会社法監査、医療法人の会計監査、学校法人の会計監査、労働組合の会計監査など上場会社を除く法定監査・任意監査に特化した監査事務所です。

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公認会計士 2

四半期報告書が廃止へ!四半期決算短信に一本化の方向性!

カテゴリ: 監査 公開日:2022年04月22日(金)

はじめに

政府は4月12日「新しい資本主義実現会議」を開催し、鈴木金融担当大臣が提出した資料では、「法令上の四半期報告書を廃止し、取引所の四半期決算短信に『一本化』することが明記されています。

金融商品取引法上の四半期報告書は廃止する方向で検討していることがわかったようです。

四半期報告書の廃止へ

四半期開示について、金融商品取引法上の四半期報告書を廃止し、取引所規則における四半期決算短信に一本化する方向について、鈴木金融担当大臣の提出資料「コロナ後に向けた経済システムの再構築」にて示されています。

四半期報告書については、2月18日に開催された金融庁・金融審議会のディスクロージャーワーキング・グループにおいても、四半期報告書と四半期決算短信は、開示時期が近く、重複する箇所も多いなど、報告書と短信の一本化に賛成する声もありました。一方で、四半期決算短信には監査人のレビューがないことから、金商法上の四半期報告書制度は維持すべきとの意見も出ており、その動向が注視されていました。

おわりに(四半期報告書の廃止の影響)

アナリストからは、四半期決算短信だけでは内容が不十分であり四半期報告書の内容を加えるべきであり、保証(レビュー)についても検討すべきとの意見が。

公認会計士からは、四半期レビューを行わないのであれば、監査報酬の減額につながるとのリアルな意見や、監査人のレビューがない四半期短信だけでは、四半期の処理に誤りがあった場合、年度監査でトラブルのもとになるとの声もあるようです。

このほか、適時開示の内容を法定開示である臨時報告書に組み込むことなども今後検討される見込みです。

四半期報告書を廃止し、四半期決算短信へ一本化する目的は企業の開示内容を後退させずに開示負担を軽減することであり、現実に大多数の個人投資家は決算短信のハイライト情報だけを参考としているのが実情にあります。

ただし、ハイライト情報の元となる財務情報の信頼性や財務分析等を行うアナリスト向けのより詳細な情報の開示の必要性も理解できるところです。一本化するにしても、四半期報告書の開示内容を取込み、監査人のレビューに代替する財務情報の保証についても今後検討されるべきでしょう。

以上

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四半期報告書

公益法人のガバナンスの更なる強化等のために(最終とりまとめ)

カテゴリ: 監査 公開日:2022年04月19日(火)

はじめに

2020年12 月 25 日に公益法人のガバナンスの更なる強化等に関する有識者会議より「公益法人のガバナンスの更なる強化等のために(最終とりまとめ)」が公表され、その中で会計監査人の設置義務付け範囲の拡大に言及されていますが、その概要について説明します。

会計監査人の設置義務付け範囲の拡大についての概要

1.本有識者会議は、新公益法人制度の発足から10 年が経過する中、複数の不祥事が発生するなどの公益法人の活動状況等を踏まえ、公益法人のガバナンスの更なる強化等について必要な検討を行うため開催されたものであり、本報告書は、公益法人のガバナンスに関する基本認識を明らかにするとともに、その改善の方向性を提言するものである。

2.本報告書では、公益法人のガバナンスについての基本認識及び公益法人のガバナンスの更なる強化等に関する論点と取組の方向性として、「役員や社員・評議員のより一層の機能発揮」、「会計監査人の設置義務付けの範囲の拡大」、「透明性の確保の促進」、「法人による自主的な取組の促進・支援」、「残余の財産への行政庁の関与」について言及されています。

3.「会計監査人の設置義務付け範囲の拡大」では①「会計監査人による監査の意義」、②「会計監査人の設置義務付け範囲」、③「補助金等の受給と外部監査」の3点から整理されています。

4.上記3.①では、国民からの寄附等により取得した公益目的事業に使用すべき財産の厳正なチェックの重要性、会計監査人が置かれていない法人における不適切な処理や不正の事例、これらの事例は会計監査人からの指導や監査による牽制効果により防止できた可能性に言及されています。

5.上記3.②では、会計監査人による監査は法人の説明責任の履行を支援し強化する等の効力を有しているものと考えられること、不適切な事例も発生し国民に対する説明責任の重要性も増していること、公益法人が引き続き国民全体の理解・支援に支えられて活動を担うことが重要であり、公益法人への信頼をより高める観点で、会計監査人の設置義務付け範囲の拡大をすべきとされています。

6.一方で、会計監査人の設置には一定の費用を要することも事実であり、設置義務付けの範囲の拡大については、社会福祉法人における動向も注視するとともに、会計士協会など関係者と協議しつつ段階的に対応していく必要や、一定の準備期間の確保の必要について言及されています。

7.上記3.③では、国等から一定規模以上の補助金を受給している場合には、収益や負債の額による義務付け要件に達していなくても会計監査人の設置を義務付けるか否かについて、学校法人における監査制度や地方公共団体からの補助金検査等に言及しつつ、公益法人による補助金の受給動向に注視し、引き続き検討することとすべき旨が示されています。

公益法人の法定監査(現状)

法律上、公益社団法人・公益財団法人については、下記①~③のいずれかの条件を満たす場合には、会計監査人の設置が義務付けられています(公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律第5条第12号、同法施行令第6条)。

①収益の額が1,000億円以上

②費用及び損失の額の合計が1,000億円以上

③負債の額が50億円以上

一般社団法人・一般財団法人については、負債の額が200億円以上の場合には、会計監査人の設置が義務付けられています(一般社団法人及び一般財団法人に関する法律第62条、第171条)。

上記要件について、今後引下げが検討されより多くの公益法人等において会計監査人の設置が義務付けされることでしょう!

