会計監査:限定付き適正意見は理由を分かりやすく記載

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はじめに

今週より東京都、京都府、沖縄県にまん延防止等重点措置が適用されました。そして大阪の新型コロナウイルス感染症の感染状況はかなりきわどいところまできているようです。本日(13日)の大阪の新型コロナウイルス感染症の新規感染者は1,000人を超えるそうです。今後3度目の緊急事態宣言も視野に入ってきました。一方で、高齢者へのワクチン接種が開始されトンネルの出口も微かに見えてきました。みなさん、可能な方は、もう少しできるだけステイホームやテレワークを心掛け、感染対策に万全な体制で挑みましょう。

監査報告書も財務諸表利用者にとって分かりやすく記載

監査基準の改定により、限定付適正意見を表明した場合は、不適正意見ではなく限定付適正意見と判断した理由を分かりやすく記載することが求められています。

監査基準の2019年9月の改定によるものです。意見に関する除外や監査範囲の制約により限定付適正意見を表明する場合はそれぞれ、「除外した不適切な事項および財務諸表に与えている影響」、「実施できなかった監査手続及び当該事実が影響する事項」とともに、「除外事項に関し重要性はあるが広範囲性はないと判断し限定付適正意見とした理由」を記載することになります。適用は、2020年3月期決算に係る財務諸表監査からとなっています。

すでに公表された限定付適正意見

2020年公表の監査報告書において、上場5社に「限定付適正意見」が表明されました。このうち3社は個別財務諸表に係る監査で無限定適正意見となっています。

監査人は、財務諸表の表示方法等に不適切なものがあり、その影響が夢幻的適正意見を表明することができない程度に重要であるものの、財務諸表全体として虚偽の表示に当たるとするほどではないと判断した場合等は、除外事項を付した「限定付適正意見」を表明することになります。

2020年公表の監査報告書において、監査人が「限定付適正意見」を表明した上場会社は、以下の5社となっています。なお3社は、連結財務諸表に係る監査では「限定付適正意見」だったが、個別財務諸表に係る監査では『無限定適正意見』でした。

①インパクトホールディングス(東マ、2019年12月期、監査法人アリア)

②昭和ホールディングス(東二、2020年3月期、監査法人アリア)

③サクサホールディングス(東一、2020年3月期、EY新日本有限責任監査法人)

④ユニデンホールディングス(東一、2020年3月期、監査法人アリア)

⑤日本フォームサービス(JQ、2020年9月期、史彩監査法人)

おわりに

限定付適正意見の詳細に興味のある方は、各社の有価証券報告書にてご確認ください。簡単に具体例を挙げると、上記のサクサホールディングスでは、監査人が重要な拠点の連結子会社について、年度末の実地棚卸の立会が実施できず、また代替手続によっても棚卸資産の数量の検証を行えなかったことが記載されています。結果、「連結財務諸表全体に及ぼす影響は限定的であり、連結財務諸表に及ぼす可能性のある影響は重要であるが広範ではない。」と記載されています。

コロナ禍においての監査では、連結子会社等の重要な拠点に対して現場に出向くことが困難となり、上記のような「限定付適正意見」は2021年3月期も増加するのではないでしょうか。

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