以上

横田公認会計士事務所は、非上場の会社法監査、医療法人の会計監査、学校法人の会計監査、労働組合の会計監査など上場会社を除く法定監査・任意監査に特化した監査事務所です。

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 公益法人

医療法人の決算と監査のスケジュール

カテゴリ: 監査 公開日:2022年04月19日(火)

はじめに

医療法人はいつまでに事業報告等を作成し、都道府県知事に届出をしなければならないのでほうか。また、監事又は公認会計士等の監査、理事会の承認や社員総会(又は評議員会)の報告・承認はどのように規定されているでしょうか。

以下検討と結論

1.医療法人は、毎会計年度終了後2月以内に、次の書類(以下「事業報告書等」という。)を作成しなければならない(医療法第51条第1項)、医療法施行規則第33条第1項。

・事業報告書

・財産目録

・貸借対照表

・損益計算書

・関係事業者(理事長の配偶者がその代表者であることその他の当該医療法人又はその役員と厚生労働省令で定める特殊の関係がある者)との取引の状況に関する報告書

・その他厚生労働省令で定める書類

① 社会医療法人については、認定要件に該当する旨を説明する書類

② 社会医療法人債発行法人については、上記①の書類(社会医療法人である場合に限る。)、純資産変動計算書、キャッシュ・フロー計算書及び附属明細表

③ 公認会計士又は監査法人(以下「公認会計士等」という。)の監査の対象となる医療法人については、純資産変動計算書及び附属明細表

2.医療法人のうち、その事業活動の規模その他の事情を勘案して厚生労働省令で定める基準に該当する者は、厚生労働省令で定めるところにより、貸借対照表及び損益計算書を作成し、財産目録、貸借対照表及び損益計算書について、公認会計士等の監査を受けなけばならない(医療法第51条第2項、第5項)。

3.監事又は公認会計士等の監査を受けた事業報告書等については、理事会の承認を受けなければならない(医療法第51条第6項)。

4.理事は、上記3.の承認を受けた事業報告書等を社員総会(又は評議員会)に報告し、承認を得なければならない(医療法第51条の2)。

5.さらに、厚生労働省令で定めるところにより、毎会計年度終了後3月以内に、次に掲げる書類を都道府県知事に届け出なければならない(医療法第52条)。

① 事業報告書等

② 監事の監査報告書

③ (上記2.の医療法人の場合)公認会計士等の監査報告書

以上が医療法人の決算・監査のスケジュールとなります。

ご参考にしてください。

以上

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病院医師と看護師

 

 

社会福祉法人の法定監査における会計監査人の監査報告書の日付

カテゴリ: 監査 公開日:2022年04月19日(火)

はじめに

社会福祉法人の法定監査における会計監査人の監査報告書の日付は、監事の監査報告書の日付よりも前ということでよいでしょうか。

検討事項と結論

1.会計監査人を置く社会福祉法人においては、計算書類及びその附属明細書について、監事及び会計監査人の監査を受けなければならないとされている(社会福祉法第45条の28第2項)。

2.会計監査人は、次に掲げる日のいずれか遅い日までに、特定監事及び特定理事に対し、計算関係書類についての会計監査報告の内容を通知しなければならない(社会福祉法施行規則第2条の32第1項)。

当該計算関係書類のうち計算書類の全部を受領した日から4週間を経過した日

当該計算関係書類のうち計算書類の附属明細書を受領した日から1週間を経過した日

特定理事、特定監事及び会計監査人の間で合意により定めた日があるときは、その日

3.特定監事は、次に掲げる日のいずれか遅い日までに、特定理事及び会計監査人に対し、計算関係書類に係る監査報告の内容を通知しなければならない(社会福祉法施行規則第2条の34第1項)。

会計監査報告を受領した日から1週間を経過した日

特定理事及び特定監事の間で合意により定めた日があるときは、

その日

4.上記3.①を踏まえると、会計監査人の監査報告書の日付は、監事の監査報告書の日付より前の日付となる。

5.日本公認会計士協会のウェブサイトにおいて、「公認会計士監査(会計監査人の監査)の概要(2016年8月12日)【資料1】:公認会計士監査とは」が掲載されており、当該資料には計算書類等に関する監査・承認のスケジュール例(社会福祉法人の場合)が示されているので、参考にしてください。

社会福祉法人・医療法人向け解説資料「公認会計士監査(会計監査人の監査)の概要」の公表について | 日本公認会計士協会 (jicpa.or.jp)

以上

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